稲葉俊郎「未来医療と身心変容技法」 (pdf 3.8MB)

2015/5/14京都大学 こころの未来研究センター
第36回身心変容技法研究会
太陽の塔
Taro Okamoto
東大病院 循環器内科 助教
稲葉俊郎
1
目次
• 自己紹介
• 身(からだ)と心(こころ)の考察
発生学、脳(あたま、意識状態)との関連
• 身(からだ)のエネルギー(波動)的側面
• 伝統医療
• 伝統医学と西洋医療の違い
• 呼吸と食
• 未来の医療と社会
• 基盤研究(A)「身心変容技法と霊的暴力ー宗教
経験における負の感情の浄化のワザに関する
総合的研究」
2
1
2
3
4
自己紹介
Rice work:循環器内科(心臓)
・心臓のカテーテル治療
・重症心不全(心移植、人工心臓)
・先天性心疾患
Like work:在宅医療
Life work: 山岳医療
Light work:未来医療研究会
こころ、からだ、たましい、しぜん
(個人的に勉強したもの)中医学(中薬療法、鍼灸、指圧、気功)、
アーユルヴェーダ(インド)、東洋医学(漢方)、心理療法(カウン
セリング)、夢分析、アロマセラピー、ハーブ、カイロプラクティッ
ク、リフレクソロ ジー、キネシオロジー、呼吸法、食養法、整体、
霊気(レイキ)、ハンドヒーリング、オステオパシー、瞑想、ホメオ
パシー、催眠療法(ヒプ ノセラピー )、NLP、TFT、タッピング、ゲ
シュタルト療法、交流分析、シータヒーリング、ダウジング、アン
トロポゾフィー医学、音叉治療、フラワーエッセンス、Matrix
Energetics、META Medicine、クォンタム・ヒーリング、ファミリー
コンステレーション、オーラソーマ、みくさのみたから(三種之身
宝)、仙骨治療、Coma Work、密息(呼吸法)・・・・
3
循環器内科(心臓)Rice work
●心臓を内科的に治療する専門科のこと
●冠動脈(心臓の血管 2.5-3mm)のカテーテ
ル治療(使うワイヤーは直径0.36mmと極小)
●先天的な心臓の病気(発生異常)を抱えた
患者さんが成人になった後のフォローや治療
など
●心臓移植後、人工心臓の患者さんフォロー
などなど・・・・
Nature. 2009 Sep 3;461(7260):95-8.
いのちの歴史と
人体の発生
心臓の変遷
魚類(海)から哺乳類(陸)へ
■脊椎動物の進化と
ヒト受精卵からの発生
は相似
■ 1心房1心室(魚類
型)から2心房2心室
(ほ乳類型)へ
魚類
両生類
爬虫類
鳥類
哺乳類
心臓
1心房
1心室
2心房
1心室
2心房
1心室
2心房
2心室
2心房
2心室
呼吸
鰓
鰓+肺 鰓+肺 肺
肺
海(鰓呼吸)から陸(肺呼吸)へ
ヒトの心臓の発生
ヒトの心臓の発生も同じ過程をたどる
「カラー図解 人体の正常構造と機能」日本医事新報
心房中隔欠損症(発生異常) のカテーテル閉鎖術
左心房
右心房
東大病院 心臓カテーテル室
在宅医療
●自宅へ往診 看取り
●全ての診療科を診る
●代替医療が活躍する
余地あり。
●関わる全ての人が流
動的にリーダーになる。
役割は固定化しない。
(中空構造型)
Like work
家族
看護師
薬剤師
ケア
マネージャー
理学療法士
患者さん
栄養士
介護職員
ヘルパー
医師
在宅医療 祐ホームクリニック にて
ご近所さん
歯科
医師
山岳医療 Life work
東京大学涸沢診療所(標高2400m)
夏季限定の山岳診療所
長野県の上高地より徒歩6-7時間
未来医療研究会の趣旨
・特定の考えの押し付けをせず、「みんな違って全部いい」という自由な立場
・優劣や序列意識から自由になる。お互いが学び合い、教え合い、助け合う。
第1回
■出版社
■呼吸法
ちぎり絵作家
■ダンスセラ
ピー
■アートセラ
ピー
■コーマワーク
■ファミリー
コンステレー
ション
■エネルギー
ヒーリング
(レイキ、神秘
龍)
■フラワーエッ
センス
第2回
第3回
第4回
第5回
音と人体
■ヨガ(インド医
学)
■植物療法士
■カイロプラク
ティック
■直伝靈氣
■ヒプノセラピー
■助産師
■占い(インド密
教宿曜経)
■スパイラルセ
ラピー
■ダウジング
■スポーツト
レーナー
■クラニオセイクラ
ル・セラピー
■中医学
■柔道整復師
■修道女ヒルデガ
ルド医学
■演劇
■クリスタルボウル
■神楽笛
■蓄音機演奏家
■倍音ヒーリング
■音楽音響医学
■ピアニスト
■サウンドヒーリン
グ協会
■音叉開発者
■アロマ音叉治療
■周波数音楽
■創作弦楽器 真
琴 制作
■民族音楽奏者
■ボイスシンフォ
ニー
■マナーズサウンド
セラピー
■ヒーリングミュー
ジック
9
孔子『論語・子路』
「君子は和すれども同ぜず。小人は同ずれども和せず」
●和:共鳴・協調・共振、 「こころ」の共鳴、ハーモニー・シンフォニー・ポリ
フォニー
●同:主体性の喪失、盲目的な同調、「あたま」の支配、一つの単音に染
める
未来医療と身心変容技法
脳(あたま)、身(からだ)、心(こころ)、自然(しぜん、じねん)
10
身心変容
(意識の階層構造)
あたま
「偽の心」
• 身(からだ)=心(こころ):自然
と直結している.
• 脳(あたま):自然と分離可能。
動物性臓器であり、反自然的
な性質を持つ。脳の中に「偽の
心(こころ)」が生まれるため、
「心(こころ)」と混同される.
• 脳(あたま)の状態(=意識)次
第で、心=身の状態を調整で
きる.
• 脳(あたま)(意識状態)と、心
(こころ)=身(からだ)(=自
然)との関係が本質にある.
動物性
臓器
ふた
植物性
臓器
こころ(心)
からだ(身)
(心身一如)
動物
植物
自然(森羅万象)
(身土不二)
泉谷 閑示「「普通がいい」という病」(講談社現代新書)より改変
11
Science, 2003, 300:1692-1697
植物界
動物界
ヒト
Tree of Life
(~3,000 species,
based on rRNA
sequences)
リボソーム
RNAの遺伝子分析
で分類した系統樹
原生生物
細菌
菌界
古細菌
12
受精卵は動物極と植物極へ分離
ラングマン人体発生学 第10版
動物極
植物極
①<受容系>(感覚系)外界の刺激に応じる
②<伝達系>(神経系)刺激を導く
③<実施系>(運動系)最後に表現する
動物性臓器
感覚→運動(植物性臓器の補助)
動物極→動物性臓器(外胚葉)
植物極→植物性臓器(内胚葉)
植物性臓器
栄養+生殖(食+性)
(いのちの根源を担当)
①<吸収系>(消化-呼吸系) 取り入れる
②<循環系>(血液‐脈管系) 配る
③<排出系>(泌尿‐生殖系) 排出する
1個の単細胞から、60000000000000 (60兆)個の多細胞生物へ変化する。
植物性器官(腸管)の歴史
両生類
ハ虫類
ホ乳類
無顎類
魚類
■一本の管(腸管=植物性臓器)を螺旋にねじると、からだができる。
■ヒトの発生でも、無顎類→ほ乳類と相同のプロセスをとる。(複雑化の歴史)14
三木 成夫「生命形態学序説―根原形象とメタモルフォーゼ」
ひとのからだの特徴
■人体は二重の「くだ」構造が螺旋にねじれたもの
■ひとのからだは、動物性臓器が外側に、植物性臓器
(内臓など)が内側にある二重の円筒構造
■自然・宇宙と共振する植物性臓器はミクロコスモスと
して人体の中に閉じ込められ、反自然の性質を持つ動
物性臓器が表面に出る。
<ひとのからだの特徴>
①自然と調和的な植物性臓器と、反自然的な動物性臓
器のあわいの存在
②60兆個の多細胞が調和している
15
三木 成夫「生命形態学序説―根原形象とメタモルフォーゼ」
言語
特徴
あたま(頭)(偽の心を伴う)
Should、Must、~すべき
理性、効率化、情報処理、記憶、
計算、比較、分析、計画、論理
法則
仕事
感情
生物
自ら
因果論、二元論
未来のシュミレーション、過去の後悔
偽装された感情、浅い感情、欲望
動物:感覚→神経→運動
みずから(自ら)
言語
特徴
法則
仕事
感情
生物
自ら
こころ(心)=からだ(体)(=自然)
Want to、~したい 好き、快・不快
瞬間的で高度。「あたま」に理解不能。
目的論、共時性(Synchronicity)
今、ここ
オリジナルで深い感情、愛、欲求
植物:吸収(消化・呼吸)→循環(血液・脈
管)→排出(生殖・泌尿)
おのずから(自ら)
あたま
「偽の
こころ」
動物性
臓器
こころ(心)
植物性
臓器
からだ(身)
動物
(心身一如)
植物
自然(森羅万象)
(身土不二)
16
・あたまの自
閉空間(幻影
マーヤ)
・「偽のこころ」
に投影された
スクリーン
あたま
こころ
からだ
「こころ」影
身体化症状
象徴言語
イメージ言語
メタファー、暗号
自然(森羅万象)
自然とすべてが全共鳴している(調和)
「こころ」「からだ」の声が伝わらない
17
②他者への投影
他者
自分
投影画像
あたま
偽の
こころ
偽のこころ
投影
影
こころ
・「あたま」の自閉空間(情報空間)
・「偽のこころ」の中で「投影画像」
の繰り返し再生
■自分の内側の影は、
①からだ(こころ)の身体言語に
変換される
②他者(人間関係)に投影される
ことで認識される。
からだ
①こころ(から
だ)の声
→症状?病?
しぜん
18
心身変容の本質
• 心(こころ)=身(からだ)
は自然と直結しているが、
それを理性で理解するの
は脳(あたま)
• 脳(あたま)の状態(=意
識)には様々なモードがあ
り、意識の状態で、心=
身の状態を調整できる.
• 善用すれば医療になるが、
悪用すると「霊的暴力」に
なり得る.
ふた
あたま
「偽の心」
動物性
臓器
植物性
臓器
こころ(心)
からだ(身)
(心身一如)
動物
植物
自然(森羅万象)
(身土不二)
19
あたまの層構造
自我は外界に適応する
(「受け入れがたきもの」
を「受け入れる」)
自我(Ego)と自己(Self)
【自我(Ego)】
●「わたし」という人間がひとつのまとまりをもって
動いている中心。
●特徴①主体性、②同一性、③自と他の区別、④
統合性、・・・ 「ある程度」という曖昧さがある。
【自己(Self)】
自我(ego)
外界
意識
●自我は自分の可能性を実現し高い次元での統
合性、全体性へと発展したいという欲求があり、そ
ういう意識と無意識の全体性を自己Selfと呼ぶ。
●自己は意識を超えた働きの中心。
自己(self)
無意識
河合隼雄「無意識の構造」(中公新書)
意識の階層構造と現実(Reality)
ego
表層意識
(五感で感知(見える、聞こえる・・))
現実(Reality)
からだ
深層意識
「無」意識
self
意識のゼロポイント
井筒俊彦「意識と本質」より
五感で感知困難(見えない、聞こえない・・)
■意識は階層構造になっており、それに応じて見える現実(Reality)
が異なる。層(layer)の違いで対話は成立しない。
■医療でも、どの意識(現実)の層の周波数と共鳴しているかで、作
用する人体の部位(物質体、エネルギー体・・・)や質が異なる。ただ、
そこに優劣はない。
■本質は、互いを尊重し、重なり合う領域を増やす努力。
21
からだの波動的側面
Richard Gerber, Vibrational Medicine
Karen L. French, The Hidden Geometry of Life
22
クラドニ図形 Chladni figure
■エルンスト・クラドニ(Ernst Chladni 、1756-1827年):ドイツの物理学者、天文学者
■音の波長が短くなる(音が高くなる)ほど、幾何学模様の構造も細かくなる。
12301Hz
5272Hz
4341Hz
1600Hz
1079Hz
アレクサンダー・ラウターヴァッサー「ウォーター・サウンド・イメージ」
23
サイマティクス(Cymatics)
赤色:平均律、青色:倍音の次数、
渦巻き:1オクターブ
■特定の周波数の音が界面に作り出す形状やパターン(固有振動)の研究
■人体の水(媒体)が鍵?
■倍音(harmonic overtone )が鍵?
24
芸術療法
その他
手技療法
絵画、演劇、音楽、ダンス キネシオロジー、ボディートーク、 マッサージ、整体、カイロ、
ダウジング、アントロポゾフィー
オステオパシー、鍼灸、指
医学、ヒルデガルド、META
圧、柔道整復、 リフレクソロ
Medicine、ファミリーコンステ
自然療法
ジー、官足法、武道医学、
レーション、オーラソーマ、カ
腱引き、チネイザン、ロル
ラーセラピー
ハーブ、漢方、食養
フィング、エサレンボディ
ワーク、
心
エネルギー療法
身
気功、靈氣(レイキ)、手当
て、ハンドヒーリング、
音波、声、フラワーエッセン
ス、ホメオパシー、クラニオ
セイクラル、音叉治療、アロ
マ音叉ヴァイブレーショナ
ルレインドロップ、ニューロ
オリキュラ、リコネクション、
霊
魂
伝統医療
中医学、アーユルヴェーダ(イン
ド)、ユナニ医学(ギリシア医学、
イスラム)、チベット医学
身心変容
呼吸法、瞑想、マインドフ
ルネス、ヨガ、催眠(ヒプノ)、
音楽、心理療法(カウンセリ
ング)、夢分析、NLP、TFT、
タッピング、肥田式天真療
法、岡田式静座法、霊術・
25
ピタゴラス(Pythagoras)
『時間は、この世界の魂である』
伝統医療
SIOUX MEDICINE MAN
26
Photo by Edward S. Curtis
BC18C
BC26C
宰相、神官、
建築家、医
者・・・
医神イムホテプ
エジプト文明
ハンムラビ法典
メソポタミア文明
BC15C
アスクレピオス(ギリシア)
BC5C
夢による治療
アーユルヴェーダ
インダス文明
アスクレピオスの杖
27
古代ギリシア @エピダウロス
アスクレピオス(ギリシア)
自然、温泉、スポーツ、演劇、音楽、芸術、催眠(ヒプノ)、
アスクレピオスの神(神聖な存在)・・・・・
28
東洋医学
西洋医学
(1870年~)
自然科学
29
肝、胆
アリストテレス
陰陽五行説
腎、膀胱
プシケー(psyche)
「心」
心、小腸
西洋 東洋
肺、大腸
■アリストテレス(BC.4C)は生物をピラミッド
構造でとらえた。
■19世紀、細胞学の発達で生物を<器官
→組織→細胞>と細かく分解。生物は粒子
の集団体と考えた。(→分子生物学、要素
還元主義)
脾、胃
■陰:植物性、五臓(臓器)、腹
■陽:動物性、五腑(ふくろ)、背
30
伝統医学、補完代替医療
病理学
治療
特徴
西洋医学(1870年~)
生気論(vitalism)
体液病理学説
・漢方鍼灸医学(精・気・神)
・アーユルヴェーダ(ヴァータ、ピッタ、カパ)
・ヒポクラテス(血液、粘液、黄胆汁、黒胆汁)
自然療能(自然治癒)説
自己治癒.自然に「治る」
根本治療と対症治療の合一
食養
天地人合一
心 身 魂 ( 霊 ) 合 一 ( body, mind, soul.
spirit, )
健康を定義
病や症状は自分(仲間)
からだは調和の場
見えるものと見えないもの
この世とあの世
物質と波動
主観、直観重視(瞑想→心眼)
機械論(Mechanism)
細胞病理学説
ウィルヒョウ
病原体説(コッホ、細菌学)
他者が「治す」
有機合成医薬品(1870年代~)
人のみ 自然と対立
心と身(body, mind) 心身二元論(デカル
ト)
病を定義
病や症状は敵
からだは闘いの場
見えるもの
この世
物質
客観 理論重視
①:1858年、ウィルヒョウによる「細胞病理学説」の確立
②:1899年、バイエル社「アスピリン(アセチルサリチル酸)」発売(世界初の人工合成医薬品)
③:1900年、コッホによる「細菌学」技術の確立
この3つの組み合わせで機械論としての西洋医学は大きく発展した。
31
石原克己「伝統医学のこれから―人・心と生活の在り方〈第1巻〉」を改変
治すと治る
医学モデル
教育モデル
成熟モデル
自然モデル
治す 西洋医学:病因発見→除去
病因発見→助言・指導
生き方の新しい方向性を自己発見
治る
■自然(じねん)『おのずから(自ら)しかり(然り).本来的にそうであること、人為が加
えられていないあるがままの在り方.』
→治療者が「道」の状態にあることで、非因果的に「道」の状態が自然に生まれること
を期待.
■ (例)ヴィルヘルム「黄金の華の秘密」 中国の雨乞い師(rain maker)の話
■ (例2)古代ギリシャ・アスクレピオス神殿でのインキュベーション(「聖所」での眠り).
治療者がおらず、神殿で夢見ること自体が癒し.
→治す主体は神(cf.長谷の観音信仰、親鸞の夢告)
→後に、儀式を行う司祭、夢の解釈をする神官など、神と患者の間に人間が介在する
→シャーマニズムでも、人間が「治す」と考え始めると、宗教性は薄れて魔術になる。
■未来の医療では、それぞれ使い分ける必要がある.
32
河合隼雄「心理療法序説」
健康のいろいろな定義
古代の健康観は,自然・神・人間との関係においてとらえられていた。
●『広辞苑』「健康とは、身体に悪いところがなく、すこやかなこと。」
●二木謙三『健康への道』
「太陽、月の運行はいつも時間通り正確である。ちょうどそのようにいつも変
わらず元気で働くことができるのが健康である。」
●マズロー(1951):「11項目が満たされている時.①安心感,②適切な自
己評価,③自発性と感情性,④現実への対処能力,⑤生理的欲求とその
充足,⑥十分な自己認知,⑦個性の融和と一貫性,⑧人生目標の保持,
⑨経験から学び取る能力,⑩帰属集団からの受容,⑪帰属集団や文化と
の適当な距離」
(→後にマズローの欲求5段階説として発展する))
●アンドリュー・ワイル『癒す心、治す力』
「健康とは体と心が完全な状態のこと。完全な状態とは、完全にバランスが
とれた状態で、すべてのシステムが円滑にはたらき、エネルギーが 無理な
く循環しているということで、これを健康という。」
●マハリシ・マヘーシュ・ヨーギ
「健康は、生命にとって最も大切な問題です。全てのことが健康に依存して
います。健康を考えるには、個人の健康と宇宙の健康を考える必要があり
ます。」
江藤裕之. Nagano College of Nurshing Vol4: 95-99, 2002
Health(健康)
holism(全体論)
Holistic(全体論的な)
Whole(完全な)
Heal(癒す)
Hale(壮健な)
古英語 hal(完全な)
Hali(万歳)
Holy(神聖な)
Holiday(神聖な日)
Halbut(Holidayに食べた魚)
halidom(神聖な場所)
wassail(乾杯)
Holbw(神聖にする)
Hollowmas(成人の祝日)
Halloween( Hollowmas 前夜)
ハガル(Hagal)(古代ゲルマン語):
最初の生命体(宇宙卵cosmic egg).
原初神(der Urwesengott)が二つに割れて「父な
る天」と「母なる大地」が生じたとされる.
呼吸(気体食)
■呼吸はあたま(顕在意識)と、こころ・からだ(潜在意識)を調節
分類
安静時呼吸
活力呼吸
(強腹圧)
=丹田呼吸
密息
胸式呼吸
方法
特徴
胸の浅い呼吸
循環悪い
腹 式 呼 吸 吸気で横隔膜が収縮 諸臓器の働きも活発になる
(逆腹式) 下降する。腹壁が前へ、
腰部が後方へ膨らむ
吸気性
吸気時に強い腹圧、呼 陰陽・気血の調和
気時に軽く腹圧をかけ 生命力増強
る
呼気性
呼気時に強い腹圧
疾病改善
体質改善
正 心 調 息 吸気性強腹圧式呼吸 正心(前向き・感謝の心・愚痴をこぼさ
法 ( 塩 谷 に小息を入れ、想念や ぬ)調息(吸息→充息→吐息→小息)
を25回。静息を10回。吸息・充息・吐
式)
大断言を行う
息時に想念を、その後大断言を行う。
腹圧呼吸の働きをさらに強め、さらに
宇宙の和を求めている。
横 隔 膜 呼 お腹を膨らませたまま 大量の息が吸える.洋服習慣では難し
吸
横隔膜のみを上下
い.
呼吸+イメージ法
呼吸法
概要
向 陽 服 気 法 両手の平を三角形にして太陽に向け、8呼吸して、日の出の太陽を
(仙道)
眉間から下腹丹田に納める。
霊 薬 観 想 法 軟酥(練乳と香料を混ぜた色香清浄な鶏卵大のもの)を頭頂に起
( 軟 酥 の 法 ) き、それが溶けて頭脳→肩から手→胸・心・肺・脾・胃腸・膀胱・脊
髄・臀部→足心まで浸潤。足心から邪気が出ていくイメージ
(白隠)
行気法
局部に気を集中する(延髄行気法、丹田行気法、スシュムナー管
行気法・・・)
松 果 体 活 性 第6(アジナ)チャクラに意識集中(5分)→松果体に集中(5分)→会
陰部(5分)
法
食養(液体・固体食)
•
•
•
•
いのちへの結び付き、感謝
自然の摂理に従う
身土不二 医食同源
からだとの対話
田の神講
鹿児島県
伊雑宮(いざわのみや)御田植祭
稲穂祭り 山口県下松市
日本の食養
(1):近代日本の食養
• 石塚左玄(1851-1909):穀食論、身土不二、一物全体食論、陰陽調和
論
• マクロビオティック 桜沢如一
→玄米食、火食、陰陽論、塩、節水、正義と判断力
• 西式健康法 西勝造、甲田光雄
→生食、青汁、運動、断食、生水(1日2-3L)
• その他:二木謙三(玄米運動)、日野厚、森下敬一
(2):日本の漢方家(儒家)の系統:『本草書』の考え方
• 貝原益軒:『養生訓』
(3)民間伝承、薬草、自然療法
• 築田多吉、東城百合子
●石塚左玄
1:天地大自然の法則に従い、その中に真理がある。(絶対的真理)
2:病を治そうとするのは誤りで、病をしない正しい人になる。
3:人間は、化学的食養で健康的で知恵と才気を備えた身体と精神の人物に進化する必要
がある
伝統医学の食養
(1)中医学
• 陰陽、五味の調和(味:栄養素と生命力を兼ね、五臓と親和性を持つ)
• 素食、痰食
• 薬膳
(2)インド アーユルヴェーダ
• ヴァータ(風)、ピッタ(火)、カパ(水)→食事や運動で調和
(3)ギリシャ ヒポクラテス
• 血液(熱、湿)、粘液(寒、湿)、黄胆汁(熱、乾)、黒胆汁(寒、乾)→→食事や運動で調
和
【その他】 不食
1:ジャスムヒーン(Jasmuheen):プラーナ栄養者(固形食を摂取しない)、不食者(ブレサリ
アン)
2:森美智代→脊髄小脳変性症を西式・甲田療法で治癒。鍼灸師。本格的な断食・生菜食
療法を実施して24年、1日青汁1杯のみの生活で13年.
3:秋山佳胤(弁護士):「食べないと生きられない、という固定観念から自由になる。」
食の問題は個々人の体質ですべて異なり、時の経過によっても変化しうる.
食養は、日常の生活方法、考え方、時には宗教的問題にまで介入する
→からだと対話すること、いのちへの感謝が本質.
共同体感覚 (social interest)
精神科医・心理学者 アドラーAlfred Adler(1870-1937、オーストリア)
<たての関係>
<よこの関係>
<より大きな共同体>
の声を聴く。
(肯定的なあきらめ)
他者信頼
自己受容
・他者は敵
・「あたま」支配。「しぜん」と分断
・欲望、支配、優劣意識、勝ち負け、評価、
賞罰
・他者の価値観(欲望)にあわせる。
・自分と他者の課題を混同。相手の課題
に土足で入る。
(無条件)
他者貢献
・他者は仲間。同じでないが対等
・「こころ」「からだ」「しぜん」の声
・相手と自分の課題は違う。評価しない。
・「役に立つ」:行為のレベル・存在のレベル
・ありがとう(感謝の言葉)、うれしい(素直
40
な喜び)、助かったよ(お礼の言葉)
未来の医療
●エネルギー (波動)医学
→物質+波動、波(音・光)と体(水)の共鳴、「場(Field)」の共鳴
● 対話(からだ、病、他者、しぜん)
→多細胞システム(免疫、内分泌、自律神経・・・)としてのからだ、
からだ(こころ、しぜん)との対話
● 未来の社会と医療
→たての関係からよこの関係へ、愛と調和、美と芸術、他者への感
謝と共鳴
41
基盤研究(A)「身心変容技法と霊的暴力ー宗教経験における
負の感情の浄化のワザに関する総合的研究」
①伝統で受け継がれた人間の知恵としての身心変容技法を広く深く理解し、
プラスの側面を医療現場に具体的に応用していくことを検討する.そのた
めに、マイナスの側面(霊的暴力、洗脳、自我肥大、走火入魔、ビジネスと
のバランス・・)に関しても多数の問題事例を集め、その共通点を認識する
ことで予防策を講じ、医療現場へ安全に導入していく.
②エネルギー・波動医学の基礎・臨床にまたがる科学的研究を総合的に
行う.(入り口として、音が人体、皮膚、水へ与える研究など)
③呼吸法や意識状態が身心へ与える研究を行う。バイオフィードバックや
脳波測定など。また、マイナスの側面の研究も行い、予防策を講じる。
④世界の医療制度を調べながら、様々な身心技法が未来の医療として調
和できる社会のモデルケースを考察し、提案する.
⑤身心変容技法を応用し、対話が不可能と思われている対象との対話術
として応用する。(昏睡患者との対話(プロセス指向心理学コマワーク)、植
物・動物との対話など) また、マイナスの側面の研究も行い、予防策を講
じる。
⑥いのちへの深い理解へ至るため、生や死にまつわる様々な未解明の事
例を集めてその本質を検討する。(臨死体験、胎内記憶、前世記憶・・・な
ど) また、マイナスの側面の研究も行い、予防策を講じる。
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