オタク系キャラクター文化の市場構造と インターネットの関わりについて 批評家 国際大学GLOCOM 東浩紀 オタクとは? 定義 人格的・精神病理学的な定義はしない 趣味のパターンで定義する 「マンガ、アニメ、ゲーム、コンピュータ、SF、フィギュア、ライトノベル 、特撮、そのほか、たがいに深く結びついた一群のサブカルチャーに耽溺する 人々」(男女含む) メタジャンル的なまとまりとしての「オタク系」 歴史 誕生:1960年代? 1970年代に急速に拡大(コミケの出現) 1980年代:アニメブーム(70年代末〜)、ガンプラ 1990年代:『エヴァンゲリオン』、インターネット、ジャパニメーション 規模 50-100万人?(推定)、10代-40代 オタク系市場の構造(i) • アマチュア(同人作家=消費者) 1. 2. 3. • コミケ:年2回のお祭り・・・・ヒト • 3日連続、ビッグサイト貸し切り、参加者数十万人 無数の同人誌即売会、専門店、通信販売・・・・モノ インターネット・・・・情報 プロ(商業) オタク系市場の構造(ii) 一般的なイメージ…… 商業市場 人材 アイデア 作品 インターネット アマチュアの コミュニケーション空間 情報 ヒト コミケ モノ 同人作品市場 1995年以降の変化 特徴 同人作品が強くなる インターネットでデビューする作家が増える 制作者と消費者の境界が曖昧になる 作品単位ではなくキャラクター単位で消費されるようになる マンガ・アニメが弱くなり、ゲーム・ノベルが強くなる 集団制作から、個人あるいは小集団制作への流れ 第3世代オタクの出現 第3世代:1980年代生まれ 「オタク」バッシングを知らない世代 女性の増加 発信志向 新世代オタクたちの動き・1 アマチュアスターの誕生 新海誠『ほしのこえ』 自主制作SFアニメ:監督・脚本・作画・声優まで新海 ネットで前作を公開→コミケで発見される→資金提供される→「ほしのこ え」制作→短編専門の映画館で上映(2002春)→口コミで爆発的人気 →DVDがヒット(3万枚? のち普及版で8万枚?)→各賞受賞→海外進出 http://www2.odn.ne.jp/~ccs50140/ TYPE-MOON『月姫』 自主制作ノベルゲーム:監督・シナリオ・システム・作画すべて武内崇・ 奈須きのこの二人組 コミケで発売(2000冬)→口コミで人気→同人ゲームとしては例外的なヒ ット(5万枚以上?)→関連書籍を同人出版 (上下巻合わせて10万部以上 )→アニメ化、関連グッズ販売→商業化 http://www.typemoon.com/main2.html 新世代オタクたちの動き・2 国境、ジャンルを超えた展開 Ragnarok Online 韓国もの。日本語が不完全なβ版の段階で口コミで人気を呼び(2001?)、 同人誌など続出。 http://www.ragnarokonline.jp/ 「キャラクター小説」のメインストリームへの進出 舞城王太郎(第16回三島賞、2003)、佐藤友哉、西尾維新、乙一(第3回本 格ミステリ大賞、2003)、滝本竜彦などなど。 ミステリ、ゲーム、アニメの共通知識を背景とした独特の世界観と文体。 ネット上の情報交換の洗練化 検索エンジン「TINAMI」 http://www.tinami.com/ 3万件のアマチュア作家サイトの登録。月間400万PV。作家名、作品名、絵 柄などによる詳細な検索システム。1996-。 新世代オタクたちの動き・3 商業マンガ、アニメ コンシューマ系ゲーム 韓国、台湾作品 オンラインゲーム インターネット コミケ 2ちゃんねる テキストサイト 同人流通、即売会 秋葉原のオタク街化 PCゲーム 自主アニメ キャラクター小説 グッズ Cf 森川嘉一郎「趣都の誕生」 幻冬舎、2003
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