SaaS

SaaS
(Software as a Service)
添田陽彦
SaaSとは
 ユーザーが開発者などからソフトウェア提供を受
けるに当たり、必要な機能のみを選択して利用で
きるようにしたソフトウェアのこと。
その配布形態。
 個々のユーザーが本当に必要な機能のみをオン
デマンドに利用でき、その機能に対してのみ支払
いをする。
SaaSの特徴
 大半はネットワーク内で完結するためユーザー側
はそれほど複雑な操作やインストールなどをする
必要はない。
 ユーザー側の敷居が低く、デスクトップ型アプリ、
サービスに比べ、ユーザーを増やしやすい。
 多くがネット上で完結するデジタルサービスである
ため、輸送費、在庫費などがかからない。
米国におけるSaaS市場規模
単位:万ドル
34億5000万ドル
400,000
350,000
300,000
250,000
200,000
14億6250万ドル
11億7000万ドル
150,000
100,000
50,000
0
2002年
2003年
2007年
米国IT関係者による
SaaS市場の見通し
4.50%
SaaSサービスの需要は伸びており、今後主要
サービスになると思う。
0.40%
1.80%
SaaSサービスの需要は伸びており、ソフトウェア
ソリューションをアウトソースするのに適した方法
だと考えられるようになる
25.60%
43.60%
SaaSサービスの需要は伸びているが、パッケー
ジソフトほど一般的にはならない。
SaaSサービスの需要は伸びておらず、今後もそ
の傾向は強い。
一般的な流行で終わっている。
25.10%
その他
SaaSモデルと
パッケージソフトウェアとの相違点
相違点
SaaSベンダ
パッケージソフトウェアベンダ
顧客が独自にインストール、管
インターネットベースでの提供を
ソフトウェアデザイン
理、メンテナンスを行うことを前
前提としたデザイン
提としたデザイン
異なるユーザ企業からのリクエ
複数のユーザーによ
ストを処理できるよう、分散型
る
のアプリケーション共有環境を
アクセス
実現。
個別のユーザ企業において、ソ
フトウェア専用のインスタンスを
利用し、アーキテクト・ソリュー
ションが利用される。
サービスマネジメント ベンダから複数の顧客に提供
とセキュリティ
できる。
ユーザが個別に追加する必要
がある。
SaaSモデルと
パッケージソフトウェアとの相違点
相違点
ソフトウェアの
グレードアップ
SaaSベンダ
18-24ヶ月毎に大型のアップグ
3-6ヶ月毎に、小規模で複数
レードを行い、顧客に個別に配
回のアップグレードを行う。複数
布される。ベンダは複数のバー
の企業に対して同時にアップグ
ジョンをサポートする必要があ
レードを提供できる。
る。
すべてブラウザベースのイン
ブラウザベースのク ターフェイスで提供される。ベン
ライアント・インター ダは複数のクライアントインター
フェイス
フェイスの開発、サポートをする
必要がなくなる。
データ転送とアプリ
ケーションの統合
パッケージソフトウェアベンダ
ブラウザベースのインターフェー
スの提供を開始しているが、そ
の多くが複数のクライアントイン
ターフェイスをサポートしてお
り、メンテナンスコストの増額に
つながっている。
ウェブサービスやオープンAPI
SaaSと同じ機能は使えるが、顧
、標準化技術などを利用し、一
客はそれぞれ統合のためのコ
貫したデータ転送や、他のアプ
ストを負担する必要がある。
リケーションとの結合が可能。
SaaSモデルと
パッケージソフトウェアとの相違点
相違点
機能
SaaSベンダ
パッケージソフトウェアベンダ
頻繁にアップグレードがされる ソフトウェアベンダとしての、よ
ため、機能を迅速に提供するこ り深く幅広い機能を提供するこ
とができる。
とが可能。
アプリケーション層上部だけの
コンフィギュレーショ カスタム化で済むため、追加で カスタマイズにはコンフィギュ
ンを通じたカスタム 必要となるプロフェッショナル
レーション、ソースコードレベル
化
サービスを最小限に抑えること 双方に手を加える必要がある。
ができる。
サポートサービス
直接ユーザアカウントへのアク
セスがあるため、より迅速に問
題特定、解決を行うことができ
る。また問題解決を1度に行え
るため、サポートコスト削減もで
き、顧客が気づかない間に問題
が解決されている場合もある。
ソフトウェアの問題に関する
フィードバックは、間接的に得ら
れる場合が多い。顧客個別の
問題に対応することはできる
が、その後パッチの配布などを
通じてしか問題解決をはかるこ
とができない。
ASPについて
 利用者はインターネットに接続された環境で、ブ
ラウザソフトを使ってASP事業者のサーバにアク
セスし、ASP事業者から提供される各種アプリ
ケーションソフトを利用する。
 ユーザごとに物理的なサーバー環境を用意する
シングルテナントが主流
 ASPで提供されていたのは、グループウェアある
いはショッピングサイトなどで、いわゆる業務系
アプリケーションは対象となっていない。
シングルテナント方式
ユーザ企業
A
B
C
ベンダ
イ
ン
タ
ー
ネ
ッ
ト
A社用
B社用
C社用
マルチテナント方式
ユーザ企業
A
B
C
ベンダ
イ
ン
タ
ー
ネ
ッ
ト
A社用
B社用
C社用
SaaSの例
 Google
 Amazon
 Yahoo!
 ヤフー、グーグルなどのメールサービス
 マイクロソフト(Windows Live 、Office Live)
SaaSの例
 財務.会計
 給与.人事
 生産.販売.仕入.物流
 社内メール管理
 辞書.辞典.データベース
 インターネットショップ
 セキュリティ
など他にも様々
SaaSの例 (Employease社)
 福利厚生管理機能
人事・福利厚生のデータベース、組織・給与に関する定
義、法規制管理機能、福利管理機能など。
 職員向けセルフサービス機能
自分の給与の閲覧、福利厚生プランの申し込み、変更
など。
 マネジャー向けセルフサービス機能
職員の就業状態、給与、職務履歴などを閲覧する。
 レポーティング
人事、福利厚生に関するデータを分析し、グラフなどを
使ってレポートにする。
SaaSが普及した理由
 ASPのころと比べてネットワークの整備が進み、
高速回線を安価に使用できるようになったため.
 マルチテナントにすることでコスト削減
 ユーザーの使いやすいように設定を変更できる
ため、使い勝手がよくなった.
 最近では企業の中で社内ポータルと統合するな
ど企業の主要システムの一部として一般に受け
入れられつつある。