よくある質問とその回答 一般の方・患者の皆様へ Q:HbA1c とはなにか. • HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は糖尿病関連検査の一つ. • 採血から過去約 1-2 か月間の血糖値の平均を反映する. • 食事の影響を受けず,空腹でなくても検査可能. • 1 日だけの暴飲暴食や体調不良で血糖値が上昇しても, HbA1c は高くならない • 日常的に血糖値の高い方が採決前の1-2日だけ食事を注意し て血糖値を下げても,HbA1cは低くならない. • HbA1cは糖尿病の特徴である「慢性的な高血糖」を数値で表 し,様々な研究でHbA1cの値と多くの合併症との関係がわ かっているため糖尿病の診断や治療に大変重要. • まだ測ったことの無い方は,この機会に是非測定を. Q:JDS値やNGSP値とはなにか.違いはなにか . • おおまかには,HbA1c を測るときの測定条件設定のわず かな違いと言える.JDS 値は,日本の条件による測定値, NGSP 値は主に米国の条件による測定値である. HbA1cを,異なる日や複数の病院で測った値同士で比較 するには測定条件を同じにしておくことが必要. • JDS 値同士,NGSP 値同士は直接比較できるが,JDS値と NGSP 値とは測定条件が違うため直接比較できず,値を どちらかに換算する必要がある. • 今回の場合のポイントは,我が国以外のほとんどの国々 で NGSP 値が使われ事実上の世界標準となっていること, 日本の JDS値は NGSP値に比較して約0.4%低い値 となる こと,である. Q:なぜ今このような変更を行う必要があるのか . • 糖尿病の診断・治療や様々な調査・研究や新薬の開発が世界 中で行われ,その情報がインターネット等を通じて世界に流通し 互いに比較されるようになってきた. • 患者さん個人や患者さんの団体から発せられる情報についても 同様の状況である. • 我が国だけが約0.4%低いHbA1cの値を用いていると,相互に 誤った印象を与えたり,ひいては我が国のデー タ自体に対して 不信や無視が生じたり,さらには海外のデータを誤って判断して しまう可能性もある. • そこで平成22年7月1日から論文や発表のHbA1cとして,JDS値に 0.4%加えた値を使い始めたが,日常診療のHbA1c変更日程は, 様々な事情から十分な協議の上で決める必要があった.今回そ の協議がまとまったので,2012年4月1日から日常診療でも事実 上世界標準となっている NGSP値を使い始めることとなった. Q:糖尿病の治療をしているが,今回の変更は どのようなメリットがあるのか. • NGSP 値を用いることにより,国際的な研究・治験が支 障なく行われ,新薬や新しい治療法の我が国への導入 が円滑に進められるようになる. • 患者さんの海外への長期出張や留学などに際して現 地で治療を継続する場合も,過去のデータの解釈に誤 解が生じないので問題なく治療を続けることができる. Q:HbA1c の検査代はどうなるのか. • 検査費用は変わらない. Q:HbA1c の値が約0.4%高くなるそうだが,糖尿 病と診断されやすくなるのか. • 診断の基準値も0.4%高くなるので,糖尿病と診断され やすくなることはなく,糖尿病の患者さんが増えることも ない. Q:HbA1cの数値を見るときどんなことに注意すれ ばよいのか. • 一番大切なことは,HbA1cの値がJDS値なのかNGSP値 なのか,ということである. • 病院などでは,平成24年3月31日までに報告された結 果はJDS値,4月1日以降の結果はNGSP値が主に使わ れる. • 原則的にNGSP値とJDS値が併記される予定だが,施設 によって状況が異なる可能性があるので,値がJDS値 かNGSP値かについて判断に迷った時は,必ずその検 査を受けた病院や健診機関に確認してほしい. • 特定健診や事業主健診では,平成24年度中はこれま で通りJDS値が使われるので注意が必要.(続く) Q:HbA1cの数値を見るときどんなことに注意すれ ばよいのか. (続き) • HbA1cの値を比較する場合,JDS値同士,NGSP値同士であれはそのまま比 較 可能. • JDS値で報告された過去の検査データや特定健診のデータを,病院などでも らうNGSP値の検査データと比較する場合には, ・糖尿病の治療を受けている方: 必ず医師と相談の上で比較してほしい. ・糖尿病予備軍あるいは境界型といわれている方: 通院している方は医師に相談を.通院しておらず薬も使っていない方は, JDS 値+0.4%でNGSP値に換算して比較できるが,この機会にぜひ一度 医療機関を受診してみてほしい. ・正常範囲と思われる方: JDS値+0.4%でNGSP値に換算して比較できる. このところ HbA1c の値が次第に高くなってきているなど,懸念・不安 のあるときは一度受診して相談してほしい. Q:糖尿病の治療をして,受診毎にHbA1c を測っている. 4月1日以降の値と3月31日以前の値を比較するに はどうすればよいのか. • 通院中の病院の医師に相談するのが一番安全. • JDS値に0.4%を加えてNGSP値に換算することで比較で きるが,比較を間違えると糖尿病の状態を実際以上に 悪く,あるいは逆に実際以上に良く判断することになり, 自己判断で薬の量や飲み方を変えたりすると大変危険 である. • 必ず医師と相談の上,ご自身の糖尿病の状態を正しく 理解してほしい. Q:健診会場でポスターを見た.なにか注意することが あるのか. • 平成24年4月1日以降,日常的な診療や健診(特定健 診関係を除く)において糖尿病の重要な検査項目と なっている HbA1cの値が国際的に標準的な表記(NGSP 値)に変更されることになった. • これまで糖尿病といわれたことの無い方も,この機会 にぜひ一度HbA1cを測ってみてほしい.特に40歳以上 の方は,ぜひお測りになることをお勧めする. • 糖尿病の方は,受診中の医師から説明を聞いて理解し ていただくのがよい.患者さん向けのリーフレットも配 布を予定しているので,ぜひご一読を. Q:特定健診のHbA1cはJDS値で結果通知されるとのこと だが,今後もずっとそうなのか. • 特定健診・特定保健指導では,全国の大量の健診 データが電子化されてソフトウエアで処理されるため, JDS 値からNGSP値への変更の影響が非常に大きい. • このため,今回特定健診・特定保健指導では平成24年 4月1日以降,少なくとも平成25年3月31日まではJDS値 を用いて結果を報告することになった.平成25年 4月1 日以降の取り扱いについては関係者間で協議中であり, その結果をお待ちいただきたい. Q:3月31日に検査したら結果はJDS値とNGSP値のどちら で出るのか. • 当日に検査結果が出る場合はJDS値になる. • 翌日以降に検査結果が出る場合は,NGSP値で結果が 報告され,JDS 値が併記される. • ただし,施設により状況が異なる可能性があるので, 検査結果がNGSP値かJDS値かは,検査をした病院や健 診機関に必ず確認してほしい. Q:住んでいるところによって今回の変更に違いがある のか. • 今回の変更は全国共通のものであり,地域によって扱 いに違いはない. • ただし,各施設ごとの事情によって変更の時期に相違 が出る可能性がある. • したがって,4月1日以降に受けた検査のHbA1c値が NGSP値なのかJDS値なのか少しでも迷いを感じるとき は,必ず検査を受けた施設でいずれの値であるのか 確認するようにしてほしい. Q:知り合いから今回のHbA1c標準化の話を聞いた.詳 細を知るにはどうしたらよいか. • 日本糖尿病学会では,患者さん向けのリーフレットを全 国の医療機関に配布予定である. • 受診されている病院があればそちらで入手しご覧に なっていただきたい. • 日本糖尿病学会のホームページ: URL:http://www.jds.or.jp/ にも各種資料・Q&Aを掲載していくので,こちらもご参 照いただきたい. よくある質問とその回答 医療従事者の皆様へ Q:NGSP値とはなにか. • HbA1cは,1983年開始の1型糖尿病大規模臨床試験 DCCTで初めて広く用いられその有用性が確立された. • ミズーリ大学に本拠を置くNational Glycohemoglobin Standardization Program (NGSP)は,DCCTで用いられた HbA1cの測定値を維持し更に標準化を進めることを目 的とし,1996年に設立された. • この組織の認証基準を満たす測定値表記をNGSP値と 呼ぶ. • 米国に 2 カ所,欧州に2 カ所,日本に 1 カ所(ReCCS)の 2 次ラボラトリーを持ち,世界のHbA1cの標準化を行っ ている.現時点では事実上の国際標準となっている. Q:JDS値とはなにか. • 1993年より日本糖尿病学会を中心とする標準化委員 会により,当時の測定技術の進歩も考慮しつつHbA1c 標準化が開始された. • この標準化過程を通じて確立された測定方式に基づく HbA1c測定値表記を Japan Diabetes Society(JDS)値と呼 ぶ. • 最初の標準物質による測定値を維持しつつその後も標 準物質が継代され,現在のHbA1c測定用認証標準物 質は JCCRM411-2(JDS Lot4)である.日本の標準物質を 基盤とする測定精度は,世界的に見ても極めて良好と の評価を得ている. Q:何故今,このようなHbA1c国際標準化を推進し なければいけないのか. • 2010 年以前にはNGSP値とJDS値の相違が十分認知さ れておらず,学術報告・論文・治験成績・教科書等でも 区別がされないまま記載されていた. • このため,我が国の糖尿病患者が軽症である,あるい は我が国の血糖コントロールの指標・基準が厳格であ る等の誤解も生じ,国際共同治験,患者さんの国際的 移動,日本発のデータの発信等にも大きな障害となっ ていた. • 2010年から,我が国も含めて国際的に診断基準への HbA1c導入が進み,我が国でも諸外国でも診断のカッ トオフ値は NGSP値換算で6.5%となることもわかり, 益々国際標準化の必要が切迫してきた. Q:「国際標準値」という用語は今後使われなくな るのか. • 2010 年7月1日から,著作・論文・発表において国際標準値 (=JDS 値+0.4%)の使用を開始した. • このときは,我が国のHbA1c測定値はJDS値であり,NGSP 値との換算式も確定していなかったため,NGSP値に相当す る値として上記定義による「国際標準値」を用いることとした. • これにより事実上の国際標準である NGSP値との齟齬は, 著作物領域では一定の解決をみた. • 一方,平成23年10月1日付で 我が国の HbA1cの標準物質 を製造している ReCCS がNGSPの認証を取得したこと をうけ て,我が国のHbA1c測定値を公式に NGSP値と呼称できる 体制が整った. • そこで今回はNGSP値へ変更し,「国際標準値」は総説や試 験など必要のある場合以外は使用しないこととした. Q:世界のHbA1cをIFCC値に統一しようという話を聞いた ことがあるが,その後どのような状況か. • 2007年6月に米国糖尿病学会,ヨーロッパ糖尿病学会,国 際臨床化学連合,国際糖尿病連合からHbA1cの国際標準 化に関する合同のコンセンサス・ステートメント5項目が発 表され,その中でHbA1cの測定体系や測定値の報告をIFCC 法を用いて標準化してゆくべきであるとの指摘がなされた. • ヨーロッパを中心に学術論文などでは,IFCC値をNGSP値と 併記することを義務づけるなど普及が見られるが,日常臨 床においては,IFCC値による標準化に必ずしも積極的でな い国々も多くあってNGSP値を維持し続けており,現時点の HbA1cの事実上の世界標準はNGSP値となっている. • よって,IFCC値を日常臨床の場で世界標準とする統一は現 在のところ順調に進んでいるとは言い難い.おそらく今後か なりの時間を要すると思われる. • 現在のところ日常臨床におけるIFCC値への移行の予定は ない.NGSP値への移行を着実に進めてゆくものとお考えい ただきたい. Q:約 0.4%の差がどのような問題となるのか. • HbA1cが5%未満の人や9%以上の人は,JDS値でも NGSP値のどちらであっても,前者は正常で全く心配は なく,後者は非常にコントロールが悪いといえる. • 問題となるのは,HbA1cが5%台後半から7%台前半の 場合で,JDS値とNGSP値とでは診断の結果や治療方針 に違いが出てくる可能性がある. • そこでまず,JDS値なのかNGSP値なのかを確認してい ただく必要がある.また,一般診療では当面NGSP値と JDS値との併記を行い,リーフレットなどでも注意を促す. • 特に平成24年度は 特定健診関係の報告が JDS 値で行 われるので十分に注意が必要である. Q:日常診療で何に気を付けるべきなのか. • 糖尿病の患者さんにとって治療上の不利益にならないように することが最も重要である. • したがって, ・検査結果の説明の際に用いるHbA1cがNGSP値 であるのかJDS 値であるのかを十分確認する. また,どちらの値に基づいて説明しているのかを 患者さんによく理解していただく. ・NGSP値に移行後は診断基準や治療目標の値も 約0.4%高値にシフトしていることを理解していただく. (続く) Q:日常診療で何に気を付けるべきなのか. (続き) ・HbA1c の値の変化が単にNGSP 値への変更によるもの だけなのか,糖尿病の悪化・改善を含んでいるものなのか を正しく判断し,適切に薬剤の種類・用量を選択する. ・判断内容を誤解の無いように患者さんに説明する (悪化と誤解して患者さんが自己判断で薬を増やしたり, 逆に改善と誤解して患者さんが自己判断で薬を減らしたり 通院をやめたりすることは最も避けなければならない事態 である). ・特定健診関係は,少なくとも平成24年度中はHbA1cの 結果がJDS値で報告されるので,結果説明では日常臨床で 用いるNGSP値より0.4%低い値であることを踏まえて誤解の 無いように十分に説明する. Q:特定健診ではなぜJDS値のままなのか. • 特定健診は,平成24年度一杯,医療費適正化計画第 1 期が継続中であり,層別化・統計処理用のソフトウエ ア改修費用やそれに要する時間の点から,途中での NGSP値に対応したシステムへの変更は困難である. • そのため,厚生労働省・日本医師会・保険者団体など 関係各団体の御意見も伺って,日常診療の変更を先 行させることとした. Q:検査センターや病院の対応準備はできているのか. • 検査センターなどについては,既に対応準備がなされ つつある. • 検査機器メーカー・試薬メーカーにも変更の体制をとっ ていただいているので、それらのメーカーを通じてユー ザーである検査センター・病院にも周知していただくよ うお願いをしている. Q:JDS値とNGSP値の併記はいつまで続けるのか. • 少なくとも平成24 年度一杯は併記を継続し,定着の度 合や問題点の有無を見ながら検討する. Q:以前の「国際標準値」に関する発表では,JDS値との併 記は混乱を避けるために行わないとのことだったが. • 平成24年4月1日時点でJDS値からNGSP値に移行可能な施 設もある一方で,施設によっては即時の対応が必ずしも容 易でない場合もあることが予想される. • また,今回は特定健診・特定保健指導関係で少なくとも平 成24年度の間はJDS値を保険者と受診者への報告に用い ることになっている.従って,患者さんのデメリット・混乱を 極力抑えるために,当面の間JDS値を併記することとした. Q:NGSP値に変更後,過去のHbA1cの値(健診データ 含む)に対しての措置は何かあるのか. • 特にない. • NGSP 値と JDS 値は, NGSP 値(%)=1.02×JDS 値(%)+ 0.25% ... (1) JDS 値(%)=0.980×NGSP 値(%)− 0.245% ... (2) という式で相互に正式な換算が可能である.また,より 簡便には換算表を参照して頂きたい. • 日常臨床の範囲においては,0.4%の加減により換算し て全く差し支えない. Q:検査費用など患者への影響はあるのか.病院の支出 増につながらないか. • 患者さんの支払う検査費用は同じである. • 試薬メーカーには価格転嫁を抑えるようお願いして いる. • 病院の負担を増やさないようにソフトウエアの改訂 時期である平成24年度初めをHbA1cの変更時期とした. Q:NGSP値とともに当面の間JDS値を併記するとのことだ が,これは義務か. • 今回のHbA1c国際標準化の基本方針はあくまでお願い であり,法律上の強制力を持つものではない. • しかし,患者さんの治療上の不利益や混乱を避ける上 では併記が望ましいと考える. Q:ポスターやリーフレットの入手はどのようにすればよいか. • 日本糖尿病学会では,患者さん向け・医療従事者向け のポスター・リーフレットを準備しており,全国の医療機 関に様々なルートを通じて配布を予定している. • 日本糖尿病学会ホームページ: URL:http://www.jds.or.jp/ にも各種資料・Q&Aを掲載していく予定である. Q:HbA1cをその測定値表記に基づいてJDS値かNGSP値か を区別するために,項目名称をどのように記述すれば よいのか. • 「国際標準化HbA1c表記の運用指針」の「3.表記に基 づくHbA1c の区別」を参照されたい. • 要点を再掲すると, ・NGSP 値は「HbA1c(NGSP)」. ・JDS 値は「HbA1c(JDS)」. ・表示・印字に 5 文字以内の制限があるときは, NGSP値は「A1C」,JDS 値は「HbA1c」. • 論文・発表・著作・試験の中の記述表現については, 同じく「国際標準化 HbA1c 表記の運用指針」の 6.~9. を参照されたい. Q:Commentaryの掲載に伴い,それらの引用が指定されているが, 従来指定されていた「引用文献1」, http://www.jds.or.jp/jds_or_jp0/uploads/photos/813.pdf を既に引用し論文を投稿してしまっている場合はどうすればよい か. • まだ採択に至らず,修正が可能な場合には,今回指定 されたCommentaryを引用するよう変更していただくこと が望ましい. • 採択が進行し修正が困難な場合には,「引用文献1」, http://www.jds.or.jp/jds_or_jp0/uploads/photos/813.pdf を引用したままでよい. (上記「引用文献1」は,本学会のホームページ上で同 じURLのまま掲載を継続する) Q:運用指針において,表示・印字文字数が5文字以内の場合, HbA1c(NGSP)を「A1C」と表示・印字することとなっている.電子カ ルテによっては,表示文字数が8文字以内や10文字以内の制限 になっているものもあるが,このような場合も「A1C」とするのか. • 検査項目名の表現は,誤解を避けるために, ・「HbA1c」という表現を可能な限り用いる ・JDS値とNGSP値が明瞭且つ簡便に区別できる ことが望ましい. • 文字数制限が8文字の場合の表現例: HbA1c(J),HbA1c(N) • 文字数制限が10文字の場合の表現例: HbA1c/JDS,HbA1c/NGSP • できるだけ早期に「HbA1c(NGSP)」や「HbA1c(JDS)」が使用 可能になるようご検討をお願いしたい. (続く) Q:運用指針において,表示・印字文字数が5文字以内の場合, HbA1c(NGSP)を「A1C」と表示・印字することとなっている.電子カ ルテによっては,表示文字数が8文字以内や10文字以内の制限 になっているものもあるが,このような場合も「A1C」とするのか. (続き) • 患者さんの目に触れる結果報告用紙などでは,極力 「HbA1c(NGSP)」や「HbA1c(JDS)」を用いていただくこと が望ましい. • 「A1C」という表現は,あくまで文字数制限がごく厳しい 場合にJDS値と区別するための記号. よくある質問とその回答 病院・検査関係者の皆様へ Q:JLAC10 コードはどのようになるのか. • 従来のJLAC10コードはJDS値用として維持され,NGSP 値に対応するJLAC10コードを日本臨床検査医学会の検 査項目コード委員会に申請し,制定の運びとなった.具 体的には以下の通りである. • ・新設分析物コード : 3D046 ・新設分析物名称 : グリコヘモグロビンA1c(NGSP) ([分析物名(2)] HbA1c(NGSP) NGSP値 JLAC10 コード JDS値 JLAC10コード 項目名 3D046 0000 019 062 02 3D045 0000 019 062 02 [062 (ラテックス凝集比濁法)] 3D046 0000 019 204 02 3D045 0000 019 204 02 [204 (HPLC法)] 3D046 0000 019 271 02 3D045 0000 019 271 02 [271 (可視吸光光度法)] 3D046 0000 019 999 02 3D045 0000 019 999 02 [999 (その他)] Q:運用指針において,表示・印字文字数が5文字以内の場合, HbA1c(NGSP)を「A1C」と表示・印字することとなっている.電子カ ルテによっては,表示文字数が8文字以内や10文字以内の制限 になっているものもあるが,このような場合も「A1C」とするのか. • 検査項目名の表現は,誤解を避けるために, ・「HbA1c」という表現を可能な限り用いる ・JDS値とNGSP値が明瞭且つ簡便に区別できる ことが望ましい. • 文字数制限が8文字の場合の表現例: HbA1c(J),HbA1c(N) • 文字数制限が10文字の場合の表現例: HbA1c/JDS,HbA1c/NGSP • できるだけ早期に「HbA1c(NGSP)」や「HbA1c(JDS)」が使用 可能になるようご検討をお願いしたい. (続く) Q:運用指針において,表示・印字文字数が5文字以内の場合, HbA1c(NGSP)を「A1C」と表示・印字することとなっている.電子カ ルテによっては,表示文字数が8文字以内や10文字以内の制限 になっているものもあるが,このような場合も「A1C」とするのか. (続き) • 患者さんの目に触れる結果報告用紙などでは,極力 「HbA1c(NGSP)」や「HbA1c(JDS)」を用いていただくこと が望ましい. • 「A1C」という表現は,あくまで文字数制限がごく厳しい 場合にJDS値と区別するための記号.
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