認知症疾患医療センター 独立行政法人国立病院機構 舞鶴医療センター認知症疾患医療センター 川島 佳苗 認知症疾患医療センター ・舞鶴医療センターでは、京都府より指定を受け 平成23年10月から認知症疾患医療 センター事業を行っています。 ・事業の目的は、保健・医療・福祉機関と連携を 図りながら、認知症患者の専門医療相談・ 鑑別診断・治療方針の選定に加え、地域保健医 療・福祉関係者に技術援助を行うことにより、 地域の認知症患者の保健医療・福祉サービスの 向上を図ることとしています。 事業内容 ・専門医療相談、鑑別診断・治療方針の選定、 保健・医療・福祉関係機関・介護サービス 機関との研修会の実施などがあります。 ・専門医療相談では、専門のソーシャルワー カーを配置しており、電話や面接等で ご本人・ご家族・保健所・福祉関係者から の認知症に関する様々なご相談に応じて います。 相談内容 ・介護保険サービスの説明と案内 ・その他、認知症の方のケアにまつわる様々 な相談 例えば… ・物の名前がでてこない、物の置き場所を忘れる などの物忘れの症状がみられる方。 ・穏やかな性格であった人が、最近イライラする ことが増えて、大きな声を出すようになった と相談される方も。 受診の流れ① ・かかりつけ医との連携を重視し、基本的に は紹介状をご持参頂く。 ・認知症疾患医療センターのソーシャルワー カーを介して、精神科の初診外来を受診。 ・問診(普段のご本人をよく知っている、 ご家族の方と一緒に受診して頂きたい。) ・認知機能検査として、HDSーR、MMSE、 ADL、NPI-Q、ADASなど PSMS/I- 受診の流れ② ・画像検査として、頭部CTかMRI (VSRAD)、SPECT ・その後、もの忘れ外来で診察し、診断する。 (週1.5回 毎週火、隔週水、完全予約制) ・鑑別診断までに2〜3回の来院を要する。 ・現状では、予約待ちの期間はありませんが、 鑑別診断までは1か月ほど期間を要して います。 鑑別診断 ・鑑別診断とは 認知症でないものの除外 (年相応や治療すれば回復する物忘れを判別) ・認知症の4大疾患、その他の疾患などの判別 4大疾患とは、アルツハイマー型認知症、 血管性認知症、レビー小体型認知症、 前頭側頭型認知症 ・問診や診察、認知機能検査、画像検査(CT、 MRI、SPECTなど)を実施した上で、 適切な治療方針を選定しています。 その他 ・身体合併症及びBPSDの急性期対応 かかりつけ医で対応が困難な、身体合併症 を(糖尿病や肺炎などの体の病気を指す) お持ちで、行動・心理症状(BPSD)の 急性期について、対応しています。 BPSD(行動・心理症状) BPSD行動・心理症状とは、 ・幻覚や妄想、徘徊、不安・焦燥、抑うつ、 暴言・暴力、不穏・興奮、性的逸脱行為、拒絶 など。 ・お薬を減らす事やお薬を増やす事で落ち着く 可能性がある。お薬を使わない方法として、 身体の状態・環境を整えることでストレス軽減に つながることがあります。 認知症の対応科 ・各病院では、神経内科や精神科、老年科 などで対応しています。 ・当院では、神経内科と精神科の両方の 診療科で対応しています。 ・なお、当院の認知症疾患医療センターの 事業は、精神科スタッフが従事しています。 おわりに この業務に従事させて頂き、病院で出来ることは限ら れていると感じています。 ご本人やご家族が、今まで通りご自宅で生活が続けら れるように、地域の関係機関の方々と連携してサポート させて頂きたいと思っています。 ご清聴ありがとうございました。
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