1 就職活動の経済波及効果 風神ゼミ 3班 2 研究の目的 就職活動に向け準備を進める中で、交通費や スーツ代などの費用の負担が大きいことに気づ いた。そこで私たちが就職活動のために払って いる費用がいかに経済に貢献しているかを明確 にしたいと考えた。 3 就活の現状 4 就職活動の不安・悩み 内定が出るか(就職できるのか)? 41.2 27.7 本当にその会社でいいのか?どこの会社を選ぶか 15.1 10.1 面接/就職活動の仕方全般 12.6 6.3 自分が何に向いているか?何をやりたいか? 11.6 6.9 4 第一志望・希望の会社から内定がもらえるか 周囲より進捗が遅いこと 3.1 6.3 5.5 女子 男子 3 3.1 社会人になってからの不安 1.5 1.9 金銭面の不安(交通費・お金) 1.5 0.6 相談できる相手がいない その他 23.3 5.5 特になし 0 5 25.6 21.4 10 15 20 25 30 35 40 45 引用元:学生の就職活動に関する『意識・実態』アンケート調査 報告書 就職活動で大変だったこと(複数回答) 引用元:株式会社ディスコ「日経就職ナビ2012 学生モニター調査」(2011 年10 月) 5 6 2011年度の就職活動の平均費用は 163229円 2006年調査の就活費用は平均98,000円 この5年間で約6万5千円も増加 7 2012年卒業者就活費用平均グラフ 90000 2011年合計:163229円 2010年合計:167166円 81531 80000 74846 70000 60000 50000 40000 40287 37886 2011 30000 20000 1190811805 10000 7743 8956 1428014007 6006 5189 8160 7792 0 引用元:株式会社ディスコ「日経就職ナビ2012 学生モニター調査」(2011 年10 月) 2010 8 地域別交通費(平均) 140000 120000 111130 116095 113431 100000 93208 85407 80000 70305 金額 60000 53360 40000 20000 0 九州・沖縄 中国・四国 近畿 中部 関東 東北 北海道 引用元:株式会社ディスコ「日経就職ナビ2012 学生モニター調査」(2011 年10 月) 9 • 活動期間 就職活動の開始時期の変化 • 1996年 就職協定廃止 • 2012年 経団連が企業側に広報 活動をずらすよう要請 • 三年生の秋から(10 月) • 三年生の冬から(12 月) 10 理由 • 日本経団連の要請「就職活動の早期化、長期化 問題を巡り、企業の広報活動を12月1日以降、選 考活動を4月1日以降に開始」 • 学生生活の中で就職活動にかかるウエイトが大 きくなってしまい、学業に支障をきたし、社会 で活躍するためのスキル低下にもつながると問 題視された結果、少しでも就活の開始を遅らせ ようという取り組みが始まった。 • これにより就活費用も軽減される。 11 会社説明会にネットで参加、就活、遠 距離でも安く • 経団連の倫理憲章見直しで、来春入社の大学生 から就職活動の開始時期が3年生の10月から12 月に遅れた。これによって学生は参加できる採 用説明会の数が減り、企業も優秀な学生の確保 が難しくなっている。そこでウェブ説明会が開 催されるようになり、就活での時間と費用の削 減が可能になっている。 引用元:日本経済新聞12月11日記事 (http://www.nikkei.com/article/DGXDZO47129240R11C12A0EL1P 12 先行研究 • ・墨田区が行った新タワー建設に伴う、その周 辺への経済波及効果の調査研究を用いる • ・この研究を用いた理由として2つ挙げられる 1. 違う市場ではあるが計算プロセスが同じである 2. 経済波及効果フローチャートも類似している • 分析方法の酷似 13 先行研究にて使用されているフローチャート 14 経済波及効果 15 • ある産業に新たな需要が生じたとき行われる生 産は、需要が生じた産業だけでなく、原材料等 の取引を通じて関連する他の産業にも波及す る。 • また、これらの生産活動の結果生じる雇用者所 得は、消費支出として新たな需要を生み出し、 さらに生産を誘発していく。これが、経済波及 効果である。 16 • 経済波及効果 = 直接効果 + 第一次間接波及効果 次間接波及効果 + 第二 17 直接効果 消費額や投資額は,何らかの産業部門に対し て支出されます。その各産業部門には,支出 額に相当する生産額が誘発されます。このう ち, 県内各産業部門で誘発された生産額を直接効 果といいます。 Ex.自動車の需要が発生したので、自動車 の生産が行われます。 これにより、自動車の生産が増加しま す。 18 第1次間接波及効果とは ⇒1次波及による生産額の増加分 • 1次波及 経済波及効果のうち、直接の生産の増加 (直接効果)からの波及を1次波及と呼ん でいる。 Ex.自動車一台を新たに輸出することになっ た時、国内で新たな自動車部品が必要にな りそれらの生産が増える。 19 • 2次波及 所得の増加 (経済波及効果によって生産が 増加すると、そこで働く人の所得もその分増え る。) 消費の増加 (増えた所得で、買い物をする ことにより、様々な製品の購入額が増える。つ まり新たな需要が発生する。) 第2次間接波及効果とは 2次波及までの繰り返しである。 経済波及効果の算出 波及効果は産業連関表の逆行列係数表を使って、 「逆行列係数」×「最終需要額」で計算する。 20 経済波及効果の算出 波及効果は産業連関表の逆行列係数表を使って、 「逆行列係数」×「最終需要額」で計算する。 21 産業連関表 22 計算方法 • 就活費用は就活の現状のデータを使用 • 直接効果の計算結果を平成22年度延長産業連 関表に代入し計算。(経済産業省) • 今回の計算では第一次間接波及効果までの計算 のみを行った。 • また国内で全て消費したと仮定して計算する 23 直接効果の計算結果 • 各平均費用×就職希望者数 • 人数40万6千人 (平成23年度「大学等卒業予定者の就職内定状況 調査」) • 原価率をEDIUNETから引用 ・スーツ:0.6219 ・資料費:0.6959 ・かばん:0.6464 ・手帳:0.783 ・パソコン:0.7258 以上で計算 24 直接効果の計算結果 • スーツ代 163億5652万×0.6219=101億7211 万 • 交通費 303億8747万 • 宿泊費 31億4365万 • 資料費 48億3464万×0.6959=33億6442万 • 備品 40億8110万 • かばん 20億3000万×0.6464=13億1219万 • 手帳 6億0900万×0.783=4億7684万 • パソコン 31億5800万×0.7258=22億9207 万 • 講座 24億3843万 • その他 33億1296万 25 新規需要による金額の内訳 合計金額567億1900万円 1312 2292 477 2438 3133 0 10172 3364 3144 30387 スーツ 交通費 宿泊費 資料費 講座 手帳 鞄 パソコン 諸経費 26 • • • • • • • • • スーツ 交通費 宿泊費 資料費 講座 手帳 鞄 パソコン 諸経費 • • • • • • • • • 繊維 運輸 個人サービス 印刷製版 教育 印刷製本 その他製造工業品 電子計算機 個人サービス 27 波及効果による金額の内訳 合計993億6400万 2650 889 5021 3571 5405 20594 6268 5424 49542 繊維 運輸 個人サービス 印刷・製版 教育 印刷製本 その他製造工業品 電子計算機 個人サービス 28 第一次間接波及効果 • 波及効果-直接効果=第一次波及効果 811億7146万-471億9800万=339億7346万 29 経済波及効果の例 • 就職活動の波及効果 339億7346万 • ドラゴンズ日本一 (共立総合研究所試算) 219億(愛知、岐阜、三重、石川、富山のみ) 入場料、セール売り上げ、新聞の売り上げ増加 • 2009年WBC優勝(関西大学大学院会計研究科) 506億円 グッズ・放映権・広告費など • AKB48第4回選抜総選挙(スポニチ記事より) 200億 投票権付きCDやネット生中継による広告費など 30 まとめ • 就職活動は様々な経済効果と比較してもより大 きな値を出し、また毎年一定の消費を産むため 日本経済に大きな影響を与えていると考えられ る。 • 就職活動費用で大きなウェートを占めているの は交通費であり、企業の大都市集中化により地 方に住む学生ほど交通費が高いことが言える。 31 今後の予想 • 就職活動の開始時期の変化やオンライン説明会 などにより、交通費を抑えることができるため 今後は例年ほどの増加は見込めないと考えられ る。 32 参考文献 ・学生の就職活動に関する『意識・実態』アン ケート調査報告書 ・ 株式会社ディスコ「日経就職ナビ2012 学生モ ニター調査」(2011 年10 月) ・日本経済新聞12月11日記事 ・共立総合研究所試算 ・関西大学大学院会計研究科 ・スポニチ記事
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