件名法と分類法の例

件名法と分類法の例
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書架分類と書誌分類
書架上の図書の配列方法
固定配架 受入順など、資料が受け入れた順番通りに固定的
に配架していく方法。配架した場所は固定で、ずっと変わらない。
限られた書架スペースにぎっしり詰め込むのに適した方法であ
るが、次々入ってくる同じ主題の本を挿入して一箇所にまとめる
ことはできない。
相対配架 同じ主題の資料を1箇所にまとめようとすると、同じ
主題の本があとから追加されてくるので、資料の配架位置は
徐々にずれていく。通常主題配架に適した分類記号を与え、分
類記号順に配架することになる。したがって相対的な位置関係
は変わらないが、絶対的な配架位置は、資料が増えるにした
がって変化する。
書架分類と書誌分類(定義)
書架分類
図書そのものをその主題によって、書架上に体系
的に配列するための分類。
書誌分類
図書そのものではなく、図書に関する記録(目録)
を体系的に配列するための分類。
書架分類と書誌分類(比較)
書架分類
 図書のラベルに記載する制約があり、あまり長い記号を用
いることはできない。したがって非常に詳しい主題を表現
することはできず、やや粗い分類記号にならざるを得ない。
 「物理と化学」のように、図書が2つ以上の主題を持つとき
も、書架分類としては1つしか与えることができない。
書誌分類
 分類記号に長さに制約がなく、長い分類記号を与えること
ができ、詳しい主題を表現することが可能。
 必要に応じて2以上の分類記号を与えることも可能。
分類に関する基礎的事項
1.概念と名辞
• 概念(concept)
ある事柄に対して共通事項を包括し、抽
象・普遍化してとらえた意味内容
• 名辞(name)
概念を具体的なことばで表現したもの
2.概念間の関係性
同義関係
コンピュータ、コンピューター、電子計算機、電算機
彗星、ほうき星
書籍、書物、本、冊子、図書
反意語は、便宜上同義関係の中に含めることがある
平等と不平等
概念間の関係性(続)
階層関係(上位概念と下位概念)
通常次の3種類とする。
・類種関係
正当な唯一の上位概念-下位概念関係。
事物とその種類を表す。
図書館-公立図書館-町村立図書館
動物-脊椎動物-ほ乳類
階層関係(続)
・一部の全体/部分関係
地理的位置(大阪府と堺市)
身体組織(耳と内耳)
学問分野(物理学と力学)
社会組織(学部と学科)。
・事例(インスタンス)関係
山と富士山、地震と新潟県中越地震、など。
3.文献主題を構成する各概念間の関係性
意味論的関係と統語論的関係
「大阪府下の公立図書館における総合目録」
↑
意
味
論 近畿地方
目録
図書館
的 大阪府
総合目録
公立図館
関 堺市
市立図書館
係
↓
← 統 語 論 的 関 係 →
意味論的関係と統語論的関係(続き)
意味論的関係
個々の文献主題とは無関係に定めることができる、
概念間の先天的・本来的関係性。
例:近畿地方-大阪府-堺市(全体部分関係)、目
録-総合目録(類種関係)
統語論的関係
その文献でたまたま出会った概念同士の関係性。
文法的な関係。
例:大阪府-総合目録-公立図書館
4.クラス、区分特性、内包、外延
 クラス
一つあるいは複数の属性を共通に備える事物の集
合。
例えば、
車・・・「車輪によって動く乗りもの」という共通の属
性を備えるものすべて。
図書・・書写あるいは印刷され、冊子として製本さ
れたすべての紙の束。
区分特性(区分原理)
クラスを区分するときの原理・特性をいう。
例えば、「車」というクラスを区分するには、
大きさによって
大型車、中型車、小型車
生産国によって
外車、国産車
用途によって
乗用車、トラック、レーシングカー
車輪の数によって
4輪車、3輪車、2輪車
それぞれ大きさ、生産国、用途、車輪の数によって、車という
クラスが下位クラスに分けられる。このとき、大きさや生産
国を区分特性という。
図書館分類では、区分特性は1回の区分に際しただ1つしか
用いてはならない。
区分特性(続き)
 区分特性は1回の区分に、1つだけ用いる
さまざまな区分特性によって区分しうるとき、
例えば「車」であれば、まず車輪の数により、次に用途によ
り、大きさにより、最後に生産国により、というように段階
を追って区分する。
 相互排他の原理
同じ区分特性によって得られた下位クラスは、必ず相互排
他的である。
内包と外延
あるクラスを規定するのに、その本質的に属性に
よって定義する方法を内包による方法という。
そのクラスに属する下位クラスを列挙することによっ
て、そのクラスを規定する方法を外延による方法と
いう。
例:車というクラス
内包・・・車輪によって動く乗り物
外延・・・大型車、小型車、国産車、など車の種類を
列挙する
7.主題分野と事象
 主題分野(discipline、subject field)
物理学、図書館学、文学、経済学、などのように学
問界で認知された分野の名称。
 事象(phenomena)
図書館、原子、化合、加熱、結婚、自由、など個々
のことがらを言う。
8.文献的根拠(literary warrant)
分類表や件名標目表に掲載する概念を採用する
根拠として、文献主題として現れたものを採用す
る、という方針。
図書館分類は、事物や学問の抽象的な分類では
なく、具体的な文献主題を分類する、という方針
からこのようなことが主張される。
9.要約主題と網羅的主題
資料(情報)の主題をどの程度まで分析するかには、次の2種
類がある。
(1)資料全体の主題を把握する。
要約法(summarization)という。
「太陽系の話」 →太陽系
(2)資料の部分的な主題や周辺的な主題をも把握する。
網羅的索引(exhaustive indexing)、あるいは深層索引(depth
indexing)という。
太陽、水星、金星、地球、...、彗星、引力、小惑星