産業知識マネジメント Week.4 方法論 (情報と知識・知識創造・プロトタイピング) 先端経済工学研究センター 馬場靖憲 29.10.2002 産業知識マネジメント 科学に対する異なった見方 Bruno Latour, “Science in Action” 29.10.2002 産業知識マネジメント Bruno Latour, “Science in Action” 29.10.2002 産業知識マネジメント Bruno Latour, “Science in Action” 29.10.2002 産業知識マネジメント Bruno Latour, “Science in Action” 29.10.2002 産業知識マネジメント Bruno Latour, “Science in Action” 29.10.2002 産業知識マネジメント 設計者に対する現代の課題 • 既存の製品・サービスにおける効率の向 上から新しい価値基準の発見とそれに基 づいた新製品・サービスの提案 • コンピュータ支援環境の向上 ⇒デジタル価値創造の実現 29.10.2002 産業知識マネジメント パラダイム・シフト • 「現場・現物」の人工物 ⇒モノとして表現される「システム化知識」 ⇒知識を再利用する • 企業によって開発され完成された製品 ⇒開発思想を提案し社会に育ててもらう製品 ⇒曖昧さから学ぶ(あたりまえからのフシギ発見) • 環境要因を外部化した製品 ⇒開発要因を内部化した製品 ⇒社会ニーズを盛り込む 29.10.2002 産業知識マネジメント イノベーションの実現 : シュンペーターの新結合の起源はパレートのcombinazione : 新しい組合せを見つけ出そうとする意欲,本能,発明の才能, 工夫力,独創性,構想力 • イノベーションの担い手:エンジニアとブリコレール(直観・想 像・知覚を駆使して「何でも手で器用に作る人」) • 依拠する思考パターン 知識(モノゴトを実践する能力として,外在化された知識の利用) 知性(モノゴトを実践する能力として, リアルタイムでの知性の実現) • 特定の場所・時間に生起したブリコレールによる知性のひら めきが変化への組合せを誘導する 29.10.2002 産業知識マネジメント 知性の定義 「知性は,蓄積され,構造化されうる知識や情報と は大きく異なり,それは,蓄積されることのなく,有 効に機能する瞬間にのみ威力を発揮する力であ る.構造的に蓄積された知識は,ともすれば変化 を恐れるが,知性は潜在的に萌芽としてあるもの を顕在化せしめるものだという意味で,本質的に 変化を誘発する運動である.・・・知性は,ある対象 構成する要素のうちで何が可変的であり,何が不 変的であるかを識別し,変化にふさわしい組合せ を予測する組み合わせを予測する力なのである. その意味で,あらゆる知性にはいくばくかの賭け の要素が含まれているというべきであろう.」 蓮實重彦,「東京大学卒業式における総長告辞」「学内広報」No.1122, 30.03.1998, p3 29.10.2002 産業知識マネジメント 知識創造とは何か:野中理論 認識論的次元 形式知 暗黙知 存在論的次元 個人 グループ 組織 組織間 知識の存在論的レベル 図3-1 組織的知識創造の2つの次元 29.10.2002 産業知識マネジメント 暗黙知 暗黙知 暗黙知 暗黙知 共同化 Socialization 表出化 Externalization 内面化 Internalization 連結化 Combination 形式知 形式知 形式知 形式知 図3-2 4つの知識変換モード 29.10.2002 産業知識マネジメント 対話 共同化 表出化 形式知 の結合 場作り 内面化 連結化 行動による学習 図3-3 知識スパイラル 29.10.2002 産業知識マネジメント 対話 共同化 (共感知) 表出化 (概念知) 形式知 の結合 場作り (操作知) 内面化 (体系知) 連結化 行動による学習 図3-4 知識スパイラルと内容の変化 29.10.2002 産業知識マネジメント 知識創造とは何か:J.S.Brown理論 J.S.Brown, Bridging Epistemologies: The Generative Dance Between Organizational Knowing 29.10.2002 産業知識マネジメント J.S.Brown, Bridging Epistemologies: The Generative Dance Between Organizational Knowing 29.10.2002 産業知識マネジメント J.S.Brown, Bridging Epistemologies: The Generative Dance Between Organizational Knowing 29.10.2002 産業知識マネジメント 共創を生み出す場の実現 • 自由な人間の自然発生的協力(ハイエク) • 共通目的+異質+平等(自由闊達) • 共創の核:小集団による「全意識活動」 (トランスコーポレーション) ⇒ある意味で企業文化の革命が必要 29.10.2002 産業知識マネジメント 製品分野ごとの 共創の「場」の類型化 • 工業製品分野(機能の追求)の場合 ⇒オーケストラによるコンサート・モデル • デザイン志向製品開発(感性の追求)の場合 ⇒ジャズ・モデル 29.10.2002 産業知識マネジメント オーケストラによるコンサート・モデル 前提:プロフェッショナルによる業務の遂行 • • 指揮者は何を指揮するのか? 要求される目的は,一糸乱れぬ演奏? ⇒指導者に要求されるのは, 1. 暗黙のうちのリーダーシップの発揮 2. 掛け声を出すタイミング 3. その行動を通じて,集団の独自性と精神性の明確化 29.10.2002 産業知識マネジメント ジャズ・モデル • ジャムセッション: お互いの演奏を聴きながら演奏の質を高める (他のプレイヤーの演奏に含まれる何かしらの「驚き」に よって触発された個々のプレイヤーの反応の集積) • 本当にフリーか? ⇒開発プロセス進行に一定のワクを人間の必要性 感性的製品の場合,一人の人間が評価を行う 29.10.2002 産業知識マネジメント References • 日本機械学会誌,vol.102,No.965,1999年4月 • 馬場靖憲,デジタル価値創造,NTT出版,1998年 • ハイエク,フードリッヒ,“社会における知識の利用”,嘉治元 郎,佐代訳,「個人主義と経済秩序」,春秋社,1990年 • ミンツバーグ,ヘンリー,“ポスト・エンパワーメント:真のプロ フェッショナル組織を活かすリーダーシップ”,ダイヤモンド・ ハーバード・ビジネス, vol.24,No.3,1999年5月,pp121-129 • D.Schon, “Reflective Conversation with Materials” in T. Winograd, Bringing Design to Software, ACM Press, 1996. 29.10.2002 産業知識マネジメント 情報と知識:InfoSense by Devlin Keith Devlin, “InfoSense, Turning Information into Knowledge” 29.10.2002 産業知識マネジメント Keith Devlin, “InfoSense, Turning Information into Knowledge” 29.10.2002 産業知識マネジメント Keith Devlin, “InfoSense, Turning Information into Knowledge” 29.10.2002 産業知識マネジメント Keith Devlin, “InfoSense, Turning Information into Knowledge” 29.10.2002 産業知識マネジメント Keith Devlin, “InfoSense, Turning Information into Knowledge” 29.10.2002 産業知識マネジメント Keith Devlin, “InfoSense, Turning Information into Knowledge” 29.10.2002 産業知識マネジメント Keith Devlin, “InfoSense, Turning Information into Knowledge” 29.10.2002 産業知識マネジメント Keith Devlin, “InfoSense, Turning Information into Knowledge” 29.10.2002 産業知識マネジメント Keith Devlin, “InfoSense, Turning Information into Knowledge” 29.10.2002 産業知識マネジメント
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