新在胎期間別出生時体格基準値

平成20年度厚生労働科学研究
「周産期母子医療センターネットワークによる医療の質の評価と
フォローアップ・介入による改善・向上に関する研究」
日本人在胎期間別出生時体格基準値の作成
分担研究者
昭和大学小児科
板橋家頭夫
研究協力者
中村好一・上原里程・楠田聡・久保隆彦・青谷裕文
森臨太郎・篠塚憲男・影山操・三浦文宏・磯部孟生
2003-05年出生児の体重分布（男児体重）
4500
4000
90p
50p
10p
3000
2500
初産
2000
2003-2005年出生
小川ら
1500
1000
500
0
22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41
G estationa age (w k)
4500
4000
3500
経産
B irth w eight (g)
B irth w eight (g)
3500
3000
2500
2000
1500
1000
500
0
22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41
G estationalage (w k)
図3-1 経膣および帝切　出生時体重（男、初産と経産、近似曲線）
男児出生体重
-経膣 v.s 帝王切開-
4500
4000
90パーセンタイル
3500
中央値
3000
10パーセンタイル
体重（g)
2500
黒：経膣
実線：初産
橙：帝切
点線：経産
2000
帝王切開例では
IUGR症例が多く
含まれる！
1500
1000
500
0
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31 32 33
在胎週数
34
35
36
37
38
39
40
41
42
在胎期間別出生時体格基準値の作成方法
に対する疑問
周産期管理の変遷に伴い、とくに早期産IUGR
に対し、従来に比べて積極的に介入が行われ
ていることを配慮しなくてよいのだろうか？
経膣分娩例を対象に在胎期間別出生
時体格基準値を作成する
男児対象の経膣分娩の比率（％）
100.0
90.0
初産
経産
80.0
70.0
60.0
50.0
40.0
30.0
20.0
10.0
0.0
22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42
在胎期間（週）
対象（男児）
在胎週数
対象人数（初産）
対象者の頻度(%)
総人数（初産）
対象人数（経産）
対象者の頻度(%)
総人数（経産）
22
25
96.2
26
28
93.3
30
23
43
56.6
76
34
54.0
63
24
40
43.5
92
31
29.0
107
25
37
35.9
103
38
29.5
129
26
35
25.0
140
33
27.0
122
27
37
23.7
156
39
21.1
185
28
47
23.2
203
46
22.8
202
29
46
23.4
197
58
27.8
209
30
79
31.3
252
80
34.2
234
31
89
32.6
273
115
37.8
304
32
151
38.4
393
189
45.3
417
33
236
47.0
502
247
50.8
486
34
351
47.4
741
323
49.5
653
35
522
55.3
944
451
51.5
876
36
855
55.6
1537
772
54.1
1428
37
1993
53.6
3720
2246
44.2
5083
38
4748
71.0
6691
5147
63.3
8126
39
8454
87.2
9698
7660
92.3
8301
40
7832
84.5
9271
5727
93.4
6129
41
3360
75.3
4463
1735
91.6
1894
42
136
59.4
229
43
78.2
55
29,116
25,042
女児対象の経膣分娩の比率（％）
100.0
90.0
80.0
70.0
60.0
初産
経産
50.0
40.0
30.0
20.0
10.0
0.0
22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42
在胎期間（週）
対象（女児）
在胎週数
対象人数（初産）
対象者の頻度(%)
総人数（初産）
対象人数（経産）
対象者の頻度(%)
総人数（経産）
22
17
81.0
21
24
80
30
23
34
70.8
48
31
59.6
52
24
26
35.6
73
22
26.2
84
25
30
31.3
96
37
29.6
125
26
14
14.4
97
40
26.3
152
27
30
22.2
135
36
27.9
129
28
31
20.5
151
47
26.9
175
29
29
18.0
161
30
17.6
170
30
61
26.8
228
65
29.3
222
31
58
24.6
236
68
28.9
235
32
85
28.3
300
136
41.8
325
33
158
41.5
381
160
41.9
382
34
215
41.6
517
259
48.6
533
35
371
51.2
724
333
49.0
680
36
642
51.8
1240
623
49.4
1262
37
1623
49.1
3306
1753
38.4
4561
38
3841
66.8
5751
4488
60.5
7424
39
7723
87.8
8795
7238
92.3
7846
40
8237
87.2
9446
6362
94.2
6756
41
3799
78.9
4812
1993
91.2
2186
42
175
56.6
309
73
86.9
84
27,199
23,818
経膣分娩症例による新在胎期間別
出生体重基準値
男児
実線：初産
点線：経産
90パーセンタイル
50パーセンタイル
出
生
体
重
10パーセンタイル
(g)
在胎期間（週）
経膣分娩症例による新在胎期間別
出生時身長基準値
60
50
出
生
時
身
長
男児
実線：初産
点線：経産
90パーセンタイル
50パーセンタイル
10パーセンタイル
40
30
(cm)
20
10
0
22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42
在胎期間（週）
新旧在胎期間別出生体重基準値（初産）
男児（初産）
実線：2003-2005（経膣分娩）
点線：小川ら
90パーセンタイル
50パーセンタイル
出
生
体
重
10パーセンタイル
(g)
在胎期間（週）
新旧在胎期間別出生体重基準値（経産）
4500
4000
3500
出
生
体
重
(g)
男児（経産）
実線：2003-2005（経膣分娩）
点線：小川ら
3000
2500
2000
1500
1000
500
0
22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41
在胎期間（週）
新旧在胎期間別出生時身長基準値
60
50
出
生
時
身
長
男児（初産）
実線：2003-2005（経膣分娩）
点線：小川ら
90パーセンタイル
50パーセンタイル
10パーセンタイル
40
30
(cm)
20
10
0
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
在胎期間（週）
36
37
38
39
40
41
結論
• 2003～2005年に出生した早産児の在胎期間別の出生体
重は、1995年に作成された出生時身体発育基準値に比べ
て、10パーセンタイル値が下方にシフトしていた
• これは帝王切開で分娩となった早産児の出生体重が小さ
いことを反映したものであった
• 新しい在胎期間別出生時体格基準値を作成するにあたっ
ては、子宮内発育不全児が多く含まれる医学的適応によ
る早産児を含めることは適当でないと考えられる
• 従来の定義に基づく在胎期間別出生時体格基準値の作成
については再考すべきである
これまでの経過と今後の研究計画
平成19年度
2003－2005年
日産婦周産期委員会
データベース（約14万
人分）
男女・初経産別
体重・身長基準値の
作成
体重の10％タイルがこれ
までの基準値より低値
平成20年度
平成21年度
経膣分娩と帝王切
開では出生体重が
大きく異なる
2003－2005年周産期
データベースを基にし
た基準値を作成（頭囲
については再調査）
早産帝王切開例は
子宮内発育不全が
多い
評価：HISグループ、総
合周産期データベース
を利用して短期予後と
の関連性を検討する
経膣分娩例だけで
基準値を作成するこ
とが望ましい
在胎期間別出生時体
格基準値（SGA、
AGAを評価できるソ
フトの開発・発表）

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