一、「における」(P369) 【用法】「名1+における+名2」 【意味と用例】

新編日語第三冊
第17課
マスコミ
(言葉と表現)
2015/9/30
17課
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一、「における」
【用法】「名1+における+名2」
【意味と用例】
❶物事が行われる場所、場面を表わす。
◆明治時代における外来語の流入が、今日の日本語
にも影響を与えている。
◆東京ドームにおけるコンサートは大成功だった。
❷方面、分野という意味を表す。
◆憲法研究における山本氏の業績は、広く知られて
いるところである。
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【練習】次の適当なところを「における」で言
い直しなさい。
①在職中の功労が認められた。
②家庭での彼は実によい父です。
③日本の場合の四季の変化は他の国には見られな
いものです。
④過去の過ちを謝罪します。
⑤このレポートでは江戸時代の庶民と武士の暮ら
し方の比較をしてみた。
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【注意】「 …において」の形で動詞を修飾する。
◆卒業式は3月15日に体育館において行われる。
◆申し込みは1番窓口において受け付けます。
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二、接尾語「あたり」
【意味】単位となる名詞につけて、割合や平均を
言う時に使う。
【用例】
◆漢字の使用率は百字当たり二十三字です。
◆キロあたりの運賃は800円です。
◆6日間で6千円もらったから、一日当たり千
円になります。
◆4人家族で、お米を20キロ買っておいたら、
一人あたり5キロです。
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三、「以上」
【意味・用法・用例】
❶「数詞+以上」その数値を超えるという意味。
◆このエレベーターは六人以上乗れません。
◆六歳以上、十二歳までは子供料金です。
❷「名詞・動詞+以上」その程度を超えるという意味。
◆自分の能力以上の仕事を与えられるのは悪いこと
ではない。
◆試験の点は想像以上に悪かった。
◆そのレストランはみんなが言う以上においしい。
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❸前に書いたことや述べたことを締めくくるときに使う。
◆会社側が提出した条件とは、以上に示す五項目で
ある。
◆私の話は以上のようです。
❹「名である/動詞連体形+以上(は)」
「それをする/したという状況では」という意味。
後ろにはそれに伴う覚悟をし、責任を持たなければなら
ないという決意・勧告・義務などの表現が続く。
=「からには」
◆約束した以上、破るわけには行かない。
◆学生である以上は、勉強を第一にしなさい。
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【練習Ⅰ】次の文を「以上」で言い換えなさい。
①それよりもっと努力しても恐らく何の効果も上がらないと思うよ。
②65歳を越えた人は入場料はただになる。
③親であるからには、子を扶養する義務がある。
④彼女はタイの人なのに、日本人よりも日本の歴史について
詳しい。
⑤その薬は期待よりもいい効果をもたらした。
⑥お金を払ってもらうからには、最高の試合をしてお客様に
楽しんでいただくことが私たちの仕事です。
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【解答】
①それ以上努力しても恐らく何の効果も上がらないと思うよ。
②65歳以上の人は入場料はただになる。
③親である以上、子を扶養する義務がある。
④彼女はタイの人なのに、日本人以上に日本の歴史につ
いて詳しい。
⑤その薬は期待以上の効果をもたらした。
⑥お金を払ってもらう以上、最高の試合をしてお客様に
楽しんでいただくことが私たちの仕事です。
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【練習Ⅱ】次の文を「以上」で繋ぎなさい。
①会のリーダーだ/反対者の意見も公平に聞くべきだ。
②絶対にできると言ってしまった/どんな失敗も許され
ない。
③いったん始めた/最後まであきらめないつもりです。
④大学を卒業した/自分で働いて食べていくつもりだ。
⑤外国で暮らす/その国の考え方や習慣を知ろうと努め
たほうがいい。
⑥この学校に入学した/校則は守らなければならない。
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四、接尾語「がましい」
【接続】「名・副詞・動(連用)+がましい」
【意味】
「いかにも…の様子」という意味を表す。そうあっ
てほしくない時に多く使う。ややマイナスイメージの
語。形容詞を作る。
【用例】
❀押し付けがましい/ 無理にやらせる様子。
❀言い訳がましい/ ものの言い方が言い訳のよう
である様子。
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【用例】
❀晴れがましい/ いかにもはなやかな様子。
❀恨みがましい/ 恨んでいるように見える様子。
❀恩着せがましい/ 恩に着せて相手に感謝を強いる様子。
❀催促がましい/ いかにも催促する様子。
❀人がましい/ 一人前らしい。
❀未練がましい/ いかにも未練らしい。
❀余所がましい/ よそよそしい様子。
❀わざとがましい/ わざとらしく見える様子。
❀勝手がましい/ いかにもわがままな様子。
❀弁解がましい/ その話はいかにも弁解しているように
聞こえる。
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【練習】次の下線部を「がましい」を持つ言葉で
言い換えなさい。
①彼女はあきらめきれないように立ち去った。
②こんな華やかなところへ出ることは初めてです。
③そんなわざとらしいことはしたくない。
④彼は言い訳をしているようなことは一言も言わ
なかった。
⑤彼の申し出はいかにも促しているようで、いや
だ。
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【解答】
①彼女は未練がましく立ち去った。
②こんな晴れがましいところへ出ることは初めて
です。
③そんなわざとがましいことはしたくない。
④彼は言い訳がましいことは一言も言わなかった。
⑤彼の申し出は催促がましくて、いやだ。
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五、「…かのようだ」
【意味】実際はそうでないのに、そうであるかのように
振舞ったり、感じたりする様子を表す。
事実と矛盾したり、仮想的な事柄をたとえに
挙げて言う場合が多い。
【接続】「動詞連体形・名詞である+かのようだ」
【用例】
◆あたり一面霧に包まれ、まるで別世界にいるかのよう
です。
◆犯人は事件のことを初めて聞いたかのような態度を取っ
た。
◆山田さんの部屋は何か月も掃除していないかのように
汚い。
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六、「びくともしない」
【意味と用例】
❶がっしりとしていたり重かったりして、全然動かない。
◆この岩は、力いっぱい押してもびくともしない。
◆この建物はちょっとやそっとの地震では、びくとも
しない。
❷気持ちなどがしっかりしていて動じない。
◆このくらいのことでは、ぼくの決心はびくともしない。
◆彼の理論は完璧だから、どんなに攻撃されてもびくとも
しない。
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七、「…たとたん(に)」
【接続】 ❶「動(タ形)+とたん(に)」
❷「そのとたん(に)」
【意味】前の動作や変化が起こるとすぐ後に、別の動作や
変化が起こるということを表す。
【用例】
◆注射をしたとたんに、患者のけいれんはおさまった。
◆ずっと本を読んでいて急に立ち上がったとたん、め
まいがした。
◆友達と三十分ほど話して、受話器を置いた。そのと
たんに、再び電話のベルが鳴り出した。
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【用例】
★
後の動作・変化に話し手がその場で新たに気づいた
ような場合に用いられるため、「意外だ」という
ニュ
アンスを伴うことが多い。したがって、話し手の意
志的な動作が後に来る場合は用いることができない。
◆私は家へ帰ったとたん、お風呂に入った。(×)
◆私は家へ帰るとすぐお風呂に入った。(〇)
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【練習】「 …たとたん(に)」で、次の文を繋ぎなさい。
①空が急に暗くなりました/大粒の雨が降り出した。
②ドアを開けました/猫が入りました。
③試験終了のベルが鳴りました/教室が騒がしくなりま
した。
④駅を出ました/電車の中に傘を忘れたことに気がつき
ました。
⑤仕事が一つ終わりました/また、次の仕事が来たので、
休む暇がありません。
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九、「 …どころではない」
【接続】「名+どころではない」
「用言連体形+どころではない」
【意味】 「そのような活動ができる状況・場合ではない」
という意味。
【用例】
◆こう天気が悪くては、海水浴どころではない。
◆当時はお金もなく、誕生日と言っても祝うどころで
はなかった。
◆春だというのに、お花見どころではなく、夜遅くまで
働いている。
◆仕事が残っていて、酒を飲んでいるどころではないん
です。
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【関連表現】
「…どころの話ではない」
「…どころのさわぎではない」
「そんな呑気なことを言っている状況ではない」
◆受験生の息子を二人も抱え、海外旅行どころの話では
ない。
◆体の調子がよくなくて、酒を飲むどころのさわぎでは
ない。
2015/9/30
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十、「…ほか(は)ない」
【意味】「望ましくはないが、ほかに方法がないので、
やむをえない」という意味を示す。書き言葉
的である。
【接続】 「動詞連体形+ほか(は)ない」
【関連表現】「 …しかない 」
「 … ほかしかたがない」など
【用例】
◆その便に乗り遅れたら、次の便のキャンセルを待
つほかはありませんよ。
◆こうなったからには謝るほかない。
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