こころのビタミン

こころのビタミン
November 1, 2010 / The 26th Letter
From Yasushi Nakano To You
エニアグラムにハマっています。
最近、エニアグラムにハマっています。稲盛
和夫氏は人間の「人格」とは、先天的に持って
生まれた「性格」と、後天的に身につけた「哲
学」の足し算だと言っています。稲盛氏の用語
を当てはめますと、エニアグラムは性格類型
論の一つです。先天的な部分である「性格」、
実は 9 種類に分類されると主張しています。
私は「タイプ7」に該当すると確信しました。
タイプ 7 を簡単に解説すると、こんな感じです。
明るく、フレンドリー。冒険や楽しいこと、ワクワクすることに熱中します。アイディアにあふ
れ、考えたらすぐ動きます。物事に楽観的で、自由を好み、適応力があります。多彩な
半面、腰を落ち着けて集中しにくい傾向があります。
(『エニアグラム 自分のことが分かる本』より)
『9 つの性格』の中に「タイプ 7 の上司のとのつき合い方」というコーナーがありました。そのコーナ
ーを読んだ当社の宮崎が「ここに書いてあることはタイプ 7 の解説と言うより、やっさん(私のこと)そ
のものの解説だ」と言い、「電車の中で笑いをこらえるのに必死でした。」とのこと。もう一人のスタッ
フである根岸にも読んでもらったら、やはりゲラゲラ笑い出す始末。どれどれ…と改めて読んでみる
と、こんなことが書いてありました。
『愉快で明るい性格で、話がうまく、物事を疑わない。』
(確かにその通りだと自分で思っています。)
『部下の監督業務、とりわけ直接の指示や執行にはタッチしたくないと思っている』
(スタッフにはできれば自己完結型の仕事をしてほしいと思っています。悪く言えば、丸投げ
型の上司かも…。)
『全員が同等の参加者という位置関係を実現しようとする』
(机やイスの豪華さはスタッフも私も一緒。社長室等、作る気等全くありません。先日の合宿で
は給与額も良識を持って自分で決めたらどうかとスタッフに提案しました。スタッフから却下さ
れましたが。)
『タイプ7のガイドラインは大まかすぎて具体性に欠け、リーダーシップの方向性が曖昧になるき
らいがある』
(私はあまり自覚していませんでしたが、宮崎も根岸も大笑いしていましたので、ドンピシャリな
んだろうと思います。)
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『思いつきレベルの計画を次々と発案する傾向がある。』
(荒川の源流までママチャリで行ってみよう等、実際に行けるかどうかの検証もせずに思いつ
きで提案することがよくあります…。)
『物事のよい面を見ようとするから、部下の発案にも、肯定的な返事をしやすい。しかし、これを
すべて真に受けると、周囲は振り回されるはめになる。』
(スタッフの発案で真っ向否定したことは一度もないかもしれません。振り回しているのかどうか
は自覚がありませんが・・・。)
タイプ 7 の解説を読むと、「当たっていないところがない」くらい当たっています。
人間、一人ひとり違うことは言うまでもありません。ただし、全てが違うということではなく、大まかな
くくりとして共通している部分が何パターンかある(エニアグラムでは 9 種類と言っています)ようで
す。
しかも、これだけ当たっていると、どうも私が思っていたよりも私独自部
分(私が後天的に身につけた部分)が少なく、共通部分(先天的に備わ
っている部分)の比率が多いような気がしてきました。
私たちは自分のことについて知っているようであまり知りません。こう
いったツールを使うことで深く自分を知ることができます。深く自分を知
ることができるようになると、自分の親しい人はどういう価値観・考えの持
ち主なんだろうと興味が湧きます。ツールを上手に使いながら、相手に
対する理解を深めていきます。こういう過程を通して、必ずしも自分にと
って当たり前のことが、周りの人にとっては当たり前でないことを自覚し
ます。こういう自覚ができると、自分の感情や考えを押しつけるのではなく、相手の感情や考えも尊
重しようと、自然と思えるようになります。
最終的には人間は「十人十色」ではありますが、エニアグラムは個性の共通項について理解を
深めるための、確度の高いツールの一つです。
エニアグラム関係の本、ご興味があったらどうぞご覧になってください。
『エニアグラム 自分のことが分かる本』(ティム・マクリーン&高岡よし子)
スラスラ読める入門書的な存在。個人的には一番おススメです。
『エニアグラム-あなたを知る 9 つのタイプ【基礎編】』(ドン・リチャード・リソ&ラス・ハドソン)
私が読んだ中では一番エニアグラムについて細かく記載されている本。エニアグラムにハマっ
た人向け。この本を読むと、他の本はエニアグラムに関する理論の半分も説明していないこと
が分かります。ただし、場合によっては読んでいて眠くなるかも(笑)。
『9 つの性格』(鈴木秀子)
エニアグラムという言葉を日本に広めた著者によるベストセラー。文庫本(PHP 文庫)になって
います。
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「これまでの自分」と「これからの自分」
人間には二つの側面があります。「これま
での自分」と「これからの自分」です。
「これまでの自分」は、今までの自分史の中
では最高に熟練している自分です。私の場
合で言えば、生まれてこの方 40 年。私なり
に一定の経験を積んで参りました。それらの
経験から得ることのできたエッセンスを元に、
40 年間の人生の中で最高の思想・信念、判
断力等を持って人生を生きています。
一方、「これらかの自分」とは、これからの自分史の中では新米の私です。10 年後には自然とで
きる素晴らしいことや考え方も、今はその片鱗すら身につけていない部分もあるでしょう。
これまでの自分史の中では最高、これからの自分史の中では新米。誰にでも言えることですが、
今回はこのキーワードを元に、今を輝いて生きていくための指針を皆さんと一緒に考えます。
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もしかして、今の自分はピークを越えた!?
「かつては華々しい活躍を遂げた私。ところが今は…。」
過去のどこかがピークの自分で、今の自分はピークを越
えた自分と考えてしまうことってありませんか?
四季に例えれば、子どもの頃は花満開のようなイメー
ジで、20 代の頃は活動力もあって力強く緑の葉を生い茂
らせていた。ところが今は、葉っぱに水分もなくなり、あん
なに鮮やかだった緑色も変色し、ハラハラと落ち葉となっ
て地面に降り積もっていく。このまま放っておけば、葉っぱが一枚もない冬モード。
そういやここ数ヶ月で、運動中にアキレス腱を切った人が私の周りに二人います。お一人は私と
同い年。もうお一人は私より数歳年下の方です。
昔はいきなり運動してもアキレス腱を切るなんてことはあり得なかったのに、筋肉が年とともに固く
なってきているのか、硬い腱をいきなり伸ばすから、ブチッと切れるのかなと想像しています。
かく言う私、知人に誘われ、先日バスケットボールの試合に参加しました。バスケットボールなん
て、高校生の時以来。気持ちはスッカリ高校生気分に舞い戻り、コートの中を縦横無尽に走り続け
ました。・・・持続できたのは 3 分間だけですけどね(笑)。一試合 7 分間でやったのですが、3 分もし
たら「酸素は一体どこにあるの~!!」と悲鳴を上げたくなるくらいゼーゼーハーハー。横隔膜って
ここにあるんだなということが実感できるくらい、荒い呼吸になりました。残り 4 分間、酸欠状態の体
を無理やり動かし、ようやく試合終了のホイッスル。ヘナヘナとコートから出て、大の字になって寝こ
ろんでしまいました。
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体力には自信があるぞ!と思っていましたが、
その自信は単なる妄想でした。まさかここまで体
力が落ちていたとは…。
昔できたことが今はできない。こんな経験をする
と、自分自身にガッカリします。
「夏が生命力のピーク、後は落ちていくだけ」と
いうような人生観ですと、このような経験をすると、
「自分の季節、夏は終わったな…」と感じ、寂しく
なりますね。
確かに夏には夏の魅力があります。でも、秋には秋の、冬には冬の魅力があります。
「あんなに鮮やかだった緑色も変色し」と書きましたが、変色した後の色が鮮やかな黄色になった
り紅になったり。茶色い枯れ葉だって、枯れ葉が敷き詰められた山の道、心を落ち着かせてくれま
すよね。
中学生の頃に習った国語の教科書にありましたが、冬の桜の幹の皮には既にピンクの色素が含
まれているらしいのです。冬の木は死んでいるように見えますが、決してそんなことはありません。
春に向かって力を蓄えているのです。
昔に比べると出来なくなったことは確かにあります。でもそれは、今できることのうちの何パーセン
トですか?昔もできるし今もできることの方が圧倒的に多くありませんか?さらに言えば、昔はでき
なかったのに今はできることや、昔は思えなかったのに今は思えることということもあるのではないで
しょうか。そういうプラスマイナスゼロのことや今の方がプラスのこともたくさんあるのではないでしょう
か。それらには注目せずに、出来なくなったことばかりに
注目するのはバランスを欠いています。
私の場合、個人的に言えば体力のピークは超えました。
でも、考え方の広さ、深さ、楽しみの発見方法等、心・精
神系は 10 代や 20 代の頃よりも明らかに発達しています
(誰でもそうでしょうが…)。
四季それぞれに価値を見いだせるようになれば、今の
自分にもきっと価値を見いだせる、そんな気がします。

今までの人生を味方につける
私は、自分の体はオートバイや車のような乗り物であり、人間の本質は乗り物を運転している心だ
と思っています。
年とともに乗り物である体は故障も多くなって衰えていきますが、本質である心は死ぬまで成長し
ていくものです。
心を成長させていくときに、私がいつも大切にしている心構えは「全てのことはベストな時にベスト
な出来事が起きる。」という必然理論です。
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特にツライことや苦しいこと。生きていれば誰にもたくさんあったと思いま
す。私にももちろんたくさんありました。以前、社会人になって以来の主だ
った失敗談・試練はどのくらいあったのかを一覧表にしたことがあります。
その数、約 40。20 年弱の社会人人生、しかも仕事編に絞っての数です。
細かい失敗や試練は全てカット。それでも 40 もありました。ついでに申し
上げますと、その数の約 3 分の 1 くらいは 29 歳の 1 年間に起こりました。
もちろんツラかったですよ、その時は。なんで自分はこんな目に遭わな
くてはらないのかと思いました。でも、本当のことを言えば叱られて当然で
した。自分の仕事の仕方が全くなっていなかった。だから毎日のように上
司から注意や叱責を受けていました。
でも、それらの注意や叱責を受けたポイントが今の自分の仕事の仕方に相当よい影響を与えて
います。今振り返ると、私にとっては宝物のような 1 年間です。もちろん、宝物といっても、二度と味
わいたくないですけどね(笑)。
26 歳頃から自分の仕事ぶりが何だかおかしいぞと思うような出来事がたくさん起きました。そんな
流れの中で起きた出来事でしたので、注意や叱責を真摯に受け止め、しかも、潰れる一歩手前で
踏ん張ることができたのだと思います。
もし、26 歳前に同じ出来事が起きていたらどうなっていたか?鼻っ柱が強かった頃にあの厳しい
叱責を受けていれば、上司に反発していたか、潰れていたかどちらかでしたでしょう。
逆に、29 歳になってもまだ周囲から甘やかされていたら、どんな人生になっていたのか?後に入
社することとなる人事コンサルティング会社で活躍できたのか。その後独立してもやっていける仕事
力を身につけることができたのか。末恐ろしくなります。
もう一つ私の例を。25 歳の時、約 1 年間くらい平均睡眠
時間が4時間前後の日々が続いたことがあります。先のこ
とを考えもせず、力任せに業務をこなしていたら、いつの
間にやら仕事に追いかけられる日々。肉体的にも精神的
にも相当追い詰められました。完全に負け戦。その時はな
す術もなく、単なる失敗体験に終わってしまいました。
その後 31 歳の時、同じように平均睡眠時間が4時間前
後の日々が続くような仕事を担当しました。私は 25 歳の時にクリアできなかった経験がまた時を変
えてやってきたと直感しました。かつての失敗を糧に、仕事に追いかけられることがないよう、常に
仕事の先手を打つよう心掛け、自分のメンタルの変化にも目を向けて、心身ともに健全に仕事がで
きるよう取り組みました。今度は大成功。大きな仕事を成し遂げることもできましたし、精神的にも大
いに自信を取り戻しました。
二度の似たような経験を経て思うのは、25 歳の時の失敗体験は必要だったんだろうなということで
す。31 歳の時にうまく乗り越えることができたのは、25 歳の時の失敗体験が身に沁みており、当時
の経験と比較対照しながら仕事を進めることができたからです。
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31 歳の時の経験も、例えば 29 歳のどん底期の時に迎えていたら、やはり潰れていました。どん底
を乗り越え、精神的にも復活した頃に狙いをすましたかのようにやってきた人生イベントでした。
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マイナスをプラスに変える。
あなたのこれまでの人生はいかがでしたでしょうか。ツライことや
苦しいこと、たくさんあったと思います。また、それらと同じくらいか
それよりもずっとたくさん、楽しかったことや嬉しかったこと、恵ま
れていることもあったのではないでしょうか。
それらの思い出や経験は今のあなたにどのような影響を与えて
いますか?
ぜひ、一つ一つの思い出や経験を噛みしめてください。そこか
ら得られるエッセンスはあなたの心の成長に大いに役立っているはずです。
特にネガティブな経験を今の自分のプラスの力に変えられるよう、解釈することができるかどうか
試してください。もしプラスの力に変えることができれば、今起きているツライ経験や苦しい経験も後
から振り返ればプラスの力になる経験であるはずだと思うことができ、今起きている人生イベントに
正面から取り組もうと思える前向きなパワーを生み出すことができるでしょう。
一見マイナスに見えることでもプラスの力に変えることができる人は、自分の過去を味方につける
ことができます。「今その瞬間だけの自分」ではなく、「今までの集大成としての自分」になれるので
す。
これが必然理論ではなく、今起きていることはたまたま偶然起きているだけだという「偶然理論」に
寄って立つと、なかなかパワーが生まれません。
必然理論では、自分の身に降りかかってくる全ての出来事は「自分にとって必ず意味があること」
「自分を成長させる肥し」と捉えます。
一方、偶然理論の場合は文字通り偶然ですから、起きることに意味があるとは限らないということ
になります。こうなるとツライ出来事や苦しい出来事が起きると、周りの人や周囲の環境から「被害を
受けた」という位置づけになります。たまたま起きていることなので、自分がそれを乗り越えられるか
どうかも分かりません。
世の中に起きる出来事は、必然なのか偶然なのか?私は神様ではないので本当のところは分
かりません。分かりませんが、私は自分の心や精神のあり方を死ぬまで成長させていきたいと思っ
ています。そのためには偶然理論ではなく必然理論を採用した方が「頑張って乗り越えていこう!」
と前向きな力を与えてくれる気がします。だから私は必然理論を信じることに決めました。
ちなみに、結果がどうなるかは心の成長には全く関係ありません。もちろん受験の時は合格を目
指して頑張るし、営業の時は受注を目指して頑張ります。ただ、結果というのは外的要因にも左右
されることが多いため、神のみぞ知る世界です。気にしていても仕方がありません。そして、私の 26
歳の時の失敗体験のように、その時は失敗でも、長い目で見ると大きな学びに向けての必要なプ
ロセスとなることもあります。
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心の成長においては、結果ではなく、そのプロセスや動機が問われ
ます。どこまでも逃げずに真剣に取り組むこと。これがその人を大きく
育てていきます。
今、私たちがこうして生きているということは、これまでの数十年間に
渡る人生イベントを一つ一つクリアしてきた証です。しかも、その人生
イベントは年を取るに従いハードルが上がっているはずです。子ども
の時に悩んでいたことを思い出してください。その多くは今なら簡単に
乗り越えられそうな失敗や試練ではないですか?こうして私たちは力
をつけ、今の自分を築いているのです。
今の私達はこれまでの自分史の中で最高の自分です。今抱えている人生の課題に対して、数
十年間の厚みを活かして対処してください。きっと活路が開けます。
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自分に自信を持つ。でも、謙虚になる。
体の成長にはピークはありますが、心の成長はどこまでも続きます。
10 代の頃の自分、20 代の頃の自分、30 代の頃の自分に比べれば、私は精神的には確実に成
長しています。一方、50 代、60 代、70 代の頃の自分と今の自分を比較すればどうか?精神的には
これからも成長していくという見通しを持っていますから、逆に言えばこれからの人生史の中での私
は、一番精神的に未熟な新米です。
先月のお話です。私が普段お世話になっている女性で、人間関係がうまくいかずに悩んでいる
人のお話を伺いました。私はその方のお話を伺い、普段元気に振る舞っている人がひどい目に遭
っている事実に驚き、その後に「そういう試練があなたの身に起きているということは、そういう試練
を受け止められるだけの器があなたにあるからだと思います。」というようなお話をしました。
翌朝、ハッと気がついたことがあります。私は相手のコトバは聞いていまし
たが、相手の気持ちを聞く姿勢があったのだろうかと。相手が話している言
葉の内容ばかりに気を取られ、相手がどんな気持ちでその話をしているのか、
そういう観点で話を伺う姿勢に欠けていたような気がします。だから、相手の
気持ちを思いやる発言が一言も出てきませんでした。さらに、相手が望んで
いたかどうかも分からないのに、いきなり解決策のようなことを言ってしまった
のもどうだったのだろう、と反省しました。コミュニケーション関係の本を読ん
でいると、「相手は解決策を求めているとは限らない。単に話を聞いてもらい
たいだけの時もたくさんある。」という文章が目に入ります。知識としては知っているものの、いざそ
の場になるとペラペラと解決策を提示する私。今までの人生史の中では最高の自分ではあります
が、最高とは言ってもまだまだこんな程度です。
でも、こういう自分の至らなさに自分で気がつくことは、とてもラッキーなことでもあります。至らなさ
に気がつけば、後は直すだけだからです。こういった反省を活かし、50 代、60 代になっている私だ
ったら、今とは違った話の聞き方、話の仕方をしているでしょう。
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今よりももっと成長しているはずの未来の自分を見据える
と、まだまだ自分には成長の余地があるということが分かり、
謙虚に生きていくことができます。過去を味方につけ、自信
を持って生きることと、未来の成長を信じ、謙虚に生きていく
ことを両立していけば、きっとよい人生を過ごすことができる
のではないでしょうか。
ちなみに今日は 10 月 24 日(日)。休日なので、自宅でパチパチとこの文章を書いています。ひと
仕事を終え居間に行くと、両親がテレビを見ています。郷ひろみさんがゲストに迎えられているトー
ク番組でした。郷さんは今 55 歳だそうです。一人の女性がこんな質問をしました。
「私は 20 代なんですけど、50 代というのはどんな感じなんですか?」
郷さんはこんなメッセージを送りました。
「20 代の積み重ねが 30 代に表れます。30 代の積み重ねが 40 代に表れます。だから今の私は
40 代の積み重ねの結果です。今は輝ける 60 代を目指して、毎日積み重ねの連続です。皆さん
もよい一日を送ってください。」
郷さんのコメントも素晴らしいなぁと思いましたが、こうしてこんな文章を書いているとこんなイベン
トが起きるのです。ベストな時にベストな出来事が起きる。やっぱり必然理論ってあるんじゃないか
なぁと思いますよ。
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これからの人生史の中で一番若い時は?
私たちはつい、今まで生きてきた人生の中で自分を位置付けることが
多いです。冒頭のエピソードに戻りますが、「昔はバスケットボールをやっ
ていても、3 分で限界を迎えるなんてことはなかったような気がするなぁ。
オレも年を取ったなぁ。」・・・こんな感じです。
でも、このように過去の自分と今を比べても得られることは何もありませ
ん。それよりもこれから生きていく人生の中で自分を位置付けてみてはい
かがでしょうか。「10 年後だったらこれはできるのだろうか?20 年後だった
らこれはできるのだろうか?」こんな具合です。将来的にはできなくなってしまうことも、今ならできる
こともたくさんあるはずです。残りの人生の中で一番若くて何でもできるのは今この瞬間です。
過去の人生を味方につけることも、これからの人生を見渡して成長の余地があることを信じて謙
虚に生きることも、全ては「今この瞬間」を燃焼させるための糧です。季節は晩秋。だんだん寒くなり
つつある今日この頃ですが、心は熱く、今日も完全燃焼で頑張りましょう!
文
章:中野 泰
イラスト選択:宮崎智裕
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