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第3章 特定健康診査・特定保健指導の実施
第3章 特定健康診査・特定保健指導の実施
1 目標値の設定
「特定健診等基本指針(平成24年9月改正)」において,第2期実施期間(平成25
~29年度)の各目標値が示されました。全国目標値を達成するべく,第1期の実績等
を勘案し,保険者ごとに新たに各目標値が設定されました。市町村国保においては,下
記のとおりとなります。
第2期計画の目標値
全国目標値
(H29)
市町村国保目標値
(H29)
① 特定健康診査の実施率
70%
60%
② 特定保健指導の実施率
45%
60%
25%
各保険者必ずしも目標として
設定する必要はないが,これら
の数値を把握し保健事業に活
用することが望ましい
項
目
※メタボリックシンドロームの
該当者及び予備群の減少率
※第1期計画の「メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の減少率」は,特定保健指導対象者の減少率を指していた
が,第2期計画の目標は,内科系8学会の基準によるメタボリックシンドロームの該当者及び予備群の減少率とする。
平成23年度の特定健康診査の実施率は30%,特に男性の実施率は24.9%と非
常に低い状況ですが,市町村国保計画目標(H29)60%を目指し,各年度の目標値
を次のとおり設定します。
表2 鹿嶋市国保の目標値
H25
H26
H27
H28
H29
特定健康診査実施率
35%
40%
45%
50%
60%
特定保健指導実施率
45%
48%
52%
56%
60%
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第3章 特定健康診査・特定保健指導の実施
2 目標達成に向けた取り組み方針
(1)特定健康診査
①受診しやすい健診体制の整備を図ります。
・受診者の動向から,集団健診の日数を追加し健診会場の混雑緩和に努めます。
・他のがん検診との併用等について検討し,受診者の利便性を図ります。
・個別健診の自己負担額を引き下げることにより,受診者の負担を軽減します。
・個別健診の健診機関の拡大に向けて,継続して医療機関の協力を求めます。
②未受診者対策を推進します。
・若い世代(40・50歳代)の未受診者に対し,電話や訪問等により受診に関する
案内を行います。
・特定健康診査の実施に関する内容や,健診受診の必要性について周知するとともに,
本市の健康課題等について,市民に対し意識づけできるように,随時情報提供を行な
います。
・対象者に受診券を送付する際,分かりやすい健診の案内を同封します。
・状況に応じ年度 1 回以上の受診勧奨通知を行ないます。
・年度途中加入者(特定健康診査対象外)に対し,特定健康診査と同様の健診を実施
することにより,健診受診の必要性をPRし継続受診を推進します。
③健診結果に関する情報提供の内容を検討し充実を図ります。
・健診結果の通知と同時に,経年的な受診の必要性を周知することに加え保健指導を
実施し充実した情報提供を行います。
(2)特定保健指導
①効果的かつ効率的な特定保健指導の実施に向けて検討していきます。
・対象者の実態(性別・年代・職業・生活環境等)に合わせた支援方法を検討します。
・支援方法,媒体,支援材料や記録の方法などについて標準化を図ります。
・健診から保健指導までの作業工程を検討し,健診当日から保健指導までの期間を短
縮します。
②保健指導の技術の向上に努めます。
・医療費分析や健診・保健指導のデータ分析等から,保健指導の成果に関する評価を
行ないます。
・最新の科学的知見に基づいた効果的な保健指導の知識・技術を習得するための研修
を定期的に開催します。
・具体的な保健指導の事例に関する検討会などの機会を設け保健指導技術の向上に努
めます。
(3)重症化予防対策事業
上記(1)
(2)の他,制度の背景において,健康寿命の延伸や医療費適正化を目指
していることから,特定保健指導対象とならないが,心疾患や脳血管疾患等の循環器
疾患の危険因子(高血圧・糖尿病・脂質異常等)を持つ者に対し「標準的な健診・保健
指導プログラム(確定版)」を参考に,保健指導を実施します。
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第3章 特定健康診査・特定保健指導の実施
3 特定健康診査・特定保健指導の実施方法
特定健康診査
(1)健診対象者
特定健康診査の対象者は,鹿嶋市国民健康保険被保険者のうち,当該年度の4月1
日における加入者であって,40歳以上74歳以下の年齢に達する人となります。
なお,年度内に他保険に異動した人,妊産婦その他の厚生労働大臣が定める人につ
いては,上記対象から除かれます。
平成29年度までの各年度の推計値
特定健診対象者数
(40~74歳)
目標実施率
特定健康診査
受診者数
H25
H26
H27
H28
H29
15,950 人
16,149 人
16,350 人
16,554 人
16,760 人
35%
40%
45%
50%
60%
5,582 人
6,460 人
7,375 人
8,277 人
10,056 人
(※H20~H23 までの特定健診対象者数の伸び率を参考に算出)
(2)実施形態・健診内容
実施形態・・・集団健診及び個別健診
(第 1 期の状況と特定健康診査・特定保健指導に関するアンケートの結果
等から被保険者が健診を受診しやすい体制の確立を図ります)
実施場所
・集団健診・・・鹿嶋市保健センター,大野ふれあいセンター,
はまなすまちづくりセンターの3会場において実施します。
・個別健診・・・個別健診に参加している医療機関(561機関)
※上記のうち市内での参加は7医療機関(H24年度)
健診内容
検査項目は,特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する基準(平成19年厚
生労働省令第157号)に基づくものとします。
・基本的な健診の項目
・詳細な健診の項目(上記基本的な健診の項目ほか,厚生労働大臣が定める
項目について基準に基づき医師が必要と認めるときに行う。
)
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第3章 特定健康診査・特定保健指導の実施
○基本的な健診の項目
・既往歴の調査 服薬歴及び喫煙習慣の状況に係る調査(質問票)を含む
・自覚症状及び 理学的検査(身体診察)
他覚症状の有
無の検査
・身長,体重及 腹囲の測定は,厚生労働大臣が定める基準(BMIが20未満
び腹囲の測定 の者,もしくはBMIが22未満で自ら腹囲を測定し,その値
を申告した者)に基づき,医師が必要でないと認める時は,省
略可
・BMIの測定 BMI=体重(kg)÷身長(m)の2乗
・血圧の測定
・肝機能検査
AST(GOT)
ALT(GPT)
γ-GT
・血中脂質検査 中性脂肪
HDLコレステロール
LDLコレステロール
・血糖検査
空腹時血糖又はヘモグロビンA1c(HbA1c)
・尿検査
尿中の糖及び蛋白の有無
○詳細な健診の項目(対象者のうち医師の判断により実施する項目)
項目
実施できる条件(判断基準)
・貧血検査
貧血の既往歴を有する者又は視診等で貧血が疑われる者
(ヘマトクリ
ット値,血色
素量及び赤血
球数の測定)
・心電図検査
前年度の特定健康診査の結果等において,以下の基準に該当し,
さらに医師が必要と認める場合に実施
・眼底検査
血糖 空腹時血糖が 100mg/dl 以上,
HbA1c(NGSP 値)が 5.6%以上
脂質 中性脂肪 150mg/dl 以上,
または HDL コレステロール 40mg/dl 未満
血圧 収縮期 130mmHg,または拡張期 85mmHg 以上
肥満 腹囲が 85cm 以上(男性)
・90cm 以上(女性)の者,ま
たは腹囲が 85cm 未満(男性)90cm 未満(女性)の者
で BMI が 25kg/㎡以上の者
※集団健診における追加項目の実施→
本市の健康課題や受診者のニーズにより,詳細な健診の項目である心電図検査・眼
底検査・貧血検査,さらに腎機能検査である血清クレアチニンについて,鹿嶋市国
民健康保険独自の保健事業として,集団健診受診者全員に対し実施します。
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第3章 特定健康診査・特定保健指導の実施
実施時期
① 集団健診・・・6月・10月の年2回の実施とします。
実施日数については,第2期実施期間中の受診者数に合わせて随時
見直していきます。
② 個別健診・・・特定健康診査受診券を送付後(5月予定)から,該当年度の3月末ま
でとします。
(3)健診実施機関リスト
実
施
機
関
委託方法
(財)茨城県総合健診協会
集団健診
住所:茨城県土浦市毛野町1-1
随意契約による。
電話:029-830-3355(代)
茨城県医師会との集合契約に参加している医療機関
個別健診 (国の「特定健康診査及び特定保健指導の実施に関
する基準」を満たしていることが条件)
茨城県医師会によ
る集合契約であ
り,茨城県国民健
康保険団体連合会
を取り纏め機関と
する。
(4)特定健康診査委託単価及び自己負担額
〔集団健診分〕
1 人あたりの委託料単価(消費税含む)
基本的な健診
詳細な健診
(医師の判断に
よる追加項目)
追加項目
5,250円
貧血検査
168円
心電図検査
945円
眼底検査
567円
血清クレアチニン
210円
計
1,000円
7,140
〔個別健診〕
1 人あたりの委託料単価(消費税含む)
基本的な健診
詳細な健診
(医師の判断に
よる追加項目)
自己負担額
自己負担額
7,980円
貧血検査
220円
心電図検査
1,365円
眼底検査
1,344円
1,000円
※委託料単価は状況により変動する場合があります。
※特定健康診査自己負担額については,委託料単価の変動や,対象者の状況等から
随時検討を行い第2期実施期間中でも必要に応じて見直しを行なうものとします。
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第3章 特定健康診査・特定保健指導の実施
(5)特定健康診査の受診案内
①受診案内
受診案内につきましては,各年度とも,5月中に特定健康診査受診券ほか,案内
などを同封して郵送します。10月集団健診前に,未受診者に対し受診勧奨案内を
郵送します。
②周知方法
鹿嶋市保健事業年間予定表の配布,広報・市ホームページへの掲載,市民放送「F
Mかしま」,区単位による定期的な回覧により,特定健康診査の実施に関する内容や,
健診受診の必要性について周知するとともに,鹿嶋市の健康課題等について,市民に
対し意識づけできるように,随時情報提供を行ないます。
(6)特定健康診査の結果通知の方法
健診の結果は,全国共通のデータ基準により判定し,国が定める「特定健康診査
受診結果通知表」を基に,受診者本人にお知らせします。
結果には,
「メタボリックシンドローム判定」の欄に,該当・予備群・非該当・判
定不能のいずれかを明示し,医療機関を受診する必要性のある場合は,その旨を記
入します。
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第3章 特定健康診査・特定保健指導の実施
特定保健指導の実施
(1)特定健康診査から特定保健指導の流れ
特定健康診査
特定保健指導
(法律上)
特定健康診査の実施
動機付け支援
階層化の実施
(自動判定)
特定健康診査の結果を基に特定
保健指導の対象者リストを作成
し,健診データ(特定健康診査)
と共に医療保険者に送付
特定保健指
導利用券の
出力・送付
結果通知表には,階層化の結果
ではなく,メタボリックシンド
ロームの判定(基準該当・予備
群該当・非該当)結果を記載
特定保健指導の
実施
特定保健指導対象者
リストの中から,特
定保健指導実施者を
抽出
結果通知表を出力・送付
積極的支援
特定健康診査の結果通知表送付
時に,パンフレット等を同封
情報提供
(2)特定保健指導実施人数の見込み
H25
特定健診
受診者数
H26
H27
H28
H29
5,582人 6,460人 7,375人 8,277人
10,056人
926人 1,072人 1,224人 1,373人
1,669人
特定保健指
導該当者数
特定保健指
導実施率
特定保健指
導実施人数
45%
48%
52%
56%
60%
417人
515人
637人
769人
1,002人
※参考:第1期特定保健指導該当率(H23年度実績)
該当率
動機付け支援
積極的支援
12.5%
4.1%
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合
計
16.6%
第3章 特定健康診査・特定保健指導の実施
(3)特定保健指導の実施形態,実施場所,実施時期及び自己負担額について
実
施 形
態
実施場所
実施時期
鹿嶋市国民健康保険による直 保健センターほ
営とし,対応にあたっては,健 か,指定された場
所で行ないます。
康増進課と連携し,保健師及び
管理栄養士等が行います。(※)
自己負担額
健診データを受 自己負担はあ
領後,速やかに階 りません。
層化を行い,対象
者にお知らせし
ます。(健診実施
後,2か月以内に
開始します。
)
※特定健康診査の受診人数の増加や,保健指導スタッフの配置の変更等,必要に
応じて,民間事業者への委託(アウトソーシング)も検討していきます。なお,
実施機関は,国の「特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する基準」を満
たしていることを条件とし,あわせて,アウトソーシングの際の実施場所,実
施時期,委託料及び自己負担額は別途設定します。
(4)特定保健指導対象者の選定と階層化の基準
特定保健指導対象者の選定及び階層化の基準については,特定健康診査の結果に基
づき,法第24条の厚生労働省で定められた方法で実施するものとします。
追加リスク
腹
対
囲
≧85cm(男性)
≧90cm(女性)
①血糖 ②脂質 ③血圧
40-64歳
2つ以上該当
積極的
あり
1つ該当
BMI≧25kg/㎡
支援
65-74歳
動機付け
支援
なし
3つ該当
上記以外で
象
④喫煙歴
積極的
あり
2つ該当
なし
1つ該当
支援
動機付け
支援
・喫煙歴の斜線欄は,階層化の判定が喫煙歴の有無に関係ないことを意味します。
・前期高齢者(65歳~74歳)については,積極的支援の対象となった場合でも動
機付け支援とします。
・血圧降下剤等を服薬中の者については,特定保健指導の対象としません。
◇◇◇保健指導レベルの分け方◇◇◇
特定健康診査の結果は,基準にもとづき,対象者の保健指導の必要性ごとに「情報
提供」「動機付け支援」
「積極的支援」に階層化します。
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第3章 特定健康診査・特定保健指導の実施
情報提供
健診受診者を対象とし,健診結果に基づいた生活習慣の改善についての意識づけ
を行ない,また医療機関への受診や継続治療が必要な対象者には,受診や服薬の重要
性を認識させること,加えて健診受診者全員に対し継続的に健診を受診する必要性
を認識させるよう支援します。
(年1回の支援)
動機付け支援
対象者への個別支援あるいはグループ支援により,対象者が自分の生活習慣を振
り返り,行動目標を立てることが出来るとともに,保健指導終了後,対象者がすぐ
に実践に移り,その生活が継続できることを目指します。(1~2回の支援)
積極的支援
「動機付け支援」に加えて,定期的・継続的な支援により,対象者が自分の健康
状態を自覚したうえで生活習慣を振り返り,行動目標を設定し,目標達成に向けた
実践に取り組みながら,支援プログラム終了時にその生活が継続できることを目指
します。
(3~6か月の継続支援)
(5)重症化予防対策事業
3段階の階層化のほか,保健指導対象者を明確化し目的にあった支援を行うため,
「標準的な健診・保健指導プログラム(確定版)
」様式6-10フローチャート(P2
4図15参照)及び「健診・保健指導のあり方に関する検討会(中間とりまとめ)」に
おいて示された特定保健指導非対象者への対応(案)を参考とし,健診受診者の健診
結果から保健指導レベル別にグループに分け,優先順位に従って保健指導を行います。
「健診・保健指導のあり方に関する検討会(中間とりまとめ)」より抜粋
<特定保健指導非対象者への対応(肥満,血圧,血糖,脂質の測定値及び喫煙に応じて)>
リスク
危険因子(肥満・血糖・血圧・脂質・喫煙)を評価する
肥満(※1)
リスクの
大きさ
+リスク2つ以上(※2)
Cゾーン
Dゾーン
+リスク1つまで
―
肥満改善,生活習慣病
一般的な健康づくり情報の情 報 提 供
予防に関する情 報 提 供
Aゾーン
Bゾーン
肥満なし(※1,2)
特定保健指導
<積極的支援>
特定保健指導
<動機付け支援>
特定保健指導
<積極的支援>
(6ヶ月評価時に該当項
目について再確認が望ま
しい)
すぐに受診
または,医師と連携して
特定保健指導<積極的
支 援 > を実施後医療機関
管理
特定保健指導
<動機付け支援>
当該疾患に関わる生活習慣改善指
(6か月評価時に該当
導(面接),医療機関受診
項目について再確認が
望ましい)
当該疾患についての情 報 提 供
確実な受診勧奨
または,医師の判断で 確 実 な 受 診 勧 奨
積極的支援相当の保健 受 診 の 確 認 , 医 療 機 関 管 理
指導をすることも可
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第3章 特定健康診査・特定保健指導の実施
Aゾーン: 今のところ異常なし
Bゾーン: 血糖正常高値・境界型,血圧正常高値。保健指導を実施する。
また,リスクが単独ではなく重積する場合など,より積極的な保健指導が必要とされ
る場合は,必要に応じてCゾーンと同様の対応を行う。
なお,以下の<学会基準等に基づく検査値分類>B´ゾーンはCゾーンと同様の対応
を行う。
Cゾーン: 学会診断基準では「疾患」と判定されるが,比較的軽症であり,薬物療法よりも生活習慣
改善を優先するもの。保健指導を積極的に行うべきである。
【方法①】面接を伴う保健指導を3~6ヶ月実施したあと,該当項目について検査を行
う。この評価で十分な改善が認められない場合,又は保健指導が実施できない場合に
は,医療機関による管理(受診勧奨)とする。
【方法②】医療機関においては,生活習慣管理料,外来栄養食事指導料,集団栄養指導
料を活用して,保険診療として生活習慣改善指導をする。
Dゾーン: 医療管理下におくことが必須なもの。
食事・運動療法も大切ではあるが,薬物治療を要すると考えられる状態。
原則として保険診療対象者であり,生活習慣管理料,外来栄養食事指導料,集団栄養指導料を活用す
る医師との連携のもと,保険指導機関において積極的支援を併用することが可能である。(ただし薬
物治療中の場合には「特定保健指導」に該当しない。)
※1 腹囲が男性85cm,女性90cm未満の場合では,BMIが25以上であれば肥満と判定さ
れる。この場合は,リスク3つ以上が表中の「腹囲+リスク2以上」,リスク1又は2が「腹囲+リ
スク1つまで」と同等の扱いなる。
※2 喫煙は独立した循環器疾患のリスク因子があるので,上記の表にかかわらず,禁煙指導につい
ては,別途保健指導を行うことが必要である。特定保健指導では,血圧,血糖,脂質のリスクの1つ
以上ある場合にのみ,喫煙歴がカウントされる。
<学会基準等に基づく検査値分類>
1.血圧
収縮期
(mmHg)
~84
拡 85~89
張
期 90~99
100~
~129
130~139 140~159
160~
A
B
C
D
B
B
C
D
C
C
C
D
D
D
D
D
2.血糖,HbA1c
A
空腹時血糖
(mg/dl)
HbA1c
(%)
B
B´
C
D
~99
100~109 110~125
126~
~5.1
5.2~5.5 5.6~6.0
6.1~
3.脂質
A
中性脂肪
(mg/dl)
LDLコレステ
ロール(mg/dl)
B
<150
C
D
150~299 ≧300~
120
140
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(≧180)
第3章 特定健康診査・特定保健指導の実施
(6)保健指導レベル別優先順位及び保健指導計画 (「標準的な健診・保健指導プログラム(確定版)」保健指導フローチャート(P24図15参照)より保健指導対象者をグループ分けし優先順位を決定する)
優先順位
レベル2
特定保健指導
属性
積極的支援
特定健康診査等の評
価指標である特定保
1
健指導実施率向上及
び医療費適正化等の
目標達成に寄与でき
るグループ
支援内容
支援の種類
回数
時期
初回面接
1回
スタート
必要に応じ
て支援回数
を決定する
3か月まで
を重点的に
実施
支援形態
個別支援,
グループ支援
ポイント
資料・記録表等
具体的内容
①生活習慣病と健診結果の関係,さらにはメタボリックシンドロー
ムや生活習慣病に対する知識伝達をする。本人の生活習慣の振り
返りを行い,生活習慣改善の必要性を説明する。
②対象者とともに行動目標,支援計画を作成する。
①生活習慣の振り返りを行い,行動計画実施上の確認や必要に応じ
継続的支援
た支援をする。
180
(電話・手紙等)
②栄養,運動等の生活習慣の改善に必要な実践的指導を行うと同時
ポイン
に,改善のメリットを対象者が理解できるように支援する。
※リスクや目標が同じ,又は集団併用を希望するものにつ ト 以 上
③行動計画に実施状態の確認と確立された行動を維持するために賞
いては栄養,運動等の集団指導を実施する。
で計画
賛や励ましを行う。
※未来所者への訪問等によるアプローチ
個別支援
面接(評価)
1回
6か月後
①身体状況や生活習慣に変化が見られたか確認,評価する。
個別支援
グループ支援
(通信等を利用)
動機付け支援
初回面接
面接(評価)
個別支援
グループ支援
1回
6か月後
通信等を利用
①生活習慣病と健診結果の関係,さらにはメタボリックシンドロー ・最新の各学会のガ
イドライン等を踏
ムや生活習慣病に対する知識の伝達から,本人の生活習慣の振り
まえた,常に最新
返りを行い,生活習慣改善の必要性を説明する。
の知見,情報に基
②対象者とともに行動目標,支援計画を作成する。
づいたものとなる
①身体状況や生活習慣に変化が見られたか確認,評価する。
よう常に改善しな
がら使用する。
レベル3
2
・医療機関を受診する必要性について通知及び説明を行なう。
発症予防及び重症化予防の視点で医療 ・適切な生活習慣の改善や受診行動が自分で選択できるように支援する。
費適正化に寄与できるグループ
受診必要(重症化予防対策)
レベル4
3
生活習慣病で治療中
(重症化予防対策)
すでに疾患を発症していても重症化及
び合併症予防の視点で医療費適正化に
寄与できるグループ
・かかりつけ医と保健指導実施者との連携。
・治療中断者対策及び未受診者対策としてのレセプトと,健診データの突合及び分析。
レベル1
・継続受診の必要性や健診結果の見方の説明
4 保健指導判定値
・健診結果説明会の実施
疾患の発症予防の視点で医療費適正化
に寄与できるグループ
レベルX
・特定健診の受診勧奨(例:健診受診の重要性を普及・啓発し生活習慣病予防に関する学習の機会を設ける。
5 健診未受診者
・国保年金課及び健康増進課が連携を図りながら実施。
受診勧奨により特定健康診査実施率向
上に寄与できるグループ
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・第1期の実施から,
経年的に見ること
が可能な記録の整
備の重要性を認識
→保健指導実施者
間で検討し,体制
を確立していく。
第3章 特定健康診査・特定保健指導の実施
◇継続支援パターンについて
3か月以上の継続的な支援については,支援A(積極的関与)及び支援B(励まし)に
よるポイント制とし,支援Aのみで180ポイント以上,又は支援A(最低160ポイン
ト以上)と支援Bの合計で180ポイント以上の支援を実施するものとします。対象者の
ニーズや利便性等を考慮し,個別支援及びグループ支援等,複数の支援パターンを設定し,
状況等に合わせて追加・変更を行なうことにより,特定保健指導実施率の向上を図ります。
支援パターン①【個別(面接中心)コース】
支援の種類
回数
初回面接
1
継続支援
2
評価
時期
支援形態
支援時間(分) 獲得ポイント
個別面接,訪問
20~
2週間後
電話 A
15
45
3
1ヵ月後
emailA
1回
40
4
3ヵ月後
個別支援
30
120
5
6ヵ月後
最終評価
ポイント計
205
支援パターン②【グループ支援コース】
支援の種類
回数
初回面接
1
継続支援
2
評価
時期
支援形態
支援時間(分) 獲得ポイント
グループ支援
80~
1ヵ月後
グループ支援
90
90
3
2ヵ月後
電話A
10
30
4
3ヵ月後
電話A
10
30
4
4ヵ月後
emailA
1回
45
5
6ヵ月後
最終評価
ポイント計
195
<特定保健指導の2年目以降の初回面接についての考え方>
血圧,喫煙は循環器疾患の発症リスクとして重要であること,健診当日に検査結果の
把握可能であること,さらには健診当日に保健指導を実施することで実施率の向上に
有効との見方もあることなどから,下記の条件を満たす場合に限り,特例として実施可
能とされました。集団健診会場等の状況を見ながら,実施可能かどうかの検討を行ない
ます。
特定条件
① 特定保健指導が直営である
② 前年度に特定保健指導を受けて,メタボや生活改善に対して理解できている
(体重が減量できている,または増加していない)
③ 健診当日に高血圧・喫煙についての保健指導を対面で実施している
④ 前年度と比較して数値の変動が小さく,行動目標及び行動計画の方向性や支援
の内容について大幅な変更が必要ない
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第3章 特定健康診査・特定保健指導の実施
(7)特定保健指導の評価
①保健指導レベル別評価
健診データにより,対象者を継続的にフォローして健診結果の変動を見ることと
し,下記表による内容を主な目安とします。
優先
順位
1
2
3
4
保健指導
レベル2
(特定保健指導グループ)
レベル3
(医療との連携グループ)
レベル4
(医療との連携グループ)
レベル1
(特定保健指導以外の保
健指導グループ)
改
善
リスク個数の減少
悪
化
リスク個数の増加
必要な治療の開始,リスク
リスク個数の増加
個数の減少
治療継続,治療管理目標内
治療中断
のデータの個数が増える
特定健康診査の受診,リス
リスクの発生
ク個数の減少
レベルX
特定健康診査の受診
(健診未受診者グループ)
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特定健康診査未受診,又
は結果未把握
第3章 特定健康診査・特定保健指導の実施
②総合的に見た保健指導の評価方法
対
象
個
人
集
団
事
業
最
終
評
価
評価項目
(S)ストラクチャー
評価指標
(P)プロセス
(O)アウトカム
(P)意欲向上
・行動変容ステー
(P)知識の習得
ジ(準備状態)
(P)運動・食事・喫煙・
の変化
飲食等の行動変容
・生活習慣改善状
(P)自己効力感
況
(O)健診データの改善 ・肥満度(腹囲・
BMIなど)
,血
液検査(糖・脂
質)
,メタボリッ
クシンドローム
のリスク個数
・禁煙
(P)運動・食事・喫煙・ ・ 生 活 習 慣 改 善
飲食等の行動変容
状況
(O)対象者の健康状態 ・肥満度(腹囲・
の改善
BMIなど)
,血
液検査(糖・脂
質)
,メタボリッ
クシンドローム
有病者・予備群
の割合,禁煙
(O)対象者の生活習慣 ・医療費
病関連医療費
(P)保健指導のスキル ・生活習慣改善度
(P)保健指導に用いた
支援材料
(P)保健指導の記録
(S)社会資源を有効に ・社会資源(施設・
効率的に活用して,
人材・財源等)
実施したか
の活用状況
(P)対象者の選定は適 ・受診者に対する
切であったか
保健指導対象者
(P)対象者に対する支
の割合
援方法の選択は適切 ・目標達成率
であったか
・満足度
(P)対象者の満足度
(O)各対象者に対する ・目標達成率
行動目標は適切に設 ・プログラム参加
定されたか,積極的
継続率(脱落率)
に健診・保健指導を ・健診受診率
受ける
(O)全体の健康状態の ・死亡率,要介護
改善
率,有病者,予
備群,有所見率
など
(O)医療費適正化効果 ・生活習慣病関連
医療費
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評価手段
(根拠資料)
評価時期
評価
責任
者
・質問票・観察
・自己管理シート
・6か月後, 保 健
1 年後
指導
実施
者
・健診データ
・1 年後
・積極的支援
では計画
した経過
観察時(3
~6か月
後)
・1年後,
3年後
・1年後,
3年後,
5年後
・質問票・観察
・自己管理シート
・健診データ
・疾病統計
・3年後,
5年後
・指導過程(記録) ・指導終了後
の振り返り
にカンフ
・カンファレンス
ァレンス
ピアレビー
などする
・社会資源の活用 ・1年後
状況
・委託状況
・質問票,観察, ・1年後
アンケート
保健
指導
実施
者
及び
医療
保険
者
・レセプト
・質問票,観察,
アンケート
・1年後
・死亡,疾病統計, ・毎年
健診データ
・5年後
・10年後
・レセプト
保健
指導
者
医療
保険
者
第3章 特定健康診査・特定保健指導の実施
(8)利用券の様式・交付方法
利用券については,国の様式に準じ,対象者に対し特定保健指導利用券と案内など
を同封して郵送します。
(9)保健指導実施者の体制
特定保健指導の実施にあたっては,健診結果を的確に分析した上で対象者の抽出を
図ることはもちろんのこと,対象者一人ひとりの必要度に応じた保健指導が適切かつ
効果的に行わなければなりません。
このため,本市では,保健師及び管理栄養士等の必要な人材(専門職)の確保に積
極的に努めるとともに,実施者の資質の向上と指導技術の向上に努めていきます。
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第3章 特定健康診査・特定保健指導の実施
年間スケジュール
特定健康診査
集団健診
4月
5月
6月
個別健診
人間ドック
健診機関との契約
健診対象者の抽出
受診券等の印刷・発行
集団健診(前期)
個別健診
開始
開始
募集開始
健診データ受取
開始
決定及び決
定通知の発
送
7月
結果通知表の
送付
10月
保健指導対象者
の抽出,利用券
等の印刷・送付
保健指導開始
受診開始
8月
9月
特定保健指導・
その他の
保健指導
未受診者通知
発送
集団健診(後期)
開始
健診データ受取
開始
保健指導対象者
の抽出,利用券
等の印刷・送付
11月
結果通知表の
送付
保健指導開始
受診終了
(保健指導
開始)
12月
翌年
1月
2月
3月
4月
5月
6月~
9月
前年度実施率等,実施
実績の算出,支払い基
金への報告
※毎年度の実績等を踏まえた上で,スケジュールを作成していきます。
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受診率
向上対策
・年間を通じて
広報・回覧・F
MでのPR
・保健事業との
連携
・保健指導の充
実
・未受診者への
対応(電話・訪
問)