JBN シンポジウム開催にあたって プログラム

JBN シンポジウム開催にあたって
2014年は全国的にドングリなど堅果類の不作により、
ツキノワグマの大量出没が起こりました。結果、全国
で3,527頭のツキノワグマが捕獲され、そのうち3,369頭が捕殺されました(いずれも環境省発表、1月暫
定値)。また、人身事故も110件(117人)に上っています(同発表)。
これらの数字は、
ここ10年間では2 ∼
3番目に多いものです。すなわち、2006年、2010年および2014年が顕著なツキノワグマの大量出没年
となりました。
この問題の背景には、
ツキノワグマの分布拡大や中山間地からの人間活動の撤退なども大きく
影響していると考えられています。そこで本シンポジウムでは、2014年に全国各地で起こったツキノワグマ
の大量出没状況を総括し、今後の対策に向けた展望を議論する場としたいと思います。
とくに今回の場合、か
なり早くから大量出没の予測が出されるなど、事前の対策準備を行うことは可能であったにも拘わらず、人身
事故が100件を超えたというのはクマの保護管理政策がまだまだ未熟であることを物語っています。今後ク
ゼロ
マによる人身事故を0にするには何が必要で、そのためにはどのように押し進めればいいのかを参加者全員
で考えたいと思います。
プログラム
挨拶:草刈秀紀(WWFジャパン事務局長付)
第1 部 2014年のツキノワグマ大量出没状況報告
全国の概況:坪田敏男(JBN代表/北海道大学)
長野県:岸元良輔(NPO信州ツキノワグマ研究会)
神奈川県丹沢:羽太博樹(神奈川県自然環境保全センター)
栃木県:丸山哲也(栃木県林業センター)
第2 部 2006年、2010年および2014年の大量出没を受けての総括
大量出没の科学的分析(分布拡大、行動変化など)
:山﨑晃司(東京農業大学)
3回の大量出没から得られた教訓、必要な政策など:大井 徹(石川県立大学)
マスコミからみた大量出没への対応:清水 弟(元朝日新聞)
ゼロ
第3 部 今後にむけての展望(人身事故0をめざして)
クマ対策スタンダードその1
(兵庫県)
:
森光由樹(兵庫県立大学自然・環境科学研究所/兵庫県森林動物研究センター)
クマ対策スタンダードその2
(島根県)
:
澤田誠吾(島根県中山間地域研究センター)
NGO組織による取り組み:那須嘉明(WWFジャパン)
総合 討 論
座長:佐藤喜和(JBN副代表/酪農学園大学)