基礎セミナー発表

基礎セミナー発表
発表のテーマ:これでいいのかODA大国日本
グループ:援助
2000.11.21(火)
伊藤(勇)、古川、細野
何を調べるか:
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ODAとは何か
日本のODAの現状
日本のODA政策に対する批判
日本が改善しつつあること
これからどう改善していけばよいか
ODAとは (1):
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政府開発援助
Official Development Assistance
日本での実行機関:
・JICA(国際協力事業団)
・OECF(海外経済協力基金)
ODAとは (2):
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技術協力+資金協力
無償資金協力…主にタイド(ひもつき)援助
有償資金援助…「借款」
89年にODA給与額世界一
90年まで日本は被援助国だった
(↑53年に世界銀行から借金をして、
返済し終えたのが90年)
日本のODA批判1
利益追求型援助=タイド(ヒモつき)援助
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対外経済上の利益獲得のための利用
例:日本の援助の最大受け取り国インドネシア
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日本の援助で利益を得るのは日本企業
→工事施工から資機材調達まですべて日本の業
者が請け負う
日本のODA批判2
援助に関する情報の不足
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日本国内では
→どんなプロジェクトにどれくらいの
資金が給与されるのかわからない
援助受け入れ国では
→援助案件の内容が住民には知ら
されないまま進められる
日本のODA批判3
援助の方法ー質より量の重視ー
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金額面での実績が重視されてマイナス効
果のプロジェクトを実施
開発援助が環境破壊を引き起こす
貧困層・少数民族への圧迫
(従来の生活の場のたちのき・強制移住)
→援助がもたらされるべき最貧層の人々に
届いていない
日本のODA批判4
援助政策決定システムの非効率性
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決定体制の複雑さ(四省庁協議体制)
対外経済協力審議会
総
理
府
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経
済
企
画
庁
外
務
省
大
蔵
省
農
林
水
産
省
援助に関する法整備がない
通
商
産
業
省
他
省
庁
日本のODA批判5
援助の地域的偏り
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政治的要因
ODAの約3分の2はアジアに流れ、そのう
ち約半分がASEAN諸国に集中
1980年代のODA地域配分原則
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アジア
70
アフリカ
中東
10
ラテンアメリカ
10
10
この割合が基本的に変わっていない
<日本が改善しつつある事>
(1)援助自体に関して
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タイド(ひもつき)援助を縮小し、アンタイド
率を高くしている。(有償資金協力のアンタ
イド率は96年に100%)
環境ODAの実施
JICA,OECFの「環境配慮のためのガイ
ドライン」
(2)その他
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情報公開
a、国会に年次報告(93年から)
b、個人が情報収集をしやすくなってきてい
る。
大学などで途上国支援の講座が増えている。
<これからすべきこと>
(1)決定・実施体制に関して
a、スタッフ不足の改善
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政府機関の定員の見直し
↓
ODA部門の大幅拡充
(プロジェクトの増加に対応・十分なフォローアップ)
B、複雑な仕組みの改善
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様々な分野を抱えるため、各省庁の権限
や責任がどうしてもあいまいになってしまう
という状況。
↓
解決策は?
つづきは最後に…。
(2)広報体制に関して
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国民への説明の制度化
直接国民に対し情報を提供する事が期待
される。大きな印象を与えるテレビが重要
な手段だろう。
ODA報道の専門ジャーナリストの育成
マスメディアの質を高める。
(3)途上国側の専門化
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現地の実状に精通している途上国の人々
は、十分な活躍が期待できる。
現在よりも積極的に日本のODAの政策過
程に組み込むことが必要。
<議論をしましょう>
複雑な援助体制をすっきりさせるために
「海外援助庁」というものを新設し、援助
実施体制を一元化するのが良いだろう。
という案があるのですが…。
参考資料
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「ODA一兆二千億円のゆくえ」
草野厚、経済新聞社
「ODA 援助の現実」
鷲見一夫、岩波新書
「無責任援助ODA大国ニッポン」
村井吉敬、JICC出版局
「日本のODA海外援助ー質と量の大いな
る矛盾ー」 フランツ・ヌシェラー、スリーエ
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