平成26年度 東京都立町田の丘学園学校経営報告 校長 1 明 官 茂 今年度の取り組み目標と自己評価 (1)教育活動への取り組みと自己評価 ①学習指導 ○児童・生徒一人一人を大切にする人権尊重教育の内容を学級経営計画に明記推進した。 ○児童・生徒一人一人に個別指導計画を作成し、年2回保護者に提示した。 ○A部門(肢体不自由教育部門)知的代替・自立活動中心の教育課程においては、学習習得状況把握表をアセ スメントのツールとして活用し、個別指導計画作成を進めた。 ○A部門準ずる教育課程においては、生徒の教育ニーズに応じた指導体制を工夫し、受験や就職等の進路に備 えた教科学習を展開した。また、平成27年度から高等部において、理科コース、文科コース、ビジネスコ ースの3つに類型化する計画を作成した。 ○B部門(知的障害教育部門)小・中学部においては、様々な児童・生徒の障害特性について理解を深めると ともに、シラバス・年間指導計画を基に指導の共通理解を図り、指導内容・方法を工夫して、児童・生徒に とってわかりやすい授業を工夫した。 ○B部門小学部においては、新たに3クラスの自閉症学級を設置し、中学部と合わせて7クラスの自閉症の児 童・生徒に特化した教育課程を編成し、障害特性に応じた指導内容・指導方法について検証し、自閉症指導 を充実した。 ○B部門高等部においては、教育課程類型化を2年生から実施し、産業構造の変化に対応した新たな作業学習 として事務作業班の導入やⅡ類型の生徒の実態に応じて、情報、理科、社会を導入した。 ○全教員が研究授業を公開し、年間261回の研究授業を実施した。また、外部専門家を50回以上招聘して 個別及び学年対象に授業指導を行った。 ○教材・教具の充実及び教育機器等の効果的な活用を図り、児童・生徒一人一人のもつ能力や個性を最大限に伸 ばす教育活動を展開した。 ○教材・教具の共有化を図るために、 「教材ライブラリー」をデーター化しホームページに掲載した。 ○訪問教育においては、児童・生徒の実態や家庭の状況に応じて柔軟な対応ができるように、学部や管理職と も連携して指導した。病院訪問については、病院や保護者及び前籍校と連携し、継続した学習を保障するこ とでスムーズな前籍校復帰につながった。 ○今年度から指導教諭が2名に増え、若手や地域の支援学級への模範授業の公開を年間9回実施し、授業力向 上のための授業観察を進めた。 ○主任教諭が中心になり、校内OJT体制をつくり、授業改善に向けた指導をした。 学校評価アンケートでは概ね高い評価を得られた。今年度も引続き全教員が研究授業を実施し、管理職及び 主幹教諭が授業観察して助言をしている。また、外部の専門家(大学、特別支援学校長・元校長、臨床心理士、 民間企業)に50回以上授業を見てもらって、直後に協議会を持って適切な助言も受け次の授業改善に生かし ている。また、指導教諭の模範授業公開には他校の教員も含め多くの教員が参加した。学校運営連絡協議会の 学校評価でも授業改善の取組みを高く評価されたが、今後は研究授業によりどのように教員の専門性が向上し たのかの検証や、小学部から高等部までの一貫性のある教育が求められている。1 月に行った公開研究会では、 全国から120名を超える参加者があり、本校のキャリア教育をテーマとした各学部の取り組みを発信する機 会にもなった。教材・教具の開発・工夫では、長期休業中に教材展の開催、教材集の作成等行ったり、研修会 を開くことができた。また、 「教材ライブラリー」をホームページに掲載した。 ②進路指導 ○児童・生徒の企業及び施設の見学、インターンシップ及び現場実習を計画的に実施するとともに、保護者に 対して企業や施設の見学、町田市障がい福祉課や各支援機関等の訪問を計画的に実施。 ○他の特別支援学校と連携を図り、夏季休業中に寄宿舎を活用しての就労・進学体験学習等の企画を行い、5 名が参加した。 ○進路指導の円滑な取組を進めるため、町田市障がい福祉課や地域施設と共に、生活介護事業所等情報交換会 を年4回開催し、情報交換及び進路先の決定につなげた。 ○児童・生徒や保護者に対して、保護者進路懇談会・進路個別面談・進路だより、また、進路コーナーの充実 など、一人一人の実態や年齢に合った情報を提供した。また、担任や特別支援教育コーディネーター(進路 指導担当)が随時相談を実施した。 ○卒業後一人一人に応じた進路を保障すると共に、希望する生徒の企業就労を推進した。 キャリア教育では、学校評価アンケートの「キャリア教育のわかりやすい説明」については、89%以上の よい評価を得た。今年度は高等部卒業生全員の進路が保証できた。肢体不自由部門では医療的ケアの必要な生 徒5名を含め全員希望に応じた進路先を保証できた。知的障害教育部門企業就労率が31%となり、企業就労 希望者の90%近い就労を実現することができた。生徒の実態に応じた進路先を粘り強く開拓するとともに教 員と保護者が連携して取り組んだ結果と考えられる。また、2月には本校に協力いただいた企業25社を招い て情報交換会を実施し、高等部生徒の実態も見てもらう機会を作った。今後も企業就労につながる取組として 継続していきたい。 ③生活指導 ○児童・生徒相互の好ましい人間関係を育てるため、個々の児童・生徒の人権に配慮した指導を実施するとと もに、指導内容について指導計画に明記して人権教育を充実した。 ○TPOに合わせた服装について、特に、中・高等部においては、標準服を活用した指導を進め、児童・生徒 が普段から意識できる環境を整備した。 ○児童・生徒自らが安全に対する意識を高め、健康で安全な生活を送ることができるように、保護者や地域関係 者と連携し、不審者対応の防犯訓練やセーフティ教室等を開催した。 ○スクールバスの運行に際しては、できる限り児童・生徒の負担の少ないコース設定を行うとともに、各コー スの利用状況を定期的に確認した。 ○学校事故0(零)を目指し、生活指導部が環境整備の全体計画を立案するとともに、校内作業日を設定し、 各学部が中心となって廊下や教室の環境整備を定期的に実施した。 ○安全な通学が実施できるように、定期的に町田バスセンター、鶴川駅その他における通学指導を実施し、行 方不明等の通学途中の事故を未然に防止する対策を随時講じた。 ○児童・生徒の実態に合わせて、小学部から段階的に一人通学に向けた取り組みなど、自立と社会参加を目指し た指導を実施。指導内容を個別指導計画に明記し、保護者の理解と協力の下、家庭と連携して社会参加する 力の育成につなげた。 今年度は知的障害教育部門高等部において生徒同士のトラブルや暴力があり、生徒が怖がったり保護者から 学校の対応に対する不満も聞かれた。学校運営連絡協議会評価委員による高等部生徒との懇談や、管理職と保 護者の懇談会を持ち意見交換を行うとともに、東京都教育委員会にも協力を依頼しスクールカウンセラーや個 別指導のための時間講師を派遣してもらった。高等部を中心に学部全体で対応を続け大きな事故には至ってい ない。教員の中には人権上に配慮すべき言動が指摘されたり、知的障害教育部門中学部で教師による体罰もあ り東京都教育委員会に届けるとともに保護者への説明を行った。今後も全校研修を進めると共に教員同士が不 適切な対応を見逃さないようにしていく。スクールバスについては大きな事故はなかったが年度途中に業者が 倒産するなどの事故もあったが、教育委員会と連携して対応し児童・生徒の通学を保障することができた。 ④特別活動・部活動等 ○児童・生徒が自己の成長を振り返り、自己を伸ばそうとする意欲をもち、お互いに努力を認めながら協力し て活動に取り組むよう学校行事の充実と精選。 ○集団活動により、社会生活を行う上での基本的な規範意識を育成した。 ○児童・生徒が生涯取り組める余暇活動の充実を図るため、部活動の振興と活動環境の整備。 ○小・中学校、高等学校や地域住民との多様な交流及び共同学習を計画的に実施した。 ○地域の中で、豊かに生きていく力を育むために、町田市教育委員会や地域指定校との連携を強化し、副籍制度 を一層推進すると共に、保護者への説明会を実施した。 学校行事に関しては、児童・生徒がさらに増加したことにより昨年度まで行った行事精選を引き継いだ。全 校での行事はまちだ祭だけだが、部門別の行事についての内容の充実を図った。部活動については、肢体不自 由部門の生徒が長崎で行われた障害者スポーツ大会に出場しで2年連続で金メダルを獲得する成果があった。 また、知的障害教育部門高等部にダブルダッチ部を新設し、西部学校経営支援センター主催の教育フェアで野 津田高等学校ダンス部との共演を発表した。小中学校との学校間交流は鶴川第一小学校、成瀬中央小学校、南 成瀬中学校との交流会を実施した。相手校のPTAも積極的に関わっていただいた。また、野津田高校福祉科 の生徒とは年間を通じて作業学習やボランティア講座、夏の学校のボランティア等において生徒同士の交流を 実施できた。副籍交流実施者数は、今年度から制度が改善されたため町田市教委と連携を進め大幅に増えた。 本校小中学部在籍者数の約85.9%ととなり、昨年度より47%の大幅な増加となった。 ⑤健康づくり ○学校保健委員会を年1回開催した。学校保健計画に基づき健康づくりを組織的に推進した。 ○摂食専門医や外部専門家を活用した摂食診断を進め、児童・生徒の摂食機能に適した摂食指導を充実させた。 ○安全な医療的ケアの実施のため、 校内医療的ケア委員会が中心となり、 条件整備、 環境整備に努めるとともに、 インシデント・アクシデントの発生状況を分析し、結果を全体に周知して再発防止に寄与した。 ○給食や日常生活、校外学習等を通じてアレルギーのある児童・生徒への適切な対応を行った。 摂食診断は、小学部1年、4年、中学部1年、高等部1年に実施した。また、全校研修会も実施し、指導に あたる教職員の専門性向上を図った。口腔ケアに関しては、経管栄養を実施している医療的ケア対象の生徒に 実施した。今後も、歯磨き指導と口腔ケア、摂食診断・指導を行っていくが、山崎校舎との分離もあり摂食診 断は必要とする児童生徒を優先して対応していく。学校保健委員会は2月に1回の実施となった。学校の1年 間の対応について4名の校医から様々な助言をいただき、保護者も交え充実したものとなった。医療的ケアに 関しては、校外学習への付添いも実施できた。来年度は、医療的ケアの必要な児童・生徒が8名に減るが、常 勤看護師も1名となるため、 非常勤看護師を活用し適切な対応を進めたい。 アレルギーのある児童に対しては、 医師の診断に基づき担任と保健室が連携して必要な対応を行ったが、 管理職が定期的に見守る時間を作るなど の工夫も行い安全に学校生活を送ることができた。 ⑥自立活動 ○個別指導計画に自立活動の内容の明記し、 障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服する力を 養うための特設時間をはじめ、教育活動全般における指導の実施。 ○教員の専門性の向上と教育ニーズに応じた指導の充実を図るために、自立活動の外部専門家を活用し、理学 療法士・臨床発達心理士・言語聴覚士の専門性を生かした研修会を企画・実施した。 ○児童・生徒のコミュニケーション能力を高めるための指導内容、指導方法・支援方法に関する研修・研究を 教員各自で行い、公開した。 自立活動部には4名(身体3名、コミュニケーション1名)の教員を配置し、外部専門家5名と連携を図り ながら自立活動を進めた。これによって授業場面や日常生活における姿勢の取り組みについての支援や、臨床 発達心理士によるアセスメント等の相談が行われ専門的な対応が進んだ。しかし、まだ一般の教員については 自立活動に関する専門性は向上していないため引き続き対応が必要である。 ⑦センター的機能、募集・広報活動(地域交流等) ○特別支援教育コーディネーター3名(教育相談担当、地域支援担当)を中心に、教育相談部・地域支援部が 役割分担を行い、校内外における支援・相談機能を充実させた。 ○適切な就学・入学の観点から、学校内外に向けて教育相談機能の充実を図るとともに、高等部入学に向けた 早期からの事前相談の充実を図った。 ○地域の就学前施設や小・中学校、高等学校、大学等への支援体制を整備し、保護者や関係者に分かりやすい 情報を、地域支援だよりで知らせた。 ○副籍による交流や地域校交流等の場を活用し、地域の小・中学校や高等学校の児童・生徒や保護者への障害児 理解を推進した。 ○地域に開かれた学校づくりを推進するため、学校便りや学校ホームページ等を活用した広報活動を積極的に 実施した。 ○学校の自己評価機能を高めるために、学校運営連絡協議会評価委員会の学校評価アンケートの結果を学校運 営、教育活動の改善に積極的に生かし、その結果を全校保護者会・ホームページ等で公表した。 ○文部科学省事業「特別支援学校におけるセンター的機能充実事業」を活用して町田市教育委員会と連携し、複 数の外部専門家が町田市内の小中学校支援学級の支援に入った。拠点校3校が昨年から引き続き実態の応じた外 部専門家を派遣した支援を行った。 特別支援教育コーディネーターによる支援会議は昨年の21回と同様であるが、各ケースの内容を精査し重 要なものから実施するなど組織的に行うことができた。今年度も高等部の家庭環境に関する相談件数が増えて いる。外部に関しては、幼稚園・保育園からの相談が急増し昨年度の3倍に増加した。地域支援便りをホーム ページに載せるなど、本校の教育活動や交流教育、特別支援教育の理解推進を図った。また、町田市のコーデ ィネーター研修会を年6回行うなど、出前授業や研修会も昨年度に比べて増加した。学校改善のための提案も 積極的にいただき、学校経営に生かすこともできた。 ⑧学校経営・組織体制 ○組織的・計画的に学校経営計画の実現を図るために学校経営計画推進シートを作成した。 ○学校経営計画実現のために、主幹・主任教諭の役割を明確にし、学校経営推進シートを基に経営会議におい て進行管理した。 ○学校経営計画を実現するための効率的・効果的な自律経営推進予算を作成し、執行した。 ○適切な人材育成を図るために、 「OJTガイドライン」に基づき、いつ・どこで・誰が誰を育成するか、主幹・ 主任教諭を活用した人材育成計画を実施した。 ○学校経営シートを作成し、ホームページを通じて本校の特色を児童・生徒や保護者を中心とした広く都民に PRした。 ○積極的な学校経営推進のために、経営企画室の広報・広聴、渉外機能の充実を図った。 ○「校長への手紙」 「学校見学シート」等の活用を進めるとともに、保護者と管理職との意思疎通を深めるため に授業参観や外部専門家を交えた懇談会を昨年度に引き続き3回開催し、児童・生徒及び保護者とともに協 働して学校づくりを行った。 ○個人情報紛失等の事故撲滅を目指して、職員室の環境改善を行う。個人情報セキュリティマニュアルを見直 し、確実に個人情報を保護するシステムを構築する。 ○服務事故の根絶を図るため、随時管理職からの働きかけを行い、年5回服務研修を実施した。 ○学校介護職員及び知的障害教育部門外部専門家導入に向けて、学校介護職員導入検討委員会中心に、平成28 年度導入に向けた原案を作成した。 ○経営企画室及び移転対策委員会を中心に、山崎校舎への移転に向けた準備を行った。 ○山崎校舎との分離に向けて分掌組織を山崎校舎と本校舎に分けて編成した。 ○山崎校舎との分離に向け、全校行事を調整した。 ○山崎校舎との分離に向け、職員会議を5回部門別で実施した。 学校経営計画推進シート作成は6月末までに完成した。学校経営計画推進シートの活用は、進行管理を行う上 で活用できたが、各分掌の進行管理が計画よりも遅れたことが課題である。OJTに関しては、主任教諭が指導 教員となり研究授業を進めた。また、各研究授業の参観者も増え助言を受けることも活発になった。外部講師を 招聘した研究授業を述べ50回以上実施し一定の成果が得られた。経営企画室は、山崎校舎との分離に向けて、 教育庁関係部署や建設業者と連携し、年度内に引っ越しを実現するとともに、必要な備品を調達した。また、今 年度は高等部の教室不足への対応から野津田高等学校の特別教室を借用して作業学習を実施できた。服務事故を 根絶するための研修を行ったり学校システムの改善を行ったが、12月に体罰事故を起こしたり、2月に個人情 報を含む文書が紛失するなどの事故もあり、服務事故を根絶するために改善がこれからも求められる結果となっ た。 (2)重点目標への取り組みと自己評価 評 価 内 容 評価 ① <小学部から高等部まで全教職員でキャリア教育を推進する> ◎ 個別指導計画に指導内容を明記し、キャリア教育の内容を保護者に説明する 達成 年2回以上 ◎ 教職員の自己申告書にキャリア教育の取組内容の明記 1つ以上 ◎ キャリア教育の保護者満足度 ◎ 卒業後の進路保障 達成 85%以上 89.7% 高等部卒業生全員の進路保障 達成 企業就労率 30%以上 31% ② <全教員の授業研究を推進する> ◎ 研究授業 一人年1回以上 ◎ 外部専門家を招聘した研究授業指導 年30回 ◎ 自作教材の公開(教材ライブラリーの構築) ◎ 公開研究協議会の開催 年間261回 年50回以上 一人 1 教材以上 1月開催 参加者200名以上 HPで公開 参加者120名 ◎ 主任教諭による授業研究の学習指導案の指導 全主任教諭 達成 ◎ 授業改善案を自己申告書(学習指導)に記入 全教員 達成 ③ <学校の専門性向上を図りながら、特別支援教育のセンター校としての役割を果たす> ◎ 校内における研修会や学習会の公開 学期1回以上 ◎ 地域支援セミナー参加者の満足度 80%以上 ◎ 保育園や幼稚園との連携(相談、助言、研修会等) 年40回以上 65回 4校以上 4校 ◎ 市内の高等学校と発達障害支援に関する支援を進める 年間4回 達成 ④ <保護者や地域に対して、学校の説明責任を果たすと共に情報発信を積極的に行う> ◎ ホームページの更新 毎月5回以上 ◎ 防災計画の保護者向けマニュアル作成・配布 5月中 達成 達成 ◎ 進路だより・地域支援だよりの発行 進路だよりの発行:外部年10回以上、小中向け各学部年2回以上 達成 地域支援だよりの発行:年5回以上 ⑤ <学校経営計画を全教職員で計画的に実施する> ◎ 学校経営計画推進シート作成及び実施状況の中間報作成 5月末 中間報告10月 ◎ 保護者の学校評価 PTA実行委員による中間評価 PTA 実行委員の評価 保護者全員対象の学校評価 達成 懇談会を実施 11月 11月実施 ◎ 保護者アンケートの回収率 80%以上 73.6% ◎ 服務に関する研修会 年5回以上 達成 全教員 達成 ◎ OJT について自己申告書の能力開発の欄に記入する。 * 数値目標及び内容を総合的に評価 重点目標(数値目標)は達成できない項目もあったが、全体として昨年以上の成果がでた。知的障害部門の卒 業後の進路保障に関する項目では企業就労率を30%以上との目標に変えた。昨年までは企業就労希望者の8 0%を目標にしていたが、2年連続して60%代にとどまったため、企業就労希望者の希望実現を進める意味 から厳しい目標を設定した。進路指導部及び担任の努力で21名、31%生徒の企業就労が決まった。この数 値は企業就労を希望している生徒の87.5%にあたり、多くの生徒の希望を実現することができた。また、 肢体不自由教育部門では、医療的ケアの必要な生徒が5名いたが、全員の進路が保障できた。また、保護者ア ンケートの回収率の向上は昨年の62%から11ポイント向上した。アンケートの項目を見直し記入しやすく することと回収を全教員で進めるよう改善するとともに、PTA から声掛けをしてもらうなどの取り組みにより 大きく向上した。全教員の授業研究については、全員が1回以上の研究授業を行い、年間で261回の実施と なった。外部からの助言者を述べ50回ほど招いて指導に当たった。緊張感もありレベルの高い研究授業がで きたと学校運営連絡協議会評価委員会からも高い評価も頂いた。今後は、授業力の向上により児童・生徒の成 長につなげるとともに、各学部の研究課題とつなげた授業研究を進めながら、小学部から高等部まで一貫性の ある教育計画を作っていきたい。ホームページに関しては、毎月の更新が定着し、終わった内容を変更する工 夫も進んだ。文部科学省事業「特別支援学校におけるセンター的機能充実事業」は本校の教員の専門性を高め ると共に町田市教育委員会と連携して市内の3校の小中学校の支援学級への支援を行った。それぞれの学校に コーディネーターや外部専門家を派遣するなど充実した内容であった。来年度は、新たな拠点校を決めて支援 を行い、町田市全体の支援につながるシステムを作り上げたい。 2 次年度以降の課題と対応策 (1)山崎校舎開設と本校舎の増改築に向けての学校の円滑な運営 ○山崎校舎の開設に伴いスムーズな移転及び教育環境の整備を行う。 ○山崎校舎の知的障害教育部門小中学部の児童・生徒及び保護者に対して丁寧な対応を行う。 ○2つにわかれた校舎独自の運営組織の確立と、経営会議を中心とした学校全体の進行管理の実施。 ○平成27年から始まる本校舎の増改築計画に対する教育委員会と連携した対応の推進。 (2)教育内容の充実 ○授業改善の取組みの発展 全教員の研究授業を引き続き実施する。山崎校舎には、管理職が少ないため文部科学省事業「特別支援学 校におけるセンター的機能充実事業」と連携した外部専門家が定期的に来校し一貫した指導助言が行える ような体制を作る。本校舎では教室に余裕ができるため授業後の検討会で使える部屋も複数確保できるた め充実した研修を行うよう工夫する。主任教諭及び経験豊富な教員を初任から3年次研修までの指導教官 にあて指導案の作成、教材の開発活用、指導技術の向上について1年間を通じて指導する。 ○文部科学省事業「特別支援学校におけるセンター的機能充実事業」の充実 文部科学省事業の3年目にあたり、町田市教育委員会と連携して、新たな拠点校に重点を置いた支援を行 う。特別支援教育コーディネーターを派遣して、授業内容に関して丁寧な支援を行うとともに、支援学級 の課題を教育委員会と共有し対応させまとめの報告会を実施する。 ○キャリア教育をベースとした全校での取組み キャリア教育に関して教職員を含め保護者の理解を進める。特に、肢体不自由部門の生徒に対するキャリ ア教育を整理する。外部講師を招いた研修会や、個別指導計画の説明を通じて具体的に児童・生徒の課題 を説明する。 ○大学や企業との連携 研究活動や授業研究等を通じて、大学及び企業関係者との積極的な連携を図る。特に、学習習得状況把握 表や知的部門のアセスメントについては、知的部門の実態に応じた内容を新たに作成する。企業関係につ いては、今年度同様中・高等部のキャリア教育に関する部分を中心に授業観察及び指導を受ける。また、 学校運営に関しても企業や大学での取組みを紹介してもらうとともにそれぞれの専門性を活用する。 (2)情報発信と地域連携の推進 ○ホームページの充実 今年は教材ライブラリーをアップした。閲覧回数も増えている。今後も、毎週1回の更新を定期的に実施 するとともに、山崎校舎と本校舎の両方の情報発信を進めるために、山崎校舎のページを作成する。 ○副籍交流の充実と地域の小中学校との連携の強化、高等学校との交流の推進 制度の変更により副籍交流にほとんどの児童・生徒が申し込んでいる。今年度は間接交流で児童・生徒の お便りを相手の学校に渡したことで理解が深まる結果がでた。 今後も直接交流を増やす取り組みを進める。 高等学校との連携は、隣接する野津田高等学校を含め4校と実施している。町田市内の都立高の過半数で あり教育フェア等を使って生徒同士の交流を今年以上に増やす。 (4)保護者との連携を進めるための懇談会を使った情報交換を進める。 昨年度、学校運営連絡協議会で指摘から設置した管理職との懇談会を引き続き実施する。授業観察・外部 専門家を交えた懇談を基本とし、保護者の要望を尊重した意見交換を工夫する。 (5)人権に配慮した児童・生徒への対応を、教職員が意識してさらに進める。 学校が安心で安全な場所であるために、防災対策に引続き力を入れるとともに、児童・生徒が安心して通 える学校であるための不適切な指導の廃絶に努める。具体的には、教職員の研修及び、児童・生徒および 保護者からのアンケートを引続き実施し、改善を行う。 以上の対応策で、次年度学校経営を進めていく。
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