第1章 参考資料 平成24年度 東京工業大学 大学院基礎物理学専攻 宇宙物理学(前半) 松原英雄(ISAS、JAXA) 現代の宇宙物理学の課題の解明には、多波長天文学 が不可欠となっている 赤外観測 可視光観測 X線観測 電波観測 波長 5m 1cm 10μm 500nm 250nm 0.5nm 0.5pm 色々な波長の電磁波で、 近くの宇宙から遠くの宇宙へと探る。 2 我々の銀河系(中心部) 可視光 近赤外 (COBE衛 星) 遠赤外 (IRAS衛星) R1-p3 画像提供:NASA/ADC 赤外線で見た全天 中間~遠赤外線 (銀河座標系表示) R1-p4 画像:NASA提供 NASA提供 銀河の卵ー宇宙の「しわ」 宇宙背景放射探査機COBEによって見つかった、絶対温度2.7Kの宇宙背景放 射のゆらぎ“宇宙のしわ”の図。銀河や銀河団はここから誕生した。 5 (画像:NASA提供) WMAP Observations of the CMB WMAP •Wilkinson Microwave Anisotropy Probe (2001 at L2) q ~ 70 •Probe the CMB fluctuation Spectrum below the horizon scale : q ~ 900 - 0.20 (in terms of multipole l : l = 2-1000 q = 180o / l ) q ~ 0.20 WMAP Observations of the CMB Red - warm Blue - cool 目で見える銀河はすべて見つける ハッブル宇宙望遠鏡による 太古の宇宙の探索 ハッブル宇宙望遠鏡 (画像:NASA提供) 赤外線でみた40億光年以上 のかなたの宇宙 ISO (赤外宇宙天文台) ハッブル望遠鏡のとっ た画像に、波長15ミクロ ンでのISOによる観測 (等高線)を重ねた。 (Astron. Astrophys. Vol. 342, 313-336 (1999).) 星をまさに作りつつある銀河がいっぱい見 つかりつつあります! 観測波長15mm • 赤外天文衛星「あかり」は北黄極方向に長時間の撮像観測データを貯め 10 ています!(左は国立天文台の「すばる」望遠鏡でとった可視光画像) ハッブル宇宙望遠鏡で見る重力レンズ銀河団 銀河団:100~1000個の銀河の集団 11 写真・STScI 銀河団にはX線で輝く高温ガスがある この高温ガスを閉じこめておくためには、暗黒物質によ る重力が必要です。 あすか衛星によるX線画像 可視光 髪の毛座銀河団 12 (写真/JAXA) M101の壮観なイメージ http://www33.ocn.ne.jp/~inetwada/cxoa090210.htm 13 14 Warm dust clumps (heated by Starformation) distribute outer edge of the galaxy! Cold Dust Warm Dust AKARI/FIS Evidence of ‘tidal interaction' with a companion galaxy which dragged out the gas from the companion, falling onto the outer edge of M101 triggering the active star formation • Warm dust in red, cold dust in blue, together with optical (DSS R-band, green) & Far-UV (GALEX, light blue) 天体の位置の表し方(1) 地平座標系 • 方位角と高度 – 観測地点がどこにある か、また時刻によって 天体の座標は変わって しまう。 http://www.astroarts.jp/alacarte/kiso/image/110.gif 観測地点や時刻に依らず、天体の 位置を表すには • 天の赤道:天の極軸 (地球の自転軸の方 向)に垂直な面 • 黄道:天球上での地 球の軌道面 天体の位置の表し方(2) 赤道座標系 • 赤道面と黄道は、春分点 と秋分点で交わる。 – この春分点の方向は(地 球の自転軸の傾きが一定 と思えば)ほぼ慣性空間に 固定された方向である。 – 春分点を起点に赤道に 沿って測った時角を赤経α、 経線(αが一定の大円)に 沿って赤緯δ(赤道δ=0)を 定義する。 http://www.astroarts.jp/alacarte/kiso/image/113.gif 座標変換(地平座標 赤道座標) http://www.sci.kagoshima-u.ac.jp/~nishio/InSP/InSP2006-2PPT.pdf 天体の位置の表し方(3) 黄道座標系 • 春分点を起点に、黄道 に沿って黄経λ、経線に 沿って黄緯βを定義する。 • 黄道傾斜角 q0 = 23 27 – 春分点をX軸とすると、X 軸周りにθ0回転すれば 得られる http://www.astroarts.jp/alacarte/kiso/image/115.gif 天体の位置の表し方(4) 銀河座標系 • 銀河赤道(天の川の中 心線)は、赤道に対し て傾斜しています。 qG = 62 52 • 原点は? – 銀河中心(射手座の電 波源SgrA)(J2000) を 銀経の原点とする = 17h 45m.6 = 2856 http://www.astroarts.jp/alacarte/kiso/image/117.gif 銀河座標系は全天画像で良く使います 近赤外線でみた全天画像 Two Micron All Sky Survey (2MASS), • 銀河円盤とバルジ(丸く膨らんだ部分)を横から見たような姿に見 えますね?わたしたちは、確かに一つの銀河の中に住んでます。 大気の透過率(近中間赤外) “Astrophysical Quantities” R1-p24 高度5600mまで上ると・・(1)近赤外 www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/TAO/pjbook/chap7.pdf 高度5600mまで上ると・・(2)中間赤外 • 赤がPWV=0.38mm、青がPWV=0.91mm であり、各々 高度5600m、4200m での水蒸気条件上位10%相当。 高度5600mまで上ると・・(3)23-40mm 大気の透過率(サブミリ波) R1-p28 ALMAサイト(チリ、標高5000m) ALMAはミリ波サブミリ 波電波干渉計 (Atacama Large Millimeter / Submillimeter Array) • 日、北米、欧、台湾、 チリの国際協力 • – チリ北部標高5000m の乾燥大地に設置 • – アンテナ台数:12 m 54 台、7m 12 台 • – 波長10 mmから0.35 mmをカバー • 2011年8月、16台のア ンテナが稼働 heapa.astro.isas.ac.jp/activity/2011/heapaws11/presen/6-2saito.pdf 地上からの可視・赤外線観測の際の背景光(1) http://www.kusastro.kyoto-u.ac.jp/~iwamuro/LECTURE/OBS/atmos.html 地上からの可視・赤外線観測の際の背景光(2) 記号 名称 温度 emissivity 備考 GBT Ground-Based Telescope 273 K 0.1 望遠鏡鏡面からの熱 輻射 AE Atmospheric Emission ~ 273 K 1 - 透過率 地球大気からの熱輻 射 OH OH airglow --- --- 地球大気からの非熱 的放射 ZSL Zodiacal Scattered Light 5800 K 3×10-14 黄道面付近のダスト による太陽光の散乱 ZE Zodiacal Emission 275 K 7.1×10-8 黄道面付近のダスト からの熱輻射 GBE Galactic Background Emission 17 K 10-3 銀河面付近のダスト からの熱輻射 CST Cryogenic Space Telescope 10 K 0.05 冷却宇宙望遠鏡での 熱輻射 CBR Cosmic Background Radiation 2.73 K 1.0 宇宙背景放射
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