出口,利定 Citation 国際中等教育研究 : 東京学芸大学附属国際中等

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はじめに( fulltext )
出口,利定
国際中等教育研究 : 東京学芸大学附属国際中等教育学校
研究紀要(7): [0]-[0]
2014-03
http://hdl.handle.net/2309/137058
東京学芸大学附属国際中等教育学校
は じ め に
校長 出口 利定
平成 25 年度、東京学芸大学附属国際中等教育学校・研究紀要をお届けします。この 1 年間
の本校の教員の研究成果をご覧いただき、忌憚のないご意見、ご感想を頂ければ幸いです。
本校は平成 19 年(2007 年)に、それまでの附属大泉中学校と附属高等学校大泉校舎を再編・
統合し、中高一貫校として新しくスタートしました。本校の特色は、何といっても国際バカ
ロレア機構が提供するミドルイヤーズプログラム(MYP)を実施している点にあります。第
1 回公開研究会(平成 20 年)以来、バカロレア校としての特色を打ち出すためテーマも「グロー
バル」をキーワードに、研究を進めてきました。
本校の教育理念は、
① グローバルな視野の育成
② 多文化共生の教育
③ 多様性と共通価値・ルールの確立
④ 社会参加を通した市民性の育成
⑤ 基本的な知識・技能の習得と特色ある中等教育カリキュラムの開発
です。この理念を背景に教育目標をたて、育てたい生徒像を描き、それぞれの教科のなかで
もこの理念を意識した授業を行っています。本紀要も、それらの視点から取り組んだ研究内
容となっています。
国際バカロレアが提供するプログラムの中で、本校が実施しているプログラムは MYP(1
年生~ 4 年生対象)です。5 年生~ 6 年生対象(高 2 ~高 3 相当)の DP(デュプロマプログ
ラム)の導入については、創立以来の願望でした。ここ数年、DP 導入に向けて大学、文科省、
国際バカロレア機構(IBO)と検討を重ねてまいりました。早くて平成 28 年度から DP 実施
の本校の準備は整い、現時点では DP 実施の候補校として IBO から認定されました。候補校
であり、DP の認定校ではありません。これから 2 年間の間に DP 校としての規準を満たす諸
条件について、IBO の評価・調査(審査)を受けることになります。日本国内におけるバカ
ロレア教育の導入、あるいはバカロレア教育に準ずる学校の設置が進むなかで本校が DP の
認定を受けることで、一条校における IB 教育のモデルを示せればと思います。
今後、大学入試における DP 卒業者の扱いに焦点が当てられます。バカロレア教育とは何か、
それによってどういう生徒が育っているのかについて、多くの方々が興味・関心を寄せてい
ます。そのような方々にとって IB 教育をご理解いただけるために、本紀要が少しでもお役に
立てることを願っています。