ディジタル信号処理

ディジタル信号処理
デザイン情報学科 メディア情報設計
河原英紀
2002.7.11
ディジタル信号処理
1
本日の予定
レポートから
課題の解答
補足(これまでの課題等)
フィルタ


2002.7.11
FFTを用いた実現
フィルタの設計
ディジタル信号処理
2
課題:
あるインパルス応答h[k],k=-M,...,Mを用い
て作成したFIRフィルターと、同じ係数を用
いて作成したIIRフィルターがある。(ただし、
IIRフィルタの場合、同じ係数を
k=1,...,2M+1番目の係数として用いるもの
とする)これらのフィルターを直列に接続し
たシステムの伝達特性を求めよ。
2002.7.11
ディジタル信号処理
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レポートから
理解できないままに進むので、試験が心配
直線位相FIRフィルタの説明の「だめ押し」の部分
が良く分らなかった
音楽がかかったのが良かった
やりたかったことを実現できるのがフィルターだと
分かったので、フィルターが好きになった
FIRフィルターと直線位相フィルタの違いが分らな
い
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レポートから
今回の内容は理解できた
デモの説明が早くて、授業との関係が分らなかっ
た
未だにz変換やFourier変換の関係が良く分らな
い。復習して欲しい
DFTの性質がまとめてあって分かりやすかった
プリント配付は非常にいい。授業に集中できる。
因果律という言葉が出たので分らなくなった。
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レポートから
畳込み法則が良く分らない
式の展開を追うことが難しい
結局h[k]をいじることでLPF, HPFなどが作れると
いうことか?
プリントにミスがあるとすごく理解に苦労するので、
注意して欲しい
今やっていることがどのように体系立ってつな
がっているのか全体像が分らない
CDよりもAMの音が悪いのはフィルタで説明でき
るのか?
2002.7.11
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FIRフィルター
x[n]
D
D
D
D
D
h[k]
Y(z)  H (z)X (z)
N1
y[n]   h[k]x[n  k]
k 0
y[n]
N1
H(z)   h(k)z
k 0
2002.7.11
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k
IIRフィルター
y[n]
x[n]
D
D
D
D
D
h[k]
N
y[n]  x[n]  h[k]y[n  k]
k 1
2002.7.11
ディジタル信号処理
Y(z)  H (z)X (z)
1
H(z) 
N
k
1  h[k]z
k 1
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課題の解答例
y[n] 
FIRフィルター
P(z) 
z変換の定義を用いて
伝達特性を求める
M
 h[k]x[n  k]
Y (z)  P(z)X(z)
k M
M
 h[k]z
k
k M
2M 1
X(z)
y[n]  x[n]  g[k]y[n  k] Y(z) 
Q(z)
k1
IIRフィルター
Q(z)  1
2M 1
 g[k]z
k
g[k]  h[k  M  1]
k 1
2002.7.11
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課題の解答例
Q(z)  1
2M 1
M
k
g[k]z
 1

k 1
 1 z
 M 1
(k M 1)
h[k]z

k  M
M
 h[k]z
k
 1 z
 M 1
P(z)
k  M
直列に接続したシステムの伝達特性をT(z)とすると、
T(z)はそれぞれの伝達特性の積になる
P(z)
P(z)
T (z) 

 M 1
Q(z) 1 z
P(z)
2002.7.11
ディジタル信号処理
ただし、Q(z)=0の根が
単位円内部にあること
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課題の補足
あるIIRフィルタがある場合
N
y[n]  x[n]  h[k]y[n  k]
k 1
1
H(z) 

Q(z)
1
N
1  h[k]z k
k 1
Q(z)を伝達関数とするようなFIRフィルタを直列に
接続すると、伝達関数が1となる。
→入力が復元される。 (逆フィルタ)
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補足(これまでの課題等)
時不変性

出力は入力を入れた時刻に依存しない
y[n]  L(x[n])
というシステムがある時に、時刻をずらして
作成した新しい入力を入れた場合の出力が、
上記の出力の時刻をずらしたものと一致する。
x1[n]  x[n  k] という入力を作成し
y1[n]  L(x1 [n]) 出力を求めると
y1[n]  y[n  k] 時刻をずらせたものと一致する
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補足(これまでの課題等)
時不変性の判定の例題
y[n]  L(x[n])  x[Mn]
の場合
x1[n]  x[n  k] という入力を作成し
y1[n]  L(x1 [n]) x1 [Mn]  x[Mn  k] 出力を求めると
y[n  k]  x[M(n  k)] y1 [n]
時刻をずらせたものと一致しない
したがって、このシステムは
時不変ではない
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様々なフィルター
低域通過フィルタ LPF
(Low Pass Filter)
通過域
高域通過フィルタ HPF
(High Pass Filter)
帯域阻止フィルタ BEF
(Band Elimination Filter)
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帯域通過フィルタ BPF
(Band Pass Filter)
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フィルターの実現方法
FIRフィルター
IIRフィルター
FFTを用いた実現



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DFTを用いることにより、畳込みを周波数領域でのか
け算により実現する
DFTにより実現される畳込みが循環(あるいは円環)
畳込みであるため、通常の畳込み(直線畳込み)を計
算するための工夫が必要
DFTを高速に計算するために、FFTを用いる
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FFTを用いた実現
DFTを用いることにより、畳込みを周波数
領域でのかけ算により実現する
h[n]
x[n]
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DFT
DFT
H(k)
Y(k)
かけ算
IDFT
X(k)
y[n]
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FFTを用いた実現
循環(あるいは円環)畳込みを用いて、通常の畳
込み(直線畳込み)を計算する
N 1
x 3 [n]   x1 [m]x 2 [((n  m))N ]
m0
x1[n] 0  n  K
x1[n]  
nK
 0
x 2[n] 0  n  M
x 2 [n]  
nM
 0
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N>K+M-1であれば
直線畳込みと同じ
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FFTを用いた実現
循環(あるいは円環)畳込みを用いて、通常の畳
込み(直線畳込み)を計算する
切り出した
それぞれの部分を
x2 とみなす
長さK
それぞれの
計算(畳込み)
の結果
重なる部分は
加え合わせる
x2
長さM
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長さN>K+L-1
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overlap and add
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フィルターの設計方法
アナログシステムのインパルス応答に基づく方
法(IIR)
アナログシステムの振幅周波数特性の設計方法
を利用する方法(IIR)
目的とする振幅周波数特性から窓関数を用いて
実現する方法(FIR)
目的とする周波数特性と時間特性の双方を満足
するように設計する方法
→計算機を用いた設計手法
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窓関数を用いた設計
目標とする振幅周波数特性を逆フーリエ
変換しただけではなぜいけないか?

インパルス応答の長さ
 鋭い遮断特性は、時間方向での減衰の遅いイン
パルス応答を生み出す

ギブスの現象
 インパルス応答を有限長で打ち切ると、遮断周波
数付近での振動が発生する
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ディジタル信号処理の試験
7月18日(木)1.2時限
A101(変更の可能性有り)
資料の持ち込み可能

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ただし、計算機や携帯等の通信機器を用いる
ことは禁止
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