本邦自己免疫性肝炎治療のー視点 一強 ミノ C, ウルソの効果長 田 淳一 恵子 宮 木村 山村篤司郎* 佐 藤 幸一 真 原田 聡 小松島赤十字病院 内科(*現呼吸器科) 要旨 近年、我が国の自己免疫性肝炎 (AIH) は、欧米と 異なり、 DR4s e n s i t i v eで中高年女性が大部分を占めることが 明らかになった 。著者等は 、以前から、強力ミ ノファ ーゲン C (SNMC)やウルソデオキシコ ール酸 ( UDCA) によ 7 I J( 各々、男女各 1名)の 4症例の治 り改善、寛解する AIH症例を報告してきたが、今回、 SNMC2例 、 UDCA2{ 療経過を示 し両薬剤の効果を述べた 。症例 1、5 2歳女性、 2回の急性増悪時の SNMCの効果から SNMCに続き p r e d o n i s o l o n e少量 で長期 寛解 を維 持している 。症例 2、5 9歳男性、 predonisol one投与時に耐糖能異常出現。 SNMC投与下に predonisolone中止、 I muran単独投与で寛解維持。症例 3、6 3歳女性、糖尿病治療中に AIHを発 症 、 UDCA単独で組織学的 にも正常化。症例 4、6 0歳男性、 UDCA単独で寛解。我が国の中高年者に多い AIHに対 し 、 SNMC、UDCAを主体とした治療法は、ステロイドホルモンの副作用を考える時、有効な治療法である 。 キーワード AIH、HLA-DR4、SNMC、UDCA はじめに 予後の比較的良好な型の AIHに対して用いるには、プ ルポイド肝炎が Mackayらにより提唱され、更に 1 0 ラス面に比べマイナスの要素が過大であると考えられ 年後、自己免疫性肝炎と命名されて3 0年あまりが経過し る。著者等は以前より、副作用の少ない強力ミノ ファ ー た。我が国でも、彼らの診断基準にあわせた診断基準 ゲン C(SNMC)や、ウルソデオキシ コー ル酸 (UDCA) 案 1)が作られ、用いられた。 このためもあって、 若年女 を、初期の コント ロー ルや状況に応じて適宜投与し、無 性に多い予後の悪い肝炎としてのイメ ー ジがもたれてい ないしは少量のステ ロイド投与に より AIHを治療する た。近年、我が国でも AI H 症例が集積され、その解析 方法を採ってきた 7).8)。以下、症例を提示し、その実 の結果、本邦ではその殆どの症例が中高年女性であり 際について述べる。 2) DR4 s e n s i t i v e3 ). 4)で欧米に多いD R3 s e n s i t iv eは 少なく、おだやかな経過を示す型であることが明らかに 症 例 なった。また、 C型肝炎ウイルスが同定され、非 A非 B 型肝炎から C型肝炎が除外できるようになり、 AI Hの 1)症例のまとめ 診断もより容易 になった。 その結果、新 Tabl e 1 症例のまとめ 、 しい診断基準も提唱されている 6)。一方 これまで AIHの治療 には、ステ ロイドホ 症例 年令 性 ルモンが第一選択とされ、汎用されてき 5 2F た。 しかし、本剤は骨障害、耐糖能異常、 易感染性など、様々な副作用を有す薬剤 である 。本邦に多い中高年症例では種々 の既存の成人病を持つ者が多く、本剤の 使用による増悪や副作用も起 こりやすい。 VOL.2 NO. 1 MARCH 1 9 9 7 J旦百五 A ヌもγ ヲLで 正 組織 治療薬 寛解期間 J コLヲ160三片て) 三てこ N M C→p r e d o n i s o 1 o n e1 0年以上 2A S × J 3 F 2 0 X J / 4 0 2A 2 59M 3 6 3F × J E ' 5 F 1 2 0×1 6 0ツ 4 60M t f 弘元 ~ 0 2A τ ;/2325J0F ~40 弘 元 →S N M C +l m u r a n p r e d o n i s ol o n e 6 年以上 U D C A 1 5ヶ月以上│ D C A ( + S N M C ) J 4 F 4 34 0 2 0 2A U 6ヶ月以上 本邦自己免疫性肝炎治療の ー視点 強ミノ C,ウルソの効果 ー 1 5 T able 2 本邦の基準と 4症例 自己免疫性肝炎診断基準 ( 厚生省 I 鍛冶性の肝炎 j調査研究班 1992) 概念 女性に好発 G,早期に肝硬変 への進展傾向を示す慢性活動性肝 であり ! そ の原因とし ては 自己免疫性機序が関与し。 ウイルスア ルコール,薬剤な どは除外 される コJ レチコ ステロ イ ドが 著効 を奏する I 主要所見 1 持続性ま たは反応性の血清ト ランスアミナ ゼ活性 の上昇 2 血清 Yーゲロプ リンf 直 2. 59/ d Q以上または IgG値 が2, 500mg/ dQ以上 3 自己抗体の陽性 :a )または b) a ) LE細胞現象陽性 b ) 抗核抗体陽性または LEt est陽性 4 I gM anti-HA陰性 , HBs抗原陰性かつ an t i-HBc陰性または低力価 5.C型肝炎ウイルス関連マ ーカーが原則l として陰性 日 副所見 1 発熱,関節痛.発疹1,;:どの全身Iif状も認める 2 移原病を含む自己免疫性疾患の合併 3 検査所見 a )または b) a ) 血沈の克進 ( 30mm/hr以上) b)CRP陽性 凹 組織学的所見 型死所見が目立つ活動性の慢性肝炎,肝硬変である 著明な形質細胞浸閏と肝細胞i 診断 1) 1のすべての項目および田を満足する場合確診とする 2)1のすべ ての項目を満足する場合は自 己免疫性肝炎が疑われ Iのすべての項目を満足し さらに Eのう ち 1項目を 認め場合は自己免疫性肝炎が極め て疑わし い 註 1) 自己免疫性肝炎のうち LE細胞現象陽性の場合ルポイ ド肝炎と よぷこともある 註 2)抗核抗体陰性 で肝腎マイヲロ ゾーム 1抗体陽性の自己免疫性肝炎が報告されている 註 3)C 型肝炎ウイルスマーカー陽性の症例も除外するもの ではない 註 4) SLEの疑われる場合は,皿を満たすこと,尿蛋白が陰性 である ことを確認する 註 5)時に急性肝炎の像を示す例がある T a ble 3 国際基準 と 4症例 ( I n t e r n a ti onalAI H group1993) Scor i n gsystemf o rdi agnosi s0 1autoi mmune hepati t is :minimumrequiredparameters Paramel er s 1Gen der Fema l e ト ' . Ia l e 2Se r umb i o ch emi s l r y Ra l I O0 1el ev a i t on0 1s er umal ka i l n eph o sph at as e V S .3 円 、 i not r an s l e r a s e > 3 . 0 く3 . 0 3T Ol a ls er u mgl ob u l i n,yg lo bu i l norI gG Ti me su p pern o r ma ll i m i t >2 . 0 15 . 2 . 0 01 .5 , 。 Case N Scor e +2 +2 +2 +2 +2 +2 +2 +3 +3 +3 十 +3 +3 +3 +3 +3 +3 +3 +I +1 +1 +I +2 +2 +2 -2 +2 +3 +2 +1 くも A u t回 n ti bod ie s ( l i ter sb yimmun ol l u or e s c en c e o nr o d e ntl i s su e s) A d u l ts A N A .SMAo rlKMl >1 : 8 0 1 . 8 0 1 " 4 0 <14 0 Ch i l d r en ANAo rLKMl >1 ' 20 11 00 r1 : 2 0 く1 : 1 0 or $MA >1 : 20 1 : 20 <1 : 2 0 A n li m i t o ch on d r ia l an t i b od y P o s it i v e Neg a t i v e 5V i ra lma r k er s I g Ma n l IHAV,HBsAg orI gMan l i -H8c p os ii l v e HCVpos il i v eb y EUSAa ndl α RI B A A川 i Anl i H C Vp o s l i i v eb yPCR1 0 1HCVRNA P o si t i vel o sl i n d ic at i n ga cl i v ei n le ci t onw i l h a n yol he rv i r u s Ser o n eg at i v er o ra l l0 1t hea b 酎 601 h ere i t o l o g i ca ll a c o r s Hi st o r y0 1r e c on lh e p a1 ot ox i cdr u gu s eg eo r p ar en ler a lex p o s u re1 0b l o o dp r od u cl s Ye s No 7A l c oh ot( av cr a gcc o n s umpl ωn ) 5 gm/ d a y:l ema l eく 2 5gm/ da y Mal eく 3 Ma l c3 55 0gm / da y :l ema l e2 54 0gm/ da y Ma l c5 08 0gm / da y :l ema l e4 06 0gm/day 恰 >6 0gm/ d a y Mal e>8 0gm/ da y :l em3 Gen e i t cl a cl or s Ol h era u1 0immuned I s ea s e si np at i e nto r l i r s t d e g r eer el at i v e s +2 o ~ +3 +2 +1 +3 +2 +3 +2 -2 -3 -2 -3 -3 +3 -2 +1 +2 +2 -2 -1 +I ( +15)( +14)( +16)( +14) pl usHist ol ogi calScore 1 6 本邦自己免疫性肝炎治療の ー 視 点 一強ミノ C. ウル ソの効果 + 18 + 17 +19 +17 Tabl e . 1は AIH4症例の性、 年齢、ANA 、ASMA 、AMA 、 M2抗体、"(-g l o b u l i n、IgG、 c a s e No. 肝組織、治療薬、現時点での寛 1234 10 0 00 解期間をまとめたものであり、 2 x 0 00 各 症 例 を 本 邦 3) と I nt e r 3 0 0 00 n a t i o n a l AIH group の 基 4 0 0 0 0 準 6)に照らしたものが Tabl e. 50 0 0 0 日 2、Tabl e, 3である 。 AMA、 1x0 x x 2 x x x x M 2抗体は 4{ 7とも 陰性であ 3x0 x0 り、本邦の基準からみれば、症 l f I 例 2、 3、 4が確診、症例 lは 0000 ( "-g l bが2 . 5 g/d l 未満ニである ことから確診から はずれる 。国 際基準では症例 l、 2、 3、 4 全てが d e f i n i t eである 。 2)治療経過 Fig 1)は SNMCを積極的に AIH治 症例 1 ( 療に利用する 発端 となった症例である 。 1年間 に 2 回の GPT1 0 00I U 以仁の急性増悪があり、いずれ もSNMCの投与で容易に改善していることに気づ き 、 AIH の診断の後、 3度目の増悪時には、 SNMCを先行投与した。 GPTの改善 をみて、 次 r edo n i s ol one 1 5mg/ 日の少 量 を投 与、 いで p GPTは正常化し、 現在 に至る まで 1 0年あ まり の問、 7 .5~ 5mg/ 日投与で再増悪は無い。 Fi g 2) は 、 p redonisol one4 0mg/ 日 症例 2 ( 投 与 後 血 糖 の 上 昇 を 見 、 SNMC 投 与 下 で predoni s ol oneを減量、 中止。 Immuran併用 で 肝機能正常化、組織も非活動性となった。昨年、大 腸癌を認め手術したが、肝炎の再燃はなく、 Imura n単独で 6年以上寛解中である。 Fig 3) は、糖尿病があり 、前医でステ 症例 3 ( ロイド療法を奨められたが、拒否 し当科を受診 した。 すでに投与されていた SNMCにより"(-GTP, GPTは下降に向かっていたが胆道系酵素優位の肝 炎である ことか ら UDCA投 与 を試み た。 7 GTP, GPTは更に改善 し正常化。上昇中であった ANAも低下、現在 1年 6ヶ月寛解中で、 ANAは 8 0 倍に低下している 。組織もほぼ正常に改善 した。 Fig 4) 、症例 3の UDCAの効果から 症例 4 ( UDCA治療を試みた症例である 。本例も速やかな GPT、 ( "-GTPなどの改善を認め たが、その後、 I J 1 K o m a t u shi m a R ed Cross Hospital Medical Journal F15 G { 1 o -l Hunu ド 想定さ れる 。 このような 本邦の AIHの特徴を -・圃. 考えると、これまでのような副作用の多い ステ ロイドを主体と した治療法は一考す る余地があ 100c c SNMC40c c i I i d 1 1 1川 prednisol one 15m g lday ( 1) L.B. CA H 12.5 川 1 1 1 1 1 1 1 7. 5 AIHに、ステロイドホルモ ンや Immuran等 の免疫抑制剤以外の 、副作用の少ない薬剤の効 果を報告 してきた 71J )症例 1はステロイドの初 ( 2) L .B. CI H v ると 思われる 。 著者等 は、これまで、前 記 の特徴を 持 つ v 期投与量を少く 抑えるため、 SNMCの大量を ' 84 三三正主 ' 86 6 12 Admi ssion 1 5 1 ' 8 -7 .6 12 12 。 88 --6 、 p re donis o l o ne投与 によ り 用い 、 症例 2は ' 89 1 耐 糖 能 異 常 が 出 現 した際、 SNMC と 41h F i g . 1 症例 1 経過図 S川MC40c c /day GPT ( I .U. ) O c c/ d a v_ C C c ・ ・ ・ ・ 圃 . 1 7 7 1 圃 園 田 ・ ・ ・ predni sol one 40咽 !day r 1000 ・-1 1 1 1 1 1 1 muran 山 昭 fo a y FBS(mg/d1) bl l i rubl n (噌I d l i ) 15 。 。 10~ 500 150 100 300 50 1 . 00 ; , 0 . 2nd Fi g.2 症例 2 経 過図 Immuran によ り 寛 解 導 入 を 達 成 し た。 SNM Cは注射薬であり 長期に維持 しがたい欠 点があり 、長期投与による 組織学的な効果は報 告もなく不明であるが、 3ヶ月程度の短期では 組織の改善 はみられ ない。 SNM C長期投与が 可能な症例があ れば試みたいところである 。症 例 3は肝機能検査で、 r-GTPのみ異常を認 めていた。その後急性増悪時に GPTも上昇を みと めた。胆道系酵素優位の非典型的な AIH であるが、本邦の基準 も 、 国際的基準 も満足 し てい る。UDCA投与 により、 予想外に急速な 肝炎の沈静化をみた。その後 UDCA 単独で組 織学 的にも 完 全 に寛解している 。 本例は、 UDCAが効果のある PBCやステロイドホ ル holangi t i s モ ンで著効を 示す autoimmunec GPT2 00以上の再上 昇 が あり SNMC を併用 し 、 GPTの改善傾向を認め、UDCAを900mg/ 日に増 なども考え に入れ 、 経過観察する必要がある。糖尿病 量 し SNM C中止後 も正常化が持続 し 、再増悪は ない。 、 症例 3の UDCAの効果をみ とってい る。症例 4は I gG は3 400mg/d lか ら1800mg/d lに 、 ASM Aは 6 40 倍から 8 0 倍 まで低下 してい る。 しか し 、 組織学的 には、悪化は ないもの の、改善は著明でない。更に経 過観察を行い、組織の経過によ っては、ステロイド少 て UDCA 治療を試み た。肝機能検査 は投与直後から 察 本邦の AIHは中高年女性 に多く 2)、 HLA もDR 4s ens i t i veとほぼ均一な病態であること が報告 され )また、 DR3s e n s i t i v eの欧米型若年女性 てい る叫 、J より も経過 はおだやかで、 活動性の程度も軽い例が大 多数である。また、中高年に多いことか ら成人病を顕 在的に 、 あるいは潜在的 にもつ可能性が大 きいこと が VOL. 2 NO . 1 M ARCH 1 9 9 7 急速 に改善 したが、その後再増悪 し 、 SNMCの併用 で再 コン ト ロ ールできた。本例は組織学的改善が著明 でなく 、更に長期の治療 により効果判定すべき例であ る。 量の併用 も考慮する必要がある 。 考 は現在、糖分解酵素阻害剤投与のみで良好な 経過を 1 4{ 9 J は慢性肝炎型の組織で、いずれも CA H2Aで あり、新犬山分類 9)で表せば Al-2, Flとなり、 Ac t iv i 旬 、 S tagi ngともに 軽い症例である 。 このよう な軽症の AIHの長期 の 自然経過は不明であるが、 高 年齢の症例が多 いことか ら、肝硬変 に至 ることな く天 寿を全 うする ことも考え られ、それゆえに、ステロイ ド剤の副作用 は完全に避け られる べ きである。本邦の AIHにして も、様々 の病態や重症度のものがあり、 SNMC、UDCAが効果的 な症例ばかり とは限 らない 本邦 自己免疫性肝炎治療 のー視点 一強ミノ C, ウルソの 効果一 1 7 文 献 800 GPT (I U/L ) γ GTP ( IU/L) 1)自己免疫性肝炎診断基準(厚生省難治性の ANA 肝炎研究班案) 1 9 8 9 x5120 500 2)太田康幸、恩地森一、道尭浩二郎 :自己免 疫性肝炎全国集計.厚生省自己免疫肝炎研 究班 300 x2560 (総括):1 0-1 2, 1 9 8 9 200 3)自己免疫性肝炎診断基準(厚生省難治性の 9 9 2 肝炎研究班案) 1 4) S e k iT,KiyosawaK,InokoH, OtaM : A s s o c i a t i o no f Autoimune H e p a t i t i s x1280 x640 ' 94. 5 10 11 12 95, 1 白 t;,回 当科初除入院 Fi g . 3 症例 3 経過図 wi t h HLA-Bw54 and DR4 i n Japanese P a t i e n t s Hepatology 1 2 : 1000 LJDCA 600聞 Id . G P了 γ GTP SNMC印 叫 d.. 900咽 Id •• , L .B( 2 ) ( 3. 3. 3. 1) 500 ' 96 " ESF 引叫 I gG 82 3420 70 3000 97 2440 1820 ASMA x64Q x640 x320 x320 x80 x40 x40 x80 x40 x40 ANA 60 平成元年度自己免疫性肝炎分科会 9 9 0 1 3 0 0-1 3 0 4,1 5) S e k iT, OtaM, Furut aS, Fukushima H, Kondo T, Hino K, Mizuki N, AndoA,T s u j iK,InokoH, Kiyosawa K: HLA Cl a s s I Mol ecul e s and Autoimmune H e p a t i t i s Sus c e p t i b i l i t y i n Japanese P a t i e n t s Gas,1 9 9 2 t r o e n t e r ol ogy1 0 3 :1 0 4 1-1 047 l r l a n eIG: Meeting 6)JohnsonPJ,McF! Report:I nt e r n a t i o n al Autoimmune H e p a t i t i sGroup. Hepatol ogy1 8 :9 9 8 F ig.4 症例 4 経過図 9 9 3 -1 0 0 5,1 が 、 AIH即ステ ロイド療法という 考え ではなく、病 7)長田淳一、山村篤司郎 、 宮 恵子、佐藤幸一、猪 態に合わせて、まず、副作用の少ない薬剤の投与を考 本享司、藤井義幸 :自己免疫性肝炎の 2例、強ミ えるべきである 。 また軽症の AIHでは、 PBCや ノCの効果. 1 9 9 3 Autoimmunechol a n g i t i sなどの他の自己免疫性肝 疾患の初期病変との鑑別も難しく、常に他疾患の可能 性を考え、組織も含めた経過観察が必要である 。 1 8 本邦自己免疫性肝炎治療のー視点 一強ミノ C,ウルソの効果 一 新薬と臨床 4 2 : 2 3 8 5-2 3 9 0, 8)長 田淳一、 木 村 聡 、 佐藤幸一、宮 恵子、猪木 享司、藤井義幸 :UDCA投与 により、臨床的組 織学的 に改善 をみた AIHの 1{ f l . J 新薬と│臨床 4 5 : 1 0 5 5-1 0 6 0, 1 9 9 6 9) Omata M: New Inuyama C l a s s i f i c a t i o n . " L i v e r " Discussionon 1 9 9 5 . OmataM,Ed New Cl a s s i f i c a t i o no f Chronic H e p a t i t i s . il lL i v i n g ' s t o n e,Tokyo,1 9 9 6 p p 7 5-7 9,Church I くomatushimaRed C ross Hospi t alMedicalJournal Autoi mmune Hepatitis JunichiNAGATA, KeikoMIYA, KooichiSATOO, TokujirooYAMAMURA, S a t o s iKIMURA , MakotoHARADA D i v i s i o no fI n t e r n a lMedicine,KomatsushimaRedCrossHospital I thas been l earnedr e c e n t l yt h a t mosto fp a t i e n t s wi t h autoimmune hepat i t i s ( A I H ) i n Japan,notl i ke t h o s巴 i no t h e rWesternc o u n t r i e s,areDR4-sensitiveandmiddle-agedorel derlywomen. Wehadreported p r e v i o u s l y AI H cases improved by strong minophagen C (SNMC) and ursodeoxych o l i c aci d (UDCA)admini st r a t i on . I nt h ep r e s e n tstudy,t h eprocesso ftreatm巴n tandt h ee f f e c t i v e n e s so fSNMCand UDCAf o rJapane a s eAIHweref u r t h e ranalyzedi nf o u rc a s e sincluding2SNMCcases(onemaleandone 2 y e a r o l d female was t r e a t e d female) and 2UDCA cases (one male and one f e m a l e ) . I n Case 1,a 5 f i r s t l ywi t hSNMConherf i r s tandseconda c u t eexacerbations t a g e s . H e p a t i t i swasrapidlyimproved.On n i t i a l l y administrated and t h e n administrated with predonisolone i na t h i r d exacerbation,SNMC was i smal l dosage f o r maintaining long-time r e m i s s i o n . I n Case 2,a 5 9 y e a r ol d male showed abnormal g l u c o s et o l e r anc e when administrated with p r e d o n i s o l o n e . Predonisolone was discontinued and SNMC e p a t i t i s was improved and he has long time was used and t h e n Imuran was combined. R e s u l t t y,h remlssi on with Imuran a l o n e . I n Case 3,a 6 3 y e a r o l d female developed AI H during t h e treatment o f d i a b e t e s . Administration with UDCA al one was s u c c e s s f u l as e videnced h i s t o l o g i c a l l y . I n Case 4,a f f e c t s 6 0 y e a r o l d male a l s o obtained d i s e a se remission by UDCA a l o n e . For AIH i n Japan,which a t h e therapy using SNMC and UDCA as fundamental predominantly midaged and e l d e r l y population, t h e r a p e u t i cagentsi sane f f e c t i v eone,p a r t i c u l a r l yi nc o n s i d e r a t i o no fs i d ee f f e c t so fs t巴r oi dhormone s. Keywords:AIH,HLA-DR4,SNMC,UDCA 9 9 7 KomatushimaRedCrossHospitalMedicalJournal 2:1 5-1 9, 1 VOL.2 NO. 1 MARCH 1 9 9 7 本邦 自己免疫性肝炎治療のー視点 強ミノ C,ウルソの効果 一 1 9
© Copyright 2024 ExpyDoc