格付会社の規制 07BA229J Noguchi Masayo サブプライム商品の値下げ 格 付 会 社 は 2004 年 か ら 2007年にかけて、サブプライ ム関連RMBSとCDOに高格付 を付与し、サブプライム融資 の驚異的な伸びを助長した。 しかし2007年半ば以降、これ らの商品の格付の大部分につ いて、急激かつ大幅な引き下 げを行った。これにより、仕 組商品に関する信用格付の品 質について疑念が生じた。 【大手3社の格下げ状況】 ●08年2月時点で、サブプラ イ ム RMBS(06 年 格 付 分 ) の 94.2%について格下げ、サブ プライムRMBS(07年格付分) の76.9%について格下げ ●08年3月時点で、サブプラ イム・トランシェ(05年第1 Q ~ 07 年 第 3 Q 格 付 分 ) の 44.3%について格下げ ●07年12月時点で、サブプ ライム・トランシェ(06年~ 07年第1Q格付分)の34%を 格下げ 格付をめぐる問題点 問題点の指摘内容 ①利益相反 ●証券化商品の格付ビジネスに利益相反の可能性 が内在していたのではないか。 ●“発行体から報酬を受領するビジネスモデル” “SFの格付によって格付会社の収益が急増してい る”ことから、他の格付より大きな利益相反が生 じ、パフォーマンス低下を招いたのではないか。 ◆アナリストvs発行体との報酬交渉は制限されてい るが、禁止ではない。 問題点の指摘内容 ②格付手法 ●モデルの内容や妥当性は精査されていたか。 ●シュミレーションは長期のデータを使用し、リスクを 的確に考慮したか。 ●格付け手法や前提条件について、十分な吟味を 行ったか。 ●住宅バブルの兆候、住宅ローンをめぐる不正の 横行を勘案して判断を行ったか。 問題点の指摘内容 ③情報開示・格付への過度の依存 ●適切なディスクロージャーは行われていたか。 ●格付情報の意義について、投資家に誤解を与え ていなかったか。 ◆格付のパフォーマンスデータが、検証・比較可能 な形で公表されていない。 ◆格付の前提やシナリオなどについて、投資家に 十分に明確な説明がなされなかった。 ◆RMBS・CDOを格付する際、プロセスおよび方法 が必ずしも開示されていない。 問題点への対策~米国~ 利益相反防止 業務停止命令・差止訴訟・譴責 情報開示義務 登録停止・登録取消・ 非公開情報の 記録保管義務 刑事罰(禁固刑・罰金) 乱用防止 民事制裁金 不正・威圧・脅迫行為の 禁止 問題点への対策~欧州~ 利益相反防止 EU域内における格付発行の 業務停止命令・EU域内における格付利用の停止 格付の開示・提供 業務改善命令・規則違反の公示・ 格付け方法開示 一般的・定期的な 登録取消・刑事訴追SF商品の区別表示 刑罰は各国で規定 情報開示 従業員に関する規制 金融審議会にて検討 S&P ムーディーズ 格付投資情報センター Fitch JCR 日本の指定格付機関5社 ★IOSCOの行動規範を枠組みとする ★国際的な整合性・調和が重要 ★プリンシパル・ベースの規制にすべき ★格付手法やプロセスは規制対象としない ★独立性の確保が必要 日本の対策 ①信用格付業者に対する登録制の導入 無登録業者は、登録を受けていない旨を説明すること を義務づけられる ②信用格付業者の監督 登録業者には誠実義務を課すほか、業務管理体制の整 備、格付方針の公表を義務付ける。利益相反防止、事業 報告書の提出とともに、報告聴取・立ち入り検査・業務 改善命令・業務停止命令・登録の取消などの規定が整備 される。 論点 日本の格付機関の規制のあり方について 反省 レジュメがわかりにくくなってしまったため、パワポは少しわかりやすい作りになる よう考えた。質問も2年生がたくさんしてくれて、よかったと思う。論点に関しても、ど うしても文字ばかりのものになってしまったため、論点用のパワポを作った方がよ いのかもしれないと考えた。 次回は後期になるが、もう少し色々な点で力を入れて作れるようにしようと思う。
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