省エネルギー型工業原料生産に適した 多年生工業原料植物の創成

-植物機能改変技術実用化開発-
公開
省エネルギー型工業原料生産に適した
多年生工業原料植物の創成
-王子製紙株式会社-
平成16年10月28日
1
1/20
目的・意義
葉(2.8
葉(2.8 %)
%)
樹幹(65.7
樹幹(65.7 %)
%)
樹皮(15.2
樹皮(15.2 %)
%)
枝 (16.3
枝 (16.3 %)
%)
テルペノイド
ポリプレノイド
環境ストレス耐性
パルプ
木材
難溶性リン酸の可溶化
活性酸素消去
セルロース 等
成長性の改良
工業原料の生産性向上
植林面積の拡大
ユーカリ
(Eucalyptus camaldulensis)
事業植林に利用されているユーカリの遺伝子組換え技術を開発し、難溶性リン酸の利用
効率向上等の環境ストレス耐性能力を付与して、不良環境における成長性の増大を図り、
工業原料植物として利用する(事業原簿 p.10)。
2
1
ユーカリを工業原料植物に
低生産コスト:多年生、農作物と比較して粗放栽培
低生産コスト
高成長性=CO
高成長性=CO2固定能力:
針葉樹
40%
王子製紙
チップ消費量
5 百万 BDT/年
年
(2000年)
年)
ユーカリ
36%
世界各地に植栽、広い環境適応性
年間成長量 20-35 m3 / ha以上
工業化実績:
効率的な生産体制の整備、パルプ生産、精油生産
アカシア等
その他広葉樹
24%
多種属植物:遺伝的多様性(約500種)
多種属植物:
3
ユーカリをベースとする工業原料生産植物の創成
要
素
課
題
ユーカリ
形質転換技術
基
礎
再分化条件
の検討
技
術
課
題
遺伝子発現制御
システム
多重遺伝子
の構築
ユーカリ・リソースの整備
EST解析・ゲノムライブラリー構築
応
用
実用化試験
適応性試験(ベトナム)
クエン酸合成酵素
遺伝子(岐阜大)
器官特異的
プロモーター(集中研)
難溶性リン酸
可溶化遺伝子単離・解析
高効率
形質転換系
活性酸素消去
遺伝子(近畿大)
プロモーター
機能評価
多重遺伝子構築
(集中研)
達成度:100%
形質転換体の作出、解析
難溶性リン酸の可溶化能力と活性酸素消去能力を高めた高成長性ユーカリの創成
4
2
事業植林ユーカリ樹種 自然分布
E. urophylla
E. camaldulensis
高ストレス耐性
ユーカリ交雑種
高成長性
E. grandis
E. dunnii
耐霜性、パルプ適性
E. globulus
パルプ適性
5
ユーカリ形質転換の基本技術
苗条原基
苗条原基法
早生分枝法
苗化
2カ月
分裂組織
回転培養
3カ月
遺伝子導入
3カ月
茎頂
回転培養
2カ月
早生分枝
再生苗条
E. camaldulensis
発根
植林
1カ月
再生植物体
6
3
ユーカリ 形質転換系開発の要点
培養方法
母材料養成
培地組成(植物ホルモン)
個体選抜
ユーカリ
形質転換技術
培養方法(光条件)
苗条原基法
早生分枝法
再分化条件
培地組成(植物ホルモン)
個体選抜
ユーカリ5樹種で早生分枝を母材料として(早生分枝法)、苗条原基形成を経由する形質
転換技術が適用できることが明らかになった(苗条原基法)。さらに、形質転換系を向上
させるために、遺伝子導入効率、再分化効率、再分化期間が短い等の形質転換に有利な個
体選抜を行うことが有効であることを証明した(事業原簿 p.80)。
7
ユーカリ樹種の形質転換技術開発の状況
樹 種
E.camaldulensis
特 性
形質転換状況
熱帯~温帯 耐乾性
◎形質転換効率38 %
E.grandis×urophylla
亜熱帯
~温帯
高成長性
◎ 42 %、6ヶ月
E.grandis
亜熱帯
~温帯
高成長性
○ 低頻度 <6 %
苗条再生→接木
E.dunnii
温帯
耐霜性
E.globulus
温帯
耐寒性
パルプ適性
形質転換苗条の再分化
ユーカリ5
ユーカリ5樹種での形質転換系の開発に成功(事業原簿 p10)
p10)
8
4
ユーカリをベースとする工業原料生産植物の創成
要
素
課
題
ユーカリ
形質転換技術
基
礎
遺伝子発現制御
システム
応
用
実用化試験
適応性試験(ベトナム)
ユーカリ・リソースの整備
EST解析・ゲノムライブラリー構築
再分化条件
の検討
技
術
課
題
多重遺伝子
の構築
クエン酸合成酵素
遺伝子(岐阜大)
器官特異的
プロモーター(集中研)
難溶性リン酸
可溶化遺伝子単離・解析
高効率
形質転換系
活性酸素消去
遺伝子(近畿大)
プロモーター
機能評価
多重遺伝子構築
(集中研)
達成度:80%
形質転換体の作出、解析
難溶性リン酸の可溶化能力と活性酸素消去能力を高めた高成長性ユーカリの創成
9
ユーカリ樹幹(二次壁肥厚帯) EST解析
既知遺伝子
未知遺伝子
68.6%
31.4%
1152 ESTs
25.5%
既知ESTにHit!
細胞壁合成関連遺伝子
細胞伸長関連遺伝子
6.5%
ストレス応答性遺伝子
2.1%
17.0%
調節遺伝子
1.8%
推定ORFに Hit!
57.5%
No hits! ユーカリ特異的?!
樹幹特異的に発現する遺伝子の
絞り込み
10
5
樹幹(二次壁肥厚帯)特異的に発現する遺伝子の解析
2B9
1B5
10H6
9B5
12H7
15B3
11C3
Woundinduced
protein
Sucrose
synthase
PAL
CesA-like
CesA
Xylan
endohydrolase
樹幹 葉
樹幹 葉
樹幹 葉
樹幹 葉
樹幹 葉
樹幹 葉
樹幹 葉
多コピー
1コピー
4コピー
2コピー
1コピー
1コピー
2コピー
Low temperature
and salt
responsive gene
樹幹特異的に発現する7つの遺伝子を単離
11
器官特異的発現プロモーターの開発状況
器官
由来
Wound-induced
protein
ユーカリ △
Xyl (王子)
Xylan
endohydrase
ユーカリ(形質転換体作出中)
CesA (王子)
Cellulose
synthase
ユーカリ(形質転換体作出中)
ADH (新名研)
Alcohol
dehydrogenase
ユーカリ ?、タバコ ◎
→ユーカリ
PHT1 (王子)
Phosphate
transporter
トマト
RbcS (近大)
Rubisco
Small subunit
タバコ
葉
植物での発現状況
WIP (王子)
樹幹 ユーカリ
根
遺伝子
ナズナ
ユーカリ ? 、ナズナ◎、イネ ◎
ユーカリからホモログ単離→形質転換体
作出中
ユーカリ △
ユーカリ由来の樹幹特異的・根特異的プロモーターの機能評価を継続 (事業原簿 p10)
p10)
12
6
ユーカリをベースとする工業原料生産植物の創成
要
素
課
題
ユーカリ
形質転換技術
再分化条件
の検討
技
術
課
題
基
礎
遺伝子発現制御
システム
多重遺伝子
の構築
ユーカリ・リソースの整備
EST解析・ゲノムライブラリー構築
応
用
実用化試験
適応性試験(ベトナム)
クエン酸合成酵素
遺伝子(岐阜大)
器官特異的
プロモーター(集中研)
難溶性リン酸
可溶化遺伝子単離・解析
高効率
形質転換系
活性酸素消去
遺伝子(近畿大)
プロモーター
機能評価
多重遺伝子構築
(集中研)
達成度:90%
形質転換体の作出、解析
難溶性リン酸の可溶化能力と活性酸素消去能力を高めた高成長性ユーカリの創成
13
多重遺伝子の導入効果
① 難溶性リン酸の可溶化能力の
付与(酸性土壌耐性)
② 活性酸素消去能力の強化
14
7
酸性土壌による影響
酸性土壌
石
灰
施
肥
耕作可能面積の約 30%
根の生育阻害
リン酸吸収能力の低下
無
施
肥
生産性の低下
P: Al = 1: 0
100
1: 0.5
80
1: 2
40
1: 4
16
15
酸性土壌における主要な生育阻害要因
リン酸欠乏
Al P
P Al
×
organic
acid
Alイオン
Alイオン
H+
Al3+
Al3+
H+
低pH
有機酸放出 による
難溶性リン酸の可給態化
organic
acid
P Al
Al P
e.g. Gardner et al. 1981 Lipton et al. 1987; Larsen et al. 1998; Ryan et al. 2001; Ma et al. 2001
16
8
有機酸の蓄積、放出量を高めるには?
有機酸の蓄積、放出量を高めるには? (岐阜大)
Glycolysis
PEP
Cytosol
Pyruvate
PEPCase
Plasma
Membrane
Pyruvate
CoA
Acetyl-CoA
OAA
OAA
CS×2 Citrate
Malate
Aco
isocitrate
Fum
Plasma
Membrane
Citrate
Aco
TCA cycle
Malate
×5 ~10
isocitrate
NADP-ICDH
NAD-ICDH
Fumarate
×1/
/2
2-Oxoglutarate
2-Oxoglutarate
Succinate
Mitochondrion
クエン酸合成酵素の過剰発現、イソクエン酸脱炭酸酵素の発現抑制により、クエン酸の
細胞内蓄積、放出が起こる(事業原簿 p.81)。 Koyama et al. 1999, 2000
17
CS過剰発現ユーカリの
CS過剰発現ユーカリのCS
過剰発現ユーカリのCS活性、有機酸の蓄積量および放出
CS活性、有機酸の蓄積量および放出
Nos 35S-HPT
DcmtCS
Malate
2.0
Citrate
3.0
2.0
1.0
0
Malate
1.0
7
9
7
CS
4
CS
3
U
T5
0
G
C
S4
C
S3
C
S1
C
S1
7
0
7
0
9
1.0
8
0.05
U
T5
Organic acid excretion
-1
-1
(nmol g FW day )
0
3.0
8
0.10
4.0
1.0
CS
1
Organic acid content
-1
(µmol g FW)
CS activity in roots
0.15
G
-1
(unit mg protein)
Citrate
2.0
pDcCS-Hm
C
S1
Nos-NPT II 35S
GUT5
CS19
※栽培は難溶性リン酸 存在下の水耕栽培 (0.2 mM NaH2PO4 + 0.4 mM AlCl3)
・CS活性は最大2.4倍に増加
・クエン酸含量に変化なし、リンゴ酸含量が2.2倍に増加
・クエン酸放出が増加
18
9
酸性土壌におけるCS過剰発現ユーカリの生育(4ヶ月)
Fresh weight (g/plant)
Shoot
Root
GUT5
114 ± 22
127
CS19
127 ± 59 (111)
158 (124)
地上部は平均 ± 標準偏差 (n = 3)、根部は3個体の平均値
括弧内の数字はGUT5を100としたときの平均値
・CS19:
CS19:酸性土壌における生育改善
酸性土壌における生育改善
・根量増加
酸性土壌(宮城県川渡産)pH 4.6 交換性Al 21.9 me/100 g乾土 可給態P 15 mg/100 g乾土 施肥リンの83%不溶化
有機酸代謝の制御により、
難溶性リン酸の可溶化効果を確認
(事業原簿 p.10)
19
多重遺伝子の導入効果
① 難溶性リン酸の可溶化能力の
向上(酸性土壌耐性)
② 活性酸素消去能力の強化
20
10
ユーカリにおける活性酸素消去能力の強化(近畿大学)
包膜
葉
葉緑
緑体
体
MDAR
ス トロ マ
MDA
As A
DHA
As A r e du ct as e
H 2O2
GSH
GSSG
GR
NADP NADPH
PSⅡ
AsA
sAPX
MDA
SOD
O-2
SOD
H2O2
MDA
AsA
Cat
H2O
tAPX
O-2
PSⅠ
チラコ イ ド 膜
SOD APX
PSII → PSI → (MV)→ O2 → O2- → H2O2 → H2O
Cat
Nos-NPT II
LerbcS
TP
katE
Nos
35S-HPT
pkatEpkatE-Hm
21
野生型ユーカリおよびカタラーゼ過剰発現ユーカリ
の光・酸素毒耐性(メチルビロロゲンMV耐性)
MV処理 →
葉緑体に活性酸素発生
Catalase Activity U (mg protein)-1
Wild-typ
1.83 ±0.55 (100 %)
カタラーゼ遺伝子の導入により
活性酸素消去能力の向上を確認
KatE 2
2.22 ±0.55 (122 %)
(事業原簿 p.10)
22
11
ユーカリへの導入遺伝子構築 Nos-NPT I
35S
DcmtCS
Nos
35S-HPT
pDcCSpDcCS-Hm
Nos-NPTII LerbcS
TP
katE
Nos
35S-HPT
pkatEpkatE-Hm
DcmtCS
BR
Nos
35S
ICDH
Nos-HPT 35S
CmR
ICDH Nos
LerbcS
TP
kat E
Nos
sacB
BL
pTACpTAC-CSCS-ICDHICDH-katE
Kmr
多重遺伝子連結技術による遺伝子構築(集中研究室)
23
ユーカリをベースとする工業原料生産植物の創成
要
素
課
題
ユーカリ
形質転換技術
再分化条件
の検討
技
術
課
題
基
礎
遺伝子発現制御
システム
多重遺伝子
の構築
ユーカリ・リソースの整備
EST解析・ゲノムライブラリー構築
応
用
実用化試験
適応性試験(ベトナム)
クエン酸合成酵素
遺伝子(岐阜大)
器官特異的
プロモーター(集中研)
難溶性リン酸
可溶化遺伝子単離・解析
高効率
形質転換系
活性酸素消去
遺伝子(近畿大)
プロモーター
機能評価
多重遺伝子構築
(集中研)
達成度:100%
形質転換体の作出、解析
難溶性リン酸の可溶化能力と活性酸素消去能力を高めた高成長性ユーカリの創成
24
12
安全性確保を施した酸性土壌耐性ユーカリ
リン酸を吸収できる!
+花が咲いても非組換え!
野生型
接ぎ木
Ci Ci P
P
P
Al : P
Ci
P Ci
P
Ci P
Al
Ci
遺伝子組換え
P
Ci P Ci
Al : P
(酸性土壌耐性)
Ci P P
Al : P
Al : P
Al : P Al : P
Al
Al : P
Al
Al : P
Al
Al : P
Al : P
Ci
Ci
難溶性リン酸可溶化ユーカリは、地下部に組換え体を利用する接ぎ木により遺伝子拡散が防止で
きることから、比較的速やかに実用化できる可能性がある(事業原簿p.152)。
25
形質転換植物母材料のベトナム適応性試験地
Dalat Experimental Station of the Saigon Biotechnology Products Co.
26
13
実用化・事業化の見通しについて
■ 事業植林に利用可能なユーカリ樹種で高効率な形質転換系が完成したことから、形
質転換ユーカリの実用化の可能性が高まった。
■ 有機酸生合成の代謝制御によって難溶性リン酸の利用効率が向上したことは、すべ
ての植物の酸性土壌における生産性向上に利用できる技術である。
■ 形質転換植物の実用化で問題となる組換え遺伝子の拡散を接ぎ木法で防止すること
によって、難溶性リン酸の利用効率を向上させた形質転換ユーカリの利用を検討する。
■ 形質転換ユーカリ接ぎ木個体の安全性評価試験を実施して、屋外試験による生産性
向上を検証した後、海外での評価試験で事業化を検討する。
27
14
-植物機能改変技術実用化開発-
公開
タンパク質組織特異的高生産植物の研究開発
-三井化学株式会社-
平成16年10月28日
Mitsui Chemicals, Inc., 1
1.目的
1.目的
目的
目的・意義:事業原簿 67頁
省エネルギー・低環境負荷型の物質生産形態である分子農業(植物工場)
目的 に基づき、これまで有効利用されずに廃棄される植物組織に工業用酵素
(フィターゼ)を安定的に蓄積する技術を確立する。
フィターゼ)を安定的に蓄積する技術を確立する。
フィチン酸分解酵素:フィターゼ
フィターゼ
単胃家畜用
単胃家畜用飼料添加剤として利用
飼料添加剤として利用
フィターゼ:
フィターゼ フィチン酸 を加水分解し、リン酸を遊離させる酵素
OPO3H2
OPO3H2
OPO3H2
H
H
OPO3H2
H
H
H
H2PO3O
H
OPO3H2
フィチン酸 OH
OH
H
OH
H
H
OH
H
6 H3PO4
H
OH
H
OH
イノシトール
6 リン酸
Mitsui Chemicals, Inc., 2
1
2.序論
2.序論
フィターゼ高生産植物を家畜用飼料に添加する場合の効果と数値目標
太陽エネルギー有効利用
による物質生産
リン鉱石
リン資源の節減
フィターゼ高生産植物
フィターゼ高生産植物
(作物収穫後に廃棄される部分)
環境富栄養化の抑制
*フィターゼ
1U :
37
37℃、
37℃、pH5.5
℃、pH5.5において
pH5.5において1
において1分間に
フィチン酸から1
フィチン酸から1μmolのリン酸を生成する力
molのリン酸を生成する力
リン排出
リン排出
減少
減少
P
フィターゼ添加の効果が期待される活性値は
フィターゼ
500 U* / 飼料(多量のフィチン酸含有) 1kg
phytinphytin-P
フィターゼ
現行飼料900gあたり100gの添加を
想定して目標値を次のように設定
P
フィチン酸の分解による
リンやミネラルの吸収促進
5 U / フィターゼ生産植物
フィターゼ生産植物 g
Mitsui Chemicals, Inc., 3
2.序論
2.序論
研究開発のアプローチ
・ 遺伝子の選定
フィターゼ遺伝子
フィターゼ遺伝子
酵母由来フィターゼ(三井化学 特開平8-289782)
植物由来酸性フォスファターゼ(三井化学 特開平13-029085), フィターゼ
(北大・院・農)
<植物材料
植物材料>
植物材料
組織特異的高発現技術
組織特異的高発現技術
①シロイヌナズナ
安定蓄積技術
安定蓄積技術
②イネ
③サツマイモ
サツマイモ形質転換系
サツマイモ形質転換系
実証試験
実証試験
飼料添加剤
フィターゼ高生産植物の開発(目標:5U/g-FW)
フィターゼ高生産植物の開発(目標:
・ 組織特異的プロモーターの利用
(Cabプロモーター: 三井化学 特2086045)
(奈良先大)
・ 高発現ツールの利用
・ 蓄積部位の選定
・ 形質転換体の作成
ベニアズマ
高系14号 (石川県農短大)
・ 飼料添加による効果確認
・ サイレージ化試験の実施
(山形大・農)
Mitsui Chemicals, Inc., 4
2
3-1.成果
1.成果
成果:事業原簿 69頁~72頁
遺伝子の種類、初期のベクター導入後の活性変化
(下図)とLASAP2
(下図)とLASAP2の組織特異的な発現(右図)
LASAP2の組織特異的な発現(右図)
(特許は当社出願)
・ルーピン(マメ科)由来酸性フォスファターゼ
(LASAP2)
・酵母(Schwanniomyces occidentalis)由来
フィターゼ
Phytase activity (mU/mg of protein)
フィチン酸分解活性を有する2つの酵素に着目
600
<フィターゼ活性
フィターゼ活性>
フィターゼ活性
500
300
200
100
0
プロモーター
P-ubi (maize, ubiqutin)
P-Cab (rice)
Leaves
M 1 Leaves
2
3
緑葉
cDNA
LASAP2 (1.5kb)
酵母フィターゼ
酵母フィターゼ (1.4kb)
(1.4kb)
非形質転換イネ
P-Ubi -LASAP2
P-Cab-LASAP2
Cab
400
T-nos
Roots
Seeds
1 Roots
2
3
根
1
2
3
Seeds
玄米
kDa
120
100
80
イネへ導入
60
・LASAP2導入時、活性上昇確認
40
ただし、<0.5U/g-FW(生重量)で目標の1/10未満
Cabプロモーターの利用により、緑葉部特異的
に目的タンパク質を生産させることが可能
・酵母フィターゼは上記ベクターでは活性上昇なし
<ウェスタン解析
ウェスタン解析>
ウェスタン解析
Mitsui Chemicals, Inc., 5
3-2.成果
2.成果
目標値(5
目標値(5 U/g
U/g-FW)
FW)を達成するためには?
酸性フォスファターゼ (LASAP2)
基質特異性が低い
温度安定性 : ≦50℃
50℃
組換えイネで活性を検出
(ただし、目標の1/10
1/10未満)
未満)
(ただし、目標の1/10
LASAP2の細胞内蓄積部位の選定
LASAP2の細胞内蓄積部位の選定
・各種移行シグナル配列の付加
酵母フィターゼ
基質特異性が高い
温度安定性 : ≦70℃
70℃
活性を確認できず
酵母フィターゼの発現条件の検討
・コドンの改変
・細胞間隙への移行シグナルの付加
フィターゼ高生産植物の作出
Mitsui Chemicals, Inc., 6
3
3-2.成果
2.成果
P-ubi
P-35S
P-cab
P-cab +5’UTR
+5 UTR
酵母phy
酵母phy(f,s)
phy(f,s)
改変phy
改変phy(f,s)
phy(f,s)
T-nos
Cht3Cht3-SS
(イネキチナーゼ3
イネキチナーゼ3由来細胞外分泌シグナル)
120
酵母 フィターセのコドン使用頻度 (%)
酵母フィターゼ高発現用コンストラクト
酵母フィターゼ高発現用コンストラクトの構築
高発現用コンストラクトの構築
ATG-Met
TGG-Trp
100
80
60
TTA
40
酵母phy
酵母phy
20
コドン改変前
0
0
Cht3Cht3-SSと酵母フィターゼの連結方法
SSと酵母フィターゼの連結方法
40
60
80
100
120
Cht3Cht3-酵母(改変)phy
酵母(改変)phy (short)
MRALALAVVAMAVVAVRG + M +
QSVYQDLA……
QSVYQDLA……
15アミノ酸除去
15アミノ酸除去
コドン改変の主な目的
①遺伝子発現効率(特に翻訳効率)の上昇
②poly(A)付加シグナルとして誤認識される配列の除去
poly(A)付加シグナルとして誤認識される配列の除去
120
酵母 フィターセのコドン使用頻度 (%)
Cht3Cht3-酵母(改変)phy
酵母(改変)phy (full)
MRALALAVVAMAVVAVRG + M + VSISKLINNGLLLAGQSVYQDLA
VSISKLINNGLLLAGQSVYQDLA……
DLA……
局在性予測プログラムPSORT
局在性予測プログラム
PSORT
を用いた予測データを考慮
20
イネ の全CDSによるコドン使用頻度 (%)
ATG-Met
TGG-Trp
100
80
60
40
改変phy
改変phy
20
TTA
コドン改変後
0
0
20
40
60
80
100
120
イネ の全CDSによるコドン使用頻度 (%)
Mitsui Chemicals, Inc., 7
3-2.成果
2.成果
フィターゼ高発現シロイヌナズナのスクリーニング
フィターゼ高発現シロイヌナズナのスクリーニング
シグナル配列*1
cht酵母ff
cht-酵母
酵母ff
酵母
chtcht-酵母s
酵母s
酵母ss
酵母
chtcht-改変f
改変f
改変f
改変f
chtcht-改変s
改変s
改変s
改変s
LASAP2
rbcrbc-LASAP2m
LASAP2m
α -LASAP2m
chtcht-LASAP2m
LASAP2m
LASAP2m
LASAP3
Anphy
0 .7
0 .6
35S
35S-cht改変
cht改変f
改変f
活 性 (U / g F W )
0 .5
35S
35S-cht改変
cht改変s
改変s
0 .4
0 .3
0 .2
0 .1
0
WT
pBIpBI-H1
35S
35S系
0 .7
0 .6
CabUTRCabUTR-cht改変
cht改変f
改変f
CabCab-cht改変
cht改変f
改変f
活 性 (U / gF W)
0 .5
0 .4
CabUTR
-cht改変
cht改変s
改変s
0 .3
遺伝子(cDNA) *2
0 .2
1*
cht:
cht: イネ、キチナーゼ由来
rbc: イネ rbcS由来
α:オオムギ, α-アミラーゼ由来
2*
0 .1
0
Cab系
Cab系
CabCab-UTR系
UTR系
赤線 : WT (非形質転換イネ
非形質転換イネ)) & pBI部分のみ導入イネ)) の平均(0.093
(非形質転換イネ
pBI-H1 (vector部分のみ導入イネ
(vector部分のみ導入イネ
の平均(0.093 U/gFW
U/gFW)
gFW)
イネキチナーゼの細胞外分泌シグナルとコドン改変型酵母フィターゼの組合せが高発現化に有効
酵母: 酵母フィターゼ(オリジナル)
改変:
改変: コドン改変酵母フィターゼ
f: 全長ORF, s: N末15aa除去
m: N末34aa残基除去
Anphy: A.niger由来フィターゼ
Mitsui Chemicals, Inc., 8
4
3-3.成果
3.成果
酵母フィターゼ導入イネのフィターゼ活性(LASAP2
酵母フィターゼ導入イネのフィターゼ活性(LASAP2導入イネとの比較)
LASAP2導入イネとの比較)
12.0
(U/gg-FW
FW))
phytase activity (U/
LASAP2導入イネ
LASAP2導入イネ
酵母フィターゼ導入イネ
10.0
10.6 U/g
U/g-FW
8.0
6.0
目標値:5
目標値:5 U/g
U/g-FW
4.0
0.461 U/g
U/g-FW
2.0
0.0
非形質
Ubi
転換
LASAP2
イネ
改変前
Cab
LASAP2
改変後
改変前
full
改変後
short
非形質
転換
イネ
酵母phy
phy(f,s)
phy(f,s) T-nos
P-Cab (rice) cht3cht3-SS 酵母
改変phy
改変phy(f,s)
phy(f,s)
<P-Cab :: cht3cht3-SS :: 改変Phy
改変Phy>
Phy>のイネへの導入により、目標値を上回るフィターゼ活性を達成
Mitsui Chemicals, Inc., 9
3-3.成果
3.成果
イネで発現させた酵母フィターゼの生化学的特徴
至適温度
脱糖鎖解析
非形質転換イネ
相対活性(%)
N-Glycosidase F *1- + - - + - -
TFMS*2 - - + + - - -
kDa 100
80
70
60
50
40
<ウェスタン解析>
120
100
標品
80
60
40
イネ発現型
20
0
20
52kDa*3
40
至適pH
至適pH
60
温度(℃)
80
100
120
(抗体:酵母フィターゼ)
1*:N-結合型糖鎖を酵素的に切断
2*:N-結合型、O-結合型の糖鎖を化学的に切断
3*:酵母フィターゼのAA配列から推定されるサイズ
イネ発現型酵母フィターゼは酵母標品よりも
糖鎖修飾レベルが低い
相対活性(%)
<脱糖鎖処理>
酵母標品 イネ発現型
100
80
60
40
20
0
2.0
3.0
4.0
5.0
6.0
7.0
8.0
pH
イネ発現型酵母フィターゼの至適温度、至
適pH
適pHは標品と同じ(70
は標品と同じ(70℃、
(70℃、pH4.5
℃、pH4.5)
pH4.5)
Mitsui Chemicals, Inc., 10
5
3-3.成果
3.成果
長期保存安定性
イネで発現させた酵母フィターゼの安定性評価
◆イネ粗抽出液中のフィターゼ活性
イネ粗抽出液中のフィターゼ活性
120
相対活性(%)
100
短期温度安定性
◆各温度にて
各温度にて15
15min
min処理→
各温度にて15
min処理→ 37℃にて活性測定
37℃にて活性測定
標品
120
イネ発現型
60
65
70
75
相対量(%)
相対活性(%)
4℃
0
1
37℃
50℃
2
3
4
静置時間(週間)
120
80
0
20
M0 1 2 4 0 1 2 4 0 1 2 4 M
5
◆イネ粗抽出液中の可溶性タンパク質の安定性
イネ粗抽出液中の可溶性タンパク質の安定性
100
80
60
40
20
20
40
0
80
40
60
20
100
60
80
40
60
80
4℃ 静置
25℃
℃ 静置
25
37℃
37℃ 静置
50℃
50℃ 静置
100
80
60
40
20
100
0
温度 (℃)
0
イネ発現型酵母フィターゼは標品に比べると
70℃付近でわずかに安定性が高い
70
℃付近でわずかに安定性が高い
1
2
3
4
静置時間(週間)
5
イネ粗抽出液中においても非常に安定
Mitsui Chemicals, Inc., 11
3-3.成果
3.成果
形質転換イネ緑葉を飼料に10
形質転換イネ緑葉を飼料に10%混合した時の飼料中フィチンの分解効果
10%混合した時の飼料中フィチンの分解効果
全フィチンPの41%遊離
2.0
実験手順
形質転換イネ 512
512U
U*相当/
相当/kg飼料
kg飼料
1.8
緑葉0.02g
緑葉
非形質転換イネ
飼料0.18g
飼料
組成 重量比 (フィチンP/全P)
トウモロコシ種子75% (66%)
大豆粕
24% (47%) 米糠
1% (74%)
反応液1ml(pH5.5)
反応液
標品添加
1.6
遊離リン量(μmol)
形質転換イネ
標品1000
1000U
U*/kg飼料
標品1000
/kg飼料
1.4
1.2
1.0
0.8
標品500
500U
標品
500
U*/kg飼料
/kg飼料
0.6
0.4
標品0U*/kg飼料
0.2
0.0
インキュベーション(37℃)
インキュベーション
遊離リン酸定量
0
30
60
90 120 150
時間(min)
180
210
240
*フィチン酸ナトリウムを基質とした場合のフィターゼ活性
イネ発現型酵母フィターゼは、飼料に含まれるフィチンを分解する能力あり
Mitsui Chemicals, Inc., 12
6
3-3.成果
3.成果
形質転換イネのサイレージ化に伴うフィターゼの安定性
サイレージ化;青刈りした作物を発酵させ飼料化
サイレージ化
・ 生成した乳酸などにより腐敗菌やタンパク質分解菌の活動が抑えられ、飼料の長期貯蔵が可能
飼料の長期貯蔵が可能
・ 発酵で生じた有機酸が、家畜の重要な栄養源になり、またその香りから食欲を増進
出穂前のイネの茎葉部
2mm以下に切断
埋蔵(遮光した試験管に密封)
20℃、貯蔵
開封し、フィターゼ活性測定
140
フィターゼ相対活性
(処理前の活性=100)
サイレージ化の実験手順
120
100
80
60
40
20
0
0
2
4
6
8
埋蔵期間(週間)
10
12
イネ発現型酵母フィターゼはサイレージ処理においても非常に安定
Mitsui Chemicals, Inc., 13
3-4.まとめ
4.まとめ
成果のまとめ
◆イネ由来Cab
◆イネ由来Cabプロモーターの使用により、茎葉部特異的な発現に成功した
Cabプロモーターの使用により、茎葉部特異的な発現に成功した
◆細胞外分泌シグナル配列とコドン改変型酵母フィターゼの組合せがフィターゼの高発現化に 有効であることを確認した
◆イネにおいてフィターゼの高生産化に成功(最高10.6
10.6U/
U/gg-FW
FW、
対照比273
273倍)
倍)<数値目標達成>
◆イネにおいてフィターゼの高生産化に成功(最高
10.6U/
、対照比
273
世界トップレベル
イネで生産させたフィターゼは
・酵母標品に比べて糖鎖修飾レベルは低いが至適温度、至適pHは同じ
・70℃付近の短時間の熱処理において標品以上の安定性有り
・フィターゼ発現イネを飼料に10%混合時、飼料中のフィチン酸分解において
in vitro活性値以上の効果有り
高い実用性
・緑葉抽出液中、及びサイレージの過程でも極めて安定
◆茎葉切片を材料としたサツマイモの高効率の形質転換系を確立した
達成度100
達成度100%
100%
Mitsui Chemicals, Inc., 14
7
4.見通し
4.見通し
事業化・実用化の見通し
事業化の見通し:事業原簿 73頁
植物によるフィターゼ生産法の長所
①工場建設費などの初期投資が不要(コスト削減に寄与)
②化石資源由来のエネルギーに依存しない物質生産(省エネ・環境負荷低減に寄与)
③食用にされない不用部位での生産であれば、食用部とフィターゼ生産部位を分けて収穫可能 (製造工程簡略化・コスト削減に寄与)
④フィターゼ生産植物をそのまま、又はサイレージ化して長期保存後、飼料へ添加可能であり、 微生物法での生産、抽出、精製などの複雑な工程が不要(製造工程簡略化・コスト削減に寄与)
植物によるフィターゼ生産法の実用化の可能性はあり
Mitsui Chemicals, Inc., 15
5.課題・展開
5.課題・展開
今後の課題・展開
Ⅰ. フィターゼ生産植物の単胃家畜への給餌試験
によるフィターゼの効果確認
Ⅱ. サツマイモを含む適用可能植物の拡大・普遍化
(フィターゼ遺伝子、宿主植物、ツールの最適化)
Ⅲ. 組換え植物としての安全性評価
(周囲の環境への影響)
Ⅳ. 組換え飼料としての安全性評価
Mitsui Chemicals, Inc., 16
8
-植物機能改変技術実用化開発-
公開
病害抵抗性植物の分子育種
ー(株)豊田中央研究所ー
平成16年10月28日
1
病害抵抗性植物の分子育種
目的・意義
目的・意義
2
事業原簿38
事業原簿38ページ
38ページ
【目的】 デンプン資源植物であるサツマイモの病害抵抗性・耐腐敗性強化
デンプン資源植物であるサツマイモの病害抵抗性・耐腐敗性強化
【意義】 1.サツマイモの低コスト・安定供給・保存中の腐敗防止
1.サツマイモの低コスト・安定供給・保存中の腐敗防止が可能な 低コスト・安定供給・保存中の腐敗防止が可能な 新品種の開発
2.サツマイモを原料としたプラスチックの製造・販売事業
2.サツマイモを原料としたプラスチックの製造・販売事業を支える プラスチックの製造・販売事業を支える 技術・製品の開発
研究目標
研究目標
事業原簿39
事業原簿39ページ
39ページ
1.天然の抗菌ペプチドの構造改変による
1.天然の抗菌ペプチドの構造改変による高機能化抗菌ペプチドの創製
の抗菌ペプチドの構造改変による高機能化抗菌ペプチドの創製
2.高機能化抗菌ペプチド遺伝子のサツマイモへの導入による病害抵抗性・ 2.高機能化抗菌ペプチド遺伝子のサツマイモへの導入による病害抵抗性・ 耐腐敗性サツマイモ新品種の作出
1
研究計画の概要
3
中間評価以前
抗菌ペプチド遺伝子
中間評価以降
①抗菌ペプチド生産技術の開発
②天然の抗菌ペプチドの性能評価
と機能改良課題の明確化
④抗菌ペプチド遺伝子のモデル植物 への導入と病害抵抗性の評価
③抗菌ペプチドの構造改変による
高機能化
中間目標
機能強化した抗菌ペプチド遺伝子の創製
⑤サツマイモへの遺伝子導入技術
の開発
⑥高機能化抗菌ペプチド遺伝子
のモデル植物での有効性評価
⑦サツマイモの病害抵抗性評価法
の確立
⑧高機能化抗菌ペプチド遺伝子導入サツマイモ
の発現解析および病害抵抗性評価
最終目標
病害抵抗性
サツマイモ
新品種の作出
事業原簿40
事業原簿40ページ
40ページ
抗菌ペプチドの特徴
抗菌ペプチドの作用特性
抗菌ペプチドの作用特性
①抗菌スペクトルが広い
②選択毒性が高い
③耐性菌を生じにくい
抗菌ペプチドの作用機構
抗菌ペプチドの作用機構
4
チオニン(植物由来)
チオニン(植物由来)
アミノ酸配列(45アミノ酸残基):
KSCCRSTLGR NCYNLCRVRG AQKLCAGVCR
CKLTSSGKCP TGFPK 赤字:塩基性のアミノ酸残基
緑字:システイン
抗菌ペプチド
細胞膜
K
+ K
+
細胞内イオンの流出
→菌の死滅
:疎水性のアミノ酸残基
超分子複合体ポア
Garcia-Olmedo F., Oxford Surv. Plant Mol. Cell Biol. 6
(1989)
2
抗菌ペプチドCAP(Cationic Antimicrobial Peptide)
rCAP(
ウサギ由来)
rCAP((ウサギ由来)
rCAP(
rCAP
hCAP(
ヒト由来)
hCAP((ヒト由来)
hCAP(
hCAP
アミノ酸配列:
QVLSYKEAVLRAIDGINQRSSDANLYRLLDLDPRPTMD
GDPDTPKPVSFTVKETVCPRTTQQSPEDCDFKKDGLVK
RCMGTVTLNQARGSFDISCDKDNKRFALLGDFFRKSKE
KIGKEFKRIVQRIKDFLRNLVPRTES
アミノ酸配列:
QDLTYREAVLRAVDAFNQQSSEANLYRLLSMDPQQLED
AKPYTPQPVSFTVKETECPRTTWKLPEQCDFKEDGLVK
RCVGTVTRYQAWDSFDIRCNRAQESPEPTGLRKRLRKF
RNKIKEKLKKIGQKIQGLLPKLAPRTDY
赤字:塩基性のアミノ酸残基
赤字:塩基性のアミノ酸残基
抗菌ペプチド領域
(G106-A137の32アミノ酸残基)
抗菌ペプチド領域
(L104-V135の32アミノ酸残基)
:疎水性のアミノ酸残基
:疎水性のアミノ酸残基
Hirata M., Prog. Clin. Biol. Res. 392(1995)
392
Larrick W. J., Prog. Clin. Biol. Res. 388 (1994)
6
抗菌ペプチドの性能評価
抗菌ペプチド
評価項目
黒斑病菌に対す
黒斑病菌に対す
る最少殺菌濃度
(μg/ml)
/ml)
Fusarium に対す
る最少殺菌濃度
抗菌活性
(μg/ml)
/ml)
大腸菌に対する
大腸菌に対する
最少殺菌濃度
(μg/ml)
/ml)
動物細胞に対す
動物細胞に対す
る50%死滅濃度
50%死滅濃度
細胞毒性
(μg/ml)
/ml)
サツマイモ細胞間液
中での5時間後の
植物内安定性 中での5
残存率(%)
:目標値以上
5
目標値
チオニン
hCAP32
hCAP32
rCAP32
rCAP32
10以下
10
以下
3~10
30~
30~100
10~
10
~30
10以下
10
以下
3~10
100~
100
~300
N.D.
10以下
10
以下
300以上
300以上
3~10
1~ 3
100以上
100
以上
10~
10
~60
100以上
100
以上
100
70以上
70以上
77
3
1
機能改良課題
事業原簿128
事業原簿128ページ
128ページ
3
抗菌ペプチドrCAP32
抗菌ペプチドrCAP32の高機能化
rCAP32の高機能化
*
②KD配列 の付加
KD配列 の付加
100
300
黒斑病菌
100
80
大腸菌
残存率(%)
最少殺菌濃度(μg/ml)
①C末端アミノ酸の欠失
30
10
3
1
7
60
24 27
32
rCAP24KD
40
20
17 20
チオニン
rCAP24
0
0
5
10 15 20 25
サツマイモ細胞間液との反応時間(h)
rCAPのアミノ酸残基数
KD配列* : リジン‐アスパラギン酸配列
本プロジェクトで新発見のペプチド安定化配列
事業原簿128
事業原簿128ページ
128ページ
8
高機能化抗菌ペプチドrCAP24KD
高機能化抗菌ペプチドrCAP24KDの性能
rCAP24KDの性能
評価項目
抗菌ペプチド
黒斑病菌に対す
黒斑病菌に対す
る最少殺菌濃度
(μg/ml)
/ml)
Fusarium に対す
抗菌活性 る最少殺菌濃度
(μg/ml)
/ml)
大腸菌に対する
大腸菌
に対する
最少殺菌濃度
(μg/ml)
/ml)
動物細胞に対す
動物細胞
に対す
50%死滅濃度
細胞毒性 る50%死滅濃度
(μg/ml)
/ml)
サツマイモ細胞間液
中での5時間後の
植物内安定性 中での5
残存率(%)
目標値
チオニン
hCAP32
hCAP32
rCAP32
rCAP32
rCAP24 rCAP24KD
10以下
10
以下
3~10
30~
30~100
10~
10
~30
3~10
3~10
10以下
10
以下
3~10
100~
100
~300
N.D.
3~10
3~10
10以下
10
以下
300以上
300以上
3~10
1 ~3
1 ~3
1 ~3
100以上
100
以上
10~
10
~60
100以上
100
以上
100
300以上
300以上
300以上
300以上
70以上
70以上
77
3
1
38
71
:目標値以上
事業原簿128
事業原簿128ページ
128ページ
4
B
評価項目
起源
ブタ
黒斑病菌に対
する最少殺菌
10以下 3~10
濃度
(μg/ml)
抗菌
2)
改変
Magaini
1
ー
Defensin
1
i
ric
er
of
ct
La
ヒト
ウシ
Indolicidin
PGQ
カイコ
カイコ
ー
カエル
3~10
3~10
3~10
3~10
1~3
1以下
3~10 30以上 30以上 30以上 30以上 30以上 30以上 10~30 30以上
3~10 30以上 3~10
9
inA
op n
cr itti チオニ
Ce mel
3)
1)
Cecropin Cecropin 改変
Magaini
目標値 Cecropin
Cecropin
A
B
2
P1
De
rm
as
ep
ti
抗菌ペプチド
Ba
ct
en
ec
i
既知抗菌ペプチドとの性能比較
KD
24
AP
rC
ウシ
ウシ
カエル
カエル
ー
コムギ
ー
1~3
3~10
3~10
3~10
3~10
3~10
3~10
活性 大腸菌に対す
る最少殺菌濃 10以下
度(μg/ml)
1~3
1~3 300以上 1~3
動物細胞に対
細胞 する50%死滅
300以上 300以上 300以上
100以上300以上
100以上
濃度
毒性
N.D.
300以上
N.D.
300以上 300以上 300以上
200
200
200
40
10~60 300以上
(μg/ml)
植物
内安
定性
サツマイ
モ細胞 5時間 70以上
後
間液
中で
の残
24時
50以上
存率
間後
(%)
79
76
50
65
63
75
N.D.
N.D.
N.D.
N.D.
N.D.
N.D.
N.D.
77
71
39
12
2
38
3
55
N.D.
N.D.
N.D.
N.D.
N.D.
N.D.
N.D.
67
55
1) Owens, L. D., Mol. Plant-Microbe Interact. 10
10, 525-528 (1997)
2) Nicholas, P. E., ACS Symp. Ser. 551,
551 278-291 (1994)
3) Hancock, R. E., Nat. Biotechnol. 18,
18 1162-1166 (2000)
:目標値以上
事業原簿128
事業原簿128ペーシ
128ペーシ
rCAP24と
rCAP24とチオニンの同時添加効果
100
40
チオニン(4
チオニン(4μg/ml)
/ml)
同時添加時の理論値
20
UP
60
40
チオニン(40
チオニン(40μ
40μg/ml)
/ml)
同時添加時の理論値
チオニン無添加
20
チオニン無添加
0
0.1
1
10
100
~
~
~
~
0
発育阻害率
発育阻害率(%)
(%)
UP
60
0
チオニン(40
チオニン(40μ
40μg/ml)
/ml)同時
添加時の実測値
80
80
発育阻害率
発育阻害率(%)
(%)
軟腐病菌
黒斑病菌
チオニン(4
チオニン(4μg/ml)
/ml)同時
添加時の実測値
100
10
0
rCAP24
rCAP24濃度
24濃度(
濃度(μg/ml)
0.1
1
10
100
rCAP24
rCAP24濃度
24濃度(
濃度(μg/ml)
相乗効果あり
事業原簿128
事業原簿128ページ
128ページ
5
シロイヌナズナを用いた抗菌ペプチドの有効性評価 11
導入遺伝子1
シグナル
抗菌ペプチド
プロモーター
プロモーター
El2-Ω*
rCAP24
El2-Ω
rCAP24KD
El2-Ω
rCAP24KD
El2-Ω
El2-Ω
rCAP24KD
El2-Ω
El2-Ω
hCAP32
El2-Ω
チオニン(+Acid Protein)
導入遺伝子2
シグナル
抗菌ペプチド
チオニン(+Acid Protein)
チオニン
チオニン(+Acid Protein)
* Mitsuhara I. et al. , Plant cell physiol. 37 (1996)
遺伝子発現解析
遺伝子導入
・リアルタイムRT-PCRによるmRNA量の測定
・αTubulin4遺伝子を内部標準遺伝子とした
相対発現量の解析
T3ホモ系統の選抜
T3ホモ系統の選抜
病害抵抗性評価
・病原性糸状菌Fusarium oxysporum 感染後の
生存率による病害抵抗性強度の測定
事業原簿128
事業原簿128ページ
128ページ
シロイヌナズナを用いた病害抵抗性評価
生存率(%)
80
100
Uk-4
(耐病性系統)
rCAP24KD
チオニン
rCAP24
60
hCAP32
40
野生株(Col-0)
12日目
12日目
20
60
40
20
野生株(Col-0)
0
10-5
0
10-5
10-3
高機能化抗菌ペプチド
Uk-4
(耐病性系統)
80
生存率(%)
100
10-1
10
10-3
rCAP24KD
60
rCAP24
チオニン
hCAP32
40
20
Uk-4
野生株(Col-0)
生存率(%)
生存率(%)
80
100
15日目
15日目
Uk-4
(耐病性系統)
10-3
rCAP24KD
60
チオニン
40
rCAP24
20
10-1
遺伝子発現量
10
18日目
18日目
80 (耐病性系統)
hCAP32
野生株(Col-0)
0
10-5
10-1
遺伝子発現量
遺伝子発現量
100
12
10
0
10-5
10-3
10-1
10
遺伝子発現量
6
13
サツマイモを用いた抗菌ペプチドの有効性評価
導入遺伝子1
シグナル
抗菌ペプチド
プロモーター
El2-Ω *
rCAP24KD
El2-Ω
rCAP24KD
El2-Ω
プロモーター
El2-Ω
取得した再分 遺伝子導入
化体系統数 確認株
導入遺伝子2
シグナル
抗菌ペプチド
チオニン
チオニン(+Acid Protein)
hCAP32
El2-Ω
チオニン
チオニン(+Acid Protein)
β-アミラーゼ
チオニン
チオニン(+Acid Protein)
4
29
11
18
22
4
24
11
9
19
* Mitsuhara I. et al. , Plant cell physiol. 37 (1996)
葉・茎における病害抵抗性
評価(栽培中での評価)
葉柄法
3~5株に絞り込み
遺伝子発現解析
遺伝子導入
病害抵抗性の高い
サツマイモ系統の選抜
・リアルタイムPCRによるmRNA量の測定
・Actin 2遺伝子を内部標準遺伝子とした
相対発現量の解析
塊根における病害抵抗性
評価(保存中での評価)
針接種法
事業原簿128
事業原簿128ページ
128ページ
80
60
40
20
*:平均面積比
(n = 8~
8~12)
12)
WT(
高系14
14号)
WT(高系
14
号)
162301
150801
161001
162401
120301
rCAP24KD
160501
120101
120201
0
チオニン
チオニン-No.1
高
14
100
WT
WT(
(高系
高系14
14
14号)
号)
低
hCAP32
hCAP32-No.18
病
害
抵
抗
性
強
度
葉の黄化面積比(%) *
サツマイモ葉を用いた病害抵抗性評価
栽培時評価
rCAP24KDチオニン
rCAP24KDチオニン
rCAP24KDチオニン
rCAP24KDチオニン No.161001
事業原簿128
事業原簿128ページ
128ページ
7
サツマイモ塊根を用いた病害抵抗性評価
保存時評価
300
低
病斑面積
病斑面積((mm2)*
100
WT(
14号)
号)
WT(高系14
高系14
rCAP24KD
162301
161001
150801
162401
160501
120301
120201
120101
チオニン
チオニン-No.1
0
WT (高系
高系14
14
14号)
号)
高
200
hCAP32
hCAP32-No.18
病
害
抵
抗
性
強
度
15
rCAP24KDチオニン
rCAP24KDチオニン
*:平均病斑面積(n
*:平均病斑面積(n = 12~
12~20)
20)
rCAP24KD No.120101
事業原簿128
事業原簿128ページ
128ページ
成果まとめと実用化の見通し
成果まとめ
成果まとめ
16
事業原簿15,128
事業原簿15,128ページ
15,128ページ
①抗菌ペプチドの構造改変による新規高機能化抗菌ペプチドの創製
(達成度:100
(達成度:100%)
100%)
②高機能化抗菌ペプチド遺伝子のモデル植物シロイヌナズナへの導入による
病害抵抗性強化の実証(達成度:
病害抵抗性強化の実証(達成度:100
100%)
100%)
③高機能化抗菌ペプチド遺伝子の実用植物サツマイモへの導入による病害
抵抗性・耐腐敗性サツマイモ新品種の作出(達成度:
抵抗性・耐腐敗性サツマイモ新品種の作出(達成度:100
100%)
100%)
特許出願数 16 , 口頭発表数 12 , 原著論文数 2
実用化の見通し
実用化の見通し
事業原簿159
159ページ
ページ
事業原簿159
【残された課題】
・安全性試験による非組換え体との実質的同等性の検証
・圃場スケールにおける有効性の検証
プラスチック原料生産のための競争力のある植物資源として実用化展開
8