大分県の重点課題を踏まえた 組織的な人権教育の進め方とその実際 大分県教育庁 人権・同和教育課 スクールセクハラ A 県内中学校(20代男性) 本人は教師と恋愛関係にあると思って いたが、保護者からの相談により事件が 発覚。学校内外で関係を持っていたが管 理職、同僚とも気づかなかった。 →本人懲戒免職、管理職減給を含む 懲戒処分 スクールセクハラ B 県内中学校(40代男性) 部活動の送迎等がきっかけとなり異動し てからも関係を持っていたため、保護者 からの相談により発覚。主として学校外 や部活動送迎中に起きており、管理職は 気づかなかった。 →本人懲戒免職、管理職(前任校) 懲戒処分 スクールセクハラ C 県内中学校(50代男性) 長く部活動顧問として現在の学校に勤務しており、 部活動関係に精通し、全国大会等にも何度も出場し ている。部活動の運営に周囲が口を出しにくい状態で あったが、部活動保護者の中には反感を持っている 者もおり、携帯電話での連絡がスクールセクハラに当 たるのではという相談。 →該当市教育委員会と学校に連絡して事実確認を 行う。携帯電話の使用等、事実確認は出来なかった ので、携帯電話での生徒への連絡禁止の徹底を依頼。 スクールセクハラ 〔共通する環境〕 ○ほとんどの場合が携帯電話がらみであり、 特にメールのやりとりからの個人的な接触が始 まりスクールセクハラへと発展。 → 個人の携帯電話を使っての生徒との連 絡禁止。 ○校内において、1対1での接触からのスクー ルセクハラへの発展。 → 生徒指導、進路指導等を理由とした 1対1の対応を極力させない。 一人の人間としての対応 多忙な状況に置かれている教師には, 子ども一人一人の悩みを十分に聞き取っ たり,集団的な交流の能力を高めるような 指導をしたりする時間を確保する工夫が 求められている。 ・教師は自身のかける言葉が、子どもた ちに重く受け止められたり、教師の思いが そのまま伝わらなかったりする場合があ ることを自覚する。 「ガイジ」発言 特別支援学校で、普通校から入試によ り入学してきた高1の男子生徒が、自分よ り障がいからくる困り感の大きい女子生 徒に対して、頻繁に「ガイジ」発言を繰り 返す。発言者本人は、中学校で「ガイジ」 と言われており、被害者が加害者になっ た例。 → 本人が頑なに否定(教職員が発言 を聞いている)、家庭への連絡は 留めた。 賤称語発言について 県内の中学校で男子生徒による女子生 徒への賤称語発言。家庭で女子生徒から 話を聞いた父親が学校に相談する。生徒 指導主任が生徒に聞き取りをしたのみで 事実関係はなかったと保護者に連絡。納 得のいかない父親が解放同盟大分県連 に相談する。関係機関を通じて学校に事 実関係の要請を行う。事実関係の確認に 戸惑ったことと、校内の組織的な対応が できず、対応に1年を要する。 在日外国人幼児児童生徒の学校表簿の 表記について 1 指導要録及び卒業生台帳は原則として住民票(特 別支援学校小・中学部は学齢簿)の記載に基づき本 名を記入し、本人及び保護者の希望により通称名を 併記する場合には( )書きとすること。 2 本名のふりがなはひらがなとし、可能な限り母国 語の発音に基づいて記入すること。 3 学校生活で多くの幼児児童生徒が目にする可能 性のある出席簿、成績表、健康診断関係書類、入学 願書、卒業証書、各種証明書(卒業証明書等)等は、 本人及び保護者の希望があれば通称名のみを可と する。通称名を卒業証書に記載した場合、卒業生台 帳にその旨を備考欄に記録すること。 ハンセン病についての今後の課題 全国の療養所では入所者の高齢化と減少で 施設統合の動き「入所者たちが、今暮らしてい る療養所を“ついのすみか”として暮らせるよう にするため、国に必要な対策を求め続けてい かなければならない」 療養所入所者の減少が続いており、療養所 が充実した医療・介護を提供する場所として存 続できるのか危惧されています。 国賠訴訟西日本弁護団代表 徳田靖之弁護士(大分市) 様々な人権問題 ○犯罪被害者やその家族の人権 ○インターネット社会の人権 ○性同一性障害等 人権教育の組織的対応について 人権教育推進委員会 校長 教頭 主幹教諭 人権教育主任 (人権教育推進班) 市 町 村 教 育 委 員 会 人大 権分 ・県 同教 和育 教委 育員 課会 組織の運営 ★人権教育主任は年間の「人権教育推 進計画」を委員会に提案し、委員会の承 認を経て決定した計画を教職員全体に周 知すると共に、その進捗状況について点 検を行い、委員会において評価を受ける。 「差別・問題事象発生時における対応」 については、その対応方法を委員会に提 案して、校長の判断を仰ぐ。 「第三次とりまとめ」より 人権に関する知的理解 人権感覚 自分の人権を守り、他者の人権を守ろうとする意識・意欲・態度 「体験的な学習」 サイクル 第1段階 体験すること 第2段階 第5段階 話し合うこと 適用すること 態度・行動 第4段階 第3段階 一般化すること 反省すること 今後の取り組み ○「みんなと同じね」 →日本では褒め言葉、 欧米では特徴のない人間 「みんなと違うね」 →日本では異質、欧米では褒め言葉 ○ひとくくり 日本人は「ひとくくり」で見てしまう傾向 が強い。 一人ひとりに目を向ける必要がある。 ○「心の教育」と「権利の教育」 ※「自分の権利を主張することは、他人の権利を守る 責任が生じる」 終
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