Vol.21(2014年12月発行)

川崎病院通信
2014年 12月発行
発行責任者 病院長 中村 正
編集責任者 浦野 聖史 Vol. 21
http://www.kawasaki-hospital-kobe.or.jp/
総胆管結石の内視鏡的治療に力を入れています
消化器内科 部長 野村 祐介
胆石は日常臨床で非常によく遭遇する疾患です。胆石のうち胆嚢内にできた胆石を胆嚢結石、総胆管内にで
きた胆石を総胆管結石といいます。総胆管結石が胆管につまると腹痛や黄疸を起こします。さらに高率に細菌感
染を併発し胆管炎となります。胆管炎は容易に敗血症にまで至る重篤な疾患であり、致死的になることも珍しく
ありません。また、総胆管結石は急性膵炎の原因にもなります。総胆管結石は放置すると命に関わる疾患であり、
診断されれば早期の治療が必要です。
総胆管結石の治療としては、内視鏡的治療、経
皮的治療、外科的手術がありますが、近年は内視
鏡治療手技や処置具の進歩に伴い、より侵襲の少
ない治療法である内視鏡的治療が第一選択となっ
ています。総胆管結石の内視鏡的胆管結石除去術
は、まず内視鏡下に胆管の出口である十二指腸乳
頭部からカテーテルを胆管内に挿入して胆管を造影
することで総胆管結石の数や大きさ、胆管の状態
①3個の総胆管結石を認めた
を評価します。この検査を内視鏡的逆行性膵胆管
②バスケットカテーテルで截石
③截石完了
②乳頭括約筋切開術(EST)
③バスケットカテーテルで截石
造影検査(ERCP)といいます。ERCP に引き続いて、
胆管の出口を広げて結石をとり出しやすくしておい
て、バスケットカテーテルやバルーンカテーテルなど
の内視鏡処置具を用いて結石を截石(除去)します。
胆管の出口を広げる方法には、電気メスで切開する
乳頭括約筋切開術(EST)と乳頭バルーン拡張術
①胆管にカテーテルを挿管
(EPBD)があり、患者さんの状態に応じて使い分けています。また、EST や EPBD で除去できない巨大結石に
対して、近 年、さらに大きいバル ーンで の乳 頭 拡張 術 が 行われるようになっており大口径バル ーン拡張 術
(EPLBD)と呼ばれています。当院では近隣の病院に先駆けて EPLBD をいち早く導入しており治療成績を向上さ
せています。
治療実績
総胆管結石治療数
ERCP 件数
2009 年
2010 年
2011 年
2012 年
51 件
55 件
65 件
74 件
2013 年
96 件
127 件
150 件
152 件
216 件
267 件
総胆管結石は胆管炎や膵炎を伴う場合には緊急処置を要する疾患です。当院では、重症の胆管炎に対して夜
間や休日でも緊急内視鏡治療を行う体制を整えています。ここ数年、総胆管結石治療数、ERCP 件数ともに増加
の一途を辿っており、症例数は兵庫県下トップクラスとなっています。さらに治療成績を向上させるように内視鏡
機器の充実と技術の研鑽に努めています。腹痛、黄疸、肝胆道系酵素高値など総胆管結石をはじめとする胆道
疾患を疑う患者さんがおられましたら、是非、川崎病院消化器内科へのご紹介をよろしくお願いいたします。
介
紹介
ご紹
のご
師の
医師
職医
新
入職
新入
便失禁治療専用
便失禁治療専用 仙骨神経刺激療法(SNM)
仙骨神経刺激療法(SNM)
治療機器の導入について
治療機器の導入について
川崎病院肛門外科では便失禁治療機器“InterStimⅡ
仙骨神経刺激システム”(日本メドトロニック社製)を兵
庫県下ではじめて導入いたしました。
便 失 禁の治療は生 活習慣の改善 や肛 門 括約 筋のト
レーニング、薬物療法などの保存的治療が主に行われ、
保存的治療で症状に改善がみられない場合は外科的治
InterStimⅡ仙骨神経刺激システム
療が検討されてきました。SNM の導入により保存療法
で改善がみられない患者さんにも治療の選択が広がることが期待されます。SNM は
試験刺激により治療効果を確認し、効果が認められた場合に臀部に神経刺激装置を
植え込み継続的な神経刺激を行います。
SNM により、これまで治療効果を得られなかった患者さんにも、症状に合わせた
きめの細やかな治療が可能になります。かかりつけの患者さんで便失禁に悩まされて
いる方がいらっしゃれば、是非、川崎病院肛門外科の受診をお勧めください。(川崎
病院肛門外科の診察には予約が必要です。お問い合わせ、ご予約は地域医療連携室
までお願いします。)
形成外科 医員
秋山 幹雄
(あきやま みきお)
専門分野:形成外科一般
趣 味:音楽鑑賞
一言メッセージ
11月より川崎病院の形成外科で勤務
させて頂いております。地 域の先生方
や患者さんのお役に立てるよう頑張り
川崎病院 地域医療連携室
電話:078-511-3133(開業医専用番号)/ FAX:078-511-3297
専 門 特 殊 外 来 担 当 医 表
診 療 科
内 科
月
専門特殊外来は予約(または一般外来の受診)が必要です。
火
水
【糖尿病外来】 【糖尿病外来】 【脳神経外来】
午前
市原 紀久雄
大塚 章人
篠山 隆司
【腎臓外来】
粕本 博臣
木
・・・・・
【腎臓外来】
粕本 博臣
【糖尿病外来】
久保 聡子
午前
・・・・・
【心臓血管外科外来】
仲村 輝也
・・・・・
午後
・・・・・
・・・・・
午前
・・・・・
土(第2・4は休診)
金
【糖尿病外来】 【神経内科外来】 【呼吸器外来】
大塚 章人
本岡 里英子
畠山 由記久
【禁煙外来】
【呼吸器外来】
【腫瘍外来】
中村 正(第1・3・5)
徳永 俊太郎
茶屋原 菜穂子
久保 聡子(第2・4)
午後
【糖尿病連携合併症外来】
村井 潤
ますので、ご指導宜しくお願い致します。
・・・・・
【血液外来】
飯田 正人
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
【ペースメーカ外来】
(第1・3)
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
【直腸肛門外来】
柴北 宗顕
10:00∼11:00
【直腸肛門機能外来】
(第1・3)
・・・・・
【乳腺外来】
阪尾 淳
13:30∼14:30
【直腸肛門外来】
柴北 宗顕
14:00∼
【乳腺外来】
殿元 康仁
13:30∼14:30
【直腸肛門外来】
柴北 宗顕
14:00
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
午前
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
【スポーツ外来】
戸祭 正喜
耳鼻咽喉科 午後
・・・・・
・・・・・
・・・・・
【補聴器外来】要外来受診
(第1・3・4・5)
・・・・・
・・・・・
午前
・・・・・
・・・・・
・・・・・
【フットケア外来】
・・・・・
・・・・・
午後
【リンパ浮腫外来】
要外来受診
八杉 悠
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
循環器内科
外 科
午後
整形外科
形成外科
その他、各診療科にて力を注いでいる疾患・治療
標榜科
専 門
糖 尿 病
内科
耳鼻
咽喉科
形成外科
肥満、高脂血症、痛風
血 液
腎 臓
睡眠時無呼吸症候群
中 耳 炎
アレルギー性鼻炎
副 鼻 腔 炎
扁 桃 炎
声帯ポリープ
突発性難聴
顔面神経麻痺
眼瞼下垂
熱傷を含む外傷
良性・悪性の皮膚腫瘍
美容医療
褥瘡
循環器内科
八杉 悠
(月、火、木、金、土 午前)
土曜日は第3のみ
ご予約は地域医療連携室まで電話またはFAXにてお申し込み下さい。
【ストマ外来】
(第2・4)
14:00∼16:00
・・・・・
注)学会など諸事情により代診、休診になる場合もあります。
あらかじめご了承ください。
医師名および診療曜日
標榜科
市原 紀久雄(金曜 午前)
大塚 章人(月曜 午前)
中村 正(月曜 午前/水曜 午前)
消化器内科
飯田 正人(月曜 午前/水曜 午前/木曜 午前)
櫨木 聡(月曜 午前)
下屋 聡子
(月、水、木、金、土 午前)
土曜日は第3・5のみ
・・・・・
整形外科
眼科
歯科
口腔外科
電話
専 門
悪性疾患(膵臓癌、胆管癌等)により
黄疸が出た時のステント減黄術
消化器癌の早期発見と
内視鏡治療
冠動脈疾患
末梢動脈疾患
小 児 全 般
手 全 般
スポーツ障害全般
医師名および診療曜日
前田 哲男(月曜 午前/水曜 午前)
野村 祐介(火曜 午前/木曜 午前)
西田 悠(金曜 午前)
多田 秀敏(火曜 午前/金曜 午前)※内科2診で診察
全医師が対応致します
戸祭 正喜
(月曜 午前/金曜 午前)
涙 道 手 術
松場 眞弓(火、水、金 午前)
感 染 症
腫瘍(悪性、良性)
顎 骨 骨 折
全医師が対応致します
インプラントおよび
インプラントのための骨再生
078-511-3133 / FAX 078-511-3297