コンクリート工学II演習問題(2)

2015/05/7 出題
コンクリート工学Ⅱ演習問題(2)
耐久性に関する演習
耐久性に関する演習
以下に示す鉄筋コンクリートについて、50、100 年後の塩害に対する鉄筋腐食について検討
せよ。鉄筋に腐食が生じる場合、かぶりをいくらにすればよいか。
塩化物イオ
ン(cl-)
C0(コンクリート表面における想定塩化物イオン濃度(kg/m3))=10.0(kg/m3)
cd(環境作用に対する照査に用いるかぶり(㎜))=30(㎜)
Dd(塩化物イオンに対する設計拡散係数(cm2/年)、ひび割れは無いものとする)=
Dd =γc ⋅ Dk
ここに,γc=1.3
Dk(コンクリートの塩化物イオンに対する拡散係数の特性値(cm2/年))
=1.33(cm2/年)
erf (x) は,誤差関数であり, erf (x) =
2 s −η2
e dη
π1/ 2 ∫0
誤差関数
で表される.
示方書より
Clim = 1.2 kg/㎥
C d = γ cl ⋅ C 0 (1 − erf (
γcl
=
0.1 ⋅ c d
2 Dd ⋅ t
))
1.3
C0 = 10.0 kg/㎥
Dd
=
γc ・Dk = 1.3 × 1.33 = 1.729
C d = 1.3 × 10.0(1 − erf (
= 13(1 − erf (
0.1 × 30
2 1.729 × t
))
3
))
2 1.729 × t
t = 50 年の時
erf (0.16) = 0.18
∴Cd = 10.7
t = 100 年の時
erf(0.114) = 0.128
Cd = 11.3
Cd > Clim
Cd >
Clim
→鉄筋は腐食する。
→鉄筋は腐食する
故に、かぶりを大きくする必要がある。
t = 50 年, Cd = Clim (=1.2 kg/㎥)の時のかぶりを求める
1.2 = 13(1-erf(x))
erf(x) = 0.91
x = 1.2
0.1 × Cd
(
)) = 1.2
Cd = 223mm
2 1.729 × 50
t = 100 年
Cd = 316mm
注)
上記のかぶりをとることは実際上難しいと思われる(何故なら、断面が大きくなる
とともに自重が増える)。この場合、エポキシ樹脂塗装鉄筋等を用いる必要がある。