映画娯楽産業:参考 資料 2004年度企業論講義 川端 望 1 映画娯楽産業を理解するポイント (1) コンテンツとメディアの相互作用 キラーコンテンツがもたらす範囲の経済 メディア・コングロマリット化に含まれる統合 水平統合 垂直統合 多角的統合 水平・垂直関係になくとも技術やコンテンツの共通性 によって関連性がある場合もある 2 映画娯楽産業を理解するポイント (2) 統合はなぜ進むか? 統合は何をもたらすか? 3 映画産業の基本プロセス 映画の製作・配給・興行 関連業界 配給の多様化 多様な関連産業 アメリカ映画産業史 http://www.geocities.co.jp/Hollywood- Stage/4989/history.html ブロック・ブッキングとブロック・バスター →配布資料 4 メジャーを傘下とする企業グルー プ ウォルト・ディズニー パラマウント(バイアコム) ワーナー・ブラザーズ(タイム・ワーナー) ソニー・ピクチャーズ・エンターテインメント(ソニー) 20世紀フォックス(ニューズ・コーポレーション) ユニバーサル(NBCユニバーサル) (URLは資料を参照) ドリームワークスSKGの挑戦 5 コングロマリット化するメディア企業 タイム・ワーナーの場合 http://www.eigafan.com/abroad/business/2001 /1120/index.html 事業の全体像 http://www.timewarner.com/corp/businesses/i ndex.html 6 興行収入ランキング http://www.worldwideboxoffice.com/ 7 映画のライフ・サイクルと「窓」戦略 劇場公開(国内・国外) ____/6ヵ月後ビデオ・DVD ______/9ヵ月後ホテル・ペイ __________/9~12ヵ月後ペイ・パー・ビュー、 VOD _________________/10~18ヵ月後 ペイ・テレビ _________________________/24~ 30ヵ月 後地上 波 出所:ミドリ・モール氏作成のものに一部付加。 8 業界全体の立場から見た映画収支構 造の問題 制作費・マーケティング費の高騰 国内興行だけではコストをまかなえない 他の収入源がないと業界全体が成り立たない 9 配給会社の収支構造(1.国内興行の みで考えた場合) 平均興収3,770万ドル/本 配給収入=興収の約半分(1900万ドル) 前評判の高い作品では取り分に例外あり 制作費5,150万ドル/本 +プリント代・広告宣伝費 2,453万ドル/本 =7,603万ドル/本 ∴ 配収 -費用 =▲5,703万ドル/本 →多くの映画は二次マーケット(海外配給、ビデオ配 給、テレビ放映、サントラ、マーチャンダイジング等) からの収入で利益計上 http://www.eigafan.com/abroad/business/2000/1212/ab_1 212.html 10 配給会社の収支構造(2.各種「窓」を 含めた実際の場合) 1億ドルの興行収入の映画の平均的な収支構造 http://www.mahlesq.com/htm/pub20.htm この例では、興行収入1億ドルのうち、映画館が55%、 配給会社が45%をとっていると思われる。 配給会社収入合計(グロス収益)と費用控除 1.税金/グロス収益参加者への支払い 2.配給手数料差し引き/配給経費支払い 3.組合への支払い、保険・弁護士費用支払い 4.製作費と利息 →ネット収益 11 各国映画興行収入におけるアメリカ 映画の比重(1999年) 日本 フランス イギリス ドイツ 64.7% 54.1% 80.5% 78.6% 12 キャラクター・ビジネスの重要性 例:http://www.starwars.com/ 13 『スター・ウォーズ』製作時の契約 20世紀フォックス側 ジョージ・ルーカス側 1000万ドルの制作費調 監督費10万ドル 達 全世界での映画配給権 (テレビ放映、ビデオか 含む) 脚本料5万ドル ゲイリー・カーツのプロ デューサー費5万ドル 映画収益の40% 続編をつくる権利、出版 権、サウンド・トラックの 権利、マーチャンダイジ ングに関する全権利 14 収益配分をめぐる紛争 ヒット作でもネット収益は赤字? ミドリ・モール氏の解説(連載3、4、63、64) http://www.eigafan.com/abroad/business/back.asp 『星の王子ニューヨークへ行く』(IMdb) http://www.imdb.com/title/tt0094898/ 『ロジャー・ラビット』(IMdb) http://www.imdb.com/title/tt0096438/ 15 体制内独立系製作会社との提携 リスク回避+ユニークな企画の実現 ビレッジ・ロードショー http://www.villageroadshow.com.au/ スパイグラス・エンターテイメント http://www.spyglassentertainment.com/ ビーコン・コミュニケーションズ http://www.beaconpictures.com/ 16 映画館の収益構造 売上高の構成 入場料:60-70% 軽食販売:30-40% 売上と支出の対比 映画:入場料の半分以上 軽食:売上高の20% →「映画を客寄せに使い、軽食を売って稼ぐ事 業」 17 垂直統合とコングロマリット化の動 機 規模の経済? 交渉力と独占? 取引費用節約? バンドワゴン効果? 18 市場成果:メディアとコンテンツは融合 したか? AOLとタイム・ワーナーの合併は株式市場に 評価されなかった http://finance.yahoo.com/ (TWX) 19 垂直統合の問題 内部補助と排他的取引の危険 「Xーファイル」裁判 http://www.eigafan.com/abroad/business/2001/121 8/index.html http://www.foxjapan.com/tv/bangumi/x_files/ 20 参考文献(1) ミドリ・モール『ハリウッド・ビジネス』文藝春秋、2001年。 Midori Mahl氏のサイトと連載ページ http://www.mahlesq.com/index.html http://www.eigafan.com/abroad/business/main.asp 滝山晋『ハリウッド巨大メディアの世界戦略』日本経済新聞 社、2000年。 菅谷実・中村清編著『映像コンテンツ産業論』丸善、2002年。 『日本経済の効率性と回復策』大蔵省財政金融研究 所、2000年6月。 http://www.mof.go.jp/jouhou/soken/kenkyu/zk030/zk030h.p df 21 参考文献(2) 『底抜け超大作』洋泉社、1996年。 町山智浩『<映画の見方>がわかる本』洋泉社、2002年。 22
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