提示力への振動付加による バーチャル物体操作システムの リアリティ向上とその評価 電気通信大学 知能機械工学専攻 ○ 池田有冬 長谷川晶一 日本バーチャルリアリティ学会 第14回 「提示力への振動付加によるバーチャル物体操作システムのリアリティ向上とその評価」 背景 力覚インタラクション 力を感じながら物体操作 ⇒ 操作性が良い リアリティのあるバーチャル物体操作 評価・教育・訓練・エンタテインメント 2 日本バーチャルリアリティ学会 第14回 「提示力への振動付加によるバーチャル物体操作システムのリアリティ向上とその評価」 研究目的 従来のシステム 力提示による抗力、摩擦の提示 振動による情報提示を考慮しているものは少ない インタラクションによる物体の振動の再現 物体の固有振動 摩擦振動 リアリティのある力覚インタラクション 3 日本バーチャルリアリティ学会 第14回 「提示力への振動付加によるバーチャル物体操作システムのリアリティ向上とその評価」 3次元物体操作システム 物理シミュレータ “Springhead2” 力覚インタフェース“SPIDAR” 抗力への振動付加 物体の固有振動再現による高剛性物体の提示 Stick-Slip現象の再現によるすべり感提示 ′08 第13回 日本バーチャルリアリティ学会 「抗力への振動付加による高剛性とすべり感提示」 4 日本バーチャルリアリティ学会 第14回 「提示力への振動付加によるバーチャル物体操作システムのリアリティ向上とその評価」 固有振動の再現 物体に触れた瞬間に起きる振動をモデル化 Q(t ) vet sin(t ) (減衰振動) Q : 提示力の変化、 α : 振幅係数、 V : 接触時のポインタの速度、 β : 減衰係数、 ω : 材質ごとの角速度、 t : 接触開始時刻からの経過時間 “Reality-Based Models for Vibration Feedback in Virtual Environments”, Allison.M.Okamura, 2001 振動 5 日本バーチャルリアリティ学会 第14回 「提示力への振動付加によるバーチャル物体操作システムのリアリティ向上とその評価」 タッピングの仕方による硬さ知覚の変化 固有振動再現による硬さ表現の評価実験 振動を提示したときの硬さの知覚変化を主観的 等価点によって評価 調整法を用い、バネ係数を調節してもらう 調節時のタッピングの仕方を記録 床への侵入量 接触時のポインタの速度 6 日本バーチャルリアリティ学会 第14回 「提示力への振動付加によるバーチャル物体操作システムのリアリティ向上とその評価」 固有振動再現による硬さ知覚変化 調節したバネ係数 [N/mm] 振動 A (周波数:300Hz) 振動B (周波数:100Hz) control A B C control A B C D E F G D E F G 9 9 8 8 7 7 6 6 5 5 4 4 3 3 2 2 1 1 0 0 0.5 1 標準刺激 [N/mm] 2 0.5 1 2 標準刺激 [N/mm] 7 日本バーチャルリアリティ学会 第14回 「提示力への振動付加によるバーチャル物体操作システムのリアリティ向上とその評価」 侵入量による硬さ知覚変化 1.6 10 1.4 9 侵入量 [mm] 8 1.2 7 1 6 AA 0.8 5 CB 0.6 4 ED DC E 3 0.4 2 0.2 1 0 0 0 0 1 1 2 2 3 3 4 4 5 5 6 6 7 7 8 8 9 9 10 10 調節したバネ係数 [N/mm] 8 日本バーチャルリアリティ学会 第14回 「提示力への振動付加によるバーチャル物体操作システムのリアリティ向上とその評価」 速度による硬さ知覚変化 70 30 速度 [mm/s] 60 25 50 20 A A B C C D D E E 40 15 30 10 20 10 5 00 00 11 22 33 44 55 66 7 8 9 10 10 調節したバネ係数 [N/mm] 9 日本バーチャルリアリティ学会 第14回 「提示力への振動付加によるバーチャル物体操作システムのリアリティ向上とその評価」 考察 侵入量が多い、速度が速い 時にバネ係数を低く調節 9 侵入量 [mm] 10 8 7 A 6 B 5 C 4 D 3 E 2 バネ係数による弾性を メインの手掛かり 1 0 0 2 4 6 8 調節したバネ係数 [N/mm] 10 70 叩き方によって硬さ知覚に大 きく変化がある 振動による硬さ知覚変化を 調べるためには叩き方の統 一が必要 速度 [mm/s] 60 50 A 40 B C 30 D 20 E 10 0 0 2 4 6 8 調節したバネ係数 [N/mm] 10 10 日本バーチャルリアリティ学会 第14回 「提示力への振動付加によるバーチャル物体操作システムのリアリティ向上とその評価」 摩擦の表現 振動刺激を用いた摩擦感呈示法 JSME ROBOMEC2009 昆陽 雅司 東北大学 Stick-Slip現象が発生するタイミングで振動を呈示 Stick状態からSlip状態へ遷移するタイミングを近 似モデルを用いて推定 摩擦力(接線力)を提示せずに摩擦感の提示を行 っている 11 日本バーチャルリアリティ学会 第14回 「提示力への振動付加によるバーチャル物体操作システムのリアリティ向上とその評価」 摩擦振動の表現 摩擦振動 ⇒ Stick-Slip感 指にモデル化 proxy法の改良 質量を考えない 離散的な動き tan 1 0 proxy ⇒ ⇒ tan 1 質量を与える 動力学に従う動き 0 12 日本バーチャルリアリティ学会 第14回 「提示力への振動付加によるバーチャル物体操作システムのリアリティ向上とその評価」 摩擦振動の表現 提示力 [N] バーチャル世界で摩擦有の床を触った時 従来手法(proxy法) 提案手法 12 14 10 12 8 10 6 8 12 4 10 6 力 9 4 8 2 10 0 8 力 2 7 0.5 1 1.5 6 0 5 -2 力 4 -2 6 -4 4 0.5 1 1.5 2 2.5 3 力 3 2 2 1 0 0 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 0.9 1 1.1 1.2 時間 [秒] 13 日本バーチャルリアリティ学会 第14回 「提示力への振動付加によるバーチャル物体操作システムのリアリティ向上とその評価」 まとめ まとめ 3次元物体操作システムの構築 固有振動再現による硬さ表現 Stick-Slip現象再現による摩擦表現 タッピングの仕方による硬さ知覚変化 強く叩くとバネ係数による弾性を手掛かりとする 今後の予定 3次元物体操作システムの評価実験 物体操作タスクによる従来手法との比較実験 14
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