法令から学ぶ大学の仕組み

金沢総合高等学校 なぎさアカデミア
2007/5/1
大学の仕組みと現状
学部・学科のあり方を中心に
横浜市立大学 アドミッションズセンター
出光 直樹
http://www.idemitsu.info
爆発的に増える学部・学科の種類
• 学部(同等の組織を含む)の数
– 1971(昭和46)年度 59種
– 1990(平成2)年度 91種
– 2006(平成18)年度 388種
• 多種多様な名称
– 国際・総合・人間・文化・情報・社会・・・
– グローバル・メディア・スタディース学部(駒沢大学)
• 最長19文字! かつては短いほど偉かった?
• 学科(同等の組織を含む)の種類は1000を超える
横浜市立大学の学部の変遷
開学から1990年代まで
• 商学部 (1949年~)
– 経済学科、経営学科
• 文理学部 (1952年~)
– 文科、理科
• 医学部 (1952年~)
– 医学科
1995(平成7)年から2005(平成17)年まで
• 商学部
– 経済学科、経営学科
• 国際文化学部
– 国際関係学科、日本アジア文化学科
欧米文化学科、人間科学科
• 理学部
– 要素科学科、機能科学科、環境理学科、数理科学科
• 医学部
– 医学科
• *看護短期大学部
– (学部そのもではない、あくまでも短期大学)
現在の学部学科構成
• 国際総合科学部
– 国際総合科学科
• 【国際教養学系】 国際文化創造コース、人間科学コース、
【経営科学系】 国際経営コース、政策経営コース、
【理学系】 基盤科学コース、環境生命コース、
【融合領域】 ヨコマハ企業戦略コース
• 医学部
– 医学科、看護学科
なぜ学部・学科の種類が増大するのか?
• 学問領域の多様化?
• 新しい専門分野の登場?
• 極めて日本的な特殊事情
– アメリカの大学の基本構造との差異
• 「学芸&科学部」 Arts & Sciences に多種の専攻をもつ構造
– 古い学部を残したまま新しい学部を設置
• 古いものをなくすのは面倒&規模の拡大
– 志願者を集めるためのネーミング
日本における“学部”の歴史
• 1877(明治10)年 東京大学 創設
– 文学部 法学部 理学部 医学部 の4学部
• 1918(大正7)年 大学令 第二条
– 大学ニハ数個ノ学部ヲ置クヲ常例トス但シ特別ノ必要アル場合
ニ於テハ単ニ一個ノ学部ヲ置クモノヲ以テ一大学ト為スコトヲ得
– 学部ハ法学、医学、工学、文学、理学、農学、経済学及商学ノ
各部トス
– 特別ノ必要アル場合ニ於テ実質及規模一学部ヲ構成スルニ適
スルトキハ前項ノ学部ヲ分合シテ学部ヲ設クルコトヲ得
• 1991(平成3)年に改正される直前の
大学設置基準 第二条
– 学部は、専攻により教育研究の必要に応じ組織されるもので
あって、学科目又は講座の種類及び数、教員数その他が学部
として適当な組織を持つと認められるものとする。
– 2 大学の種類は、文学、法学、経済学、商学、理学、医学、歯
学、工学及び農学の各学部その他学部として適当な規模内容
があると認められるものとする。
– 3 実質及び規模が一学部を組織するのに適当な場合におい
て、特別の必要があるときは、前項の学部の全部又は一部を
分合して一学部とすることが出来る。
• 現在の「大学設置基準」 第三条
– 学部は、専攻により教育研究の必要に応じ組織されるもので
あって、教育研究上適当規模内容を有し、教員組織、教員数そ
の他が学部として適当であると認められるものとする。
• 1991(平成3)年を境に、学部名の例示が無くなる。
学部・学科の考え方
• 文系・理系
– 意味が有るような無いような
– 入試科目の違い
• 専門職業型・教養型
– その学部・学科の専門性は、職業(資格)と直結した
ものか、あくまでも学問的なものか。
– 職業資格のレベル
勉強の目的
• 生涯にわたって学び続ける時代へ
• 資格の意味
– 独占資格か、単なる目安か
– 一つの通過点
• 学び続ける力をつけること
– コミュニケーションスキル・情報スキルの習得
– 好きなことを勉強する
【参考文献】
– 坂口幸世 『受験の常識』 朝日新聞社 2006年
– 館昭、岩永雅也 『岐路に立つ大学』 放送大学教育振興会 2004年
(付録)入試についての概要
• 国公立大学
– AO入試 実施大学は少ないが、増えつつある。
– 推薦入試 評定値4~4.3以上が多い センター試験の有/無
– 一般入試 センター+2次試験
前期日程、(公立大学中期日程)、後期日程、の2(3)回機会
• 私立大学
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AO入試 やり方は大学により様々
推薦入試 評定値3.5(B段階)以上が多い
センター利用入試
一般入試