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満洲企業データベースについて
満洲企業史研究の成果と課題
―鈴木邦夫編著『満州企業史研究』をめぐって―
立教大学経済学部創立100周年記念シンポジュウム
2007年10月13日
報告:疋田康行(立教大学経済学部)
これまでの研究会資料の紹介 1

日本植民地研究会2001年度大会
「満洲企業データベースについて」
1.在満企業調査
2.満洲事変以前の概況
- 満鉄庶務部調査課『満蒙に於ける日本
の投資状態』より
これまでの研究会資料の紹介 1
3.大連商工会議所編『満洲銀行会社年鑑』
(1942年版)による在満企業概況
4.若干の事例 -電気通信と軽金属
5.残された課題
これまでの研究会資料の紹介 2
日本植民地研究会2005年度大会
「満洲の企業構成」

1 在満営利全法人の推移
2 設立年分布
3 在満営利法人の事業分布の変化
これまでの研究会資料の紹介 2
4
6
7
8
在満営利法人の地域別分布
特殊・準特殊会社
持株会社の在満子会社
中小企業の設立主体
⇒ 第Ⅰ部 第2章 資本系列の概要
図表Ⅰ-2-1 全法人の推移
法
合資
株式
1921年06月30日
1926年12月31日
1936年05月31日
日本法人
満州法人
1942年9月30日
日本法人
満州法人
1943年03月31日
特殊
準特殊
1944年03月31日
特殊
準特殊
424
454
746
621
125
2,822
506
2,316
2,439
35
30
1,640
30
26
51
107
244
234
10
1,239
142
1,097
925
69
48
資
満鉄
1921年06月30日
1926年12月31日
1936年05月31日
日本法人
満州法人
1942年10月31日
日本法人
満州法人
1943年03月31日
特殊
準特殊
1944年03月31日
特殊
準特殊
380,000
337,156
584,208
584,208
1,026,208
1,026,208
合名
238
763
1,452
1,433
19
2,461
680
1,781
1,556
株式
本
合資
162,664 14,762
233,139 24,717
696,872 49,339
421,838 47,597
275,034
1,742
5,232,288 132,619
324,014 26,422
4,908,275 106,196
5,921,653 116,339
2,751,658
833,943
6,815,803 22,257
2,151,419
977,625
人
公司
23
数
支店
小計
713
1,347
2,442
2,288
154
6,522
1,328
5,194
4,920
合計
151
79
231
1,757
金
合名
3,756
8,746
18,871
17,971
900
80,866
15,431
65,435
87,027
29,620
864
1,347
2,521
2,288
154
6,753
1,328
5,194
4,920
1,757
平
株式
均
385
515
935
680
2,200
1,855
642
2,119
2,428
78,619
27,798
4,156
71,714
37,601
資
合資
本
(単位:社、千円)
金
額
合名
公司
62
32
34
33
92
54
39
60
75
74
82
77
77
90
65
109
60
94
323
617
1,324
額
公司
30,448
合計
561,182
634,205
1,349,290
1,071,614
277,676
6,471,981
1,392,075
5,079,906
6,125,019
6,867,680
出所:『1922興信録』、南満州鉄道株式会社庶務部調査課『満蒙に於ける日本の投資状態』1928年、『1936銀行会社年鑑』、
『1942銀行会社年鑑』、『1943会社名簿(20万円以上)』、『1943会社名簿(20万円未満)』、『1944会社名簿(20万円以
注:(1) 1926年12月31日の「株式」には「合弁株式会社」数を含む。
(2) 1936年05月31日の満州法人の形態は、股份有限公司・両合公司・無限公司であり、それぞれ「株式」・「合資」・「合
名」の欄に掲載した。
(3) 資本金額および平均資本金額の「株式」には満鉄は含まず。
満洲企業データベース 1
1.日清興信所編纂『満洲会社興信録 大正十一
年版(非売品)』大連,1922年07月05日発行.
(本録は大正十年六月末現在を標準とせる調査
編纂に係り当時当該官庁の商業登記簿に現存
せる邦人経営会社社の本支店全部を網羅す)
2.南満洲鉄道株式会社庶務部調査課編『満蒙に
於ける日本の投資状態』(満鉄調査資料第七六
編)大連、1928.04.20.
満洲企業データベース 2
3.大連商工会議所編『満洲銀行会社年鑑 昭和
拾壱年版』同所,大連,1936年8月15日.(本年
鑑に採録せる会社は昭和11年5月末現在各地
民政署,日本領事館及満洲国地方法院の商業
登記簿に現存せるものを全部網羅せり。)
4.大連商工会議所編『満洲銀行会社年鑑 昭和
拾七年版』同所,大連,1943年03月10日発行.
(本年鑑に輯録せる会社は関東州内に本社を有
する日本法人及満洲国法人並に関東州及満洲
国外に本社を有し支店を関東州及満洲国内に設
置せる日本法人株式会社の全部である.)
満洲企業データベース 3
5.満洲中央銀行資金部資金統制課『康徳
十年三月三十一日現在満洲国会社名簿』
(資本金二十万円以上)および(資本金二
十万円未満)
6.満洲中央銀行資金部資金統制課『康徳
十一年三月三十一日現在満洲国会社名
簿』(資本金二十万円以上)
7.以上のリンク表 7849社・260支店
図表Ⅰ-2-2 在満州法人企業の設立年別分布
社
1,000
出所:前表に同じ。
100
株式
合資
合名
外
合計
10
1
1900
1905
1910
1915
1920
1925
1930
1935
1940
年
図表Ⅰ-2-2’在満州法人設立動向(33.01-42.04)
B.このデータベースの特徴 1
1.法人登録企業の悉皆調査に基づくもの
⇒
a.大企業のみならず中小会社まで把握
b.事業分野別構成→産業構成が描ける
c.地域特性が推定できる
d.役員リストから企業間人脈がわかる
B.このデータベースの特徴 2
2.第一次大戦直後から第二次大戦末期に
至る4時点(関東州を含む、1922・27・36・
42年)の定点観測
⇒
企業構成(事業・地域・規模・人脈)の変化
を把握しえる
C.研究の深化のために 1

満洲地域内のボーリング
a.民族企業、外国企業との競争関係
b.企業者移動とネットワーク
c.経営者団体・統制団体の編成と機能
d.企業業績
C.研究の深化のために 2



帝国レベルの企業進出研究へ
朝鮮・台湾・樺太・中国本部・・・
法人登記資料が必要
再投資の検討
投資形態の変化
日本勢力圏外前近代社会への借款投資
から勢力圏内近代化途上社会への企業進
出へ