日本クルーズ&フェリー学会 クルーズ業界の 現状と課題 2010年10月9日 大阪府立大学大学院・海洋システム工学分野 教授 池田 良穂 クルーズビジネスモデル 伝統的クルーズ 定期客船の時代 1960~1970年 定期客船⇒クルーズ客船 ラグジュアリマーケット キュナードの苦戦 ロイヤル・バイキング・ライン ブティッククルーズ クリスタル・クルーズ キュナードの復活(カーニバル) 現代クルーズ 1960年末 現代クルーズの誕生 ・NCL、RCCL、CARNIVAL ・フライ&クルーズ、定点定期、ハイ レベル&リーズナブルプライス、短 期 大型化(7万⇒10万⇒15万⇒22万トン) 寡占化 クルーズの間違ったイメージ 超高級なレジャー = 金持ちの道楽? 長期の旅行 = 高齢者のための旅? たいくつな旅 = エンターテイメントは? 堅苦しいレジャー = 夜はいつも正装? 本当は ! 気軽で、お買い得で、楽しくて、便利な旅 世界と日本のクルーズ人口(万人) 地域 世界 日本 1970 50 1989 350 18 2000 1223 22 2009年 2000 16 世界の年成長率: 約8% クルーズマーケット クルーズ元年以降に登場した 日本のクルーズ客船 おせあにっく ぐれいす 1989 ふじ丸 1989 ソング・オブ・フラワー 1990 おりえんとびいなす 1990 にっぽん丸 1990 フロンティア・スピリット 1990 飛鳥 1991 ジャパニーズドリーム 1991 ぱしふぃっくびいなす 1998 飛鳥Ⅱ 2006 →売却 →チャーター船に →売却 →売却 →売却 →代替売却 →売却 日本のクルーズ客船の現状 にっぽん丸、 飛鳥Ⅱ、 ぱしふぃっくびいなす チャーター専用船:ふじ丸 日本のクルーズの成長 クルーズ元年(H1年)から、クルーズ人口は伸び悩み (H17年に15万6千人) →マーケットの裾野の広がりがない クルーズ人口x日数は増加 →長期化、リピーター依存 H17年後半から、堅調に推移。その理由は、 ・ 「飛鳥Ⅱ」効果 ・クルーズアドバイザー(1000人)制度の効果 ・業界の「クルーイヤー」キャンペーン効果 ・日本生まれの11万トン船の話題+里帰りクルー ズ効果(ダイヤモンド&サファイア・プリンセス) ・国のクルーズ支援策(クルーズ振興協議会、ビジッ ト・ジャパン・・・・) いよいよ、日本にもクルーズブーム到来か! 日本船による世界一周クルーズ 期間は4月~7月の約100日 料金は、約300万円から。 すなわち、1日あたり3万円から。しかも、移 動、宿泊、食事、エンターテイメント込。 訪問するのは約20ケ国、30港。 中東、西欧、北欧、北米を網羅。 観光に疲れた後は、日本式のおもてなし。 「おかえりなさい」。美味しい日本食を! 日本のクルーズ客船にしか できない国内クルーズ 期間: 1泊~7泊 日本一周クルーズ、お祭りクルーズ、離島クルー ズ、花火クルーズなど多彩。 キャッチフレーズ「目覚めれば新しい街」。 せわしないパックツアーとは異質の旅。 船は運命共同体=乗客同士、乗組員とのコミュニ ケーション スタイルは、お気に召すまま。お望みなら退屈も できます! 活況を呈する北米クルーズ業界 グループ名 (M$) 運航 カーニバル 91隻 RCL 30隻 スター 17隻 発注 売上(M$) 利益 8隻 4隻 4隻 11839 4880 2470 2279 484 120 *業績は2006年度(カーニバル以外は半期実績からの予想) クルーズ産業の現状 5兆円産業に成長 国家保護産業から自立産業に脱皮 売上の10~20%の高い利益率 旅行業者にとっては売り易く、高い利益率 起点港にとっては大きな経済波及効果 寄港港にとっても少なからぬ経済波及効果 続々と建造されるクルーズ客船 クルーズ客船隻数は、93年の286隻から 2010年までに200隻増加。 現在は、 10万㌧超のオーバーパナマックスの 新造が主流。年間8~12隻建造。 世界最大船は22万総トン型、6400人定員。 巨大クルーズ客船で賑わうマイアミ港 ・マイアミ港からは金、土、日には毎日5~7隻が出港 ・クルーズの地域経済波及効果は年1兆円 ・45000人の雇用創造 現代クルーズの東アジア進出 RCIのレジェンド・オブ・ザ・シーズ 横浜発着の8泊中国・韓国クルーズ 2011年4月30日、5月8日、5月16日発 大阪からの乗船も可能 料金:4月30日発 109800円~738000円 5月8・16日発 79,800円~708,000円 7万総トン、1800名定員 船のことを知るための本
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