平成27年 6月10日 第136号

第136号 平成27年 6月10日
国立研究開発法人 情報通信研究機構鹿島宇宙技術センター
IVS技術開発センター発行
TEL 0299-82-1211 FAX 0299-84-7159
http://www2.nict.go.jp/aeri/sts/stmg/index.html
ADS3000+が南極で運用開始!!
2015年5月におこなわれたEuropean VLBI Group
for Geodesy and Astrometry ( EVGA2015 ) に て 、
ADS3000+が南極にあるオヒギンス局(ドイツのDLRと
BKGが運用)にて無事に運用を開始したとの報告があり
ました(Neidhardt et al, 2015)。
オヒギンス局は古いアナログシステム(VLBA4)を更新
する計画があり、デジタル信号処理システムなど最新の
デジタルバックエンドシステムに更新する予定でした。
ADS3000+は他のデジタルバックエンドとの試験をお
こない、電源のオンオフなどでも再帰性がよく、非常に高
く安定していたそうです。このため、南極などの極地、リ
モートサイトでは高い信頼性が必須で、今回の採用とな
りました。
現地ではADS3000+のデジタル信号はMITヘイスタッ
ク観測所開発のMark5B+によって記録されます。DBBC
に必要な各種パラメータやモニター信号はField system
(アンテナ駆動などメインサーバー)で一括してやりとりさ
れます。
古いバックエンドとの並列記録によるVLBIセッションが
すでに複数回おこなわれ、相関局からのフィードバック
は“good data quality and performance”とのことです。
(KT記)
南極にあるオヒギンス局(写真はDLRウェブサイトより)
オヒギンス局のアップデートで
ADS3000+が採用。記録は
Mark5B+でおこなわれる。
(Neidhardt et al, EVGA, 2015
の発表資料より)
ADS3000+はコスモリサーチ株式会社により
製造販売されております。