日本の農業の構造改革の展開 永田農業研究所 永田 照喜治

日本の農業の構造改革の展開
永田農業研究所
永田 照喜治
トマトの野生種チレンセ
撮影:池部誠
『おいしさの育て方』
小学館
イタリア シチリア島の山
シチリア島モンテペルグ
リーノ山頂のナスの野生種
シチリア島で見つけたキャベツの原生種ブラシカ・ルペストリス
永田農法の
トマト
一般栽培の
トマト
永田照喜治著『原産地を再現する緑健農法』農文協、1988年
1)大規模農場の取り組み ①北海道千歳市 ガラス温室(7.1ha)
循環のための貯水池
オランダ製ガラス温室の室内
コンピュータ制御によるスクリーンの開閉システム
区画ごとに時期をずらして通年生産。丸トマト32万株。
マルハナ蜂による受粉
鉢ごとに施肥・灌水管理
水や肥料を極力減らすことでトマトは生命力を引き出し、自らたくましく育つ
張り巡らされたトマトの根
細かい毛細根が横に育ち、地表近くを覆う
光センサーによる選果機−トマトの糖度により選果。データ化された品質管理
光センサーを通るトマト
携帯糖度計による測定。糖度12度
1)大規模農場の取り組み ①秋田県大潟村−1戸あたり15haから1000haの時代へ
−大規模農業こそ無肥料栽培を手がける−常識やぶりの米と大豆
除草剤多投による環境・人体汚染の教訓から、安全性・環境への時代へ
2)山間地・限界集落での取り組み−①高知県池川町 限界集落のトマト
池川町つぼい地区 トマト温室1.75ha ファーストトマト6万株
糖度19度を記録したファーストトマト
2)山間地・限界集落での取り組み−②高知県 土佐清水市 大岐 パイナップル
過疎地の未知なる可能性
黒潮洗う足摺の海岸―潮風と照葉樹林の恩恵
芯まで食べられるエグミのない味
2)山間地・限界集落での取り組み−②高知県 南国市 山地酪農
安全な牛乳・急傾斜の牛
山の傾斜で優雅に生活する牛本来の姿を人間の手で再び取り戻す
3)離島での取り組み
①長崎県 高島
高島港の目の前にトマト
の温室が建っている
長崎県高島
(1.03ha/ファーストトマト21,500株)
海底炭鉱の入り口と軍艦島
が見える
昔賑わいを見せた炭鉱
3)離島での取り組み
②長崎県 小値賀島
補助金により全面的にスプリンクラーが設置されている
さやえんどう栽培 生垣による風対策
小値賀島 ブロッコリー栽培
3)離島での取り組み−③沖縄県 宮古島 世界的に無類の地下ダムによる可能性
「自立循環」を守る「大きな宇宙船」−地下水を汚さない液肥農業
宮古島・食文化の会
さとうきび一辺倒の農業から、亜熱帯性気候を
生かした付加価値のある野菜・果樹の、液肥を
使用した栽培を提案。
地元で忘れられた野草など、地元の食材を使用した
「懐石料理」の会による食生活の提案
3.新しい営農システム
−プロの農家が指導する1000坪規模の市民農園のコンセプト −
都市住民と地域住民の市民参加による「自立循環農園」
茨城の予定地
特許「営農システム」−地域内で「自立循環」を達成するシステム特許
−ゼロ・エミッション可能な「安全地帯」 1000坪のうち1/3は森をつくる
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約340坪
約660坪
1.樹林2.果樹3.畑4.水田5.溜池6.揚水ポンプ
7.貯水槽8.家禽舎と温室9.液肥製造タンク10.移動式家禽舎
11.水田の濾過効果のある土壌 12.降水 13.地中への浸透
14.地下水の移動 15.溜池5からの揚水
11
傾斜面の果樹/家禽舎−温室/水田/畑/水循環 →有機質肥料も質を管理する時代
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約340坪
約660坪
1.樹林2.果樹3.畑4.水田5.溜池6.揚水ポンプ
7.貯水槽8.家禽舎と温室9.液肥製造タンク10.移動式家禽舎
11.水田の濾過効果のある土壌 12.降水 13.地中への浸透
14.地下水の移動 15.溜池5からの揚水
メタンガスと液肥
図−2 鶏舎の説明図
10
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6
2
7
1
約 1.8m
8
鶏舎
1
約 2m
2
3
パオ式鶏舎
9
提供する食と共に楽しむ食
A
B
プロの農家による
1000坪以上の農園
永田先生の見つける
地域限定農産物
茨城市民農園
茨城市民農園
野菜本来の姿・美味しさを追求
野菜本来の姿・美味しさを追求
高付加価値農産物の大規模生産
高付加価値農産物の大規模生産
地域の伝統食材
地域の伝統食材
伝統の料理法
伝統の料理法
C
永田先生が指導する
農芸教室
家庭菜園
家庭菜園
住友液肥
住友液肥
参加型の流通・販売改革
参加型の流通・販売改革
D
食と農の倶楽部
食育−第3次産業としての農業
食育−第3次産業としての農業
会員への事業展開
会員への事業展開
市民農園の主役−農業構造改革をリードするのは品質を保証する実践的技術
1.サラダほうれん草−田中農園(長崎県島原市雲仙)
トマトとほうれん草のスープの前菜
サラダほうれん草といわし
市民農園を支える農産物
2.たまご−ブラウンポートリー(高知県窪川町)
ストックホルム生協ゆずりの
アレルギーのない卵づくり
佐々木貞寿さん
一般のたまご
無色透明のたまごは
植物のみの飼料に
お茶を与えた鶏から
生まれる。
商品名「コロンブスの茶卵」
市民農園を支える農産物
3.たまねぎ
石ころだらけの畑で、3ヶ月は生で食べられる高糖度タマネギが生まれる
切ってすぐに出る白い液体はビタミンやミネラルが豊富に含まれている証
りんごのような香りと甘さを楽しむために、生でタマネギを食べる
一鉢ごとの管理−カタログハウスでの「農芸教室」−生活提案業としての農業
食べて・育てる=食育がテーマ
西新宿の高層ビルの谷間に
野菜畑が出現した(2003年春∼)
スモールイズビューティフル
家庭菜園はミクロ農業
究極の安全性とおいしさ
55年の大規模農業でのテストがここに生かされる
栽培試験を経て生まれ、長年「永田農法」を支えたシンプルな液体肥料。
「住友液肥」は市民からの問い合わせにより、家庭栽培用に今春から販売開始。
究極の安全性と美味しさを求めて東京から通ってくる生徒さんたち
市民農園・食育の意義
園
農
市民
性 応
全
安 境対
境
環
・
質
品
高
情報 る価値
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農業 てる
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分
自
る・
知
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産地
もの
い
し
美味
食育