新編日語第三冊 第17課 マスコミ (言葉と表現) 2015/9/30 17課 1 一、「における」 【用法】「名1+における+名2」 【意味と用例】 ❶物事が行われる場所、場面を表わす。 ◆明治時代における外来語の流入が、今日の日本語 にも影響を与えている。 ◆東京ドームにおけるコンサートは大成功だった。 ❷方面、分野という意味を表す。 ◆憲法研究における山本氏の業績は、広く知られて いるところである。 2015/9/30 17課 2 【練習】次の適当なところを「における」で言 い直しなさい。 ①在職中の功労が認められた。 ②家庭での彼は実によい父です。 ③日本の場合の四季の変化は他の国には見られな いものです。 ④過去の過ちを謝罪します。 ⑤このレポートでは江戸時代の庶民と武士の暮ら し方の比較をしてみた。 2015/9/30 17課 3 【注意】「 …において」の形で動詞を修飾する。 ◆卒業式は3月15日に体育館において行われる。 ◆申し込みは1番窓口において受け付けます。 2015/9/30 17課 4 二、接尾語「あたり」 【意味】単位となる名詞につけて、割合や平均を 言う時に使う。 【用例】 ◆漢字の使用率は百字当たり二十三字です。 ◆キロあたりの運賃は800円です。 ◆6日間で6千円もらったから、一日当たり千 円になります。 ◆4人家族で、お米を20キロ買っておいたら、 一人あたり5キロです。 2015/9/30 17課 5 三、「以上」 【意味・用法・用例】 ❶「数詞+以上」その数値を超えるという意味。 ◆このエレベーターは六人以上乗れません。 ◆六歳以上、十二歳までは子供料金です。 ❷「名詞・動詞+以上」その程度を超えるという意味。 ◆自分の能力以上の仕事を与えられるのは悪いこと ではない。 ◆試験の点は想像以上に悪かった。 ◆そのレストランはみんなが言う以上においしい。 2015/9/30 17課 6 ❸前に書いたことや述べたことを締めくくるときに使う。 ◆会社側が提出した条件とは、以上に示す五項目で ある。 ◆私の話は以上のようです。 ❹「名である/動詞連体形+以上(は)」 「それをする/したという状況では」という意味。 後ろにはそれに伴う覚悟をし、責任を持たなければなら ないという決意・勧告・義務などの表現が続く。 =「からには」 ◆約束した以上、破るわけには行かない。 ◆学生である以上は、勉強を第一にしなさい。 2015/9/30 17課 7 【練習Ⅰ】次の文を「以上」で言い換えなさい。 ①それよりもっと努力しても恐らく何の効果も上がらないと思うよ。 ②65歳を越えた人は入場料はただになる。 ③親であるからには、子を扶養する義務がある。 ④彼女はタイの人なのに、日本人よりも日本の歴史について 詳しい。 ⑤その薬は期待よりもいい効果をもたらした。 ⑥お金を払ってもらうからには、最高の試合をしてお客様に 楽しんでいただくことが私たちの仕事です。 2015/9/30 17課 8 【解答】 ①それ以上努力しても恐らく何の効果も上がらないと思うよ。 ②65歳以上の人は入場料はただになる。 ③親である以上、子を扶養する義務がある。 ④彼女はタイの人なのに、日本人以上に日本の歴史につ いて詳しい。 ⑤その薬は期待以上の効果をもたらした。 ⑥お金を払ってもらう以上、最高の試合をしてお客様に 楽しんでいただくことが私たちの仕事です。 2015/9/30 17課 9 【練習Ⅱ】次の文を「以上」で繋ぎなさい。 ①会のリーダーだ/反対者の意見も公平に聞くべきだ。 ②絶対にできると言ってしまった/どんな失敗も許され ない。 ③いったん始めた/最後まであきらめないつもりです。 ④大学を卒業した/自分で働いて食べていくつもりだ。 ⑤外国で暮らす/その国の考え方や習慣を知ろうと努め たほうがいい。 ⑥この学校に入学した/校則は守らなければならない。 2015/9/30 17課 10 四、接尾語「がましい」 【接続】「名・副詞・動(連用)+がましい」 【意味】 「いかにも…の様子」という意味を表す。そうあっ てほしくない時に多く使う。ややマイナスイメージの 語。形容詞を作る。 【用例】 ❀押し付けがましい/ 無理にやらせる様子。 ❀言い訳がましい/ ものの言い方が言い訳のよう である様子。 2015/9/30 17課 11 【用例】 ❀晴れがましい/ いかにもはなやかな様子。 ❀恨みがましい/ 恨んでいるように見える様子。 ❀恩着せがましい/ 恩に着せて相手に感謝を強いる様子。 ❀催促がましい/ いかにも催促する様子。 ❀人がましい/ 一人前らしい。 ❀未練がましい/ いかにも未練らしい。 ❀余所がましい/ よそよそしい様子。 ❀わざとがましい/ わざとらしく見える様子。 ❀勝手がましい/ いかにもわがままな様子。 ❀弁解がましい/ その話はいかにも弁解しているように 聞こえる。 2015/9/30 17課 12 【練習】次の下線部を「がましい」を持つ言葉で 言い換えなさい。 ①彼女はあきらめきれないように立ち去った。 ②こんな華やかなところへ出ることは初めてです。 ③そんなわざとらしいことはしたくない。 ④彼は言い訳をしているようなことは一言も言わ なかった。 ⑤彼の申し出はいかにも促しているようで、いや だ。 2015/9/30 17課 13 【解答】 ①彼女は未練がましく立ち去った。 ②こんな晴れがましいところへ出ることは初めて です。 ③そんなわざとがましいことはしたくない。 ④彼は言い訳がましいことは一言も言わなかった。 ⑤彼の申し出は催促がましくて、いやだ。 2015/9/30 17課 14 五、「…かのようだ」 【意味】実際はそうでないのに、そうであるかのように 振舞ったり、感じたりする様子を表す。 事実と矛盾したり、仮想的な事柄をたとえに 挙げて言う場合が多い。 【接続】「動詞連体形・名詞である+かのようだ」 【用例】 ◆あたり一面霧に包まれ、まるで別世界にいるかのよう です。 ◆犯人は事件のことを初めて聞いたかのような態度を取っ た。 ◆山田さんの部屋は何か月も掃除していないかのように 汚い。 2015/9/30 17課 15 六、「びくともしない」 【意味と用例】 ❶がっしりとしていたり重かったりして、全然動かない。 ◆この岩は、力いっぱい押してもびくともしない。 ◆この建物はちょっとやそっとの地震では、びくとも しない。 ❷気持ちなどがしっかりしていて動じない。 ◆このくらいのことでは、ぼくの決心はびくともしない。 ◆彼の理論は完璧だから、どんなに攻撃されてもびくとも しない。 2015/9/30 17課 16 七、「…たとたん(に)」 【接続】 ❶「動(タ形)+とたん(に)」 ❷「そのとたん(に)」 【意味】前の動作や変化が起こるとすぐ後に、別の動作や 変化が起こるということを表す。 【用例】 ◆注射をしたとたんに、患者のけいれんはおさまった。 ◆ずっと本を読んでいて急に立ち上がったとたん、め まいがした。 ◆友達と三十分ほど話して、受話器を置いた。そのと たんに、再び電話のベルが鳴り出した。 2015/9/30 17課 17 【用例】 ★ 後の動作・変化に話し手がその場で新たに気づいた ような場合に用いられるため、「意外だ」という ニュ アンスを伴うことが多い。したがって、話し手の意 志的な動作が後に来る場合は用いることができない。 ◆私は家へ帰ったとたん、お風呂に入った。(×) ◆私は家へ帰るとすぐお風呂に入った。(〇) 2015/9/30 17課 18 【練習】「 …たとたん(に)」で、次の文を繋ぎなさい。 ①空が急に暗くなりました/大粒の雨が降り出した。 ②ドアを開けました/猫が入りました。 ③試験終了のベルが鳴りました/教室が騒がしくなりま した。 ④駅を出ました/電車の中に傘を忘れたことに気がつき ました。 ⑤仕事が一つ終わりました/また、次の仕事が来たので、 休む暇がありません。 2015/9/30 17課 19 九、「 …どころではない」 【接続】「名+どころではない」 「用言連体形+どころではない」 【意味】 「そのような活動ができる状況・場合ではない」 という意味。 【用例】 ◆こう天気が悪くては、海水浴どころではない。 ◆当時はお金もなく、誕生日と言っても祝うどころで はなかった。 ◆春だというのに、お花見どころではなく、夜遅くまで 働いている。 ◆仕事が残っていて、酒を飲んでいるどころではないん です。 2015/9/30 17課 20 【関連表現】 「…どころの話ではない」 「…どころのさわぎではない」 「そんな呑気なことを言っている状況ではない」 ◆受験生の息子を二人も抱え、海外旅行どころの話では ない。 ◆体の調子がよくなくて、酒を飲むどころのさわぎでは ない。 2015/9/30 17課 21 十、「…ほか(は)ない」 【意味】「望ましくはないが、ほかに方法がないので、 やむをえない」という意味を示す。書き言葉 的である。 【接続】 「動詞連体形+ほか(は)ない」 【関連表現】「 …しかない 」 「 … ほかしかたがない」など 【用例】 ◆その便に乗り遅れたら、次の便のキャンセルを待 つほかはありませんよ。 ◆こうなったからには謝るほかない。 2015/9/30 17課 22
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