研究フォーラム2014 報告

研究フォーラム2014 報告
第1分科会
『情動調整が困難な子どもへの対応』
企画者:岡本 康哉(静岡大学教職大学院)
司会者:岡本 康哉(静岡大学教職大学院)
話題提供者:清 仁美(静岡県立清水特別支援学校)
話題提供者:大石 真未(静岡大学教職大学院
第1分科会の様子
「情動」に関して、①刺激を適切に調整しながら感情に取り込む
(感情の振れ幅を小さくする)②感情を適切に処理して不適切な行動
に繋げないようにする③起こした行為の振り返りを次の改善に結び
つける、という3つのポイントで話題提供者の先生方から指導実践を
紹介していただきました。また、音の刺激にどう対応するか、諸検査
をどのように活用するか、言葉と行動をどう結びつけるかなどについ
てグループディスカッションを行い、参加者同士で学び合いました。
第2分科会
『生活単元学習の授業づくりにおいて大切なこと
~実践から学ぶ、単元づくりのポイント~』
企画者:村松智恵子(静岡県障害者就労研究会)
企画者:山元
薫(静岡県総合教育センター専門支援課 特別支援班)
司会者:山元
薫
話題提供者:大橋 早苗(静岡県立浜松特別支援学校)
話題提供者:近藤真理子(静岡県立袋井特別支援学校)
話題提供者:木田志帆子(静岡県立藤枝特別支援学校)
生活単元学習の実際の指導案をもとに、話題提供者の方々による
ロールプレイという形で指導案検討をどのような視点で行うことが大
切なのかを学ぶ機会となりました。「目的」と「活動」のすり替えや単
元目標と単元計画とのずれなどの原因を、日々の反省の中で、どの
ように共通理解して確認していくのか。あらためて、生活単元学習の
授業づくりにおいて大切なことを学び合うことができました。
第2分科会の様子
第3分科会
『働くことを考える~障害者の就労において大切なこと~』
企画者:川原 貴之(静岡大学教育学部附属特別支援学校)
司会者:川原 貴之
話題提供者:和栗 三雄(アステラス総合教育研究所株式会社)
話題提供者:小長谷好江(JA厚生連 静岡厚生病院)
話題提供者:松井 和泉(ハローワーク静岡)
障害者の就労支援について、就労先の立場から「モチベーション
を喚起するための職場運営」についてや就労前の「実習の取り組
み」について、話題提供をしてくださったり、ハローワークの立場から
「障害者の職業紹介について」の話題提供をいただいたりしました。
教員の視点からではない受け入れる側の就労先で大切にしている
視点や、行政の役割について等、詳しく説明をしてくださり、学校現
場で今後就労に向けて大切にしたいことを改めて確認できたり、学
びを深めたりすることができました。
第3分科会の様子
第4分科会
『思春期の発達障害のある児童生徒の支援
~男子への支援を中心に~
企画者:今泉 依子(特定非営利活動法人 発達障害児応援団 NPO ばく)
司会者:今泉 依子
話題提供者:富永 恵子(特定非営利活動法人 発達障害児応援団 NPO ばく)
話題提供者:大賀 志真(特定非営利活動法人 発達障害児応援団 NPO ばく)
発達障害のある児童生徒が「思春期」に抱える、周りの人たちとの
かかわり方や、小学校とは違う学校生活への適応の難しさや苦しさ
などについて、事例による話題提供がされました。そこから、思春期
における課題に「どこで、だれが、どのように支援していくべきなの
か」をフロアと意見交換しました。フロアからは発達障害児者に関わ
っている様々な立場の方から、質問やご意見、話題の提供がされ、
学びを深めることができました。
』
第4分科会の様子
第5分科会
『特別支援学校における SCERTS モデルの活用』
企画者:香野
毅(静岡大学教育学部)
若松 唯晃(静岡県立清水特別支援学校)
司会者:香野
毅
話題提供者:若松 唯晃(静岡県立清水特別支援学校)
話題提供 者吉田 仰希(岩手県立盛岡みたけ支援学校奥中山校)
※SCERTS モデル日本語版翻訳者
話題提供者:深澤 雄紀(静岡県立藤枝特別支援学校)
日本版 SCERTS モデルの訳者の一人である吉田先生からは、
SCERTS モデルの概要について説明がありました。また、若松先
生、深澤先生からは、SCERTS モデルを実際の指導に生かした実践
の紹介がありました。エビデンスに基づいた教育を行うための一つ
の指標として、教師間の共通した児童生徒の実態把握の視点とし
て、大変有意義であることが、話題提供者のお話の中から分かりま
した。フロアの先生方の SCERTS モデルに関する関心も高く、質疑
応答や協議の時間も活発な意見のやり取りがありました。
第5分科会の様子
You
第6分科会
『学びのつながりを求めて
~子どもたちに安心感を与え意欲を持って生活できる、小学校、中学校、高等学校の日々の指導を考える~ 』
企画者:鎌塚 優子(静岡大学教育学部保健体育講座 養護教育課程設置準備室)
司会者:小島 洋 (静岡大学教育学部附属特別支援学校)
話題提供者:苫米地一路(静岡中央高等学校 通信制の課程 東部キャンパス 副校長)
話題提供者:杉山 真弓(三島市立南中学校)
苫米地先生からは静岡中央高等学校の通信制課程の取組、杉山先生から
は、三島市の取組について情報提供をして頂き、各学校段階での実践や今後の
課題について学び合うことができた。グループ討議では、個別の教育支援計画、
個別の指導計画の有効性や課題点について、それぞれの立場から意見を出し合
った。そして、これらをより有効な物として活用していくためのワンアクションという
視点で、各グループで意見をまとめた。通常の小、中学校の立場では、そもそも
作成したことがないという状況もあり、空欄があっても良いので、必要事項につい
て、記入し情報を共有していくことが大切である等の意見が出された。特別支援
学校の立場では、やはり児童生徒本人のための指導計画なので、本人自身が作
成に参加していくという仕組みを作ることが必要だという意見が出された。
第6分科会の様子
第7分科会
『障害のある児童生徒の家族・きょうだい支援
~母2人で子ども9人、218年分の子育て、話します~』
企画者:石川 慶和(静岡大学教育学部)
司会者:石川 慶和
話題提供者:よつば もこ(絵本『学校コワイ』作者)
話題提供者:吉田
佳子(静岡県自閉症協会 事務局次長)
障害のある子どもの親であるよつばもこさんと吉田さんから、今まで
の子育てについて対談形式でお話を伺うことができました。「親として
つらかったこと」「学齢期にありがたかった支援」「現在の様子と将来」
等、様々な視点から率直な思いを話していただき、気持ちが温かくな
る時間や背筋がピンと伸びる時間がありました。もこさんの軽快な大
阪弁と吉田さんとの掛け合いが絶妙で、会場を巻き込んで一体感の
ある分科会になりました。
第7分科会の様子
第8分科会
『作業学習における各校の取り組みについて
~実践から見えてくるもの~』
企画者:鈴木 耕輔(静岡県立藤枝特別支援学校)
司会者:鈴木 耕輔
話題提供者:仲澤 祐司(静岡県立静岡北時別支援学校)
話題提供者:飯野ひかる(静岡県立藤枝特別支援学校)
鈴木先生からは作業学習について、仲澤先生、飯野先生からは学
校での実践をお話していただきました。その後のグループ協議では、
参加された先生方の実践や日々の中で感じている悩みなどを語り合
いました。様々な思いを語り合う中で、これからのよりよい授業づくり
にむけ、「こんなことを取り入れてみようか」「こういうこともできたらい
いな」と次につながる実りのある時間となりました。
第8分科会の様子