サプライ・チェインの設計と管理 第5章 ロジスティクス戦略

サプライ・チェインの設計と管理
第8章
製品設計とサプライ・チェイン設計の統合
pp.195-232
ヒューレット・パッカードのケーススタディを読んでおくこと!
東京商船大学
久保 幹雄
ここで学ぶこと
• 製造のための設計(Design for Manufacturing)からロ
ジスティクスのための設計(Design for Logistics)へ
• 「ロジスティクスのための設計」の方法
–
–
–
–
効率的な保管・輸送のための設計
同時(並列)処理:モジュール化とデカップリング
遅延差別化
押し出しと引っ張りの境界
• 納入業者統合
• マスカスタマイゼーション
ロジスティクスのための設計
(Design For Logistics: DFL)
• 製造のための設計(Design for Manufacturing)
製品設計の段階で製造工程を考慮すること
->ロジスティクスへ拡張
• 方法:
– 製品を効率的に包装・保管できるように設計(イケ
ア社,ラバーメイド社,砂糖の輸送の例)
– 製品(部品)のモジュール化とデカップリング生産方
式(プリンタ生産の例)
– 遅延差別化
遅延差別化
(Delayed Differentiation)
• 多品種の製品をどの時点で差別化するか?
なるべくサプライ・チェインの下流で行う!
• 方法
– 工程順序の再編成(ベネトン社のセーター生産
の例->ロジスティクス工学(第5章:安全在庫配
置モデルのペケトン社の例参照),ハードディス
クの例)
– 共通化(プリンタの例)->最終工程を倉庫
– モジュール化->最終工程を小売店
– 標準化->差別化をしない
押し出し-引っ張り境界
• 押し出し(push)と引っ張り(pull)->第5.6節参照
完成品
(赤)
完成品
(青)
染色前の
セーター
完成品
染色工程
(黄)
製品(多品種)
押し出し-引っ張り境界 or 遅延化境界
外部需要
練習問題
• ヒューレット・パッカード社の事例分析
(8.1.7節)を行うExcelを作成せよ.具体的
には,p.206の表8.1からp.222の表8.2を作
成せよ.
納入業者統合
(Supplier Integration)
• 第6章の物流(ディストリビュータ)統合の納入
業者(ベンダー)版
• 部品の納入業者を設計段階から関与させる:
–
–
–
–
通常の部品供給(設計段階からは関与しない)
ホワイトボックス:非公式な仕様決定への参加
グレイボックス:共同開発
ブラックボックス:納入業者が独自に設計(仕様の
みメーカーが決める)
納入者統合の種類の選択
•
自社(メーカー)のもつ技術の確認
–
–
–
•
社内にない専門技術が必要+他の製品開発から分
離可能->ブラックボックス
社内にない専門技術が必要+他の製品開発から分
離できない->グレイボックス
社内に必要な部品に関する技術をもつ->ホワイト
ボックス
納入業者のブックシェルフ
納入業者リスト(ブックシェルフ,書棚)をもち,
それらの中から最新技術をもった業者を選択し,
提携を行う.
マスカスタマイゼーション
• 従来の生産方式
– 大量生産:少品種を大量生産する.
– 手工業生産:多品種(高度に差別化された製
品)を少量生産する.
• マスカスタマイゼーション
多品種(高度に差別化された製品)を大量生産
する!
– ナショナル自転車の例
– デルコンピュータの例