平成24年2月3日 なかやま みつはる 参事官(中小企業新事業担当 ) 中山 光治 TEL(082)224-5658 「新連携計画」認定 ~鳥取、広島における取組みを支援~ 当局は、「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律」(平成17年4月施行) に基づき、中小企業者から申請のあった以下の3件の異分野連携新事業分野開拓計画(以 下、「新連携計画」という)について、本日付で認定を行いました。 これにより、中国地域における認定件数は、58件となりました。 (鳥取県10件、島根県4件、岡山県21件、広島県16件、山口県7件) 今回認定した新連携計画 企業名(下線:コア企業) 大村塗料株式会社(鳥取県鳥取市) ヒヨコペイント株式会社(大阪府東大阪市) シャープ化学工業株式会社(大阪府堺市) 株式会社田中製作所(鳥取県鳥取市) ニッシンエイピーエム株式会社(大阪府八尾市) TSS 株式会社(東京都港区) 株式会社木下製作所(広島県広島市) 株式会社ナニワ炉機研究所(大阪府八尾市) 事業名 キトサンを含有した抗菌、消臭、抗かび性等に優 れた新塗材の事業化 アルミ高機能部品の生産効率向上のための新た な生産方式の事業化 アップグレード・リサイクルを可能にする鋳鉄溶湯 中の不純物除去システムの開発・販売 【参考】 今後、認定を受けた中小企業者は、以下の支援措置を受けることができます。 ○補助金「新連携支援事業(事業化・市場化支援事業)」(補助率3分の2)への応募 ○政府系金融機関による低利融資 ○信用保証枠の拡大 ○設備投資減税 等 【問い合わせ先】 中国経済産業局参事官(中小企業新事業担当) 担当:中山、泉、岡田 TEL:(082)224-5658(直通) 地域 事業分類 鳥取県鳥取市 認定日 平成24年2月3日 製造(化学・石油製品) テーマ分類 6-23-56 衣食住(住)、抗 菌 事業名: キトサンを含有した抗菌、消臭、抗かび性等に優れた新塗材の事業化 ○事業概要(新規性、市場性等) ・本事業は天然高分子で優れた機能を有するキトサンを含有した新機能塗材を提供するもの。 ・現在、建材から発生する揮発性有機化合物に起因するシックハウス症候群など住環境の安全への 関心が増大し、ホルムアルデヒド吸着分解・消臭・抗菌等の機能を有する高機能内装用ペイントの 需要が見込まれている。 ・キトサンは抗菌性、抗ウイルス性、ホルムアルデヒド吸着性、消臭等に優れた機能を有し、自然界 に存在する安心安全な天然材料である。 ・本事業では、このキトサンを含有し、塗膜表面にキトサンが表出する割合を高めて、キトサンの持つ 機能を生かし、抗かび性等にも優れた新塗材を開発し、事業化するものである。 事業推進体制 連携体の構成 中国における製造・販売 新塗材の設計・製造 森夏化工科技有限公司 (上海) コア企業:大村塗料㈱ (鳥取県鳥取市) 全国販売展開 ・新塗材の設計・製造 新塗材の設計 製造 ・キトサンの塗材及びコーティング剤への応用技術 ・キトサンと相溶性のある種々の水性樹脂の性状共通点のデータ蓄積 ・キトサンの抗菌・抗ウイルス効果等の定量的実証データ蓄積 ホームセンター、大手塗料 ディーラー 抗菌・抗ウイルス 効果の検証 鳥取大学 農学部獣医学科 農学部附属鳥由来人獣感染 症疫学研究センター 抗菌剤の塗料への導入技術 塗膜の環境試験 (独)鳥取県産業技術センター 販路開拓、製造 ヒヨコペイント㈱ (大阪府東大阪市) シャープ化学工業㈱ (大阪府堺市) ・抗菌性特に抗かび性に優れ、安全性 が高い抗菌剤の塗料への導入技術・ ノウハウ ・水性以外の塗料への展開 ・ホームセンター業界への販路開拓 ・中国市場への展開(製造・販売) 支援予定メニュー ① 補助金 ② 政府系金融機関融資 等 キトサンは甲殻類の殻から得ら れる安全な天然素材 ローラーや刷毛で内壁にも簡単 に塗布できる 連携のきっかけ、特徴 ・近年日本国内における塗料需要は低迷しその出荷量もピーク時に比べて70%程度にとどまってい る。 ・また、日本では建築汎用塗料のなかで内装用塗料の出荷額は外装用に比べ特に低迷しており一般 生活者の関心もいま一つであった。塗料業界ではこのような内装用塗材の市場を最後の需要喚起 の市場としてとらえており、こぞって新商品を投入しているが、市場を席捲するような決定的な商品 は未だ現れていないのが現状である。 ・ コア企業では、2年前より天然高分子であるキトサンを含有した内装用新塗材の開発に着手してき たが、キトサンの塗膜表面における分布状態が不均一なためキトサン独自の特性を充分に生かし きれていない状況であった。 ・今回、キトサンフィルムが塗膜表面に均一に分布する塗料組成を構築し、またキトサンのもつ抗菌・ 抗カビ性を補完できる安全かつ強力な抗菌・抗カビ剤のノウハウを有するヒヨコペイント㈱との連携 を図り、より機能性を高めた塗材を事業化することになった。 ・また、国内ホームセンター向けの営業展開と中国市場における販路開拓及び製造のノウハウを持 つ、シャープ化学工業㈱との連携を図る。 コア企業の会社概要 企業名・代表者 大村塗料株式会社 所 地 鳥取県鳥取市千代水三丁目87番地 業 大正元年 在 創 代表取締役 大村 善彦 資本金・従業員数 6,000万円 業 卸売業・塗料開発製造業 種 T E L 0857-28-7881 F A X 0857-28-7716 ホ ー ム ペ ー ジ http://www.omuratoryo.co.jp/ e [email protected] - m a i l 7名 PR等その他の情報 ・コア企業は、キトサンを応用した木工用前処理剤OSカイト#100(静電塗装塗布効率向上)、OSカイ ト#200(着色ムラ防止)をすでに商品化するなど、キトサンの応用技術を保有。 ・また、電磁波シールドを目的とした無電解めっき用前処理剤にキトサンを応用することに成功し、事業 化した実績がある(オオムラマリンプロセス)。 地域 鳥取県鳥取市 事業分類 認定日 製造(金属・同製品) 平成24年2月3日 テーマ分類 6-23-57 基盤技術 事業名:アルミ高機能部品の生産効率向上のための新たな生産方式の事業化 ○事業概要(新規性、市場性等) ・本事業は当社が開発した、アルミ冷間鍛造技術およびプレス多層筐体技術により生産性向上と低 コスト化を実現し、スマートフォン・タブレット・PC・デジカメなどの筐体分野で製品化するものである。 ・アルミ冷間鍛造技術は、従来のダイキャストや押出成型に必要であった切削加工の工程を省くとと もに、その品質は従来品と同等以上であり、生産性向上とコスト低減を実現することができる。 ・プレス多層筐体技術は、従来機械加工で行われている筐体部品製造を、複数のプレス部品を接着 接合することで、従来品と同等な品質を確保しつつ、生産性向上と低コスト化を実現するもの。 また、各層の材料を自由に組み合わせることにより、そのデザインおよび機能の向上が可能となる。 ・より軽量で高強度な部材を低コストで求める国内外のモバイル機器の分野等に、本技術を用いた 製品を提供し事業化を図る。 連携体の構成 事業推進体制 新技術の開発と事業化 コア企業:㈱田中製作所 (鳥取県鳥取市) 技術支援 ・新しい生産方式の開発と、活用した製品の生産 新しい生産方式の開発と 活用した製品の生産 ・モバイル機器等アルミ高機能部品の生産における アルミ冷間鍛造技術の開発・導入 ・PC筐体等アルミ高機能部品の生産におけるプレス 多層筐体技術の開発・導入 (独)鳥取県産業技術 センター 販路支援 ㈶鳥取県産業振興機構 金型設計製作 販路開拓・販売 ニッシンエイピーエム㈱ (大阪府八尾市) TSS㈱ (東京都港区) ・金属プレス金型の設計、製作 ・製品の販路開拓および販売 支援予定メニュー ①補助金 ②設備投資減税 ③特許料の減免 ④低利融資 等 イメージ図 田中製作所プレス機 高強度アルミ冷間鍛造品 プレス多層筐体品 連携のきっかけ、特徴 ・携帯スマートフォン市場に要求される、生産効率改善とコスト低減に対応するため、㈱田中製作所 は戦略的基盤技術高度化支援事業を通じ、プレス技術を活用したアルミ素材による携帯電話用フ レームを開発。この技術は国内メーカーのスマートフォンのサイドフレーム部品として採択された。 ・さらに、戦略的基盤技術高度化支援事業にて開発したプレス多層筐体技術を用いてスマートフォ ン・PC筐体等への商品化を提案する。 ・ニッシンエイピーエム㈱は、上記の新技術開発において高精度鍛造プレス金型の製作を通じて関 わった パートナーである。 ・ TSS㈱は国内外セットメーカーへの販路開拓と技術営業を担当する。 ・3社は、各種展示会及び営業プレゼンを通じ、高強度アルミ冷間鍛技術、プレス多層筐体技術によ り生産された製品のさらなる商品化を図り、国内外への販路拡大を目指す。 コア企業の会社概要 企業名・代表者 株 株式会社田中製作所 製 所 地 鳥取県鳥取市気高町宝木1562番地132 業 昭和40年7月 在 創 資 本 金 ・ 従 業員 数 3,400万円 業 電気機械器具製造業 種 T E L 0857-82-3355 F A X 0857-82-1006 代表取締役 締役 田中 博文 博 ホ ー ム ペ ー ジ http://www.heart-tanaka.co.jp e [email protected] - m a i l 150名 PR等その他の情報 ・モバイルPC、タブレット端末、スマートフォン、デジカメ等の筐体製造メーカーを市場ターゲットとして おります。 ・コア企業は、2007年中小企業庁が選定する「明日の日本を支える 元気なモノ作り中小企業300社」 に選ばれました。 ・また2009年にも、コア企業の技術開発チームが「薄板難加工ステンレス材の製品精度改善工法の 開発」にて経済産業省の「第3回ものづくり日本大賞 優秀賞」を受賞しました。 地域 広島県広島市 事業分類 認定日 製造(金属・同製品) 平成24年2月3日 テーマ分類 6-23-58 リサイクル 事業名: アップグレード・リサイクルを可能にする鋳鉄溶湯中の不純物除去システムの開発・販売 ○事業概要(新規性、市場性等) ・鋳造部品の製造において、原材料の一つであるスクラップに含まれる不純物が増加する傾向にあ る。このため、原材料のコストが高くなったり、鋳造部品の品質が低下する問題が発生している。 ・本事業は、スクラップや溶湯材料から不純物を除去する次の3タイプの不純物除去システムを製造、 販売するものである。 ①取鍋式Mn除去装置、②アーク式金属化合物除去装置、③鋳鉄溶解システム(①+②) ・顧客は本事業で販売する装置を導入することで、低品位の原材料が使用可能となり、大きなコスト ダウンが可能となる。 ・供給が不安定になりつつある鋳造用原材料の確保を容易にし、鋳造品の安定供給を可能にする。 事業推進体制 技術支援 連携体の構成 全体の統括・技術開発・操業指導 ㈱木村鋳造所 三重県工業研究所 販売支援 (社)日本鋳造協会 東洋電化工業㈱ 日本ルツボ㈱ 日本ファンドリー サービス㈱ 市場(販売先) 鋳鉄系鋳造業者 鋳造スクラップ取扱業者 など コア企業:㈱木下製作所 (広島県広島市) ・不純物除去システムの改良・技術向上 ・不純物除去システムの販路開拓および営業活動 ・顧客に最適な溶解システムの設定と操業指導 設計・製作 ㈱ナニワ炉機研究所 (大阪府八尾市) ・不純物除去システムの設計 ・不純物除去システムの製造 支援予定メニュー ①低利融資 ②補助金 CO, CO2 スラグ スラグ FeO Mn C Si バーナー炎 バーナー炎 2500℃ 2500 ℃ 超高温域 O2超高温域 溶湯 溶湯1350ºC 1350 ℃ 不純物(Mn)除去の メカニズム 取鍋式Mn除去装置 イメージ図 アーク式金属化合物除去装置 連携のきっかけ、特徴 ・ 平成18年度戦略的基盤高度化支援事業(サポイン事業)において(社)日本鋳造協会を管理法人と して企業12社、大学2校、工設試1所で鋳鉄溶湯中の不純物金属(主にMn)の除去技術の開発に取 り組んだ。その際に装置の製作を(株)ナニワ炉機研究所が行ない、製作した装置を(株)木下製作所 に設置して実験を実施した。 ・ この開発事業において、酸素バーナーとバブリング機能を持った簡易な装置を、取鍋上にかぶせ て処理作業を行なうことで、低コストで簡単にMnを除去できることがわかった。 ・さらに平成21年度サポイン事業として、(株)木下製作所を中心に鋳鉄溶湯中の金属化合物(主に酸 化物)除去装置の開発を行なっており、この事業にも(株)ナニワ炉機研究所、三重県工業研究所が メンバーとして参加している。 ・このような経緯から不純物金属除去(主にMn)装置と金属化合物(主に酸化物)除去装置を組み合 わせた新しい鋳鉄溶解システムの開発の目処が立ち、事業化を開始することとなった。 ・(株)木下製作所は、もともと低品位のスクラップから高品位の製品を製造する技術・ノウハウを有し ており、(株)ナニワ炉機研究所は鋳造に関わる装置の製造を行ってきた。 ・(社)日本鋳造協会は、セミナーなどで会員内外に装置の販売促進を行い、サポイン事業の参加メ ンバーである東洋電化工業(株)、日本ルツボ(株)、日本ファンドリーサービス(株)は、自社の顧客に 装置を販売する。 コア企業の会社概要 ア企業 会社概要 企業名・代表者 (株)木下製作所 所 地 広島県広島市南区大州4-11-39 業 昭和21年8月 在 創 資 本 金 ・ 従 業員 数 1,000万円 業 銑鉄鋳物製造業 種 T E L 082-285-2121 F A X 082-285-3071 代表取締役 木下 潔 ホ ー ム ペ ー ジ http://www7.ocn.ne.jp/~ksworks/ e [email protected] - m a i l 30名 PR等その他の情報 ・戦略的基盤技術高度化支援(サポイン)事業の成果として、事業化を目指すものです。 ・このシステムは、低品位のスクラップから、高品位・高付加価値の鋳造品を生産できる画期的な技術 であり、コスト競争力、差別優位性の向上に、大きく貢献すると考えています。 ・今後、鋳造原材料の安定供給が、社会的課題となる可能性がありますが、この課題解決へも貢献で きるものと確信しております。 異分野連携新事業分野開拓計画(新連携事業)の概要 複数の中小企業者が異なる事業分野で蓄積したノウハウ・技術等の経営資源を持ち寄り、これらを有効に組み合わせて、新商品 の開発や生産、新サービスの開発や提供等の新たな事業活動を行うための取り組みを支援する。 新連携事業イメージ図解 中小企業(異分野) 経 営 資 源 大学・研究機関等 信頼関係 経 営 資 源 経営資源 経 営 資 源 新事業活動 事業計画の作成・認定 規約等の存在 (法人格の有無は問わない) 中小企業(コア企業) 中小企業者が「異分野連携新事業分野開拓計画」を作成。 中小企業(異分野) 経 営 資 源 (1)新商品の開発又は生産 (2)新役務(サービス)の開発又は提供 (3)商品の新たな生産又は販売方式の導入 (4)役務(サービス)の新たな提供の方式の 導入 (国の地方支分部局が認定:管内では58件の認定) NPO・組合等 支援措置 ○中小企業信用保険法の特例 ○投資育成株式会社法に係る特例 ○特許料減免措置 ○中小企業者に対する低利融資制度(日本政策金融公庫) など ●補助金:新連携支援事業(2/3) など (○は法律事項 ●は予算事項) 新事業分野開拓 〔新たな需要が相当程度開拓されるもの〕 支援スキーム 連携体の 構築 支援措置 事業計画の 作成 ブラッシュアップ支援 経済産業局の 申請・認定 事業計画の 実施 フォローアップ支援 (独)中小企業基盤整備機構中国支部等の管内支援機関 新事業の 事業化
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