将来の太陽電池の廃棄量の 予測と処理について 指導教員 卒業研究生 梶原 田口 上野 佐伯 寿了 智絵 剛揚 幸治 背景 クリーンエネルギーの太陽電池が注目 されているなかで、太陽電池が廃棄にな ったときのリサイクル方法が確立されて いないのが現状である。 目的 自然エネルギーの中でも特に生活の中で 見ることの多い太陽光発電に着目し、太 陽電池の生産量の予測から廃棄量を予測 し、材料ごとに廃棄したときの処理方法 を検討した。 生産量の予測(1) 太陽光発電の将来 2010年 2020年 2030年 目標累積設置量 (MW) 4820 28700 82800 単年度設置量 (MW) 1230 4300 10050 普及率 輸出比率 住宅:4% 8% 戸建住宅: 20% 18% 戸建住宅: 45% 25% 生産量の予測(2) 生産量の予測 生産量(MW) 15000 10000 5000 0 1990 1995 2000 2005 2010 年 2015 2020 2025 2030 太陽電池のタイプ別シェア 2000年 1 99 0年 生産量16.8MW その他 単結晶 4% 1 5% 生産量133.7MW その他 8% アモルファ ス 8% 多結晶 2 1% アモルファ ス 6 0% 多結晶 73% 2010年 2020年 生産量1425MW その他 10% アモルファ ス 40% 単結晶 11% 生産量4500MW 単結晶 10% その他 10% 多結晶 40% アモルファ ス 70% 単結晶 5% 多結晶 15% 太陽光発電システムの設置容量 単年度設置量 12000 設置量(MW) 10000 8000 6000 4000 2000 0 1990 1995 2000 2005 2010 年 2015 2020 2025 2030 太陽電池の廃棄量 廃棄量(MW) 廃棄量の予測 9000 8000 7000 6000 5000 4000 3000 2000 1000 0 2020 2025 2030 2035 2040 年 2045 2050 2055 2060 材料の種類 ・ガラス・シリコン・樹脂(フィルム) ・はんだ(鉛・スズ)・銀・ステンレス ・プラスチック ・銅 ・アルミ合金 ガラス 太陽電池モジュールの全重量の約半分を占めて いる。 純度97%以上のものが使用されている。 原料からリサイクルするとエネルギーの約20 %節約出来る。 不純物の多いガラスは再利用が難しくカレット 混入によるアスファルト舗装、コンクリート二 次製品、景観舗装、壁材として使用されている 。 その他は埋め立てられている。 シリコン シリコン系は無害で、埋め立てることも 出来るが欠陥が少ないので再利用出来る 。 シリコン太陽電池の約90%は半導体産 業から出る屑を再利用している。 化合物太陽電池と湿式太陽電池は有害物 質を使うことがある。 有機半導体太陽電池は無害である。 はんだ(鉛・スズ) 鉛はんだの回収法として、「鉛分離方法」があ る。メタノール、エタノール等の溶媒と、ヨウ 素を溶解している鉛分離液に、鉛はんだが付着 した試料を浸漬する方法である。容易に試料か ら鉛はんだを分離できるので、鉛を溶出させな い廃棄処理が可能である。 はんだ、メッキなどの他の物質と の 混合はコス トの面からリサイクルが難しいので、 現 在 は 鉛 フリーはんだを使うようになっている。 結果 2030年には年間約12000MW(約33900t)生産され、 約200MW(約565t)の廃棄量が出る予測結果が出た 。 太陽電池を材料ごとに分解することは現在でき ない の で、処理方法としては、モジュールはガ ラスを切り取って再利用し、残りは粉砕して溶 かしてセメントにしている。 太陽電池の半導体材料には有害物質が含まれて いるが、処理方法を正しく行えば環境には影響 ないと考えられる。
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