不動産産業・不動産金融の現状と今後

不動産業・不動産金融
の現状と今後
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不動産を担保としての融資が中心。
不動産金融
とは不動産を担保として、不動産の取得、建設、開発、
投資対象としてはそれぞれの実物不動産は、投資単位も大きく、立地、
保有等の不動産に係る金融ということ。これには、不動産業者に対す
地域の特性、建物の形質、間取りなどがまちまちで個別の特性を抱え
る金融のほか、広く企業の設備投資や、個人の住宅取得が含まれる。
ている(→強い個別性)。また流動性も低いことから、投資先の1つ
の選択肢として考えられていなかった。

不動産金融市場の発展
従前の市場
住宅・不動産市場
金融市場
住宅・不動産
債権・証券
担保
強い個別性
小口化・流動化に制約
財政投融資資金
取得
公的融資機関
預貯金等
民間金融機関
短期・変動融資
→
200
長期・固定融資
ローンの利用者
199
→
200
→
不動産金融市場の発展
住宅・不動産金融市場

住宅・不動産市場
担保
1998年 資産流動化(SPC)法成立
REIT、不動産
住宅・不動産
→ SPCによるABS(資産担保証券)発行開始
金融市場
思慕ファンド
債権・証券
賃料、売却益を背景に
2000年 投資信託、投資法人に関する法律
資産担保証券
→ 不動産投資信託(REIT)制度導入
取得
MBS
2001年 住宅金融公庫の改革
証券化
長期・固定、短期・変動を含めた
ローンの利用者
→ 2003年 証券化支援制度による長期・固定のフラット35を実施
住宅金融支援機構
多様なローン
債権買取等
民間金融機関
担保
住宅ローン債権
不動産金融市場
が急速に拡
大!!

不動産金融市場の発展
不動産私募ファンド
J-REIT
・証券取引所で売
特定少数の投資家を対象に
した私募形式の不動産ファン
買可能
ド。比較的小規模案件(10億
・小額からの不動
未満)に投資を行い、独自の
産投資
価値向上戦略を施し不動産
価値を上げ、さらにはノンリ
・リスク分散の効果
コース・ローンを利用し収益
・分配金の安定性
にレバレッジを掛けることに
・インフレヘッジに
より、より高い収益性を実現
する。
有用な金融商品

不動産金融市場の低迷
なぜサブプライムで日本の不動産金融が低
迷したか。
BUT!!
●海外からの不動産投資資金減少
サブプライムの影
響により、
●不動産融資における信用収縮
→ 物件取得のための資金調達困難
不動産金融市場
が低迷!!
●不動産価格が下落基調の中、売り手と買
い手の設定価格が乖離しているため取引
が成立しない

不動産金融市場の低迷
2008年10月28日に最安値704円まで下落。
 主要な買い手であった、外資系金融機関や投資ファンド(外
J-REITは、これまでファンドの物件の出口戦略(売
国人投資家)の間で、買い控えが起きている。
却先)として、あるいは不動産会社の開発物件の売却
なぜ、海外投資家が日本の不動産市場に投資をしていたか。
先として機能してきたため、J-REITが資金調達でき
→ 日本のイールド・スプレッドは欧米諸都市のイールド・スプ
ずに物件取得能力が落ちると、次々に悪影響を及ぼす
レッドより高く、また、長期借入金利も低いため、レバレッジをきか
ことに。
せやすかったからなど。

不動産金融市場の低迷
日本では04年頃からCMBSの発行が急増。しかし、世
2008年度の不動産取引件数は502件、
界的な金融危機により不動産取引が縮小し、貸し手が
国内外の企業が都心のオフィス拡大を控えたり、
取引額は1兆8800億円。
いなくなり行き詰まりの状態に。後に残ったのが
縮小に入っているため。
CMBSの大量償還問題。2010年に1兆3千億円の償
前年度の5兆5429億円の約3分の1に減少
還が待っている。これはサブプライム問題と同じように、
借り換えができるかどうかにかかっている。

不動産金融市場の低迷
不動産向け融資減少(貸出残高59兆800億円で前年
同月比0,8%減少。
→ 不動産価格下落に伴う業者の業績悪化を背景に銀
行が慎重に。

日本の不動産金
融市場は
 不動産関連会社の経営破たん件数増加
転換期にあると
→ 金融機関の融資が慎重になったことで資金調達が困
いえる!!
難になり資金繰りが悪化し破綻してしまうケースが多い。
2008年10月 初のJ-REITであるNCRが倒産
政府による不動産業への支援
●不動産投信の合併の環境整備
優良REITによる不振REITへの買収
は不動産市場の一段の冷え込みを回
避する一手となるとして、「課税条件を
明確化」「手続きも簡素化」。


REITを支援するため官民共同の投資ファンド設立を検討
投資ファンドは政投銀や不動産開発を手がける民間企業な
どが出資して創設。ファンドの信用力を高めて、民間金融機
他にも、一部の不動産投資法人のスポンサー
関からの融資を引き出すのが狙い。ファンドはREITが保有
変更や資本参加が発表されたこと、国土交通
する不動産を購入する。REITが売却代金を元手に新たな
省の「住宅・不動産市場活性化のための緊急
対策」などにより、J-REIT市場が少し上向きに
物件を買うことを促し、不動産取引の活性化に繋げる。
動いた。
不動産金融市場の今後と課題
不動産流動化や不動産ファンドのニーズは強い!!
①事業会社等による不動産保有は収益性重視の経営や会計制度の変更
アセット・マネジメント会社は、
日本の不動産投
(時価評価等)によって負担の重いものになり受け皿が必要とされる。
これまでのようにファンドを
資市場における
組成すれば高成果が出ると
課題として情報
②長期安定的な資金運用の投資対象として安定収入を生む不動産は魅力
いう時代は終わり、競争力
不足が海外投資
的なことから商品ニーズが強い。
のある不動産を見極め、不
家、国内投資家
動産の価値を高める等、こ
にとってネックに
③アセットファイナンスや不動産ファンドのための仕組みやルール等が
この戦略と能力が問われる
なっていることが
整備されてきていること。
ようになる。
分かる。
→当面、調整局面が続くことが見込まれるが、不動
産マーケットの回復に伴って再び成長に転じるこ
とが予測される。
論点
J-REITの資金調達手段として劣後
特約付き投資法人債を発行していく
べきではないか。
感想
不動産金融ということで、今までにない実体経済という、身近な
ところから新たな金融の知識を勉強できたため、とても面白かっ
た。不動産金融は、低迷の状態が今後3年は続くであろうと言
われているのが現状である。しかし、サブプライム問題で日本
の不動産金融の脆さが露呈されたのは事実であるが、それによ
り日本の不動産業界における問題点が浮き彫りになったのも事
実である。日本は、この金融危機を機会に日本の不動産をより
良いものに変えていくべきであると私は考えました。
今回は、グラフや図の資料を多く見つけたため、それをレジュメ
に無理に載せようとしたため、見づらくなってしまったのが反省
点です。