大船渡市派遣レポート第2回(住宅公園課職員)(PDF:290KB)

平成25年度大船渡市派遣レポート 第2回
(住宅公園課勤務)都筑 萌
『ぱしふぃっくびいなす』停泊中の大船渡湾
1.業務について
<今後の住まいについてのアンケート結果より>
6月から7月に、仮設住宅やみなし仮設住宅等に入居している方を対象にアンケート
が実施されました。9月現在では70%の回答率で、「自立再建予定又は検討中」が約
30%、「公営住宅入居希望」が約32%、「防災集団移転希望」が約17%、「その他借
家等」が約10%、
「検討中」が約10%との結果となっています。当初、回答方法は郵
送をお願いしていましたが、災害公営住宅の戸数等の事業計画に対して出来るだけ相違
のないように、職員による仮設住宅への訪問や各仮設住宅の支援員による各住宅への呼
びかけも行われました。しかし、仕事等で不在のところもあり、現段階では100%の
回答は難しいようです。
また、今後の住まいについて決めていない世帯がまだ約180世帯あります。その理
由については、自身の今後の展望が見通せないという方が多いと思いますが、災害危険
区域での建築制限が条例化されていないことも影響しているのではないかと考えられて
います。
災害危険区域とは、今後の津波による被害を抑えるため、津波が来る可能性のある場
所を想定し、市の条例により住宅等の建物の建設を制限する区域のことです。防潮堤建
設後の津波の動きのシミュレーションを行い、その結果を踏まえて区域の位置決定を行
うのですが、現在はその防潮堤の位置が未定のため、区域決定も未定の状態です。区域
内の住宅の制限については、予想浸水深により、住宅の建設が出来ない区域、住居スペ
ースを基準の高さ以上とする区域、地階に住居スペースある建物の建設が出来ない区域、
というパターンに分けて設定します。東日本大震災の津波で浸水した箇所がすべて災害
危険区域になるということではないため、区域の告示がされるまで、所有している土地
に住宅が建てられるのか判断できず、今後の住まいについて決められないようです。
2.大船渡について
<大船渡ブランドプロジェクトみんなのまち>
佐久市から参加されていた方もいらっしゃると思いますが、6月から8月にかけて
「大船渡ブランドプロジェクトみんなのまち」が行われました。これは、大船渡市民や
大船渡に縁のある方々に大船渡の良いところ、ウリになるところを挙げて、今後の大船
渡市の方向性の参考にしようというプロジェクトです。
インターネットやファックス等による意見交換を行うオンラインミーティングでは、
大船渡の魅力がたくさん挙げられ、私も知らなかった大船渡に関しての魅力を大船渡が
好きな方々の生の声で知ることができ、「常にこういうサイトがあればいいのに」と思い
ました。8月8日にはオンラインミーティングで出された意見をまとめ、今後の活動ア
イディアを考えるオフラインミーティングが行われました。オンラインミーティングに
参加されていた方だけでなく、大船渡市内外から30人程の方々が集まり、5∼6人の
グループに分かれ話し合いをしました。私も参加して、大船渡を盛り上げたいという
方々と話をしてみると、皆さん大船渡の好きなところ注目しているところが異なり、ひ
とつの答えを出すことが難しいほど、大船渡には様々な魅力があることを実感しました。
海のない場所で育った私は、美味しい海産物が一番のウリなのかと思っていたのですが、
地元の方には当たり前で、美味しいだけでなく「ワカメの養殖発祥の地」であることや、
気仙大工によるお寺やお寺のような一般住宅が多く見られることなど、4ヶ月住んでい
ても全然知らなかった魅力をたくさん教えていただきました。細かい内容については、
プロジェクトのまとめが今後公表される予定ですので、大船渡市のホームページをチェ
ックしてお待ちください。
オフラインミーティングの参加者の中に
は、オンラインミーティングを行っていた
こ と を 知ら な か っ た 方も い ま す 。 また 、
「周りに大船渡を盛り上げたい方がいるが
その人たちがプロジェクトの存在自体を知
らなかった」という話も聞きました。市営
住宅や公営住宅の募集、自立再建の補助金
等の住宅公園課での事業について、月2回
の広報、ホームページ、ツイッター等で周
知していても「知らなかった」というご意見をいただきます。そのたびに、周知という
のは何を使って何回行えばいいのか、多いに越したことはないと思いますが、逆に多過
ぎても大事な情報を見落とす可能性もあるため、市民の方が情報を拾いやすくなるよう
なタグ付けや、イメージを統一することが大切なのではないかと感じました。
<大船渡夏まつり>
8月3日には大船渡町で大船渡夏祭りが行われ、おおふなトンのダンスパフォーマン
スを始め、様々なステージ、道中踊り、花火の打ち上げなど大船
渡駅周辺が大いに盛り上がりました。道中踊りでは、毎年恒例の
市職員のグループに私も参加させていただきました。踊りを覚え
るのは大変でしたが、お祭りへの参加は一体感が芽生えるようで
楽しかったです。おおふなトンも市職員と一緒に1時間踊ってい
ましたが、踊りを見ている観客からの視線と声援で、インパクト
のすごさがわかりました。その様子については YouTube にアップ
されていますので、気になる方はぜひ。
道中踊りにはウチワを使用する踊り
もあり、今回は佐久市経由でマイクロ
ストーン株式会社から寄贈していただ
いた「LED ライトで光るウチワ」を使用
し、踊りが一層華やかになっていたの
ではないかと思います。このウチワは
市内の保育園等にも届けられ大変喜ば
れていたようです。(写真は盛町の七夕
まつりのものです。)
<大船渡復興東北三大祭り>
9月7日には、大船渡復興東北三大
祭りが行われ、今年は秋田県秋田市の
竿灯、山形県山形市の花笠踊り、岩手
県盛岡市のさんさ踊りが出演しました。
更に、全国のお祭りでパレードを行っ
ているディズニーが、大船渡復興東北
三大祭りにもやってきました。私は当
日の準備や片付け、会場案内や沿道警
備等を少しお手伝いさせていただき、ディズニーパレードは離れた場所で会場案内をし
ていたため直接見ることが出来ませんでしたが、ミッキーを楽しみに会場に向かう子ど
も達の笑顔が印象的でした。三大祭りを間近で見ることができ、東北のお祭りの迫力と
かっこよさに惚れ惚れしてしまいました。
8月9月は他にも盛川灯篭流しや大船渡さんままつりといったイベントが行われまし
た。また、大型客船『ぱしふぃっくびいなす』も三陸復興国立公園クルーズで大船渡港
に寄港しました。大船渡を復興させたい方々の熱意や地元の方々の活気を感じ、大船渡
での夏を楽しく過ごさせていただきました。