情報倫理教育について 江澤 義典 関西大学総合情報学部 目次 はじめに(実践倫理) 情報セキュリティ対策として 情報倫理教育とコンピュータ技術 むすび(倫理教育の道具) FACE99 江澤義典(関西大学) 2 実践的倫理 倫理=実際道徳の規範となる原理 一定の行動様式や態度 一定の価値を志向 理想の自覚 FACE99 江澤義典(関西大学) 3 小学校の道徳教育 廊下を走ってはいけない ヒトを叩いてはいけない 大声で話すと迷惑になる 公園の芝生に入ってはいけない 公園ではゴミを捨てない 単純なルールの体系? 現実的ではない FACE99 江澤義典(関西大学) 4 中等・高等学校の倫理教育 青年期の課題と自己形成 人間とは何か 思想史の学習 実践教育の欠如 専門家教育・職業倫理教育の欠如 社会倫理の必要性 FACE99 江澤義典(関西大学) 5 情報セキュリティ 高度な情報技術 コンピュータ犯罪 情報犯罪の恐怖(未知) 基盤技術の発展(不安) 従来の社会規範では不十分 FACE99 財産、自由、思想信条 プライバシ 江澤義典(関西大学) 6 情報システムへの攻撃 システムの改変 ユーザプライバシの侵害 正当なコンピュータ利用の妨害 ユーザの嘲弄 FACE99 江澤義典(関西大学) 7 システムの改変 被害が深刻 表計算データの改竄(5%以内) → 金銭的被害 医療データの改竄 → 患者の生命の危機 不正アクセスの防止 暗号技術の採用 FACE99 江澤義典(関西大学) 8 個人のプライバシ 個人が自己に関わる情報空間を自分でコ ントロールする権利 何を、いつからいつまで、誰に、どこで、 どのように、どの程度まで FACE99 江澤義典(関西大学) 9 プライバシの侵害 偽造メール 文体による認識 不正アクセスの防止(パスワード) 電子署名(デジタル署名) Webの悪用 cookie, java, … W3C(PICS, P3P) FACE99 江澤義典(関西大学) 10 コンピュータ資源の略奪 計算パワーの占有 記憶装置の占有 ターミナルの占有 共用マシンのディスプレイロック 通信回線の占有 大規模ファイルのftp、http FACE99 江澤義典(関西大学) 11 ユーザの嘲弄 クラッカーによる示威活動 Webの画像変更 ポルノ画像の提示 迷惑音響/自動演奏 ⇒JPCERT/CC ⇒One Time Password FACE99 江澤義典(関西大学) 12 セキュリティ破り 学生による興味本位の行為 挑戦的セキュリティ攻撃 真のハッカーを育てるために クラッカーを軽蔑する環境 倫理感 FACE99 江澤義典(関西大学) 13 戒律としてのネチケット? パスワードを勝手に使う データを勝手にコピーする データを勝手に削除する データを改竄する 虚偽のメール 虚偽のWeb ⇒べからず集の限界 FACE99 江澤義典(関西大学) 14 情報倫理とコンピュータ技術 概念の相違 モノの保有 情報の保有 媒体の相違 FACE99 石、陶片、金属、皮、紙や木、などへの記録 堅牢 → 軽くて薄い 電磁形式データ アナログ → デジタル 江澤義典(関西大学) 15 おもいやりの黄金律 あなたがして欲しくないと思うことを他人に するな。 旧約聖書 論語 「己所不欲、勿施於人」 バビロニア タレス Hobbesの第一原理 FACE99 江澤義典(関西大学) 16 カントから和辻へ カント 倫理は個人意識の問題 なぜ道徳的に行為しなければいけな い? 和辻哲郎 人と人との間に生きる存在 個人主義からの脱却 FACE99 江澤義典(関西大学) 17 倫理の実践教育 学級崩壊、いじめ問題 総合的学習 徒弟制度の見直し 熟練者のそばに居るだけ 自然な学び ⇒友と共に学びあう FACE99 江澤義典(関西大学) 18 コンピュータは倫理の道具 プライバシの実現 知的財産権とフェアユース 不正行為は技術が未熟な者が 無知なる為に起こす 市民活動として 日本情報倫理協会 FACE99 江澤義典(関西大学) 19
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