テクスト意味空間分析法 ~バカがバカたる所以・アホがアホたるゆえん~ 板井利一(環境1年・70140730) 菊池由希子(総合4年・79803183) 富田慶一(総合1年・70106146) 永野光康(環境1年・70147077) 仮説1・2・3 各語が含まれている文節を区切ったときに 出た助詞に注目。それぞれに付く助詞によ り、バカとアホの意味の違いが分かるので はないか。 各語が使用される地域に注目。それぞれ に地域性があるのではないか。 語、そのものの仕組みに関係性が見出せ るのではないか。 仮説1の実証(DATAから) 総データ数 アホ 260 バカ 273 に を は な の 複合名詞 が ニュアンス弱 否定 アホ 14 24 0 60 32 78 10 32 6 バカ に 122 を 52 は 0 な 30 の 2 複合名詞 30 が 5 ニュアンス弱 12 否定 0 バカ独自のもの 慣用句 6 バカバカしい 14 「に」 アホ14 バカ122 バカは対象が人では無く物や行動 ex)バカにする cf)アホにする →バカのニュアンス強し? 「を」 アホ24 バカ52 自分/他人の「行為」が対象 バカの特殊な例 バカをみる :これが非常に多かった →ここからも、対象が「行為」であると分かる cf)アホをぬかせ アホを満喫・・ →対象が定まっていない 「の」 アホ32 バカ2 「バカ」(主に物を対象に使う)の例外 この場合「人」を対象にしている ex)バカの一つ覚え 意味:愚か者がやっと覚えた一事だけを得意 にふりまわすことをあざけって言う言葉 cf)アホの世界・アホの為の アホの仲間入り・アホのやることですから →アホは「人」を対象にしていることが分かる 複合名詞 アホ78 バカ30 「バカ」の場合のみ、強い逆説的な意味が生じる ex)役者バカ・バンドバカ →「役者バカ」の場合 演劇ばかりに熱中する姿を 非難するのではなく、むしろ評価している これは「アホ」に関しては特に特徴はない ニュアンス弱(DATAと疑問仮 説) アホ32 バカ12 具体例 アホらしい・アホみたい・アホっぽい 「アホ」という意味を弱めるものを抽出 疑問・仮説 疑問:「に」で、バカの方がニュアンスが強いと仮定 した。しかし、もしそうだとしたら、このニュアンス を弱める働きをする語を「バカ」につけるのでは ないか。 仮説:ニュアンスが弱いからこそ人は使いやすく、 それゆえ抽出された語数が多いのではないか。 ニュアンス弱(仮説の検証) 今までの助詞のデータから バカ →対象が「もの・こと」が多い アホ →対象が「ひと」が多い ここから見えてくるもの →アホはバカよりマイルドな意味合いを持つ →アホは「ひと」に対して使う →それゆえ、マイルドさが必要 →マイルドゆえ、多くの人が使う →自然とデータ数がバカより多くなる →バカ アホ 各語そのものに 特徴があるのではないか バカ アホ 比較 バカ baka 子音(bとk):破裂音 音響効果: 瞬間的かつ鋭い感じ アホ aho 子音(a)の効果が弱い 音響効果: なし 母音(a)の緩和効果を 子音がうすめてしまう 母音(o)が圧倒的に 優勢である →バカ:利器 →アホ:鈍器 疑問点 アホのほうが使われやすくバカの方が使 われにくいはずなのに、データ総数的に見 ると、バカの方がアホよりも検索結果が多 い →地域性に関係があるのではないか? 東西対照表 大阪弁 ・優しくて、軟らかい ・潤濁、朦朧 ・歯切れがよい ・鈍重、悠長 ・女性的で、生ぬるい ・間が抜けて、しまりがない ・余情がある ・典雅、婉曲 ・包含的 東京弁 ・ぶっきらぼうで、硬い ・冷澄、明晰 ・歯切れがよい ・軽快、急促 ・男性的で、 きびきびしている ・緻密で、きりっとしている ・知性がある ・尖鋭、端的 ・分析的 アホを使った方言例 アホんだら アホちゃいますか アホくさ →方言になるくらいアホと言う言葉は親しみ やすく使われやすい バカとアホの分布 バカとアホの分布 (『全国アホ・バカ分布考』より)によると、アホ と言う言葉を使っている人よりもバカと言う 言葉を使っている人のほうが圧倒的に多 い →総データ数が「アホ」のほうが少ない理由 結論1・2・3 バカはアホに比べ、意味が強い →アホを主に「人」に使用して、バカを「物事」に使 用する 関東圏と関西圏の語の違い(地域性) バカとアホの語の仕組みの違い →アホは意味が弱いから、日常会話の中に取り入 れるなどして使いやすい →人が使えば使うほどますます意味がマイルドに なっていく →循環 補足 最終データ更新日 2001年12月11日 使用データベース ・朝日新聞 ・URLTODAY ・毎日新聞 ・紀伊国屋書店 ・yahoo ・google ・MSNジャーナル ・フレッシュアイ
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