GOODSMILERACING & TeamUKYO レースレポート Vol.1 グッドスマイル

2014年11月18日
株式会社グッドスマイルレーシング
GOODSMILERACING & TeamUKYO レースレポート 8
最終戦もてぎは3位! 悲願の王座奪還達成!
SUPER GT 第8戦
会期:2014年11月15~16日
場所:ツインリンクもてぎ
(栃木県)
天候:晴れ
動員:4万7500人(2日間)
予選:3位
決勝:3位
■11月15日(土) 悪循環を断ち切った予選
2位以下に9ポイント差を付け、初めてポイントリーダーとして最終戦に臨んだ「GOODSMILE RACING&
TeamUKYO」。前戦タイに引き続き、金曜日に練習走行が設定され、さらに予選日の朝にも練習走行があ
り、どのチームもトラブルシューティングに余念がない。「グッドスマイル 初音ミク Z4」(ミクZ4)も慎重に
周回を重ねてセッティングを試していく。しかし、なかなかタイヤとマッチしないのかタイムが伸びず、10位
以下という順位がしばらく続いた。その後、谷口選手がアタック用のタイヤを履き一発タイムアタックを敢
行。「1‘49.226」という数字を記録し、8位で予選日朝の練習走行を終えた。
練習走行でライバルの11号車(GAINER DIXEL SLS)が48秒台で1位になっており、同じくチャンピオン
シップを争う同門の7号車(Studie BMW Z4)は「1‘49.207」で7位と、BMW勢が沈んでしまう。「9ポイント差
で有利なはずなのに、むしろこっちが追う側の気分」と谷口選手。予選までにこの悪い流れを断ち切るに
は、思い切ったセット変更しかないと、チームは協議の末、セッティングをガラっと変えて予選に挑む。
このセットが功を奏し、片岡選手が担当した予選1回目は「1‘48.461」を出して3位で通過。なお、1位と2
位は11号車、10号車(GAINER Rn-SPORTS SLS)だった。そして谷口選手がステアリングを託された予選
2回目。「1’48.500」を叩きだし、2位をキープしていたものの、残り数分というタイミングで31号車(OGT
Panasonic PRIUS)が47秒台を出し、2位に割って入った。
結果的にミクZ4は3位で3番グリッドを確保したが、1位の11号車は「1'47.796」、2位の31号車は
「1'47.977」と、決勝レースの厳しさを予感させた。
<本件に関するお問い合わせ先>
株式会社グッドスマイルレーシング
Tel:03-5611-6565 / Fax:03-5611-2212
担当: 末岡/mail:[email protected]
■11月16日(日) 追うよりも追われた決勝レース
気温は低いが、快晴で迎えた決勝日。午前中のフリー走行でも快調で、ミクZ4は
「1'49.839」で3位のポジションにいた。1位は21号車(Audi R8 LMS ultra)、2位はラブライブ
ポルシェこと9号車(国立音ノ木坂学院NACポルシェ with DR)だった。
日没が早くなっているため、レースはいつもより1時間前倒しの13時スタート。最終戦の
レース距離は250kmと短く、GT300の場合、周回数は50周前後となるため、ほぼスプリント
レースといえる。
スタートドライバーは片岡選手。レーススタート直後、オープニングラップで前を走る31号
車を抜き去り、2位に浮上する。だが、ポールから逃げる11号車は1周につき1秒近い差をつ
けて独走態勢を築く。もはや手に負えない速さの11号車を追いかけるよりも、3位以上を狙う
作戦になった。だが、一度は抜いた31号車のペースもかなり速く、コンマ1秒差の戦いが10
周以上にわたって繰り広げられた。レースが膠着したと判断した31号車は、バトルで抜くよ
りもピットインを選択。タイヤ無交換で再びコースに戻った。職人・片岡選手だからこそ10周
以上抑えられたと言える。
31号車とのバトルはなくなったが、背後から圧倒的なスピードで迫る2台があった。1台は
10号車、もう1台は21号車だ。2台体制の強みを活かして、11号車をアシストすべくミクZ4に
襲いかかる10号車。コーナリングで引き離し、直線で追いつかれる状態が続き、なんとか
粘ってはいたものの、ついに23周目にオーバーテイクを許してしまう。次に、朝から好調だっ
た21号車もミクZ4に急接近、26周目に抜かれてしまい4位にダウン。王座奪還に赤信号が
灯る。
■粘りの走りで3位を死守! 王座奪還達成!
GSRがチャンピオンになるには、11号車が1位を走っているため、3位以上でゴールしなくてはい
けない。このままでは、11号車にチャンピオンを持って行かれてしまう。当初、片岡選手が30周近
く引っ張る予定だったが、急遽作戦変更。27周目にピットインで、タイヤをすべて交換し、谷口選
手がステアリングを握り、コースに戻った。
その後、1位を走っていた21号車がピットイン。タイヤを2本のみ交換してピットタイムを短縮し、ミ
クZ4の前に出た。しかし、アウトラップの21号車を谷口選手はあっさりパスし、一度は8位まで落ち
た順位を34周目には3位まで戻していた。この位置を死守すればドライバーズチャンピオンである。
残り15周を切ったあたりから、再び21号車が追いついてくる。ほぼ同じペースで走っているため、
1秒くらいの差で離れもしないし縮まりもしない、という状況が続く。途中でGT500の混戦をうまく利
用して差を広げる谷口選手。だが、21号車もジリジリと差を縮めてくる。だが、ミクZ4をオーバーテ
イクできる決定的なポイントがなく、一進一退のままファイナルラップへ。10秒以上の差があった2
位を走る31号車には追いつけなかったが、21号車を最後まで抑えてミクZ4は3位でチェッカーを受
けた。
惜しくもチームタイトルは11号車に譲ったものの、2014年シーズンのドライバーズチャンピオンを
獲得した。さらに表彰式ではベストパフォーマンス賞、ベストメカニック賞も受賞と、GOODSMILE
RACING&TeamUKYOにとって最高の締めくくりになった。
■チーム関係者コメント
安藝貴範 代表
とにかく練習走行はダメで、予選をギャンブルで戦って、気を抜ける場面
がまったくありませんでした。精神的な疲れが体を覆ってましたが、チャンピ
オンになれたので吹っ飛びました。
決勝レースでは、オープニングラップで片岡選手が31号車を抜いたり、後
半、谷口選手が21号車を抜いてからずっと抑えたりと、見せ場はありました
ね。レース自体は11号車にはかないませんでしたが、なんとか3位で王座奪
還できました。みなさんの応援に感謝します!
片山右京 監督
苦しくて苦しくて、ハラハラドキドキの最終戦でしたね。金曜日の練習走行
で(セッティングの)狙った方向性がダメでした。それが土曜日の朝まで続い
たので、予選はソフトめのタイヤにしたら3位までいけました。決勝朝のフ
リー走行でも3位で一見するといい位置だけど、朝あのタイムということは午
後からダメになるということです。最初は35周くらい片岡選手で引っ張りた
かったけど、スタートしてすぐにやっぱりダメだとわかった。片岡選手も谷口
選手も薄氷を踏むような状況の中で順位を守ってくれたので、なんとかチャ
ンピオンになれましたね。今年は本当に浮き沈みが激しかったけど、苦しい
ときに踏ん張ってポイントを重ねられたことが、この結果に繋がったんだと思
います。もちろん、どんなときでも支えてくれるファンの声援にも勇気づけら
れました。応援ありがとうございました。
大橋逸夫 ゼネラルマネージャー
今回のレースはもともとターゲットではなかったチームが上位に出てきた
りで、最後までやきもきさせられました。距離が短かったこともあって作戦も
シンプルでしたが、なかなか周りも速くて、最後はブレーキもタイヤもボロボ
ロになりながら谷口選手がなんとか21号車から逃げ切ってくれて、見事3位
でチャンピオンを獲ってくれました。欲を言えばチームタイトルも獲りたかっ
たですね。
谷口信輝選手
2位以下に9ポイントの差をつけていましたが、むしろ我々が追
いかけなきゃいけない、そんなレースでした。11号車が速すぎた
ので、優勝はあそこだろうと予想して、我々は最低でも3位以上に
ならなきゃいけなかったんですが、金曜日から不調が続いて、こ
れはまずいなと。予選でようやく帳尻があってきたので、決勝レー
スでうまくいくかと思いきや、前に追いつけ追い越せというよりも、
ひたすら後ろを気にするレース展開になってしまいました。なんと
か3位をキープできて、ギリギリでしたがチャンピオンになれて、と
てもうれしいです! 1年間、この日のために戦ってきたので。
2011年のときはクルマが速かったので、勝って当然みたいなと
ころがありましたけど、今年はほんとに限界ギリギリで、運が
ちょっとだけライバルに勝ったかな、という感じですね。とにかく
ホッとしています。
片岡龍也選手
もう嬉しい以外なにもありません! 決勝レースは、気温が予想
より上がってしまったことで、選択したタイヤが苦しくなることはわ
かっていたんですが、それでもドライバー、メカニック、チーム全体
が一丸となって、目標だった3位を獲得できました。今日よりも金曜
日から土曜日の午前中までのほうが厳しかったです。一度失って
しまった流れを再び作って取り戻せた、予選で3位になれたのが最
終戦のターニングポイントだったと思います。
2012年にこのチームに入ってから、決して悪いわけではないけ
れどアドバンテージがあるとも思えなかったBMW Z4 GT3で、タフな
シーズンが続きましたが、いろんなものの準備が整ったからこそ、
今回こうしてチャンピオンになれたのだと思います。
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