日文學術論文寫作(一)宿題 林靜如 一、先行研究 (相違点) 小森陽一 対話と地の文ーテクストの二相系(記述がある) 生方智子 (1)百合は「女」であるのかという解釈をめぐって派生する問題。 -江藤淳 「堂世という名の嫂」 -越智治雄「父母未生以前の漱石-『夢十夜』-」 -笹淵友一「第一夜については作品の本質が転生思想にある」 (2)レトリック分析の試み - 「『夢十夜』第一夜-字義的意味の蘇生- 」 -「夏目漱石 反転するテクスト」解説 (3)テクスト分析 -金子明雄「座談会「語り」研究の現在-その到達点と問題点-」 二、問題提起 (相違点) 小森陽一 テクスト全文で、どんな細部であれ、言説全体と拮抗する引力を持った言葉で ある。言葉同士の引力の交錯が一つの浮力を生み出しえているか。 生方智子 メタファーの陰に隠された語り手の意図を分析すると同時に、語り手のテクス ト統御の意志を越えてテクストが孕んでいるノイズを考察します。 三、本論 (共通点) (一)尹相仁「世紀末と漱石」 「女」の造形に見られるイギリス世紀末の芸術の影響を分析して、ヴィクトリ ア朝芸術における「眠り姫」のモティーフとかかわる。 (二)生と死の対立 生-真っ黒な瞳の奥に、自分の姿が鮮やかに浮かんでいる。 死-黒い眸の中に鮮に見えた自分の姿が、ぼうつと崩れてきた。 (三)メタファー 「真白な百合」が「真白な頬」に対応できる。 「真白な頬」した「輪郭の柔らか い瓜実顔」の「女」のメタファーである。 三、本論 (相違点) 復活 小森陽一 禅的の言説によって、「真白な百合→露→暁の星」という順序で、万物帰一をい い成すことが出来る。 生方智子 「百年を待っていてください」という言葉を見てみると、「女」は真の中に復活 を予感していることが読み取れる。 三、本論 (関連性) 小森陽一「声と眼差し」という論文によって、テクストの最後に出現する「百 合」 の花が「女」であることは、「自分」と「女」の精神的な契りの崇高な在り方こそ が約束の達成であることが明らかになる。だから、生方智子は語り手がこの<約 束の達成>という主題を語ることに気になり、どのようなジェンダーの枠組みに 依拠しているのかについて考察します。 四、結論 (相違点) 小森陽一 百合と露と暁の星が三つ重なったとしても、それは女それ自身ではない。「第一 夜」は、不可能性をめぐる言説だった。 生方智子 語り手が百合を「女」のメタファーとして語ることである。メタファーによっ て流体としての水の性質の統御を図るが、無定形に流れる水はあらゆる固着化 から流出してしまい。だから、「第一夜」において語り手の規則から逃れてい くノイズとは流出するの「女」のイメージである。
© Copyright 2024 ExpyDoc