SCMとトヨタ生産方式 - eoユーザーサポート

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SCMの研究
SCMとトヨタ生産方式を比較する
2007.1. 再編
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SCMの考え方
● SCMは考え方
SCMは「システム」ではなく「概念」である。
これは「トヨタ生産方式」が、「手法」でなく「考え方」であることにつうじる
● SCMの考え方
経営効率の向上を実現する管理手法の考え方である。
原材料・部品の調達から最終顧客までの製品・サービスの流れを一つの「供給」の
連鎖として捉えるという考え方。
ここでいう「供給」は、トヨタ生産方式のJITの「必要な物を、必要なと時に、
必要なだけ」作る考え方につうじる。
SCMは、全体の流れの最適化を実現するため、関係する全ての情報を
ベースに、製品やサービスの流れを統合的に管理する考え方。
SCMの導入とそのポイント
● SCM導入の目的
「在庫や仕掛品の削減」、「品切れ防止」、「生産や供給のリードタイム短縮」
などを実現すること。
企業収益力の向上と、キャッシュフローを重要視することが導入の動機。
● SCM導入のポイント
モノの流れの管理
在庫を削減し、供給までの時間を短縮する。 これはJITの継続的製造期間
の短縮と在庫削減の促進という考え方につうじる。
情報の流れがモノの流れを管理
「モノの流れ」をコントロールするのは、「情報の流れ」である。
情報の流れは、需要から供給へと進み、すべての計画は需要予測をもとに
立てられ、需要予測の精度が、在庫量や物流経費などを左右する。
これは、ヨタ生産方式の「カンバン」の情報の流れとモノの流れを
一致させると云う考えにつうじる。
流れの最適化
● 全体の流れの最適化 = 企業間連携
SCMに参加する一つの企業が、流れを阻害するようなレベルにあっては
ならない。
SCMに参加する全ての企業が常に流れ全体の最適化を目指す必要がある。
この考え方は、トヨタ生産方式の「ムダの排除」の考え方につうじる。
流れを阻害する「ムダを排除」すると云う考え方である。
SCM成立の大前提
顧客にとって価値ある製品やサービスを提供するという、顧客の視点に
立つことが、大前提になる。
これは、トヨタ生産方式の「消費者を志向し、同時に利益を生み出す
モノつくりを目指す」と云う考え方につうじる。
SCMは生産管理の考え方につうじる
SCMと生産管理の機能は、需要予測・生産計画・在庫計画→実施計画
(plan)→手配(do)→進捗管理(check)→対策(action) という点で共通した
考え方を持つ。
生産管理の仕事の本質はコミュニケーションである。
即ち、「意思・感情・思考を伝達し合う」=情報の伝達である。
トヨタ生産方式は、まさにこの考え方である。
SCM導入の成果?
● SCMを導入したのに成果が得られないのはなぜ?
SCM導入の目的であった、「過剰にならず、品切れもない」という、
相反する目標を達成するため、「在庫水準の適正化」を見極めることが
出来ていないことによる。
情報システムを導入しさいすれば、効率的な経営が実現できるという
考え方を捨てること。
SCM導入後の維持と管理が十分になされていないと、導入の効果を
期待することは出来ないと考える。
SCMの研究は、トヨタ生産方式の研究とあわせて今後さらに進めて
行きたい。
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