コスト低減・効率開発の 品質工学(タグチメソッド)

実習
実験の目的
•
•
現行と目標値の具体的数値を記す。
数値がわからなければ設定する。
1
実習
要因図と因子選択
目標
①QCで用いられる特性要因図
と同じ。
②チーム全員で作成する。
③40個以上
④重要な因子を抽出する。
2
実習
基本機能
信号因子
(
y:
M:
M2
M3
N1
N2
N3
)
誤差因子
(
M1
)
①y=βMの関係を考える。
参考:物理法則、係数、単位
②特性値は直接表現できない場合、
代替特性を用いる。
③誤差因子や環境因子の水準は、
十分大きな誤差が発生するような水
準を設定する。
3
実習
制御因子と水準
因子種類
制御
〃
〃
〃
標示
制御
〃
〃
因子
水準1
水準2
水準3
A
B
C
D
E
F
G
H
①L18直交表へ8つの因子を割り付ける(だだし、標準L18ではA
因子が2水準)。
②因子が制御因子、標示因子、誤差因子いずれかかを記載する。
③水準は、現行条件が無い場合、標準値を水準2に割り当てる。
4
実習
実験作業表(L18直交表割付)
N o A B C D E F G H 因子 A
1 1 1 1 1 1 1 1 1 頂点上
2 1 1 2 2 2 2 2 2 頂点上
因子 B
円
円
因子 C
小
中
3
1 1 3 3 3 3 3 3 頂点上
円
大
4
5
1 2 1 1 2 2 3 3 頂点上
1 2 2 2 3 3 1 1 頂点上
正方形
正方形
小
中
6
1 2 3 3 1 1 2 2 頂点上
正方形
大
7
1 3 1 2 1 3 2 3 頂点上
長方形
小
8
1 3 2 3 2 1 3 1 頂点上
長方形
中
9
1 3 3 1 3 2 1 2 頂点上
長方形
大
10 2 1 1 3 3 2 2 1 頂点下
円
小
11 2 1 2 1 1 3 3 2 頂点下
12 2 1 3 2 2 1 1 3 頂点下
13 2 2 1 2 3 1 3 2 頂点下
円
円
正方形
中
大
小
14 2 2 2 3 1 2 1 3 頂点下
正方形
中
15 2 2 3 1 2 3 2 1 頂点下
正方形
大
16 2 3 1 3 2 3 1 2 頂点下
長方形
小
17 2 3 2 1 3 1 2 3 頂点下
18 2 3 3 2 1 2 3 1 頂点下
長方形
長方形
中
大
因子 D 因子 E
平滑
軽
折れ目
中
グシャグ
重
シャ
平滑
中
折れ目
重
グシャグ
軽
シャ
折れ目
軽
グシャグ
中
シャ
平滑
重
グシャグ
重
シャ
平滑
軽
折れ目
中
折れ目
重
グシャグ
軽
シャ
平滑
中
グシャグ
中
シャ
平滑
重
折れ目
軽
因子 F
短
中
因子 G
0
小
因子 H
なし
少
長
大
多
中
長
大
0
多
なし
短
小
少
長
小
多
短
大
なし
中
0
少
中
小
なし
長
短
短
大
0
大
少
多
少
中
0
多
長
小
なし
長
0
少
短
中
小
大
多
なし
①実験作業表に因子の名称、解析ソフトで得られた直交表配列
に基づいた水準値を記載する。各実験で、有り得ない組合せがな
いかチェックする。
5
実習
実験結果
No
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
A
1
1
1
1
1
1
1
1
1
2
2
2
2
2
2
2
2
2
誤差因子 N
信号因子 M
B C D E F
1 1 1 1 1
1 2 2 2 2
1 3 3 3 3
2 1 1 2 2
2 2 2 3 3
2 3 3 1 1
3 1 2 1 3
3 2 3 2 1
3 3 1 3 2
1 1 3 3 2
1 2 1 1 3
1 3 2 2 1
2 1 2 3 1
2 2 3 1 2
2 3 1 2 3
3 1 3 2 3
3 2 1 3 1
3 3 2 1 2
G
1
2
3
3
1
2
2
3
1
2
3
1
3
1
2
1
2
3
H
1
2
3
3
1
2
3
1
2
1
2
3
2
3
1
2
3
1
N1
M1
1
0.88
1.09
0.78
0.72
1.06
1
0.72
0.88
0.87
0.6
0.87
0.87
0.59
0.75
0.63
0.59
0.62
0.75
N1
M2
1.5
1
1.57
1.18
1.03
1.25
1.38
1.18
1.12
1.09
0.73
1.22
1.07
0.78
1.06
1.12
0.66
0.94
1.09
N1
M3
2
1.19
1.88
1.59
1.56
1.44
1.62
1.56
1.22
1.43
0.94
1.59
1.44
0.97
1.37
1.32
0.94
1.19
1.41
N2
M1
1
0.72
0.9
0.87
0.97
1.06
0.75
1.12
0.79
0.91
0.5
0.91
0.75
0.62
0.78
0.62
0.6
0.63
0.62
N2
M2
1.5
1
1.4
1.31
1.35
1.19
1.18
1.07
1.25
1.5
0.75
1.31
1.43
0.84
0.97
1.19
0.81
0.94
1.1
N2
M3
2
1.16
1.81
1.38
1.31
1.53
1.47
1.4
1.68
1.5
1.03
1.42
1.4
0.94
1.47
1.34
1.04
1.31
1.4
6
実習
要因効果図
因子A
因子B
因子C
因子D
因子E
因子F
因子G
因子H
+2.069540
η[dB ]因子効果
平均( 16.55)
0
-2.069540
+1.349171
dB 感度の因子効果
平均(-3.03)
0
-1.349171
1.
2.
3.
7
実習
最適および現行(標準)条件
因子
最適条件
現行(標準)条件
A:
B:
C:
D:
E:
F:
G:
H:
SN 比(db)
感度(db)
①要因効果図の最大SN比の組合せの水準値と現行(標準)条件
の組合せを記載する。
②解析ソフトで得られたSN比と感度の値を記載する。
8
確認実験結果
SN比 (dB)
推定
確認
特性値 (y)
推定
確認
最適
現行(標準)
利得
①最適SN比の組合せで確認実験を行う。
②解析ソフトでSN比と感度を計算する。
③解析で得られた推定値と実測値から得られた値を記載する。
9
実習
経済性評価(オフライン品質工学)
「製品バラツキはコストを増大させる。」
形式的に下記のA0,Δ0の値を用い、例にしたがって計算
してください。製品のバラツキがコストに影響する度合いが
算出されます。次回もう少し詳しく説明します。
•
•
損失関数
損失L=(A0/Δ02)σ2 (円)
A0:不合格損失(円)、Δ0:許容差、σ2:品質特性値バラツキ(分散)
例
パラシュートの着地点の許容差Δ0=20mのとき、救護物資不良が1個発生し不合格損失A0
=2000000円を生じる。パラシュートの着地バラツキ分散σ2 =3m2を改善してσ2 =2m2にできた。
コスト低減幅は
現行損失 L0=(A0/Δ02)σ2=(2000000/202)×3=15000円、
改善損失L=(2000000/202)×2=10000円、従って、15000-10000=5000円のコスト低減
10
が見込まれる。
実習
まとめ、今後の課題
• 目標に対する改善効果
• 確認実験値と推定値の差
• その他
11
【補足】交互作用
交互作用とは、因子が他の因子と相互に影響し合う作用です。これを予め除去して
実験計画を立てることが理想です。
例えばプラスチック板の熱処理工程の最適化実験を考えましょう。
熱処理温度60℃~150℃、熱処理時間1分~60分の範囲で実験したい。
下表のように、熱処理が明らかに弱すぎる条件と強すぎる条件がある。
弱すぎる/強すぎる条件は実験する必要がないだけでなく、実験してはいけない
のです。こうして交互作用を除去して実験します。
宿題の中に、水準1「少ない(1/2)」、2「標準」、3「多い(2倍)」と条件設定が記
述されているものがその例です。
60℃
80℃
100℃
120℃
150℃
1分
弱すぎる
弱すぎる
10分
弱すぎる
20分
40分
60分
強すぎる
強すぎる
強すぎる
12