11年度活動実績 - ERP研究推進フォーラム

Ⅰ
概
要
日本経済は引続き順調に推移しており、IT投資及びERP投資は活況を呈し、
ERP研究推進フォーラムの経年調査の結果によると、ERPの企業導入率は昨
年度30.7%に対し、36.5%と大幅に向上した。
なかでも中堅企業への導入が顕著であり、50%を超える導入比率であった。
この傾向は、300億円未満の企業でも続いており、中企業へも導入機運が高ま
っている。今後さらに中堅・中小企業対象にERP導入が堅実に促進されると思
われる。(「2007ERP市場の最新動向」報告書参照)
ERP導入の大幅促進の要因の一つとして、日本版SOX法対応実施が大きく
寄与しており、上記の調査によると、上場企業の70%以上が日本版SOX法の
取り組みに着手している。
一方、取り組みに際しての課題も多く、当会活動として、日本版SOX法およ
び内部統制とERPの関連について、研究テーマおよびセミナーとして重点的に
取り上げた。
当フォーラムの通常活動のほかに、昨年に引続き「経営革新サミット2007」
としてシンポジウムを開催した。今年度は「成長企業のイノベーションを支える
ITの本質」をテーマとして開催し、480名を超える来場者を迎え、ユーザー
企業からの参加比率も大幅に増え42%に達し、盛況裡に終了することが出来た。
第11年度の基本方針としては下記の2点を重点に掲げていた。
1.活動の基本は10年間の調査研究活動の成果を下敷きにして、ユーザー企
業のIT活用の近未来像をしっかり見据えた上で、
「企業経営活動を支援す
るITの役割」にその基盤を置いた一歩先を行く研究・調査することを目
的とする。即ちこの目的に沿った研究・調査活動を実施する機関に徹する。
(ERPパッケージにのみ重点を置いた調査機関ではない)
2.活動の内容は1.の趣旨に沿った内容で、多くの会員企業に共通した研究
テーマ、調査テーマ及びセミナー・研修に重点を置く。同時に最も重視す
る視点はユーザー企業と会員との共同研究色を一層強化したい。
以上に対し、2007年のシンポジウムにおいて、ユーザーの参加比率を大
幅に高めたことをはじめ、ユーザー懇話会等において、ユーザーとの交流を
深めることができ、所期の目的は達成したと考えている。
ERP研究推進フォーラムの今年度の具体的な活動は、3委員会、活動4グル
ープで実施した。その概要は以下のとおりである。
-1-
1.情報委員会/情報サービスグループ
(1) 製品・ベンダー紹介ページの見直しなどホームページコンテンツの充実
を図り、35社61製品の紹介を行い、ERP研究推進フォーラム会員
企業、一般ユーザーなどから広くアクセスされ活用された。
(2) ERPを含む企業アプリケーションに関するアンケートによるユーザー
調査を行い、ERP業界の動向、特に中堅中小企業へのERPの導入実
態を詳細に調査した。調査結果は「2007ERP市場の最新動向」と
して発刊し、会員企業に配布し、ERP市場分析ビジネス戦略立案に供
した。
(3) アンケート調査結果から「日本版SOX法」対応に的を絞った報告書を
発刊した。タイトル名は、「2007年調査 日本版SOX法対応状況報
告書」
“速報版”とした。会員企業以外のコンサルティング企業等からの
注文を頂いた。
(4) ERPベンダー、関連ソフトウエア企業のトップへのインタビューを行
い、各社の事業戦略などをメールマガジン、ホームページを通して広く
発信した。第11年度は、4社へのインタビューを行い、始めてから累
計では14社となった。今後も継続して、ERPフォーラム会員企業を
中心にトップインタビューを続けていく予定である。
(5)調査結果のメディアへの発信
調査結果をフォーラムのホームページやメルマガでの発信にとどめず、
一般メディア、新聞に発信を行い記事として掲載された。
・日本版SOX法対応状況:日経産業新聞 2007.7.10 等
・
「2007ERP市場の最新動向」
:日経マーケットアクセス 9.10 月号
2.セミナー・研修委員会/セミナー・研修グループ
(1)セミナー
ERP有効活用とJ―SOX対応をテーマとし3回開催した。
(2)交流サロン
企業会計の本質やERP営業のコツなど旬の話題をテーマに、東京で2
回開催し、各回多数の参加を得て、いずれも好評を得た。
(3)研修
会員の要望に応えて、今年度はERP提案力アップとアプリケーション
関連研修を強化し、昨年の30%増の29回開催した。各コースとも、
多数の参加者と高い評価を得ており、今後も重要な行事と位置付けてい
る。またe-BATファシリテータ研修は4回実施した。
3.研究委員会/研究グループ
5回の研究委員会及び14社の参加によりプロジェクトを2件実施した。
参加企業からは、実践の中で抱えている問題の解決・示唆を得たとの感想を
得ている。また、第10年度まで戦略プロジェクトグループで実施していた
-2-
次世代ERPに関わるITサービスの探求プロジェクトを第11年度は研究
グループで引継ぎ、継続実施した。
(1)(第2期)日本版SOX法対応準備実践研究会
2006年6月に上場企業に内部統制強化を求める金融商品取引法が国
会で成立、2008年4月以降の事業年度から上場企業及び連結企業へ
適用されることになった。日本版SOX法対応は上場企業にとって、喫
緊の経営課題である。コントロールの有効性からERPの運用を見直す
必要がある。会員企業、プロフェッショナルで構成する実践研究会を継
続実施した。実施基準(2006/12公表)の解説や経産省IT統制ガイダン
ス(2007/1公表)の解説、日本版SOX法対応企業の準備状況の掌握、
SOX対応事例の研究、U-SOX対応済み企業向けに日米SOX法の
相違点を纏めた。
(2)中堅企業ビジネスリスク半減プロジェクト
中堅企業へのERPの導入を阻害している大きな要因のひとつとして、
ITベンダー、ユーザー双方にとってプロジェクトリスクが大きい点が
ある。ユーザーのリスクとはERP導入時に発生する事業活動の停滞、
予算と実績の乖離、稼動納期の大幅延期である。支援ベンダーのリスク
はプロジェクトの採算であり、事業の採算である。7社のフィールドス
タデイをベースに工程別リスク事象とリスク軽減策を纏めた。
(3)次世代ERPに関わるITサービスの探求プロジェクト
今年度は、参加企業を増やして8社による活動を行なった。
主要テーマとしては、本研究の主題の原点に立ち返って、次世代ERP
とは何か?またそれに関連する新たなITサービスの探求を行った。
そのための個々の活動としては、
1)ユーザー企業アンケートによる、ユーザーの課題の抽出
2)ユーザー企業訪問・面談調査で企業の取り組み実態の把握
3)ユーザー企業懇話会で、ユーザーの課題とITサービス企業への要
望、クレーム等の本音の討議活動の3つの軸で活動した。
4)アンケートの深堀分析を行い、ERPの導入パターンと満足度との
相関関係の分析に取り組んだ。
結果、経営情報学会での発表に結びつけた。
ERPの導入パターンと満足度については、
「小冊子」の形にし、プ
ロジェクト参加企業の営業支援ツールとして提供する予定である。
4.戦略プロジェクトグループ
(1)e-Judgeプロジェクト
IT投資マネジメントツールである e-Judge Plan バージョン 2.0 の開発
が完了し、本年度は、利用促進に努めた。
会員企業である、大手ERP販売会社のセールス・コンサルのツールと
して採用してもらい、教育、利用方法の支援活動などをおこなった。
-3-
(2)共通XML/EDI実用化推進プロジェクト
「共通XML/EDIシステム」1 次システム開発による実証実験を終了
し、昨年11月に < 共通XML/EDI実用化実証実験成果報告会 > を開
催した。COXEC「共通XML/EDIシステム」の有効性・実用性の
検証・評価を経済産業省、工業会、大手および中小企業、システムベン
ダー、コンサルタント等向けに大々的に発表し高評価を得た。
その 1 次システムを基盤として、当プロジェクトの支援の元に、経済
産業省の平成18年度IT化促進事業EDI開発枠に中小企業バイヤー
とサプライヤによる公募が2案件採択されて、本年3月に共通EDI実
用化実装が実施された。また同時に経済産業省調査枠により共通EDI
普及促進等に向けての実態調査が、工業会をはじめ5案件が採択されて、
1次システムのさらなる改善と2次開発にも反映した。本年7月末に1
次改善システム<受発注版>、また9月末に2次システム<総合版>の開発
を完成した。
さらに、本年7月には経済産業省の平成19年度IT化促進事業ED
I開発枠に東京、名古屋、大阪の製造業を中心とした7コンソーシアム
の「共通XML/EDIシステム」を利用する案件が採択されており、来
年春の実用化に向けて各コンソーシアムへの支援を実施している。
他方、普及推進に向けて、大手企業-中小中堅企業-中小企業間での
共通EDIによる利活用を拡大していくための協議を、経済産業省、(独)
中小企業基盤整備機構、日本商工会議所、全国中小企業団体中央会、全
国商工会連合会と連携して定期的な情報共有、交換などを継続的に実施
している。
5.第11年度シンポジウム「経営革新サミット2007」開催
日
時:平成19年6月6日(水)
場
所:大手町サンケイプラザ
協
賛:ERP研究推進フォーラム会員14社
後 援 ・ 協 力:1団体
来 場 者 数:483名 <ユーザー企業来場者201名(全体の42%)>
セッション数:19セッション
-4-
Ⅱ
会務の概況
1.理事会
第25回理事会
芝パークホテルにおいて、平成18年11月1日に、第25回理事会が開
催された。理事数17名中出席者10名、委任状7名合計17名の出席の
もと下記案件が審議され原案通り承認された。
(1)第10年度活動報告の件
(2)第10年度決算報告の件
(3)会長・副会長制度の廃止(案)承認の件
(4)定款の改定(案)承認の件
(5)会費規程の改定(案)承認の件
(6)第11年度活動計画(案)承認の件
(7)第11年度収支予算(案)承認の件
(8)役員の改選について
2.通常総会
第11回通常総会は平成18年11月21日に芝パークホテルにおいて、
正会員数109社中出席会員28名、委任状24名、合計52名出席のもと
に開催された。
会長が議長に就任し、総会の有効成立を確認後、下記案件が審議され、原
案どおり承認された。
(1)第10年度活動報告の件
(2)第10年度決算報告の件
(3)会長・副会長制度の廃止(案)承認の件
(4)定款の改定(案)承認の件
(5)会費規程の改定(案)承認の件
(6)第11年度活動計画(案)承認の件
(7)第11年度収支予算(案)承認の件
(8)役員の改選について
総会後、記念講演会として、IT経営応援隊副会長 川内晟宏 氏より、
『今後の国の企業向け重点IT政策-IT新改革戦略について-』というテ
ーマで講演をいただいた。
3.第26回理事会
第11回通常総会後の平成18年11月21日に芝パークホテルにおい
て第26回理事会が開催された。
理事数17名中出席者12名、委任状2名、合計14名出席のもとに下記
案件が審議され原案通り承認された。
(1)理事長・常任理事選出の件
-5-
Ⅲ
組
織
(平成19年9月30日現在)
1.役員
理事長
和田 英男
ERP研究推進フォーラム
常任理事
田口 佳孝
永井 滋
ERP研究推進フォーラム
ERP研究推進フォーラム 事務局長
理
事
青
江浪
遠藤
小川
小野
小林
小林
桜木
杉橋
花岡
原
松下
龍野
渡辺
清高
まつみ
慎一
源蔵
功
伊佐夫
康博
秀邦
剛
哲郎
巖
進
康次郎
雅彦
監 事
斉藤 良一
NTTコミュニケーションズ株式会社 法人事業本部 担当部長
トランスコスモス株式会社 事業推進本部 事業推進部長
株式会社アイネス 取締役 技術本部長
富士通エフ・アイ・ピー株式会社 産業ソリューション事業部 事業部長
日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社 代表執行役執行役社長
日本アイ・ビー・エム株式会社 グローバルISVソリューションズ 理事
東芝ソリューション株式会社 ソリューション第三事業部長
帝人株式会社 CIOスタッフ室長
住商情報システム株式会社 執行役員ERPソリューション事業部長
株式会社日立製作所 産業・流通システム事業部 ビジネス企画本部長
株式会社日立情報システムズ 代表執行役社長
横河情報システムズ株式会社 取締役 ビジネスソリューション事業部長
日本電気株式会社 ERPシステム事業部長
富士通株式会社 GLOVIA 事業本部 業務プロセス改善提案センター長
ITマネジメント・サポート協同組合
専務理事
<敬称省略>
2.委員会
(1)情報委員会
(2)セミナー・研修委員会
(3)研究委員会
委員長/江尻 実
副委員長/久守 徹
委員長/渡辺 雅彦
委員長/龍野 康次郎
副委員長/渡辺 昌弘
<敬称省略>
3.専任活動組織
(1)理事長
(2)常任理事
(3)事務局員
(4)研究員
<合 計>
(内1名
事務局長兼務)
-6-
1名
2名
4名
14名
21名
Ⅳ
1.会員数(平成
理事会員
一般会員
賛助会員
特別会員
学術会員
<合 計>
会
員
19年9月30日現在)
14社
87社
19社
7社
4社
131社
2.入会会員(平成18年10月1日以降の入会会員)
株式会社日立コンサルティング
武蔵大学経済学部教授 松島 桂樹
株式会社アイ・ティ・フロンティア
インフォコム株式会社
株式会社ウイッツインテグレーション
ブレイズ・コンサルティング株式会社
キュー・エー・ディー・ジャパン・インク
<7社>
-7-
Ⅴ
活動概要
1.情報サービスグループ
2.セミナー・研修グループ
3.研究グループ
4.戦略プロジェクトグループ
(1)e-Judgeプロジェクト
(2)共通XML/EDI実用化推進プロジェクト
5.シンポジウム
-9-
Ⅵ 展示会出展
1.2006.10.11~13
関西 設計・製造ソリューション展
<インテックス大阪>
2.2007.6.27~29
設計・製造ソリューション展
<東京ビッグサイト>
情報サービスグループ/情報委員会
情報委員会
委員長 :江尻 実(帝人ファーマ)
副委員長:久守 徹(日立情報システムズ)
情報サービスグループ・グループ長: 田口 佳孝
グループメンバー:倉石 英一、高橋 和久、
第11年度 活動実績
情報サービスグループのミッション
1)企業情報化の先端的情報提供によりユーザーの意識啓発
2)ERP研究推進フォーラムのポータルサイトとしてプレゼンス向上
3)ユーザー企業との関連でSIer企業のありかたを変革する情報提供
4)フォーラム会員サービス活動の一環としての位置づけ
平津 俊夫
情報委員会の開催
第 1 回:2007 年 2 月 1 日
議題:11 年度活動実績、アンケート案説明など
第2回:2007 年 4 月 26 日
議題:ショートレポート報告, J-SOX 対応速報など
第3回:2007 年 7 月 26 日
議題:アンケート報告、第2回シンポジューム報告
第4回:2007 年 10 月 23 日
議題:11 年度活動実績/12 年度活動計画審議/オープンソース ERP など
グループミッション達成のため活動計画に沿って以下のテーマ活動を実施
Ⅰ.企業アプリケーション・システム導入状況調査(ユーザーアンート)
・計画、実施、報告書、概要編、詳細編(CD-ROM 付)の発行
・アンケート設計委員会の開催、調査項目の要望抽出
Ⅱ.市場動向、需要動向調査と発信
1)製品・ベンダー情報の整備とホームページ発信
2)ERP 市場動向、J-SOX 法対応状況などを日経産業へ記事提供
Ⅲ.トップインタビューの継続
第11年度は、4社へのインタビュー、累計14社実施
Ⅳ.ホームページのポータルサイト化
1)ホームページの運用
2)製品・ベンダー紹介サイト改善
ERP研究推進フォーラム
Ⅴ.メールマガジンの発行
Ⅵ.アジア EA フォーラム開催協力
中国のユーザー調査を実施、CSIA の協力
成果物:
1. 2007 企業アプリケーション・システムの導入状況に
関する調査(ユーザーアンケート調査報告書)
2. J-SOX 対応状況速報版、小冊子発刊
3. トップインタビュー10社分、小冊子発刊
第11年度 情報サービスグループ活動実績報告(補足資料)
Ⅰ.企業アプリケーション動向調査(ユーザーアンケート)
・ 2007 年 2-3 月実施
・ 今年度調査目的
・ 中堅中小企業のセグメントを細分化して調査を実施した。
・ IT投資分野別動向(ユーザの取組み姿勢)
・ ITアウトソーシングの実態(オフショア含む)
・ ERP導入期待度・満足度(目標設定の効果)
・ SI 企業の選定理由などを新設
・ ERP、周辺アプリケーションの導入実態の推移(経年変化)
・ 有効回答数 439件(回答率:11.0%)
・ 報告書発行
・ タイトル:「2007 ERP市場の最新動向」
ERPの企業導入率は年率5%プラスで順調に拡大中
・ 5 月30 日発行、会員へ配布済み
理事会社、主要ベンダーと市場現況について意見交換を行った。
・「日本版 SOX 法対応状況報告書」5月8日発刊
Ⅱ.市場動向、需要動向調査と発信
1)製品・ベンダー情報の整備とホームページ発信
・35社、61パッケージ
2)一般メディアへの発信
・内容
・ ERP 市場動向
・ J-SOX 法対応状況速報
・ 日経産業新聞、マーケットアクセスなどで掲載
Ⅲ.ホームページのポータルサイト化
1)ホームページの運用
・ 製品・ベンダー紹介ページのリニューアル
Ⅳ.メールマガジンの発行
・ 対象:会員、関係者、会員外
・ 目的:会員増強、会員とのコミュニケーションレベル向上
・ コンテンツ:フォーラムの価値を知らしめる内容を常時発信
・ 現在隔週発行中
・ 現在アドレス約 2100 件
・ 目玉記事「フォーラム・アイ」を役員、グループ長持ち回り
で執筆。
Ⅴ.トップインタビュー
・ トップ・インタビュー記事の掲載継続、連載 14 回
第 14 回;Exact ソフトウエア株式会社
第 13 回;インフォア・グローバル
・ソリューションズ・ジャパン株式会社
第 12 回;アスプローバ株式会社
第 11 回;TIS 株式会社
セミナー・研修グループ/委員会
第11年度
委員長:渡辺 雅彦(富士通)
委 員:松原 恭司郎(キュー・エム・コンサルティング)、
広川 智理(ITR)、鍋野 敬一郎(フロンティアワン)
事務局:森 喜三郎、(永井 滋)
活動実績
委員会ミッション:
① ERP の概念、ERP 関連の情報を提供し、IT 策定に役立
つ教育・啓発を行い、企業の IT 化の促進を図る。
② ERP フォーラムの調査・研究活動をセミナー等で紹介し
て会員の教育・啓発を行う。
③ これらの活動を通して、会員の増加・維持に寄与する。
委員会実績:
① 2007/02/27:第10年度活動実績ならびに、第11年度活動実績経過報告と今後の計画案についての意見交換。
② 2007/09/25:第11年度活動実績経過報告と、第12年度計画についての意見交換。
第1年度活動実績
第11年度活動総括:
1.通常セミナー :以下の 3 回を開催
「実施基準をうけての J-SOX 対応」、
「J-SOX 対応 文書化支援ツール」、
「日本のものづくり戦略と ERP の有効活用」
2.ERP 導入研修:以下の内容で計 4 回を開催
「ERP 導入のツボを抑える」(2 回)
、「ERP パッケージと導入支援パートナーの戦略的選定」
(2 回)
3.ERP 提案研修:「ERP 提案力アップ関連」(5 回)
4.アプリ研修
:以下の内容で計 20 回を開催
「財務会計の基礎知識」、「財務会計入門」、
「財務会計実践」、「原価管理」、「原価管理実践」、「会計システムの先端動向」、
「管理会計実践」、「キャッシュフロー会計」、
「決算日程短縮」、「キャッシュフロー生産管理」、「購買・資材管理」
(2 回)、
「生産管理」
、「業務プロセス設計」(2 回)、「SCM 改革入門」
、「IT プロフェッショナルのための BSC」、
「実施基準と関連会計知識」(3 回)
5.e-BAT 研修
:ファシリテーター研修を 4 回開催
6.交流サロン
:東京で 2 回開催。
ERP研究推進フォーラム
研究グループ/研究委員会
第11年度
活動実績
●研究委員会(9社 15名) 委員長:龍野(NEC)、副委員長:渡辺(日立製作所),事務局:中江、武藤
●研究グループ(2名)グループリーダー:中江、武藤
第2期日本版SOX法対応実践研究会、中堅企業ERPビジネスリスク半減プロジェクト
● 活動:
研究委員会の実施運営(例会5回)2007年1月~10月(テーマ:SaaS の可能性と課題、NGN の企業への影響他、次期研究活動の検討・審議)
プロジェクトの遂行
①日本版SOX法対応実践研究会
12月~4月
②中堅企業ERPビジネスリスク半減プロジェクト
中堅企業ERPビジネスリスク半減プロジェクト
【参加企業】(8社)NEC、日立製作所、日立ソフト、NECネクサ、
住商情報、住生コンピューター、横河情報、横河電機、ERPフォーラム
【活動要旨】
第2期
4月~11月
日本版SOX法対応実践研究会
【参加企業】(6社)NEC、三菱電機、日立製作所、大阪成蹊大学、
NECトーキン、NTTコミュニケーションズ、ERPフォーラム
【活動要旨】
中堅企業へのERPの導入を阻害している大きな要因のひとつとして、ITベ
2006年6月に上場企業に内部統制強化を求める金融商品取引法が
ンダー、ユーザ双方にとってプロジェクトリスクが大きい点がある。ユーザー
国会で成立、2008年4月以降の事業年度から上場企業及び連結企業
のリスクとはERP導入時に発生する事業活動の停滞、予算と実績の乖離、稼動
へ適用されることになった。ERPユーザーにとっても喫緊の課題で
納期の大幅延期である。支援ベンダーのリスクはプロジェクトの採算であり、
ある。コントロールの有効性からERPの運用を見直す必要がある。
事業の採算である。7社のフォールドスタデイをベースに工程別リスク事象と
リスク軽減策を纏めた。
会員企業、プロフェッショナルで構成する実践研究会を継続実施した。
日本版 SOX 法対応の基本範囲は財務報告の適正性を確保することにある。
中堅企業とくに下位の制約条件は強いが、更なる企業ステージを迎えるにあ
企業システムを構成する ERP そのものは、統制面は強いが、個人 ID への
たり、情報基盤の整備のために基幹システム再構築、ERP を導入するケースが
正しい権限付与、EUC の管理等運用面で課題がある。すでに監査を経験し
多い。顕著に見られるのは体制の弱さと役割分担の弱さ、コミュニケーション
ている米国では、IT 統制面では業務分掌、アクセスコントロールが主たる
の弱さであり、対策すべき課題は多い。支援パートナーは早い時期にユーザー
欠陥例としてあげられている。
企業の情勢を察知してリスクを最小限にとどめるべき体制・役割・実施すべき
実施基準(2006/12公表)の解説や経産省IT統制ガイダンス(2007/1
手順、内容を具体的に提示すべきである。一律的な対応ではリスクが高まる。
公表)の解説、日本版SOX法対応企業の準備状況の掌握、SOX対応事例研究、
プロジェクトが予定どうり完了しても、標準化の定着と効果の実現は必ずしも
日米SOX法の相違点を纏めた。
一致しない。
ERP研究推進フォーラム
研究グループ/
次世代ERPに関わるITサービスの探求プロジェクト
第11年度 活動実績
プロジェクト体制:
1.参加会員企業:8社
2.ステアリング委員会メンバー:8社
3.ワーキング・グループ会議メンバー:8社
4.アドバイザー会議メンバー:4名
5.事務局(ERPフォーラム 専任:2名、兼任:1名)
会議体開催実績:
1.ワーキング・グループ会議:11 回開催(第 81 回 ~ 第 91 回)
・1 ヶ月に1回の頻度で開催
主要活動実績:
1.ユーザー企業訪問面談調査:6社を訪問
・富士フィルム株式会社、帝人株式会社、ノバルティスファーマ、
コクヨ株式会社、国分株式会社、ヤクルト、以上6社
2.ユーザー企業懇話会(講演を頂いたユーザー企業)
・第12回:2007/09/07(コクヨ、帝人、国分)
参加企業:大成建設、情報システム総研、ライオン、富士フィルム
プロジェクト成果の一部を外部へ情報開示:
1.経営情報学会、秋季大会で発表
得られた成果:
1.テーマ:次世代 ERP を支える考え方、SOA の研究
・従来のERPパッケージは他のアプリケーションとの親和性に問題があった。近年、主要 ERP ベンダーから SOA の概念が導入され、製品の発表が続いた。
本研究では、SOA の技術動向に着目して、SOA の先進的研究者をドイツより招聘して、集中セミナーを開催。
SOA の概念、利用の実態について研究を行った。
2.ERPの利活用の状況の深堀調査から
・ERPパッケージの導入パターンと、ユーザー満足度の相関関係を調査した。結果、統合導入企業の満足度が高いことが判明した。
・経営者の IT に対する満足度と、ERP 導入パターン別の相関関係の分析を行ったが、今回の調査では明確な相関をみいだせなかった。
・次年度には、アンケート項目を工夫して、今年解明できなかった点の分析に力を入れる。
ERP研究推進フォーラム
戦略プロジェクトグループ/
e-Judgeプロジェクト
第11年度
活動実績
第11年度活動報告: ~e-Judge Plan 普及展開活動に傾注
1.普及活動
e-Judge Plan の普及活動として、SI 企業向けでの営業、コンサルタント向けの使用を推奨し普及につとめた。
結果、大手 SI 企業の営業、コンサルツールとしての採用が決定した。
2.機能強化・新規開発
e-Judge 採用企業の要望で、新業種(流通)への拡充を行った。
3.セミナーの実施
他の企業への、セミナーを実施。当該企業で、標準ツールとしての検討を開始。
4.IT の運用業務に関する診断、モニタリングサービスのツールの完成
会員企業の要望から、ITIL をベースとした運用診断ツールを完成させて実証実験を
経て実用段階にきた。
ミッション
① IT の投資マネジメントに関する調査・研究を通して、
IT 投資に関するリーディングな研究組織を目指す。
② IT 投資マネジメントツール、e-Judge Plan、
Value Proposal、Monitor の開発、普及活動を行ない、
フォーラム会員企業のビジネス支援を行なう。
③ e-Judge の考え方について世の中に情報発信し、広く
意見を求めて完成度を高めていく。
得られた成果:
1. 大手 SI 企業で、ERP パッケージの販売プロセスへの適用が決定された。教育、e-Judge Plan の適用の指導。
2. 機能強化
① e-Judge Plan の対象業務を流通へ拡大した。
② コンピュータシステム運用のベストプラクティスである、ITIL をベースとした、運用をモニタリングするモジュールの研究。
3. 課題:
利用実績が、少しずつ増加してきている。サポートの人材の不足が課題。
e-Judge シリーズと運用業務の診断・モニタリングとのフレームワークとしての位置づけ整理。
ERP研究推進フォーラム
戦略プロジェクトグループ/
共通XML/EDI実用化推進プロジェクト
第11年度
活動実績
1. 目的
EDIは超大手企業系列下では広く活用に向けて進展している。しかし、中堅・中小企業においては、中堅・中小企業に対応
した共通化されたEDIシステムがないために普及が進展せずFAXでの対応が多い。またバイヤー提供のWeb/EDIで
多端末現象と同様な状況が発生しつつありコスト負担の増大と自社でのデータ利用がしにくい等の問題が多い。
今後、中小企業がサプライヤとして複数の大企業や中堅企業と商取引する場合、またバイヤーとして関連中小企業に発注する
場合や国際的取引をする場合には、安価で操作性の容易な共通化された単一のシステムが強く求められている。
これを実現するために本プロジェクトを実施する。
2. 活動内容
(1)2006年11月に<共通XML/EDI実用化実証実験成果報告会> を開催した。
「共通XML/EDIシステム」1 次シス
テム開発の有効性・実用性の検証・評価を経済産業省、工業会、大手および中小企業、システムベンダー、コンサルタント
等向けに大々的に発表し、高評価を得た。
(2)「共通XML/EDI実用化推進協議会」(略称 COXEC)は、ユーザ企業とそれをサポートするITベンダー、ASP等で構成
されており9月末時点での会員数は72会員である。普及部会、サポート部会を中心として、運営委員会、理事会による意
思決定のもと活動を実施している。
(3)1 次システムを基盤として、当プロジェクトの支援の元に、経済産業省の平成18年度IT化促進事業EDI開発枠に中小
企業バイヤーとサプライヤによる公募が2案件採択されて、本年3月に共通EDI実用化実装が実施された。また同時に経
済産業省調査枠により共通EDI普及促進等に向けての実態調査が、工業会をはじめ5案件が採択されて、1 次システムの
さらなる改善と2次開発に反映した。本年7月末に 1 次改善システム<受発注版>、また9月末に2次システム<総合版>の開
発を完成した。
(4)普及・啓蒙に向けて、経済産業省、(独)中小企業基盤整備機構、日本商工会議所、全国中小企業団体中央会、全国商工会
連合会と定期的に会合を持ち情報共有および交換を実施した。
ERP研究推進フォーラム
第11年度
シ ン ポ ジ ウ ム
活動実績
シンポジウム「経営革新サミット2007」は、協賛各社のご協力・ご支援により成功裡に終了した。
当日(6月6日)は、天候にも恵まれ、午前中から大変盛況となった。和田理事長、日本経済新聞社関口和一氏の基調講演の後、3テーマ
(経営の透明性/コンプライアンス、業務の可視化/業務改革、変革を支える情報基盤の進化)に別れ、有識者による講演、協賛企業の
発表、ユーザー企業の事例発表がなされた。
基調講演:Web2.0時代のIT経営戦略/日本経済新聞
特別テーマ講演:リスクマネージメントと内部統制/監査法人トーマツ、データーの見える化と文脈の見える化/早稲田大学、
オリンパスのIT改革/オリンパス
特別プログラム:参加型ディスカッションテーブル/ERPユーザー企業30社
<開催概要>
開催日:2007年6月6日(水)
会場:大手町サンケイプラザ(地下鉄大手町直結)
主催:ERP研究推進フォーラム
協力:日本OAUG
協賛:IFSジャパン、アビームコンサルティング、インフォベック、NTTデータシステムズ、住商情報システム、日本電気、富士通、
日立製作所、日立情報システムズ、ワイ・ディ・シー、 日立ソフト、横河情報システムズ、シンコムジャパン、
住生コンピューターサービス
セッション数:19
テーマ:成長企業のイノベーションを支えるITの本質
来場者数:実来場者
483名
(午前午後の来場者合計約700名)
来場者の役職:役員、本部長、部長クラス:43%
来場者構成:ユーザー42%
課長クラス:25%
非ユーザー58%
参加ユーザーの所属部門:経営部門21%、本社部門19%、情報システム関連部門30%
ERP研究推進フォーラム