庄内川下流域の 庄内川下流域の掘削による 掘削による河床変動 による河床変動 愛知工業大学土木工学科 河川・環境研究室 D02157 若山 浩克 D03005 安藤 崇人 D03035 大橋 弘幸 これらを加味した河床変動の予測は今後の大きな 課題といえる。 1. はじめに 瑞浪市 N 多治見市 枇杷島 水位観測所 春日井市 瀬戸市 尾張旭市 調査箇所 7.0km~ ~ 8.6km 名古屋市 0 伊勢湾 土岐市 2. 研究目的 2000年9月の東海豪雨以降、庄内川では洪水対策 として、激特事業(河川激甚災害対策特別緊急事業) が計画された。主に河床の掘削や、堤防のかさ上げ を河口付近から約16kmにわたり行われた。事業内 容の1つである掘削工事の前と工事後で川の流れ により、河床が洗掘される場所と堆積する場所がど のように変化したかを調査する。 10km 3. 研究方法 3 – 1. 掘削工事が行なわれた場所と出水があった日を 調査する。 3-2. 掘削工事の工事パターンから工事場所を3箇所程 度に絞る。 3 – 3. 河川の横断図により、断面の変化を比較し考察す る。 3 – 4. 河川の横断測量データにより、工事が行なわれる 以前と、工事が行なわれ出水があった後の河床変動 量を求め、洗掘量、堆積量を推定し、どのように変 化したかを比較する。 3 – 5. 河床材料、流量を調査し、工事後の変化を調べる。 1-1. 庄内川の治水計画 庄内川は岐阜県下の恵那市、瑞浪市、土岐市、多 治見市、愛知県下の瀬戸市、春日井市、小牧市、一 宮市、犬山市、名古屋市等にまたがる流域面積 1010km2 幹川流路 96 km の河川である。現在定めら れている庄内川の治水計画は、上流部(土岐川)に おいては 100 年に 1 回、下流部においては 200 年に 1 回の確率で発生する可能性のある洪水を安全に 流下させるように整備することとしている。庄内川 では昭和17年から昭和25年の間、国で治水事業 を行い、その後、県に移管されていたが、ふたたび 昭和44年から国で治水事業を行っている。上流で は砂防事業及び小里川ダム建設、中・下流では小田 井遊水地をはじめ河川改修事業を行っている。また、 4. 期待される 期待される成果 される成果 河川敷では大都市部の憩いの場として、環境整備事 掘削工事が行なわれる前と後の河床変動を調べ 業をすすめている。 る事により今後の工事後、洪水時に河床がどのよう に変化するかを検討し、堆積、洗掘の特徴を知るこ 1-2. 河床変動について とができる。 底が砂や礫で構成されている川や人工水路を眺 めると、砂や礫による様々な起伏がある。水の流れ 5. 調査箇所 は底面や側面を浸食し、崩した土砂を運搬し、さら 第1調査箇所は河口から 7.0km~7.6km の地点で に運んできた土砂を堆積させるというような河床 ある。理由としては東海豪雨後に早い時期に掘削工 に変化を与える。このような河床の変化を河床変動 事が完成したことにより、工事後の出水による大き という。我が国の河川は河床勾配が急であるため、 な河床変動が期待できると予想したためである。 しばしば河床変動を繰り返している。河川における 第2調査箇所は河口から 8.0km~8.6km の地点で 河床変動は災害という形で人間生活に関係するだ ある。この場所も早い時期に工事が完成しており、 けでなく、自然生態系の環境という視点からも重要 1 つ目の調査箇所は河道が左に曲がっているので、 な要素であるといえる。特に、山地河川の河床は、 遠心力により右岸が洗屈され、左岸に堆積するので 巨礫から微細粒な土砂までの幅広い粒度分布を有 はないかと予想し、直線、右に曲がる場所では逆の しているため、災害防止や環境保全を考慮すると、 河床変動が起こるかを確認するためである。 Group3-1 N 万場大橋 8.6km 万場大橋 緑地 8.4km 8.0km 7.8km 写真2 万場大橋緑地付近(8.0km 地点) 7.6km 8.2km 写真2は 8.0km 地点の河床材料を採取した場所 である。 第2調査区間 第1調査区間 7.4km JR関西本線 横井大橋 7.2km 7.0km 図2 7.0km~8.6km平面図 写真3 7.0km地点の河床の状態 写真3は 7.0km付近の河床材料である。粘土層 のものが見られる。 写真 1 横井大橋(7.3km地点) 写真1は 7.0km~7.3kmの間で河床材料を採 取した場所である。 6. 測定結果 6- -1. 水位グラフ 水位グラフ 図3より 2003 年は年平均水位が 2mであり、最 高水位は 4.5mに達した。また、7 月から 9 月にか けて断続的に水位が上がっていることが確認でき た。図4より 2004 年は 10 月に 6m、5.4mまで水位 が上昇していることから大規模な出水が二度あっ たことが確認できた。図5より 2005 年は最高水位 が 3.3mで大きな出水はなかったといえる。調査箇 所の工事は 2003 年に完成しており、その後大洪水 が二度おこっていることから、河床が変動している 可能性があるといえる。 Group3-2 図5の水位-流量曲線により各年の水位から時刻 流量を求め、1 日の合計が 1000mm以上、5000mm 以上、10000mm以上の日が何回あったかを調べ、 河床変動が起こりうる時刻流量の合計を調べる。 7 6 5 水位(m) 最高水位 平均水位 4 表 1 出水回数 3 2 1000㎜~ 5000㎜ 5000㎜~ 10000㎜ 10000㎜ 以上 39回 31回 14回 62回 30回 12回 0回 0回 0回 6回 1回 0回 2回 1回 0回 0回 1回 0回 1 2000 年 2001 年 2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 0 図3 2003 年水位グラフ 7 6 水位(m) 5 最高水位 6- -3. 河床変動量 1999 年~2001 年(東海豪雨の前後)と 2001 年~ 2005 年(東海豪雨後と掘削工事をし出水があった 後)の横断図により各地点の高低差を算出し、その 差を河床変動量とする。横断面が下がっている場所 が洗掘され、上がっている場所が堆積したというこ とである。 平均水位 4 3 2 1 0 図4 2004 年水位グラフ 7.0km地点は伏屋河道掘削工事の最下流の地点 で河道が直線の場所である。図7の横断図、図 8 の河床変動量より、東海豪雨によって低水護岸の一 部が洗掘されていた。また、基準点から 0m~8m の 間で堤防が破壊されていることがわかった。河道の 中央部は 0.3mほどの河床変動があったが、大きな 堆積、洗掘ともになかった。掘削工事後は、河道の 中央部で 1mほどの洗掘があった。工事により堤防 が修復されたがその他に堆積している場所はなか った。東海豪雨と工事後では河床が変化している場 所が違うが、どちらも河床の大きな変化はないため、 7.0km地点においては河床変動が起こりにくい場 所であると考察する。 7 6 水位(m) 5 最高水位 4 平均水位 3 2 1 0 図5 2005 年水位グラフ 6-2. 流量 流量・ ・出水回数 流量(㎥/s) 500 2 Q = 19.094h + 62.962h - 135.09 Q:流量 h:水位 基準点からの高さ(m) 600 近似曲線 400 300 200 100 7.0km地点の横断図 10 8 6 4 2 0 -2 -4 -6 -8 -10 1999年 0 1 2 3 4 水位(m) 5 6 7 掘削工事をした 場所 2001年 2005年 -50 0 河床材料採取場所 0 50 100 150 基準点からの距離(m) 図7 7.0km地点の横断図 図6 水位-流量曲線 Group3-3 200 250 0 50 100 150 基準点からの距離(m) 200 2001~2005の河床変動量 10 8 6 4 2 0 -2 -4 -6 -8 -10 かさ上げ 掘削量 -50 0 50 100 150 基準点からの距離(m) 200 基準点からの高さ(m) 7.2km地点の横断図 10 8 6 4 2 0 -2 -4 -6 -8 -10 2005年 掘削工事を した場所 200 250 200 250 洗掘量 堆積量 掘削量 0 50 100 150 基準点からの距離(m) 図 10 7.2km地点の河床変動量 7.6km地点は河道が左に屈曲している場所であ る。図 13 の横断図、図 14 の河床変動量より、東海 豪雨以前は基準点から 120m~170mの間で 7.0km ~7.4km地点より河道がかなり深くなっていた。 東海豪雨後はさらにその場所が局所的に 4m洗掘 されていた。工事後は局所的に洗掘された場所が大 きく堆積していた。工事がおこなわれた場所では 7.2km地点・7.4km地点と同様に堆積していた。 左に曲がっているが、東海豪雨後・工事後ともに右 岸で大きな洗掘が確認できなかったため、河道が曲 がる場所では右岸・左岸で河床変動がおこるとはい えないということがわかった。 7.4km地点の横断図 10 8 6 4 2 0 -2 -4 -6 -8 -10 2005年 掘削工事を した場所 1999年 掘削横断図 2001年 -30 0 30 60 90 120 150 180 210 240 270 基準点からの距離(m) 図 11 7.4km地点の横断図 掘削横断図 2001年 0 50 100 150 基準点からの距離(m) かさ上げ -50 1999年 -50 0 2001~2005の河床変動量 10 8 6 4 2 0 -2 -4 -6 -8 -10 250 図8 7.0km地点の河床変動量 7.2km 地点も 7.0km 地点と同じく河道が直線の場 所である。図9の横断図、図 10 の河床変動量より、 東海豪雨によって河道の中央部(120m~150m)が 3mほど洗掘されていた。その他の場所での大きな 河床変動はなく、中央部だけが大きな河床変動があ った。工事後のグラフでは東海豪雨で大きく洗掘さ れた場所において 2m堆積している。低水路の中で 中央が洗掘され、その両端が堆積していた。 7.4km 地点は河道が緩やかに左に曲がっていて、 河道の中央の一部が浅くなっているため水流が左 岸側と右岸側で違う場所である。図 11 の横断図、 図 12 の河床変動量より、東海豪雨では、中央の浅 くなっている低水路の左岸側と右岸側は 1.8m洗掘 された。中央の浅くなっている場所は 2m堆積して いた。その後の掘削工事によって、左岸が大きく削 られた。工事後、7.4kmで最も深かった基準点か ら 165m~170m の間で 2.5m堆積していた。工事を 行った場所では 2m堆積していた。 洗掘量 堆積量 -50 250 河床変動量(m) 河床変動量(m) -50 河床変動量(m) 洗掘量 堆積量 1999~2001の河床変動量 10 8 6 4 2 0 -2 -4 -6 -8 -10 基準点からの高さ(m) 河床変動量(m) 1999~2001の河床変動量 10 8 6 4 2 0 -2 -4 -6 -8 -10 50 100 150 基準点からの距離(m) 200 250 図9 7.2km地点の横断図 Group3-4 1999~2001の河床変動量 10 8 6 4 2 0 -2 -4 -6 -8 -10 -30 0 30 60 河床変動量(m) 河床変動量(m) 洗掘量 堆積量 2001~2005の河床変動量 10 8 6 4 2 0 -2 -4 -6 -8 -10 90 120 150 180 210 240 270 洗掘量 堆積量 かさ上げ -30 0 30 掘削量 60 90 120 150 180 210 240 270 300 330 基準点からの距離(m) 基準点から名距離(m) 図 14 7.6km地点の河床変動量 2001~2005の河床変動量 洗掘量 堆積量 かさ上げ 河床変動量(m) 掘削量 -30 0 30 60 90 120 150 180 210 240 270 基準点からの距離(m) 図 12 7.4km地点の河床変動量 標高点からの高さ(m) 10 8 6 4 2 0 -2 -4 -6 -8 -10 7.6km地点の横断図 掘削工事 をした場所 2005年 1999年 掘削横断図 -30 0 2001年 30 60 90 120 150 180 210 240 270 300 330 標高点からの距離(m) 図 13 7.6km地点の横断図 1999~2001の河床変動量 10 8 6 4 2 0 -2 -4 -6 -8 -10 洗掘量 堆積量 河床変動量(m) 8.0km~8.2km地点は河川の蛇行部の中央に位 置し、河道が緩やかに曲がっている場所である。図 15 の横断図、図 17 の横断図より、東海豪雨では河 道の中央部で洗掘され、右岸・左岸では堆積が確認 できたが大きな河床の変化にはいたらなかった。掘 削工事で右岸を大きく削った後、河道全体において 堆積傾向にあり、洗掘が確認できた場所は一箇所だ けであった。図 16 の河床変動量より、8.0km地点 は工事で削った場所で大きな堆積はなかった。図 18 の河床変動量より、8.2km地点では工事した場 所で 1.8mの堆積があった。-30m~0m、200m~250 mは堤防のかさ上げ工事によるもので、河床変動と は関係がないものである。 8.4km地点は河道が右に緩やかに曲がっている 場所である。図 19 の横断図、図 20 の河床変動量よ り、東海豪雨では河道の中央部で洗掘され低水護岸 の付近で1m堆積していた。工事後、稼動の中央部 で堆積していた。また、工事を行った場所では大き な河床変動はなかった。 標高点からの高さ(m) 10 8 6 4 2 0 -2 -4 -6 -8 -10 8.0km地点の横断図 10 8 6 4 2 0 -2 -4 -6 -8 -10 河床材料採取場所 2001年 掘削工事 をした場所 2005年 1999年 掘削横断図 -30 0 30 60 90 120 150 180 210 240 270 300 標高点からの距離(m) 図 15 8.0km地点の横断図 -30 0 30 60 90 120 150 180 210 240 270 300 330 基準点からの距離(m) Group3-5 1999~2001の河床変動量 洗掘量 堆積量 -30 0 30 60 90 河床変動量(m) 河床変動量(m) 10 8 6 4 2 0 -2 -4 -6 -8 -10 120 150 180 210 240 270 300 掘削量 0 30 60 90 120 150 180 210 240 270 300 基準点からの距離(m) 基準点からの高さ(m) 河床変動量(m) 掘削量 -30 図 16 8.0km地点の河床変動量 2005年 1999年 掘削横断図 2001年 -50 1999年 掘削横断図 -4 2005年 -10 -50 0 50 100 150 200 基準点からの距離(m) -50 250 図 17 8.2km地点の横断図 河床変動量(m) 1999~2001の河床変動量 10 8 6 4 2 0 -2 -4 -6 -8 -10 河床変動量(m) 洗掘量 堆積量 0 50 100 150 200 基準点からの距離(m) 250 0 50 100 150 200 基準点からの距離(m) 250 2001~2005の河床変動量 10 8 6 4 2 0 -2 -4 -6 -8 -10 かさ上げ 洗掘量 堆積量 掘削量 -50 -50 250 洗掘量 堆積量 河床変動量(m) 2 0 -2 2001年 50 100 150 200 基準点からの距離(m) 1999~2001の河床変動量 10 8 6 4 2 0 -2 -4 -6 -8 -10 4 -6 -8 0 図 19 8.4km地点の横断図 掘削工事を した場所 8 6 250 掘削工事を した場所 8.2km地点の横断図 10 50 100 150 200 基準点からの距離(m) 8.4km地点の横断図 10 8 6 4 2 0 -2 -4 -6 -8 -10 洗掘量 堆積量 かさ上げ 0 図 18 8.2km地点の河床変動量 2001~2005の河床変動量 10 8 6 4 2 0 -2 -4 -6 -8 -10 洗掘量 堆積量 かさ上げ -50 基準点からの距離(m) 基準点からの高さ(m) 2001~2005の河床変動量 10 8 6 4 2 0 -2 -4 -6 -8 -10 0 50 100 150 基準点からの距離(m) 200 250 図 20 8.4km地点の河床変動量 8.6km地点は河道が右に屈曲している場所であ る。図 21 の横断図、図 22 の河床変動量より、東海 豪雨では河道の中央部で洗掘され高水敷で堆積し ていた。工事後、東海豪雨で洗掘された場所では大 きく堆積し、右岸の高水敷で堆積し右岸の低水護岸 は洗掘されていた。 Group3-6 基準点からの高さ(m) 表2 総河床変動量 8.6km地点の横断図 10 8 6 4 2 0 -2 -4 -6 -8 -10 掘削工事を した場所 1999年 掘削横断図 2001年 -50 0 50 図 21 2005年 100 150 200 250 基準点からの距離(m) 300 350 8.6km地点の横断図 6-4. 代表粒径 1999~2001の河床変動量 10 8 6 4 2 0 -2 -4 -6 -8 -10 7.0km 7.2km 7.4km 7.6km 8.0km 8.2km 8.4km 8.6km 1999 年~2001 年 2001 年~2006 年 堆積量 洗掘量 堆積量 洗掘量 (㎡) (㎡) (㎡) (㎡) 5.6 -9.3 0.3 -21.4 5.8 -40.7 38.3 -33.5 10.7 -25.3 60.7 -8.2 7.3 -68.9 27.3 -1.0 6.3 -10.0 33.7 -1.7 2.3 -19.8 32.4 -0.6 7.3 -22.4 78.1 -2.3 7.2 -24.5 82.9 -29.0 7.0km左岸 100 80 通過質量(%) 河床変動量(m) 洗掘量 堆積量 60 40 2006年 1999年 20 2000年 -50 0 50 100 150 200 250 基準点からの距離(m) 300 0 0.001 350 0.01 10 100 7.0km中央 通過質量(%) 80 洗掘量 堆積量 2000年 60 40 1999年 2006年 20 0 0.001 掘削量 -50 0 50 100 150 200 250 基準点からの距離(m) 300 350 0.01 0.1 1 粒径(mm) 10 100 7.0km右岸 100 80 図 22 8.6km地点の河床変動 7.0km~8.6kmにおいて、左に屈曲している場 所で、工事後に低水路の中央部で堆積することが多 く、右岸が洗掘されている場所は 7.2km地点だけ であった。中央部で堆積していたのは、掘削工事を することにより、低水路の幅は広がったが、流速が 緩やかになり河床材料が移動しにくくなったと考 察する。また、深くなっている場所は浅い場所より 流速が遅くなるため、大きく堆積したものと思われ る。また表2から、東海豪雨では調査箇所において、 すべて堆積量よりも洗掘量のほうが多かった。工事 を行った後の出水では 7.2km~8.6kmに土砂を 大量に堆積させたことがわかった。東海豪雨時にお ける流量は 40890m/日で工事後の最大流量は 14919m/日であり、調査箇所において 14919m/日 では大きく洗掘はされず、堆積はしやすいと考察 する。 通過質量(%) 河床変動量(m) 2001~2005河床変動量 かさ上げ 1 粒径(mm) 100 10 8 6 4 2 0 -2 -4 -6 -8 -10 0.1 2006年 60 40 1999年 2000年 20 0 0.001 0.01 0.1 粒径(mm) 1 10 100 図 23 7.0km地点の左岸・中央・右岸の粒径 図 23 の 7.0kmの代表粒径は左岸・中央において は東海豪雨の前と後で 0.1mm~1mm の大きさで小 さな変化があった。右岸においては東海豪雨により 1.0mm より大きな粒径のものが流されていること が確認できた。図 7 では右岸において大きな変化が ないため東海豪雨で粒径の大きなものが流され粒 径の小さなものが堆積したと考察する。 7.0km 地点は現在、ヘドロが堆積していて、満潮 時、干潮時に調査したが変化は見られなかった。 Group3-7 8.0km左岸(1999~2000) 100 80 60 2000年 通貨質量(%) 通過質量(%) 80 1999年 40 0.01 0.1 粒径(mm) 1 10 0 0.001 通貨質量(%) 通過質量(%) 0.1 粒径(㎜) 1 10 60 40 2000年 2000年 60 40 20 0.01 0.1 粒径(mm) 1 10 0 0.001 100 8.0km右岸(1999~2000) 100 2006年 0.01 0.1 粒径(㎜) 1 10 80 1999年 通貨質量(%) 2000年 60 40 20 2006年 60 40 20 0.01 0.1 1 粒径(mm) 10 0 0.001 100 図 24 8.0km地点の左岸・中央・右岸の粒径 (1999 年~2000 年) 図 24、図 25 より、8.0km地点の左岸・中央・右 岸において東海豪雨で粒径が小さくなった場所は、 掘削工事後の洪水で粒径が大きくなり、東海豪雨で 粒径が大きくなった場所は、掘削工事後の洪水で粒 径が小さくなった。また、東海豪雨以前と掘削工事 後の洪水で変化した粒径は非常に似ている曲線と なった。よって 8.0km地点においては、大規模の 洪水によって大きく変化した粒径が中・小規模の洪 水が繰り返し起こることにより大規模の洪水が起 こる前の状態に戻っていくと考察する。 7.まとめ ・ 庄内川下流域において河道が曲がる場所では 右岸・左岸で河床変動がおこるとはいえない ・ 庄内川下流域において掘削工事をすることに より、低水路の幅は広がったが、流速が緩やか になり河床材料が移動しにくくなった ・ 庄内川下流域深くなっている場所は浅い場所 より流速が遅くなるため、大きく堆積した ・ 8.0km地点においては、大規模の洪水によって 大きく変化した粒径が中・小規模の洪水が繰り 返し起こることにより大規模の洪水が起こる 前の状態に戻っていく 100 8.0km右岸(2000~2006) 100 80 100 8.0km中央(2000~2006) 80 1999年 20 通過質量(%) 0.01 100 80 0 0.001 2000年 40 100 8.0km中央(1999~2000) 100 0 0.001 2006年 60 20 20 0 0.001 8.0km左岸(2000~2006) 100 2000年 0.01 0.1 粒径(㎜) 1 10 100 図 25 8.0km地点の左岸・中央・右岸の粒径 (2000 年~2006 年) 8.参考文献 中川博次 辻本哲郎 :新体系土木工学23 移動床流れの水理、1986. 本間仁 萩原能男:流量計算法、1972 2002 年度 愛知工業大学 工学部 土木工学科 河川環境研究室卒業研究論文 庄内川河川事務所HP (http://www.cbr.mlit.go.jp/shonai/) 庄内川についてHP (http://www.mlit.go.jp/river/jiten/nihon_kawa/data/ty uubu/shonaigawa/shonaigawa.html) Group3-8
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