パレットレンタルシステムに おける施設の 数及び規模に関する検討 流通情報工学課程 99728 髙木 純 目次 1.はじめに 2.需要推定モデル 3.立地計画モデル 4.施設の数及び規模の検討 5.結論 1.はじめに 1.1 研究の必要性 1.2 研究目的 新総合物流施策大綱 国際的レベルの物流サービスを実現 ・高度かつ全体効率的な物流システムの構築 ・正確な物流コストの把握と管理 ・規制改革、行政手続きの簡素化、効率化 ・新技術の開発と利用 一貫パレチゼーション中心 ・ユニットロード化の推進 ・物流関連社会資本の整備推進 ・港湾の24時間フルオープン化等への対応 ・モーダルシフトの推進 パレットレンタルシステム レンタル デポ 貸し出し 発荷主 パレタイズ輸送 受荷主 返却 利用者の利点 ・保管、補修といった管理が不要 ・空パレットの回送が不要 ・パレットの初期導入コストが不要 レンタル デポ パレットレンタルシステム レンタル デポ 貸し出し 発荷主 パレタイズ輸送 供給者側は低廉化に 迫られている 受荷主 返却 利用者側の問題点 ・パレットレンタル料金が割高 ・パレットレンタル料金を含めた 物流コスト管理が困難 等々 レンタル デポ パレットレンタルシステムの改善課題 短期 長期 生産計画 設備計画 立地計画 在庫管理 デポ立地の見直 品質管理 し スケジューリング 需要の位置と 行われていない レイアウト 量の明確化 輸送計画 需要推定 1.2 研究目的 一貫パレチゼーション推進するため パレットレンタルシステムの運営改善ツールを構築する 立地計画モデルと需要推定モデルの構築 供給者側の意思決定の支援を目的とする。 2.需要推定モデル 2.1 需要推定手順 2.2 推定結果 2.1 需要推定手順 「全国貨物純流動調査 95年調査」 全業種 発生量 ・集中量 [トン/3日] 「業界別一貫パレチゼーション 普及調査報告書」 T11型 パレット化率 [%」3.28% 全業種 パレット輸送 発生量 [トン/3日] 全25業種 T11型パレット 一枚あたり輸送量 [トン/枚]0.36㌧ 全業種 パレット 発生量・集中量 [枚/3日] 全25業種 T11型 レンタル 化率 [%]46.0% 貸し出し・返却 需要量 [枚/3日] 2.2 推定結果(貸し出し需要) 貸し出し需要量[枚] 貸し出し需要量(パレットレンタル企業一社あたり)[枚/日][市場シェア50%] 16,000 貸し出し需要量(パレットレンタル企業一社あたりの)[枚/日] 13,846 14,000 合計208,345枚 11,686 12,000 11,230 10,905 10,981 10,097 10,000 9,297 8,844 8,000 7,105 7,022 5,805 6,000 4,994 4,771 4,000 5,087 4,592 3,451 3,504 3,187 2,811 2,726 2,458 2,000 5,957 5,476 5,020 5,6165,460 2,481 2,2602,097 2,236 1,774 1,391 1,3771,3261,301 3,766 3,101 2,2512,084 1,518 743 690 977 1,084 1,153 1,757 1,175 0 北 青 岩 宮 秋 山 福 茨 栃 群 埼 千 東 神 新 富 石 福 山 長 岐 静 愛 三 滋 京 大 兵 奈 和 鳥 島 岡 広 山 徳 香 愛 高 福 佐 長 熊 大 宮 鹿 沖 海 森 手 城 田 形 島 城 木 馬 玉 葉 京 奈 潟 山 川 井 梨 野 阜 岡 知 重 賀 都 阪 庫 良 歌 取 根 山 島 口 島 川 媛 知 岡 賀 崎 本 分 崎 児 縄 道 川 山 島 都道府県 3.立地計画モデル 3.1 パレットレンタルシステムの概要 3.2 定式化 3.2.1 目的関数 3.2.2 制約条件 3.1 パレットレンタルシステム の概要図 生産=修繕・補 修 b:サテライトデポ c:貸し出し 需要地 a:直営デポ 紛失 パ レ タ イ ズ 輸 送 rc:返却 需要地 a’ b’ d:新規購入工場 製品パレット 返却パレット 新規購入パレット 3.2 定式化 3.2.1 目的関数 総費用(TC)=輸送(ノード)費用 +施設(リンク)費用 +新規購入費用 (円)→min 3.2 定式化 3.2.2 制約条件 「輸送(リンク)に関する制約条件」 (1)輸送(製品パレット、返却パレット、新規パレット) に関する制約式 「施設(ノード)に関する制約条件」 (1)直営デポに関する制約式 (2)サテライトデポに関する制約式 (3)貸し出し需要に関する制約式 (4)返却需要に関する制約式 3.2 定式化 3.2.2 制約条件 「輸送(リンク)に関する制約条件」 (1)輸送(製品パレット、返却パレット、新規パレット) に関する制約式 施設 輸送可能距離[㎞] 需要地 3.2 定式化 「施設(ノード)に関する制約条件」 (1)直営デポに関する制約式 ◎生産能力 ◎取り扱い量 ◎ 通過量 ◎ 有無 (2)サテライトデポに関する制約式 ◎取り扱い量 ◎ 通過量 ◎ 有無 (3)貸し出し需要に関する制約式 (4)返却需要に関する制約式 ◎需要量の満足 直営デポの生産能力に 関する制約条件 a:直営デポ b:サテライトデポ Pa = - rc:返却 需要地 0 Pa PAMAX a 生産能力 a’ 4.施設の数及び規模に関する 検討 4.1 対象とするパレットレンタルシステム の概要 4.2 設計結果 4.3 施設の数及び規模に関する検討 4.1 対象とするパレットレンタルシステム の概要 前提条件(デポ立地状況) 直営デポ数:14 サテライトデポ数:33 設計結果 数について 直営デポ数 :14→11ヶ所 サテライトデポ数:33→21ヶ所 総費用の内訳 費用項目 総費用 値( 円) 構成費( %) 23,992,000,000 100.00 輸送費 14,086,500,000 58.71 直営デポ(合計) 3,578,636,875 14.92 変動費 370,296,875 1.54 固定費 3,208,340,000 13.37 サテライトデポ( 合計) 2,095,324,800 8.73 変動費( 荷役費) 2,095,324,800 8.73 ( 契約基本料金) 0 0.00 新規購入費 4,231,500,000 17.64 施設の数及び規模に関する検討 直営デポとサテライトデポの数 生産能力及び輸送可能距離の向上 直営デポの規模(生産能力) 生産能力の向上 4.3 施設の数についての検討 直営デポ数の変化 直営デポの数[ヶ所] 15 14 13 輸送可能距離倍率 12 生産能力倍率 11 10 現状 9 8 初期データ 2倍 3倍 ∞ 向上倍率[倍] 4.3 施設の数に関しての検討 サテライトデポの数[ヶ所] サテライトデポ数の変化 35 30 230㎞ 25 20 生産能力倍率 15 10 現状 5 0 初期データ 輸送可能距離倍率 2倍 3倍 ∞ 向上倍率[倍] 4.3 施設の規模に関しての検討 総費用[ 億円] 総費用に対する生産能力の向上 241.0 240.0 239.0 238.0 237.0 236.0 235.0 1.3~1.4倍が有効 1 1.5 2 2.5 3 3.5 生産能力倍率 総費用 4 4.1 新たな改善案に関して 総費用[億円] 総費用への影響 245 240 235 230 225 220 215 210 205 200 約6%削減 生産能力向上 輸送可能距離 向上 初期データ 2倍 3倍 向上倍率[倍] ∞ 需要枚数[千万枚] 4.1 新たな改善案に関して 5.0 4.5 4.0 3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 年間需要枚数と生産能力 貸し出し需要量 返却需要量 生産能力 北 東 関 信 東 近 中 四 九 海 北 東 越 海 畿 国 国 州 道 ・ 北 陸 エリア 新な改善案(施設の移転・増設) の検討結果 総費用[億円] 250 生産能力向上 240 輸送可能距離 230 の向上 220 改善案 210 約19%の削減 200 190 180 ∞ 改善案 3倍 初期データ 2倍 5.結論 まとめ(1) パレット需要推定モデルを構築した。 パレットレンタルシステムにおける 施設立地計画モデルを構築した。 5.結論 まとめ(2) 数について 直営デポ数 :14→11ヶ所 サテライトデポ数:33→14~15ヶ所 輸送可能距離に影響 規模について 生産能力は1.3~1.4倍がもっとも有効 5.結論 まとめ(3) 改善案 大幅な総費用削減を行うのであれば 直営デポの移転・増設を考慮することも必要である。 需要地との近接性を重要視し 立地を見直す必要がある。 5.結論 まとめ(4) 今後の課題 パレットレンタルデポ(施設)の立地状況の変化 が需要への影響について検討する必要がある。 改善計画の流れ パレットレンタルシステム運営改善項目 どこに立地 ? 位置と量 需要推定 どこからどこへ 施設立地計画 どれだけ入出庫 輸送計画 年間どれだけ 施設内レイアウト計画 生産計画 もう片方企業の施設立地状況 デポ間製品パレット輸送 『存続』直営デポ 1 『消去』直営デポ 2 4 7 6 3 8 9 5 デポ間製品パレット輸送 『存続』直営デポ 1 『消去』直営デポ 2 4 7 6 3 9 8 5 既存の直営デポ 立地候補地 1 2 4 7 6 3 9 8 5 デポ間製品パレット輸送 『存続』直営デポ 1 『消去』直営デポ 2 4 7 6 3 9 8 5 デポ間返却パレット輸送 1 『存続』直営デポ 『消去』直営デポ 2 4 7 6 3 9 8 5 2.2 推定結果(返却需要) 返却需要[枚] 返却需要量( パレットレンタル企業一社あたり) [枚/日][市場シェア50%] 16,000 返却需要( パレットレンタル企業一社あたり) [ 枚/日] 14,000 14,519 合計208,345枚 12,817 11,737 11,183 12,000 11,354 9,716 10,000 9,632 8,546 8,065 8,000 7,697 6,002 6,000 5,291 4,975 5,317 5,136 4,856 4,438 4,000 3,245 3,829 3,312 2,620 2,573 2,318 2,000 3,995 1,883 1,469 1,566 1,497 1,211 4,659 3,888 3,013 2,501 1,623 1,067 834 961 2,601 2,413 2,233 2,130 2,042 1,830 1,692 1,600 1,388 1,196 0 北青岩宮秋山福茨栃群埼千東神新富石福山長岐静愛三滋京大兵奈和鳥島岡広山徳香愛高福佐長熊大宮鹿沖 海森手城田形島城木馬玉葉京奈潟山川井梨野阜岡知重賀都阪庫良歌取根山島口島川媛知岡賀崎本分崎児縄 道 川 山 島 都道府県 4.施設の数及び規模に関する 検討 ・現状の立地状況のままでの課題 ・在庫管理 ・生産能力の向上 ・日々の輸・配送能力の向上 ・施設内レイアウト ・その他 4.1新な改善案(施設の移転・増設) の検討結果 現状 直営デポ数:14 サテライトデポ数:33 初期データと改善案の比較 生産可能距離倍率 直営デポ[ ヶ所]サテライトデポ[ ヶ所] 初期データ 11 21 改善案 14 16 関東地方から移転した。 T11型パレットとその他のパレット Jis規格 「一貫パレチゼーション専用パレッ ト」 1.1[m] 1.1[m] T11型パレット Zラック 3.1 パレットレンタルシステム の概要図 生産=修繕・補 修 b:サテライトデポ c:貸し出し 需要地 a:直営デポ 紛失 パ レ タ イ ズ 輸 送 rc:返却 需要地 a’ b’ d:新規購入工場 製品パレット 返却パレット 新規購入パレット TotalCost X pq S pq Cost pP qQ Yrp S rp Cost 「目的関数」 rR pP N dq S dq Cost dD qQ Z a Fa M a Pa aA Z b Fb I b X pb Yrb N db bB rR dD pP X bq Ybp Ob qQ pP N dq CostN d dD qQ Type Minimize 「輸送(リンク)に関する制約条件」 (1)輸送(製品パレット、返却パレット、新規パレット) に関する制約式 X ,Y , N 0 S PC , S RCP , S DC TMAX X PC , YRCP , N DC 0 b:サテライトデポ a:直営デポ c:貸し出し 需要地 rc:返却 需要地 a’ b’ d:新規購入 製品パレット 返却パレット 新規購入パレット (1)直営デポに関する制約式 ◎生産能力 ◎取り扱い量 ◎ 通過量 ◎ 有無 Pa Yra Yap rR pP 0 Pa PAMAX a X pP pa X aq Yra Yap N da Z a Va qQ X qQ rR aq pP dD X pa N da Pa pP dD Z a 0,1 (2)サテライトデポに関する制約式 ◎取り扱い量 ◎ 通過量 ◎ 有無 X pP pb X bq Yrb Ybp Ndb Zb Vb qQ rR X qQ bq dD X pb N db pP Y rR pP rb Ybp pP Z b 0,1 dD (3)貸し出し需要に関する制約式 (4)返却需要に関する制約式 ◎需要量の満足 Dc X pc N dc pP dD Drc Yrcp pP 立地と配置 立地 流通センターの立地の問題とは「生産地から消費地の 間において、どの地点に流通センターを計画すべきか」 というものである。 配置 「複数の流通センターや倉庫など効率よく使い分ける 計画」が配置計画である。 苦瀬 博仁;「付加価値創造のロジスティクス」より 立地と配置 立地 (1)商工業などを営むのに適した土地を決めること。 (2)たちば。立脚地。 配置 人や物を適当な位置や持ち場に割りあてること。 また、その位置や持ち場。 三省堂;大辞林第二版より
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