分子動力学 (Molecular Dynamics) の原理 計算物性研究室 坂下 浩史 (Sakashita Hirofumi) アウトライン 分子動力学とは? 運動方程式 差分 Verlet法 レナード・ジョーンズ ポテンシャル 量子力学への招待 分子動力学とは? 原子一つ一つの位置や運動をNewtonの運 動方程式を解くことで求める。 モンテカルロ法 原子が右に行くのか左にいくのか、力学的に予測 される確率にしたがって、運動を決めていく。 d r (t ) mi f ij 2 dt j 2 分子i から 分子 j にかかる力 簡単のため 2 d r m 2 F (r , t ) dt fij 運動方程式を解く! d2r m 2 F (r , t ) dt 2階の微分方程式は1階の連立微 分方程式に書き直すことができる。 簡単のため、一次元運動で考える dx v dt dv F dt m 数値計算を行うために、差分化を行う 差分をやる(復習) dx xn 1 xn dt ⊿t dx v dt dv F dt m 微分を近似する x n1 xn v n ⊿t xn1 xn v⊿t F vn 1 vn ⊿t m Euler法 と呼ばれる Verlet法 r(t)は分子の位置とする。 r(t+⊿t)、r(t-⊿t)をTaylor展開する d r (t ) 2 d 2 r 3 r (t t ) r (t ) t (( t )) 2 dt 2 dt これら2式の和・差を取る d r (t ) 2 d 2 r 3 r (t t ) r (t ) t (( t )) 2 dt 2 dt (t ) 2 F (t ) r (t t ) r (t ) t v ((t 3 )) 2 m (t ) 2 F (t ) r (t t ) r (t ) t v ((t 3 )) 2 m F (t ) r (t t ) r (t t ) 2r (t ) (t ) ((t 3 )) m 2 r(t t ) r(t t ) 2t v(t ) ((t 3 )) F (t ) r (t t ) 2r (t ) r (t t ) (t ) m 1 v(t ) r (t t ) r (t t ) 2t 2 Verlet法 の アルゴリズム Verlet法 の アルゴリズム エネルギーの保存条件 をクリア よいアルゴリズムであることが言える。 分子動力学でよい結果を生み出すには 周期境界条件を設定、圧力、温度を考慮した式 レナード・ジョーンズのポテンシャルとは? d r (t ) mi 2 dt 2 f ij j 斥力 (r ) 4 [( ) ( ) 6 ] r r 引力 12 量子力学はどこで使うの? 分子の動きをあつかう Schrodinger方程式 水素原子核の質量は、電子の2000倍近く Newton運動方程式への近似が可能 第一原理への招待 量子力学は分子間に働く力に関わる。 各原子の電子の状態を計算 原子間ポテンシャルのうち、原子核同士のクーロン相互作用以外は 電子が関わってくる。 まとめ 分子動力学は、Newtonの運動方程式を数値 解析したもの。 より正確なシミュレーションをするときには、よ り正確な分子間ポテンシャルが必要。 (量子力学の必要性) おしまい
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