資料集 - 省エネ 3Sキャンペーン

住宅用エコ設備消費者トラブル防止事業
資
料
集
発行/北海道環境生活部環境局地球温暖化対策室
目次
1 本資料の作成趣旨
2 住宅用エコ設備の種類別概要
○太陽光発電設備の概要
5
○小形風力発電設備の概要
10
○地中熱ヒートポンプ設備の概要
13
○エコジョーズ設備の概要
16
○エコフィール設備の概要
18
○エコキュート設備の概要
20
○エネファーム設備の概要
22
○ペレットストーブ設備の概要
24
3 住宅用エコ設備の導入事例
○太陽光発電(石狩地域)の導入事例
27
○太陽光発電(帯広地域)の導入事例
30
○太陽光発電(胆振地域)の導入事例
33
○小形風力発電の導入事例
35
○地中熱ヒートポンプの導入事例
37
○エコジョーズの導入事例
40
○エコフィールの導入事例
42
○エコキュートの導入事例
44
○エネファームの導入事例
46
○ペレットストーブの導入事例
48
給湯・暖房設備の地域による差の分析
50
4 住宅用エコ設備のトラブル事例
○住宅用エコ設備トラブル事例(契約トラブル例)
52
○住宅用エコ設備トラブル事例(施工トラブル例)
58
○小形風力発電のトラブル事例
61
○暖房・給湯機器のトラブル事例
61
○住宅用エコ設備トラブル事例の特徴
63
-1-
目次
5 道民がトラブルに巻き込まれないために
○特別寄稿:NPO 住宅 110 番 理事長 三木奎吾(敬称略)
65
6 事業者がトラブルに巻き込まれないために
○特別寄稿:一般社団法人北海道エコエネルギー技術協会 専務理事 佐山廣和(敬称略)
71
○参考資料/「導入する前に気をつけたいこと」
76
○参考資料/「導入にあたって販売業者を選ぶためのチェックシート」
77
7 売電や電気のはなし
・売電の単価は国の制度で全国統一
79
・助成金制度
82
・電気料金のメニューを知る
83
・政府が推進するゼロ・エネルギーハウス
85
・HEMS でかんたんに省エネをする
87
・住宅の断熱・気密化リフォーム
90
・メモページ
92
・トラブル相談先
97
・住宅用エコ設備協力先紹介
98
-2-
本資料集の作成趣旨
現在、 北海道(日本)の主要なエネルギー源である石油・石炭などの化石燃料は無尽蔵にある
ものではなく、いつか枯渇してしまうという限りがあるエネルギー資源です。この限りある資源
を高効率機器によって効率的に使う事もエコですが、これに対し太陽光や太陽熱、地熱、風力、
水力、バイオマスなどの自然エネルギーは、一度利用しても比較的短期間に再生が可能(または
無尽蔵のエネルギー)である事から、将来にわたって決して資源が枯渇しないエネルギーなのです。
これらは、「再生可能エネルギー」とも呼ばれ、石油等に代わるクリーンなエネルギーとして、
政府はさらなる導入・普及を促進しています。
日本は自国に化石燃料をほとんど持たない国です。北海道にもかつて各地に炭鉱がありました
が、そのほとんどが閉山となり現在は、坑内掘り炭鉱が釧路に 1 カ所、露天掘り炭鉱が 7 カ所あ
るのみです。
日本国内のエネルギーの供給のうち、石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料がその8割以上を
占めており、そのほとんどを海外に依存しています。日本はもちろん世界中で化石燃料の利用な
どに伴って排出される温室効果ガスを削減することが重要な課題となっており、再生可能エネル
ギーのクリーンさが大きく見直されることとなってきています。
本資料集は、北海道の各家庭で近年導入が進んできている太陽光発電設備などの住宅用エコ設
備導入にあたり、実際にどのような設備があるのか、その設備の特徴はどのようなものなのか、
そして北海道内の導入家庭の声を集めて設備を導入して良かったこと、また設備導入にあたりこ
んなトラブルに巻き込まれたなど、これから住宅用エコ設備を導入するにあたって、参考となる
資料を集め作成いたしました。
別に制作したパンフレットと合わせてご活用ください。
-3-
住宅用エコ設備の種類別概要
■太陽光発電設備の概要
………P5
■小形風力発電設備の概要
………P10
■地中熱ヒートポンプ設備の概要
………P13
■エコジョーズ設備の概要
………P16
■エコフィール設備の概要
………P18
■エコキュート設備の概要
………P20
■エネファーム設備の概要
………P22
■ペレットストーブ設備の概要
………P24
本資料集における「住宅用エコ設備」とは二酸化炭素排出削
減に向け、現在普及が進んでいる、又は今後普及が見込まれ
る設備であり、太陽光発電設備、小形風力発電設備、地中熱
ヒートポンプ、各種給湯・暖房設備(エコジョーズ、エコフィー
ル、エコキュート)、エネファーム、及びペレットストーブ
をいう。
太陽光発電①
太陽光発電設備の概要
■太陽光発電とは
太陽光発電は、太陽光をエネルギーに変換して発電するもので、原理的には太陽光と太陽電池
を用いて直接的に電力に変換する発電方式であり、日照がないと発電ができないという特徴を持
ちます。ソーラー発電(PV[Solar Photovoltaics])とも呼ばれ、再生可能エネルギーである
太陽エネルギーの利用方法の 1 つです。
特徴としては発電量が日照に依存するため一定ではなく、夜間など日照がない間は発電不可能
ですが、日照がある昼間の電力需要ピークを緩和し CO2 排出量を削減できます。設備は、太陽電
池モジュール(パネル)、必要な電圧や周波数に変換するパワーコンディショナーで構成され、発
電した電力を日照時間以外にも使用する目的で、蓄電池を組み合わせて構成されるものもありま
す。開発当初は極めて高価で人工衛星の稼働エネルギーを得るための目的で宇宙開発など限られ
た用途に用いられましたが、近年機器の開発が進み、諸外国を含め一般家庭での導入事例も多く
なっています。さらに将来的に設備導入費用の低減や市場拡大が続くと見込まれ、各国で普及政
策が進められると同時に、日本国内でも一般家庭のほか、空き地等の遊休地や牧場の有効活用、
企業による売電収益を目的としたメガソーラー事業など幅広く利用されはじめました。
北海道では冬期間における積雪の影響が懸念され導入が遅れていましたが、技術開発も進み近
年は、屋根に設置した太陽電池モジュール(パネル)が、多く見られるようになりました。
22,500
21,000
太陽光発電導入件数(累計)
22,183
20,507
19,500
18,000
16,011
16,500
15,000
13,500
11,863
12,000
10,500
8,869
9,000
75,000
6,000
4,500
※平成 26 年(2014)年度は
12 月までの数値です。
3,000
1,500
77
193
426
750
929
1,245
1,608
2,069
2,740
3,374
3,980
4,934
6,541
総 数 平成9年 平成10年 平成11年 平成12年 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年
年 度 (1997) (1998) (1999) (2000) (2001) (2002) (2003) (2004) (2005) (2006) (2007) (2008) (2009) (2010) (2011) (2012) (2013) (2014)
(出典:太陽光発電協会、補助申請の都道府県別集計データより北海道環境生活部が作成)
-5-
太陽光発電②
■太陽光発電設備のシステム構成例
太陽電池モジュール(パネル)
電気(直流)を
作る
電気設備を
使う
●住宅分電盤
●接続箱
●電力検出ユニット
●電力切替ユニット
●パワーコンディショナー
●エネルギーモニタ
●蓄電池ユニット
余った電気を
売る
作った電気を
蓄える
■太陽光発電の基礎知識 [太陽光発電設備の主要なシステム機器]
セルと呼ばれる太陽電池の素子の集合体を直列接続し、樹脂や強化ガラ
太陽電池モジュール
(パネル)
スや金属枠で保護したものを「モジュール」または「パネル」と呼びます。
ユニット化することで取扱いや設置を容易にし、雨や雪、汚れや紫外線
などからセルを保護します。
一般的な耐用年数は 15 〜 20 年とされています。
接続箱
太陽電池モジュール(パネル)で発電した直流電流を集め、パワーコンディ
ショナーに送ります。
接続箱から送られてきた直流電流を家庭用の電気として使用できるよう
パワーコンディショナー
に「交流電流」に変換します。直流から交流への変換効率は、平均的に
95 〜 98%以上で、屋内設置型と屋外設置型があります。
一般的な耐用年数は 10 年とされています。
各ユニット
エネルギーモニタ
蓄電池ユニット
住宅分電盤は発電した電気を各部屋に送ります。電力検出ユニットは電
気の情報をモニタに送ります。電力切替ユニットは停電時に自立して蓄
電池から電力を供給するよう切替えます。
発電した電力量、売電量、リアルタイムな電力使用量、時間別、日別、
月別などの統計の他、CO2 の削減量も「見える化」できます。
蓄電池は発電した電力を一時的に蓄え、使わない余剰電力を蓄えること
ができます。
-6-
太陽光発電③
■日本各地域の年間推定発電量 札幌
東京
3.81
3.73
1,015
994
那覇
福岡
4.02
3.94
1,071
1,050
●札幌
●東京
●福岡
[凡例]
DATA 調査場所
真南で傾斜角 30 度の年平均日射量 (kWh/m2/ 日 )
システム容量 1kW 当りの年間推定発電量 (kWh/ 年 /kW)
●那覇
一般家庭での導入発電目安とは
一般的なご家庭の 1 年間の消費電力量平均
2 人世帯
3,407kWh
一般的なご家庭の 1 年間の消費電力量
ポイント
るシステム容量がおおよその発電量目
安になります。
3,985kWh
4 人世帯
4,241kWh
各世帯の年間消費電力量の 90%が発電目安となります
を基準に、気象条件などのリスクを考
えながら、その 7 ~ 9 割をカバーでき
3 人世帯
総務省統計局の平成 25 年(2013 年)度世帯構成人数別年間平均電力使用量
(マンション、戸建ての電気代平均額)を北海道電力の従量電灯料金 1kWh
あたり(280 kWh を超える分)32 円 67 銭(平成 27 年(2015 年)3 月
31 日まで)で換算算定したものです。(契約アンペア別の基本料金は含まず)
■太陽光発電設置家庭で買電・売電するイメージ 昼間に発電できる太陽光発電は、発電
昼間の電気が太陽光でまかなえる
発電して余った電気は!
使う分は太陽光で発電する
国の制度で売電する!
できない時間帯は従来通りに「電気を買
う」つまり買電します。太陽が昇り太陽
光発電システムが発電をし始めるとまず
家庭用の電力として消費され、それ以上
に発電された電力については国の制度に
よる固定買取価格で売電することになり
使う分以上に発電する
余った電力
ます。この買電と売電の差額が費用的に
プラスとなります。
電力を買う 太陽光発電でまかなえる電力 電力を買う
朝
昼
売電の金額によって、設備導入時の導
夜
入費用を回収するといった考え方が一般
※この図はイメージです。地域、気象条件では昼間でも電気が余らない場合があります。
-7-
的です。
太陽光発電の地域による差の分析
太陽光発電のシステム自体の基本性能は、太陽電池モジュール(パネル)のそれぞれの製品ス
ペックによる 1㎡あたりの発電効率と 1kW あたりの発電能力に対する価格で比較することができ
ます。
また発電量は、「日照時間」に大きく左右されることになります。最近の太陽電池モジュール
(パネル)では曇天でも効率的に発電できたり、また設置角度を変えることによる発電効率で差別
化を図るメーカーもあります。北海道では冬期間の積雪が太陽電池モジュール(パネル)を隠し
てしまうことがあるため、設置角度が大きく、積雪を滑り落として太陽電池モジュール(パネル)
に雪が残らない方式が多く採用される傾向にありますが、基本となるのは日照時間です。
北海道内の各地域の日照時間がどう違うのか次のとおり示します。
北海道では太平洋側の地域が冬期間でも少雪で太陽光発電には有利
北海道内の日照時間は地域によって差があります。国土交通省気象庁による過去の道内各地域の年間日照時
間の平年値を見ると、地域によって差があることがわかります。各年で気象状況にも若干のばらつきがあるの
で一概には言えませんが一つの指針にはなる数字です。
観測地域名
宗谷岬
各地の年間日照時間平年値 ( h )
1518.4
道内各地の平均値
1611
朱鞠内(最低)
網走
1267.4
1869.3
旭川
1590.9
札幌
1740.4
1627.1
池田(最高)
1703.1
根室
1775.5
2033.2
苫小牧
小樽
北見
帯広
2086.7
1843.6
釧路
1969.5
奥尻
1573.2
室蘭
※平年値は 1981~2010 年の 30 年間の
観測値の平均をもとに算出されています。
1725.2
函館
1748
北海道内の年間日照時間の合計平年値は、最低が朱鞠内の 1267.4h で、最高は池
田の 2086.7h となっています。札幌では 1740.4h と道内各地の平均値に近い数
字となっています。最低と最高の差は 819 時間、34 日間に及びます。
全国と北海道
本資料集の 7 ページで紹介したように、札幌は東京よりも発電量が多い結果となっています。上の図では
北海道内に、東京よりも発電量が多い地域(札幌の平均値より年間日照時間が多い地域)が多くあるという
ことになります。
-8-
太陽光発電④
■固定価格買取制度について 固定価格買取制度は平成 24 年(2012 年)7 月に開始されました。固定価格買取制度とは電
気事業者(北海道電力など電力会社)に対し国が再生可能エネルギー電気の調達を義務づけたも
ので、その対象は「太陽光」「風力」「地熱」「水力」「バイオマス」の5つです。(詳しくは P79 参照 )
太陽光発電
買取価格の推移
発電出力 10kW 以上
(kWh あたり価格)
調達期間
発電出力 10kW 未満
(kWh あたり価格)
調達期間
平成 23 年度 平成 23 年度 平成 24 年度
(2011)
(2011)
(2012)
平成 25 年度 平成 26 年度 平成 27 年度
(2013)
(2014)
(2015)
24 円(税込)
40 円(税込)
40 円(税別)
36 円(税別)
32 円(税別)
29 円(税別)
10 年
10 年
20 年
20 年
20 年
20 年
48 円(税込)
42 円(税込)
42 円(税込)
38 円(税込)
10 年
10 年
10 年
10 年
37 円(税込) 33 円(税込)
10 年
10 年
上記の価格は調達期間内での買取価格となり、調達期間を超えた時点でその時の買取価格で再
申請となります。調達期間を超えたあとの買取価格は、現在の調達価格と同様であるというもの
ではありません(買取価格は年々下がる傾向にあります)。また国の定める調達価格は電気事業者
による金額の違いはなく、全国一律となります。(詳しくは P79 を参照)
■太陽光発電の補助金
住宅の屋根や敷地内に太陽光発電設備を導入する際には、市町村の補助金を活用できる場合が
あります。例えば平成 26 年(2014 年)度の札幌市の場合では発電出力 1kW あたり 4.5 万円
の補助金が利用でき、上限は 18 万円となっています。また、函館市では発電出力 1kW あたり 3
万円の補助金が利用でき、上限は 9 万円となっています。(詳しくは P82 を参照)
■他のシステムとの併用について 北海道電力の一般家庭用の電力料金の場合は、ピーク抑制型時間帯別電灯料金ドリーム 8、ド
リーム 8 エコなど安い夜間電力を使用して蓄熱する給湯ボイラーなど、電気料金を節電できるプ
ランがあります。つまりピーク時は太陽光発電を使用し、発電しない早朝・夜間などは安い電力
を利用するなど IH クッキングヒーターやエコキュートとの組み合わせが、光熱費を抑えるために
は有効です。太陽光発電の導入を検討する際に業者に光熱費のバランスや売電など導入する設備
トータルのシミュレーションを見積りと同時に依頼して確認することが必要です。
■その他
一部の太陽電池モジュール(パネル)では有害性が懸念される物質の溶出可能性があることが
確認されており、廃棄の際には施工を行った事業者へ相談するなど注意が必要です。
-9-
小形風力発電①
小形風力発電設備の概要
■風力発電とは(風力発電全体の概念)
北海道の日本海側に多くの設置が見られる風力発電(大型)は、発電するためのエネルギーと
して風の力を利用する発電方式です。 太陽光、地中熱、潮力、波力、海流、バイオマスなどと同
様に風力エネルギーは再生可能エネルギーのひとつとして、風力発電装置が建設されています。
大規模に発電する風力発電のほかに、家庭用の電力を賄う規模の「小形風力発電システム」が
あります。
このシステムは大規模に発電するものではなく家庭用や企業用として使用されるものです。そ
の出力規模は様々で 10 数 W のものから 5kW 以上のものまであります。
■風力発電用の風車の種類
プロペラ型風車(水平軸型)
ダリウス型風車(垂直軸型)
発電用風車として多く使われています。
フランス人により発明された垂直軸型
から構成される多翼型。一般的に 3 枚
線になっているのが特徴です。羽には
出力が得られます。風向きに対する制
性に乏しく、サボニウス型風車と組合
羽根の枚数は 1 ~ 5 枚と、多くの羽根
風車で、羽根の形状が縄跳びの縄の曲
翼が多くパワーバンドの広い安定した
遠心力がかからない設計で、自己起動
御が必要となりますが、強風時に風を
わせる工夫がなされています。
受け流す機構と併用できます。
直線翼垂直軸型風車(垂直軸型)
サボニウス型風車(垂直軸型)
羽が垂直に取付けられ、翼断面は対称
フィンランド人の考案による風車。起動
で風向に対する制御が不要なかわりに、
効率は 15%程度です。
トルクが大きいですが、回転数は低く、
翼型となっています。自己起動が可能
強風時に風車の回転を止める強力なブ
レーキが必要となります。
※日本国内で販売されていない種類もあります。
- 10 -
小形風力発電②
■風力発電システム図
●小形風力発電
ユニット
●電力量計
(売電・買電)
●分電盤
●制御盤
●パワー
コンディショナー
●地中基礎
家庭用の小形風力発電システムでは、発電した電力を自家使用、余ったものを売電する系統連
系タイプと、発電した電力を全て売電する目的の独立電源タイプがありますが、売電用の機器が
必要なだけで基本システムに大きな違いはありません。
■風力発電の基礎知識 [風力発電設備の主要なシステム機器]
イラストのようなプロペラ式の小形風力発電システムを例にすると、ま
小形風力発電ユニット
ずユニットはブレード(翼)、卵形のナセル、ブレードを固定するハブ、
そして地中の基礎からユニットを固定するタワーが基本的な内容です。
ナセルの中には増速機(ギアボックス)や発電機が組み込まれています。
運転状態を制御し出力を制御する部分です。系統連系タイプでは、パワー
制御盤
コンディショナーに入力する電圧を制御する機能等があり、独立電源タ
イプでは、バッテリーやインバータおよびバッテリーの充電や放電制御
機能等が含まれます。
制御盤から送られてきた直流電流を家庭用の電気として使用できるよう
パワーコンディショナー
分電盤・電力量計
に「交流電流」にします。保安のために系統連系保護装置も内蔵してい
ます。
分電盤は発電した電力を各部屋に分けます。電力量計は売電用と買電用
があり、売電用は電力会社に売却する電力量を計量します。また、買電
用は電力会社から購入する電力量を計量するものです。
- 11 -
小形風力発電③
■小形風力発電の特徴
小形風力発電システムの主なメリットは次の
導入時には周辺環境を考慮
とおりです。
小形とはいえ風力発電で風車(ブレード)を
回転させた時には音が発生します。一般的な水
・エネルギーがクリーンで無尽蔵
平軸型は音が大きく、垂直軸型は音が小さいと
・保守が容易で無人化が可能
ポイント
いわれています。
・昼夜を問わず風があれば発電が可能
水平軸型は風向きを追いかける仕様で、垂直
・系統連系による売電も可能
すので、設置ではなるべく「風況」が良い場所
軸型は風向きにかかわらずブレードが回りま
を選定する必要があります。
また、風車の羽根が回転する際の影の影響に
も配慮しましょう。
■小形風力発電の発電量
小形風力発電の発電量は、メーカー試算によると、水平軸型の最大出力 4kW、定格出力 2kW、
定格風速 9.5m/s(カットイン風速 2.5m/s、カットアウト風速 15m/s カットインは風車が回り
始める風速、カットアウトは安全上風車を止める風速)の機種では次のとおりです。
平均風速 5m/s の年間発電量は
約 6,000kWh
≒
一般家庭の平均的な年間電力使用量の
約 1.5 軒分に相当
※ P7 記載の 4 人世帯の電気使用量で計算。
■小形風力発電の買取価格、期間
平成 26 年度(2014 年)の風力発電の買取価格及び調達期間については kWh あたり「20 kW
未満= 55 円(税別)」
「20kW 以上= 22 円(税別)」となっており、いずれも調達期間は 20 年となっ
ています。(詳しくは P79 を参照)
平成 24 年度 平成 25 年度 平成 26 年度 平成 27 年度
(2012) (2013) (2014) (2015)
風力発電
買取価格の推移
発電出力 20kW 以上
(kWh あたり価格)
調達期間
発電出力 20kW 未満
(kWh あたり価格)
調達期間
22 円(税別)
22 円(税別)
22 円(税別)
22 円(税別)
20 年
20 年
20 年
20 年
55 円(税別)
55 円(税別)
55 円(税別)
55 円(税別)
20 年
20 年
20 年
20 年
- 12 -
地中熱ヒートポンプ①
地中熱ヒートポンプ設備の概要
■地中熱ヒートポンプとは
一般的な家庭用地中熱ヒートポンプで用いる地中熱は、温泉が湧き出るほどの高温のものでは
なく、地表から 1 〜 200m の地中にある「低温熱エネルギー」のことをいい、再生可能な自然エ
ネルギーのひとつです。
この「低温熱エネルギー」とはマグマなど地球内部からの熱ではなく、太陽エネルギーにより
地表が温められたものをいい、この熱を「ヒートポンプ」という設備を用いて熱交換し、暖房や
冷房に使用するものです。地中の温度は表層土壌の断熱効果により大気の温度変化の影響を受け
にくく、一年を通してほぼ一定であることを利用したもので、古くから知られていた技術です。
基本的なシステムとしては、冬は地中から熱を集める(暖房)、夏は逆に地上の熱を地中に放出
する(冷房)というプロセスで熱交換を有効に利用します。エアコンのようにコンプレッサを必
要とするものや、地下水や不凍液等を地中熱交換器に循環させ地中に設置した採熱管からヒート
ポンプへの熱伝導を行うものがあります。
また、地上の熱交換器などの機器には耐用年数がありますが、採熱管など地中設備はほぼ半永久的
な耐用性を持っていると言われています。
(地中熱ヒートポンプ工事、ボーリング作業写真)
- 13 -
地中熱ヒートポンプ②
■地中熱ヒートポンプシステム図(垂直型)
①少しの電力で
熱交換器
冬は!
50~200m
暖
床暖房
②地中熱を
くみ上げます
熱
パネルコンベクター
熱
③地中熱を利用して使用した電
力の4倍の熱を作ります
①少しの電力で
冷
熱交換器
夏は!
50~200m
冷
熱
②地中に熱を
放出します
熱
エアコン
③外気より低い温度の地中熱を排熱
源として効率的な冷房をします
■地中熱ヒートポンプのメリットとは
安定した再生可能エネルギーの地中熱を利用すると、従来型の空気熱源のヒートポンプ機器で
は効率の落ちてしまう北海道などの寒冷地でも、一年中地中から熱をもらうことで高効率暖房運
転を実現し、地球温暖化防止と節電に寄与することができます。
地表から 1 〜 200m の地中では一年中 5 ~ 15℃の安定した温度を保っています。そのため、
エアコンに比べ能力の低下が少なく快適な暖房ができるというのが特徴です。
気温と地中温度のイメージ図
温度
CO2 の排出量は 1/2 以下に!
地中温度の推移
高
コロナの「ジオシス」を例にした試算では地
北海道でも
約 5 〜 15℃で推移
熱を用いるため、CO2 排出量も相当量抑える
ことが可能という数値となっています。
量は 1/2 以下で、地球環境に配慮した次世代
低
夏
ポイント
ガス式温水暖房システムと比べて CO2 排出
気温の推移
春
中熱ヒートポンプ式では各家庭で熱源に地中
秋
冬
暖房システムとして注目されています。また
季節
30db という静粛性もポイントです。
- 14 -
地中熱ヒートポンプ③
■地中熱ヒートポンプのイニシャルコストは高額?
システムを稼働させるランニングコストは安いものの、地中熱ヒートポンプシステムでは「採
熱管」と呼ばれる地中熱交換パイプを地中に垂直に埋設する必要があります。その深さは、約
200m 必要とされ、掘削費用が 1m あたり 15,000 〜 20,000 円ということから掘削費用だけで
約 400 万円が必要になり、イニシャルコストが高額となります。平成 26 年(2014 年)12 月
現在北海道で地中熱ヒートポンプを導入する際には国や自治体からの補助金でこの掘削費がほぼ
全額補助されるケースもあり、これから導入を予定している人は国や自治体の補助金を是非、問
い合わせてみましょう。(詳しくは P82 を参照)
※コロナではジオシスハイブリッドという高効率地中熱交換方式を採用し、新開発された循環ポン
プの省電力制御を採用したことで約 50m の掘削で効率的な採熱を行う技術も取り入れています。
※平成 26 年(2014 年)度、札幌市では、地中熱ヒートポンプに対し 20 万円補助しています。
■地中熱ヒートポンプのランニングコストは?
地中熱ヒートポンプシステムのランニングコストは、電気代だけということになります。地中
熱ヒートポンプの特徴は、電力の使用を仮に 1 とした場合、その 3 倍の地中熱を採熱し、最終的
には電力使用量の4倍の熱を作り出すという高効率なシステムであることから、ランニングコス
トは最小限に抑えることができるのです。
地中熱ヒートポンプ設備を製造する本州メーカーの年間の暖房・冷房時のランニングコスト試
算では、「電気ボイラー+ルームエアコン」という暖房・冷房の年間ランニングコストを約 40 万
円とすると、「空気熱ヒートポンプ」の場合は約 20 万円、さらに「地中熱ヒートポンプ」の年間
ランニングコストは約 15 万円という数値となっています。
また年間の CO2 の排出量削減効果という点では、「電気ボイラー+ルームエアコン」の排出量
が約 6,000kg であったのに対し、
「空気熱ヒートポンプ」では約 3,000kg、
「地中熱ヒートポンプ」
では約 2,000kg と大きな効果が実証されています。
エネルギーを効率よく利用するだけではなく、CO2 の排出量削減効果も大きいというのが地中
熱ヒートポンプの特徴といえます。
- 15 -
エコジョーズ①
エコジョーズ設備の概要
■エコジョーズとは(潜熱回収型ガス給湯暖房機)
「エコジョーズ」は、東京ガスの登録商標で、都市ガス事業者、LPガス事業者、ガス給湯器メー
カーが普及促進のために活用しています。天然ガスや LP ガスをエネルギーとして高効率で給湯
暖房を行うもので、北海道のように暖房と給湯でほぼエネルギーの約 80%(各家庭のエネルギー
使用比率:北海道調査)を使用している地域では有効な省エネ設備といえます。従来の給湯暖房
機器では、排熱をそのまま空気中に放出しているため、約 80%の熱効率が限界でしたが、エコ
ジョーズでは、その排熱を捨てずに高効率で再利用することにより給湯効率で約 95%の熱効率を
実現しました。
これによりガスの実質使用量が約 12%削減でき、また、機器自体の待機電力も約 20 年前の給
湯器から約 90%削減されています。
エコジョーズ独自の排熱(潜熱)回収システムにより、大気中への不要な熱の放出を低減、地
球温暖化の原因でもある CO2 の排出量を約 12%削減することができるようになり、1 台で年間
約 430kg(北海道ガスによる自社内シミュレーション数値)の CO2 排出量を削減でき、地球温
暖化防止に貢献する効果が認められています。これはブナの木が 1 年間に吸収する CO2 の量に換
算して、約 43 本分にも相当するのです。
■北海道における導入台数推移(累計)
平成 23 年度
(2011)
平成 24 年度
(2012)
平成 25 年度
(2013)
7,600 台
17,800 台
31,800 台
(一般社団法人 日本ガス石油機器工業会調べ)
- 16 -
エコジョーズ②
■エコジョーズのシステム図
エコジョーズ(潜熱回収型)
排気ロス 5%
従来型
※約 80℃に下がった燃焼ガスを排出
(50 〜 80℃)
排気ロス 20%
(約 230℃)
熱利用 -2
一次熱交換器
熱利用 -3
二次熱交換器
約 200℃になった燃
焼ガスの熱を二次熱交
換器で再利用
送られてきた水はまず
二次熱交換器で温めら
れる
熱利用 -4
約 1500℃で一次熱
交換器を加熱
中和器
熱利用 -1
一次熱交換器
温められたお湯は一次
熱交換器でさらに加熱
空気
空気
ファン
湯
80%
水
ガス
ガス
水
ファン
湯
95%
排水へ
エコジョーズは従来排気で捨てていた高温の熱を二次熱交換器で再利用するシステムで、従来
型では約 230℃もの高熱で 20%の排気ロスがあったものを、排気温度を 50 〜 80℃まで下げ、
ロスも 5%まで軽減することができたことが上記のシステム図ではよくわかります。
また、加熱された熱交換器を水が通ることで瞬間的にお湯ができます。必要な時に必要なだけ
お湯を沸かす瞬間式なので湯切れすることがありません。また、キッチンや洗面などで同時使用
が可能で、シャワー等の水圧が維持できます。
■エコジョーズの利点とは
このシステムではお湯を貯湯給湯器(タンク式ボイラーなど)のようにタンク内に常にいっぱ
いに貯めておくということをせずに「使う分だけ高効率で瞬間的に沸かす」ということになりま
すので、家族構成ごとにさらに効率的な利用が可能になります。
つまり貯湯給湯器では、子どもが生まれ、成長していくと多くのお湯を使うファミリー世帯と、
子どもたちが独立した夫婦二人世帯でも同じエネルギーを要するのに対し、エコジョーズではタ
ンクに常に貯めずその家族構成ごとの需要量に合わせることができるので省エネです。
- 17 -
エコフィール①
エコフィール設備の概要
■エコフィールとは(潜熱回収型石油給湯器・暖房機)
エコフィールとは給湯暖房で従来排気として単に空気中に排出されていた高温の熱エネルギー
を回収・再利用して、無駄なく熱源へと使用することで高効率な灯油給湯暖房をするもので、1
次エネルギー、2 次エネルギーを効率よく使うシステムとしては、天然ガスを使用したエコジョー
ズと同様です。従来の給湯器では約 200℃という高温の排気熱を捨てていたため 17%もの排気
ロスがありましたが、排気熱エネルギーを回収することで排気温度が約 60℃まで下がるほど熱エ
ネルギーをしっかりと回収し、排気ロスをわずか 5%まで下げることができています。
暖房付きエコフィールは、暖房&給湯一体型ボイラーが排熱を回収して効率的な運転を実現し
ています。そのため例えば札幌市の家庭を例とした比較では、従来型の給湯器と比べて年間で約
209 リットルの灯油節約になり、金額にして約 17,765 円(灯油 1 リットルあたり 85 円で換算
した数値)もお得です。
また CO2 排出量は、従来型と比べ約 13%削減できています。同じく札幌市の家庭を比較例に
すると、年間で約 525kg 削減でき、ブナの木約 48 本分の削減効果につながります。
このほかエコフィールの給湯器を使っていないときの待機時消費電力も、従来の給湯器に比べ
て約 50%削減され、無駄な電力消費を抑えるという点でも環境に貢献しているといえます。
■北海道における導入台数推移(累計)
平成 23 年度
(2011)
平成 24 年度
(2012)
平成 25 年度
(2013)
1,700 台
4,900 台
8,900 台
(一般社団法人 日本ガス石油機器工業会調べ)
- 18 -
エコフィール②
■エコフィールのシステム図
エコフィール
排気温度約 60℃
従来型
(排気ロス 5%)
※約 60℃に下がった燃焼ガスを排出
排気温度約 200℃
(排気ロス 17%)
熱利用 -2
補助熱交換器
お湯の流れ
水道から送られてきた
熱交換器
水は最初に補助熱交換
器で温められ、次に主
熱交換器でさらに加熱
されます。
湯
83%
熱利用 -1
約 1500℃で主熱交
換器を加熱
主熱交換器
水
灯油
灯油
水
約 200℃になった排
気熱を補助交換器で再
利用して水を温める
湯
95%
エコフィールでは水道から送られてきた水をまず補助熱交換器で今まで捨てていた 200℃の排
気熱源の有効利用で温めます。次に灯油の火力による主熱交換器内の約 1500℃の高温で瞬時に
加熱していきます。従来の給湯機では 83%の熱効率だったの対し、エコフィールは 95%まで熱
効率を上げることができるようになったのです。排熱温度が大幅に下がっていることで最後まで
排熱を効率よく利用しています。 ■エコフィールは低騒音や省エネなどのメリットがあります
各社から販売されているエコフィール機器は 49dB(デシベル)という静音設計のため、騒音
を気にすることなくエコフィールを使う事ができます。(参考:静かな公園で約 40dB、通常会話
で約 60dB。)
また、1500℃もの熱を出すバーナーは比例制御バーナーと呼ばれる、給湯量によって火力を変
えることで省エネを行っています(従来型の灯油暖房機バーナーの多くは、最大で必要な熱量分
だけ稼働)。
稼働状態についてはコントロールパネルで視覚的に確認することもできるようになっています。
- 19 -
エコキュート①
エコキュート設備の概要
■エコキュートとは(自然冷媒ヒートポンプ給湯機)
エコキュートとはヒートポンプ技術を利用して空気中の熱で湯を沸かすことができる電気給湯機の
中で、冷媒としてフロン類の代わりに自然冷媒である二酸化炭素(CO2)を使用している機種の総称
をいいます。正式名称は「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」といい、耳慣れた「エコキュート」という
名称は、日本国内の電力会社・給湯機メーカーが使用する愛称で関西電力の登録商標です 。デンソー
などの基本特許を基に、平成 13 年(2001 年)4 月コロナが世界で初めてエコキュートシステムを
発売しました。
エコキュートの最大のメリットは、使用する電気エネルギーに対して約 3 倍以上の熱エネルギー
が得られるというエネルギー効率の高さと、日中のピーク時以外の比較的安価(各電力会社で料
金プランは異なります)な夜間電力を用いることにより、ガス給湯機の約 1/4 に抑えられる給湯
コストの低さといえます。
導入時の注意点としては、エコキュートはお湯を沸かす「ヒートポンプユニット」と、お湯を
ためる「貯湯タンクユニット」で構成されて、貯湯タンクには約 300 ~ 550ℓまで容量に差が
あるので、家族構成や想定するお湯の使用量をもとに選ぶことが重要です。
デメリットとしてはガス給湯に比べ、給湯設備が大がかりになるため、自宅の敷地内や屋内に
広い設置場所を確保する必要があります。導入コストはかかるものの、各自治体の補助金制度を
活用できる場合があります。
また、ヒートポンプユニットは深夜から明け方にかけて深夜電力を使ってお湯を作ります。深
夜は周りの音が静かなため運転音が小さくても運転音が認識されやすい傾向にあります。設置場
所を工夫するなど、近所に対する運転音に配慮しましょう。
- 20 -
エコキュート②
■エコキュートのシステム図
①空気熱交換器〜空気中の熱を自然冷媒に取り込む
②圧縮機〜熱を取り込んだ自然冷媒を圧縮してさらに高温にする
③水熱交換器〜高温になった自然冷媒の熱で水からお湯を作る
④膨張弁〜熱を奪われた自然冷媒は膨張し再び熱交換器で空気中の熱を取り込みます。
給湯
②圧縮機
お湯
③水熱交換器
①空気熱交換器
混合層
ファン
水
④膨張弁
給水
ヒートポンプユニット
貯湯ユニット
気体を圧縮することで高温になる原理を利用し、自然冷媒を高温化しその熱でお湯を作ります。
エコキュートには一度お湯を張ったあと使用により減少した湯量を全自動で所定の水位までお湯
をためてくれる機能を持つフルオートタイプと、手動で行うセミオートタイプがあります。
■エコキュートのランニングコスト
北海道電力エリアでの試算の場合、給湯にかかるランニングコストは税込で月平均約 2,600 円
とされ、コストの低さがよくわかります。(試算は条件により変わるものです)
年間ランニングコスト(パナソニック HE-FU37GQMS において)
ポイント
(円)
150,000
100,000
50,000
30,000
0
約 31,200
円
エコキュート
家庭用ヒートポンプ給湯機
約 84,000
電気温水器
円
約 70,800
円
灯油給湯機
約 123,600
円
ガス給湯機
(都市ガス)
■タンクの目安
300 リットル/ 2~3 人
370 リットル/ 3~4 人
460 リットル/ 4~5 人
550 リットル/ 5~8 人
※お湯張り 1 回、 シャワーは人
数で設定。設定人数で使用する
洗い物、洗面など使用分。
※ランニングコストの試算についてはパナソニック社調べのものです(平成 26 年(2014 年)5 月調べ)
。家庭用ヒートポンプ HE-FU37GQMS、電気温水器 DH- 37G5QUKM。お任せ運転。外気温札幌市。電気料金:北海道電力「時間帯別電灯ドリーム 8」燃料調整額除く、基本料金(按分)約 230 円で計算(通電制御割引適
用なし)ガス料金:北海道ガス 料金単価 183.34 円㎥(税込)で算出(基本料金はお湯とその他で按分)灯油料金:104.5 円(ℓ税込)
※消費税 8%で計算
- 21 -
エネファーム①
エネファーム設備の概要
■エネファームとは(家庭用燃料電池コージェネレーションシステム)
エネファーム(ENE・FARM =エネルギーとファーム[農場]の造語)とは、家庭用燃料電池コー
ジェネレーションシステムの愛称です。平成 20 年(2008 年)に燃料電池実用化推進協議会 (FCCJ)
が家庭用燃料電池の認知向上を推進する取り組みとして統一名称を決定した背景があります。
エネファームの画期的な仕組みは、水の電気分解とは逆に、都市ガスやLPガスから取り出した
水素と空気中の酸素とを化学反応させ電気をつくり出し、さらに、発電の際に発生する熱を捨てず
にお湯をつくり給湯に利用するといった、エネルギーをフルに活用するシステムです。
自宅で発電するため送電ロスがほとんどない上、排熱を効率的に利用するためエネルギー利用効
率が高く、CO2 の排出量を低減できるなどのメリットがありますが、当初は約 300 ~ 350 万円と
高額であることからなかなか普及が進まない状況でした。
しかし、平成 23 年(2011 年)の東日本大震災以降、停電リスクや電力不足によってエネルギー
を自家生産するシステムとして注目が高まり、導入コストも徐々に下がっていることもあって、導
入する家庭が増加傾向にあります。平成 25 年
(2013 年)
には 200 万円を切る機種も登場しました。
導入には、国の補助金制度が利用できます(平成 27 年(2015 年)1 月現在)
。
(エネファーム外観)
- 22 -
エネファーム②
■エネファームとは(家庭用燃料電池コージェネレーションシステム)
H
H
H
H
O
熱
O
H
水
H
O
水素
H
電気
熱
熱
熱回収装置
都市ガス
LP ガス
燃料電池
スタック
インバータ
燃料改質装置
O
H
化学反応
酸素
バックアップ熱源機
燃料電池ユニット
貯湯タンク
■発電の原理
給水
貯湯ユニット
電気
■エネファームの環境効果
電気は大規模発電所でつくられ、それぞれの家庭に送電されます。発電の際に発生する熱の多
くは有効に利用できなかったり、また、電力の一部は送電ロスで失われてしまいます。これに対し、
家庭で電気をつくる「エネファーム」なら、電気をつくる場所と使う場所が一緒であり、そのた
め電気を途中でロスすることなく有効に利用することができます。
「つくる場所」と「使う場所」が一緒のエネファームを一般の家庭で1年間使用すると石油、天
然ガスといった一次エネルギーの使用量を 23%削減することができます。天然ガスを改質した水
素を利用するため、CO2 は排出せず水しか排出しません。このため、CO2 排出削減量は、1,330kg、
38%も抑えることができ、地球資源の保全や温暖化防止に大きく貢献します。(財団法人新エネ
ルギー財団試算/平成 21 年度大規模実証事業報告会資料より、トップランナー・貯湯容量 200
ℓ機種のデータ)
また 1,330kg という CO2 排出削減量をブナの木で換算すると、約 121 本分の削減効果につ
ながります。
- 23 -
ペレットストーブ①
ペレットストーブ設備の概要
■ペレットストーブとは
間伐材や通常は廃棄される「おが粉」や「かんな屑」など製材時の副産物を圧縮成形した固形
燃料を木質ペレットと呼び、このペレット(長さ 1 〜 2cm、直径 6 〜 12mm)を燃料とする暖房器具
をペレットストーブといいます。間伐材の利用促進や従来廃棄されていた製材副産物の有効利用
と、化石燃料を一切使用しないという点、さらにはペレットを燃やした際に排出する二酸化炭素は、
成長過程で吸収したものという考え方のもと、大気中の二酸化炭素の量を増減させないカーボン
ニュートラル(二酸化炭素中立性)であることも背景に、環境に優しい次世代エネルギーとして
認知が広がっています。ペレットは「ホワイトペレット(丸太の皮をむいた部分だけを使用)」
「全
木ペレット(丸太の全ての部分を原料)」
「バークペレット(丸太の樹皮のみを使用)」などがあり、
ホワイトペレットは火力も強く灰が 1.0%未満と非常に少ない(全木・混合の灰は 1 〜 2%)こ
とで主流となっています。見た目は、ほぼ薪ストーブと同様ですが小さなペレットを燃料とする
ことで内部構造は大きく異なります。
灰の処理が必要ですが、火力が非常に強い暖房器具であり、北海道のような寒冷地の暖房に向い
ています。ペレットストーブは薪ストーブに比べると煙がほとんどでないということと、火力調整
や自動で燃料供給ができるなど独自の特徴も多く、煙突式の場合は壁に煙突用の穴を開けることに
なりますが、灯油ストーブのように FF 式や、ファンヒーターのようなタイプもあり薪集めに苦労
することのないストーブとして、また北欧風のインテリアとしても注目を浴びてきています。一般
的に室内で使用する家庭用の本体価格は国内製で 10 〜 50 万円位、海外製で 40 〜 70 万円位で
流通しているようです。
2,500
■北海道における導入台数推移(累計)
2,000
1,612
1,500
1,838
2,030
2,213
1,319
1,000
500
総 数
年 度
153
平成17年
(2005)
265
平成18年
(2006)
420
平成19年
(2007)
平成20年
(2008)
平成21年
(2009)
平成22年
(2010)
平成23年
(2011)
平成24年
(2012)
(出典:あったか、ほっこり木の燃料「木質ペレット」レジュメ(地方独立行政法人北海道総合研究機構))
- 24 -
ペレットストーブ②
■ペレットストーブの仕組み(煙突式)
排気
輻射熱
輻射熱
煙突
ペレット
輻射熱
室内の空気
燃焼
輻射熱
ペレット供給装置
灰トレー
■ペレットストーブの仕組み(FF 式)
熱交換器
ペレット
温風
輻射熱
輻射熱
燃焼
ペレット供給装置
着火装置
排気
灰トレー
給気
- 25 -
住宅用エコ設備導入事例
・導入事例1:太陽光発電(石狩地域)①
………P27
・導入事例3:太陽光発電(石狩地域)③
………P29
・導入事例2:太陽光発電(石狩地域)②
・導入事例4:太陽光発電(帯広地域)①
・導入事例 5:太陽光発電(帯広地域)②
・導入事例 6:太陽光発電(帯広地域)③
・導入事例 7:太陽光発電(胆振地域)①
・導入事例 8:太陽光発電(胆振地域)②
・導入事例 9:小形風力発電(石狩地域)①
・導入事例 10:小形風力発電(石狩地域)②
・導入事例 11:地中熱ヒートポンプ(石狩地域)①
・導入事例 12:地中熱ヒートポンプ(石狩地域)②
・導入事例 13:地中熱ヒートポンプ(空知地域)③
・導入事例 14:エコジョーズ(石狩地域)①
・導入事例 15:エコジョーズ②
・導入事例 16:エコフィール(石狩地域)①
・導入事例 17:エコフィール(石狩地域)②
・導入事例 18:エコキュート(石狩地域)①
・導入事例 19:エコキュート(石狩地域)②
・導入事例 20:エネファーム①
・導入事例 21:エネファーム(石狩地域)②
・導入事例 22:ペレットストーブ(石狩地域)①
・導入事例 23:ペレットストーブ(石狩地域)②
[給湯・暖房設備の地域による差の分析]
………P28
………P30
………P31
………P32
………P33
………P34
………P35
………P36
………P37
………P38
………P39
………P40
………P41
………P42
………P43
………P44
………P45
………P46
………P47
………P48
………P49
………P50
導入事例1(聞き取り調査)
■太陽光発電(石狩地域)の導入事例①(札幌市 O さん)
○導入年月(歴)/4年
○導入コスト/約150万円(補助金含む)
○出力/3.4kW
○補助金/市の補助金(約29万円)
○屋根の形状/無落雪
○維持コスト(年間)/ゼロ
○耐用年数/太陽電池モジュール(パネル)20年、
パワーコンディショナー(4kWタイプ)10年
<世帯概要>
○家族構成・世帯構成人員/夫婦 2 人、19 歳長女、16 歳次女
○居住形態/戸建て 5LDK
○導入理由/年間で約 8,957kWh ~ 214,968 円の電気料金(24 円/ kWh 計算)をどう節約するか
考えた末に、「節電することに加え、発電するということが効果的」と判断しました。ま
た、築 14 年目の我が家に取付けることに躊躇はありましたが施工できる友人がいたこ
とで安心して導入する決心がつきました。
導入者の声
導入のメリット
年間で 21 万円という電気代は、太陽光発電システムを取付ける前は、相当高いと感じていました。そこで
自宅で電気を発電して、売電して電気料金を長期的に賄っていくという選択肢をとりました。今では更に上がっ
た電気料金に選択は間違っていなかったと実感しています。
収支的には年間発電量が 3,395kWh で、売電できたのは 1,697kWh となり売電単価の 48 円/ kWh で計
算すると 81,456 円でした。実際には 5,697kWh を電力会社から買電し電気料金は年間で 136,728 円を支
払いましたので、売電分を引くと、実質は 55,272 円の持ち出しになりました。収支的には太陽光導入前と比
較すると年間で 159,696 円が節約できたという計算になります。この差は大きいですよ。
10 年間は条件の良い価格で売電できるということですからこれは非常に大きな動機付けとなりましたね。
導入のデメリット
ありません。
設備導入の重視ポイント
良い業者、信頼できる業者を選ぶことが最も重要なポイントです。というのも、導入後 10 年、20 年と長
いおつきあいをすることになるからです。
年間発電量
3,395kWh
買電支出(24円/kWh)
導入前電気料金
導入後電気料金
CO2削減量
売電収入(48円/kWh)
自家消費分
5,697kWh
214,968円
55,272円
1,151kg
1,697kWh
1,698kWh
136,728円
81,456円
0円
159,696円の節約
- 27 -
導入事例 2(聞き取り調査)
■太陽光発電(石狩地域)の導入事例②(恵庭市 H さん)
○導入年月(歴)/3ヶ月 ○導入コスト/約160万円(補助金含む)
○出力/7kW
○補助金/市の補助金(約29万円)
○屋根の形状/無落雪
○維持コスト(年間)/ゼロ
○耐用年数/太陽電池モジュール(パネル)20年、
○その他/オール電化、地中熱ヒートポンプ
パワーコンディショナー(8kWタイプ)10年
<世帯概要>
○家族構成・世帯構成人員/夫婦 2 人、19 歳長男、16 歳長女、12 歳次男
○居住形態/戸建て 5LDK ○導入理由/新築でハウスメーカーに依頼しました。以前の借家では電気、灯油、ガスを使用してい
ましたがオール電化を選択。全体的な高効率を求めて地中熱ヒートポンプシステムも導
入しました。ハウスメーカーのキャンペーンで太陽光発電 3kW がサービスという提案
があり、思い切ってこれを 7kW にして太陽光発電の併用を決めました。
導入者の声
導入のメリット
家庭のエネルギープランとしては「オール電化」+「地中熱ヒートポンプシステム」というのがイメージし
ていたものですが、7kW の太陽光発電を合わせて導入したことで「売電」という、電気を消費するだけでは
なく、 発電をしてそれを売ることができるということで、費用の節約ができています。
我が家の太陽光は設置角 10 度のタイプですので、 冬は積雪がありほぼ発電ができませんが、春から秋にか
けては設置角は低いことで一日中均一に太陽光を受けることができるため、安定した発電が期待できます。現
に新築後 3 ヶ月間のエネルギー収支では売電することで収入となっています。まだ一年を通じた資料がない
ため一概には言えませんが、 年間を通じて光熱費がゼロとなることが予想できます。
導入のデメリット
特になし
設備導入の重視ポイント
我が家はハウスメーカーの完成住宅見学会のモデルハウスとして紹介されました。そのキャッチフレーズは
「最新省エネ設備が実現する光熱費 0 円住宅」というものです。暖房、給湯でエネルギー消費が多い北海道で
は光熱費ゼロは夢のような話しでしたが、どうやら我が家はその夢の住宅のようです。
導入前のエネルギー
電気、灯油、ガス
年間費用
導入後電気料金
30,056円
35万円
売電収入(37円/kWh)
1,434kWh 53,058円
23,002円の収入
※導入後(8~10月の3ヶ月間)の資料
- 28 -
CO2削減量
286kg
導入事例3(聞き取り調査)
■太陽光発電(石狩地域)の導入事例③(札幌市 H さん)
○導入年月(歴)/4年 ○導入コスト/約230万円(補助金含む)
○出力/3.66kW
○補助金/国の補助金(約30万円)
○屋根の形状/無落雪と三角屋根
○維持コスト(年間)/ゼロ
○耐用年数/太陽電池モジュール(パネル)20年、
パワーコンディショナー(4kWタイプ)10年
<世帯概要>
○家族構成・世帯構成人員/祖父母、夫婦 2 人、20 歳長男、16 歳長女
○居住形態/二世帯住宅で 1 階に祖父母(3LDK)、 2 階の 4LDK に 4 人が居住。 ○導入理由/我が家は灯油で暖房、給湯、ガスでキッチンを賄うが、導入した理由はとにかく電気料
金を抑えること。2 世帯で年間 7,990kWh と大量の電気を消費することから太陽光発電
システムの導入を決めました。
導入者の声
導入のメリット
我が家では 20 枚の太陽電池モジュール(パネル)を無落雪屋根と三角屋根の両方に設置し 3.66kW の出力
で平成 22 年(2010 年)の我が家の試算では年間 1,492.6kWh の発電(売電単価 48 円/ kWh)ができました。
同時の買電は年間で 7995.9kWh(買電 24 円/ kWh)でしたので、太陽光発電がなければ年間で約 19 万円
の電気料金がかかるところ、売電で約 72,000 円の収入があり、電気料金を抑えることができました。
部屋にあるコントロールパネルで発電量は換算金額が一目でわかるので意識的にもエコが身につきました
ね。メーカー値では CO2 の削減も年間 672kg との説明でしたので、温暖化防止に貢献できていると感じて
います。導入では国の補助金約 30 万円を活用しました。
導入のデメリット
特になし
設備導入の重視ポイント
我が家は無落雪屋根と三角屋根両方があるので、両方に太陽電池モジュール(パネル)を設置することを重
要視しました。太陽電池モジュール(パネル)は 30 度傾斜設置タイプなので冬期間は無落雪屋根はやはり下
部 1m ほどが雪で埋まってしまうと予想されたからです。なかなか屋根に上がってモジュールの除雪も厳しい
のでこのポイントは重要視しました。
年間電気使用量
導入後電気料金
191,900円
CO2削減量
7,995.9kWh
1,012kg
売電収入
72,000円
72,000円の節約
- 29 -
導入事例4(聞き取り調査)
■太陽光発電(帯広地域)の導入事例①(帯広市 Y さん)
○導入年月(歴)/4年
○導入コスト/約160万円(補助金含む)
○出力/5kW
○補助金/国の補助金(約30万円)
○屋根の形状/無落雪
○維持コスト(年間)/ゼロ
○耐用年数/太陽電池モジュール(パネル)20年、
○その他/エコキュート
パワーコンディショナー(5.5kWタイプ)10年
<世帯概要>
○家族構成・世帯構成人員/夫婦 2 人、18 歳長女、16 歳長男
○居住形態/戸建て 5LDK
○導入理由/子どもたちが年頃になって電気の使用量が大きくなったことと、売電の買取価格は下が
ることはあっても上がることはないと思い、太陽光発電の導入を少しでも早くと決断し
ました。また、オール電化なのでエコキュート、暖房もエアコン併用でエネルギー節約
ができることも理由です。
導入者の声
導入のメリット
我が家では 4 年前に太陽光発電を導入したのですが当時の売電価格、つまり国の定める買取価格は kWh あ
たり 42 円でした。売電について色々と情報収集をしたところ、10 年間という期間で固定される国の買取価
格は下がることはあっても、上がることはないと自分なりに結論付けたからです。1 年でも早いうちに太陽光
発電を導入することによって、10 年間は条件の良い価格で売電できるということですからこれは非常に大き
な動機付けとなりましたね。
太陽電池モジュール(パネル)は 20 年のメーカー保証、パワーコンディショナーは 10 年保証ですがシス
テム自体はもっと長期間の使用に耐えうるものですから、定年後の年金以外の収入でも家計にメリットがある
と思っています。
導入のデメリット
特にありません。
設備導入の重視ポイント
信頼のできる業者、メーカーに依頼するというのが一番です。
年間発電量
5,230kWh
CO2削減量
売電収入(42円/kWh)
買電支出(24円/kWh)
3,444kWh 144,635円
4,860kWh 116,635円
1,210kg
28,000円の収入
- 30 -
導入事例 5(アンケート調査)
■太陽光発電(帯広地域)の導入事例②/導入歴 3 年
世帯消費電力量等
消費電力量(年間)
4,000kWh
世帯構成人数
3人
家族構成
夫婦 2 人、父親
導入した太陽光発電設備の出力
3.8kW
導入目的
(自家消費、固定価格買取制度活用など、目的)
売電での収入がある事が導入の目的です
導入のきっかけ
補助金が厚かったこと
(導入のきっかけとなった出来事など)
□戸建て □集合
✓
居住形態
二酸化炭素排出削減効果について
4LDK
( )
2,120kg /年間削減
(具体的な削減効果についての把握)
導入コスト
180 万円(補助金を含む)
維持コスト
0円
耐用年数
設備全体
17 年
付属品
・・・
交換パーツ
パワーコンディショナー 10~15 年
回収見込みの状況(売電等対象設備、それ以外の設備)
7年
自治体の補助金制度
活用(国)
(導入時に活用した補助金・活用制度の事前情報の有無)
導入によるメリット(導入前に想定していたメリット・
実際に得られたメリット・想定通りかどうか)
導入設備選定の背景
節電意識が高くなった。年間 25 万円の売電がある
システム全体の品質と発電効率
(導入した設備の選定の決め手になった理由・背景)
担当業者選定の背景
(導入にあたって、業者選定の決め手になった理由・背景)
住宅用エコ設備導入にあたっての重視ポイント
信頼ができてつきあいのある業者がいい
売電価格の高いうちに導入すべき
(検討~導入プロセスで重視したポイント、情報)
導入検討者へのアドバイス
太陽光発電は投資効果が高いです
(これから導入する方へのポイント助言)
- 31 -
導入事例 6(アンケート調査)
■太陽光発電(帯広地域)の導入事例③/導入歴 2 年
世帯消費電力量等
消費電力量(年間)
2,500kWh
世帯構成人数
4人
家族構成
夫婦 2 人、子ども2人(19 歳、15 歳)
導入した太陽光発電設備の出力
4kW
導入目的
(自家消費、固定価格買取制度活用など、目的)
遠隔地での別荘利用における売電収益と自給自足
導入のきっかけ
エネルギー自給を促進したかった
(導入のきっかけとなった出来事など)
✓
□戸建て □集合
居住形態
二酸化炭素排出削減効果について
4LDK
( )
2,650kg /年間削減
(具体的な削減効果についての把握)
導入コスト
280 万円(補助金を含む)
維持コスト
0円
耐用年数
設備全体
15 年
付属品
・・・
交換パーツ
パワーコンディショナー 10~15 年
回収見込みの状況(売電等対象設備、それ以外の設備)
9年
自治体の補助金制度
J-PEC(太陽光発電普及拡大センター)利用
(導入時に活用した補助金・活用制度の事前情報の有無)
導入によるメリット(導入前に想定していたメリット・
実際に得られたメリット・想定通りかどうか)
導入設備選定の背景
思いのほか発電が多い
安価なパネル導入はせず、安心な国内メーカーを導入
(導入した設備の選定の決め手になった理由・背景)
担当業者選定の背景
(導入にあたって、業者選定の決め手になった理由・背景)
住宅用エコ設備導入にあたっての重視ポイント
的確なアドバイスと実際の利回りを教えてくれた
地球環境を考えた
(検討~導入プロセスで重視したポイント、情報)
導入検討者へのアドバイス
コストばかりではなく、自然エネルギーを使って地球
に優しい生活をする!という意識を持ちましょう
(これから導入する方へのポイント助言)
- 32 -
導入事例 7(アンケート調査)
■太陽光発電(胆振地域)の導入事例①/導入歴 1 年
世帯消費電力量等
消費電力量(年間)
2,200kWh
世帯構成人数
4人
家族構成
夫婦 2 人、子ども 2 人(13 歳、9 歳)
導入した太陽光発電設備の出力
5.4kW
導入目的
(自家消費、固定価格買取制度活用など、目的)
固定価格買取制度の活用を目的に導入しました
導入のきっかけ
知人に勧められて導入を考えるようになり、色々と試
算をして決定しました
(導入のきっかけとなった出来事など)
□戸建て □集合
✓
居住形態
二酸化炭素排出削減効果について
2,546kg /年間削減
(具体的な削減効果についての把握)
導入コスト
210 万円
維持コスト
・・・
耐用年数
5LDK
( )
設備全体
10 年
付属品
・・・
交換パーツ
パワーコンディショナー 10 年
回収見込みの状況(売電等対象設備、それ以外の設備)
自治体の補助金制度
(導入時に活用した補助金・活用制度の事前情報の有無)
導入によるメリット(導入前に想定していたメリット・
実際に得られたメリット・想定通りかどうか)
導入設備選定の背景
8年
活用なし
シミュレーションを上回る発電をしています。
年平均 30 万円発電しています
発電効率が高いこと
(導入した設備の選定の決め手になった理由・背景)
担当業者選定の背景
(導入にあたって、業者選定の決め手になった理由・背景)
住宅用エコ設備導入にあたっての重視ポイント
信頼できる営業の人だったから
信頼できる営業の人だったから
(検討~導入プロセスで重視したポイント、情報)
導入検討者へのアドバイス
トラブルの対応も考えて安心できる業者を選ぶことが
大切です
(これから導入する方へのポイント助言)
- 33 -
導入事例 8(アンケート調査)
■太陽光発電(胆振地域)の導入事例②/導入歴 1 年
世帯消費電力量等
消費電力量(年間)
6,060kWh(オール電化)
世帯構成人数
3人
家族構成
夫婦 2 人、子ども 1 人(14 歳)
導入した太陽光発電設備の出力
3.4kW
導入目的
(自家消費、固定価格買取制度活用など、目的)
国の補助金活用があったので導入を決めました
導入のきっかけ
新築をきっかけにエネルギーを自家生産するため
(導入のきっかけとなった出来事など)
✓
□戸建て □集合
居住形態
二酸化炭素排出削減効果について
4LDK
( )
2,000kg /年間削減
(具体的な削減効果についての把握)
導入コスト
160 万円(補助金を含む)
維持コスト
0円
耐用年数
設備全体
20 年
付属品
・・・
交換パーツ
パワーコンディショナー 15 年
回収見込みの状況(売電等対象設備、それ以外の設備)
自治体の補助金制度
(導入時に活用した補助金・活用制度の事前情報の有無)
導入によるメリット(導入前に想定していたメリット・
実際に得られたメリット・想定通りかどうか)
導入設備選定の背景
8年
活用(国)
導入したことで非常に満足です
国内メーカーという安心感
(導入した設備の選定の決め手になった理由・背景)
担当業者選定の背景
(導入にあたって、業者選定の決め手になった理由・背景)
住宅用エコ設備導入にあたっての重視ポイント
展示場で見て考慮
回収までの年数
(検討~導入プロセスで重視したポイント、情報)
導入検討者へのアドバイス
早めに導入した方がお得です
(これから導入する方へのポイント助言)
- 34 -
導入事例 9(聞き取り調査)
■小形風力発電(石狩地域)の導入事例①(札幌市 Y さん)
○導入コスト/約50万円(補助金含まず)
○導入年月(歴)/4ヶ月 ○導入機器/HORAISON SAV30・SAV50
○出力/30Wと50W
○補助金/利用なし
○屋根の形状/三角屋根
○維持コスト/年間5万円(点検費)
○耐用年数/設備全体20年
○その他/太陽光発電
ジェルバッテリー5~7年
<世帯概要>
○家族構成・世帯構成人員/夫婦 2 人
○居住形態/戸建て 5LDK
○導入理由/以前から風力発電には興味がありました。昼夜を問わず発電できるという風力発電 の最大のメリットと、東日本大震災以降、常に考えていた非常用の電力としての可能性
を体験してみたかったのです。私が住んでいる札幌市内に、小形風力発電システムの代
理店があったことも導入の理由です。
導入者の声
導入のメリット
以前から設置していた太陽光発電(蓄電装置あり)と風力発電で夜間の自宅内の照明と、屋外のイルミネー
ションの電気を全て賄うことができています。
また同時に災害時の非常用電源として試験的に移動式の風力発電を購入しました。移動用のキャスターがつ
いているので、どこにでも移動できるのが良いですね。冬期間もソリにすることで移動は楽々です。もしもの
災害時には、かなり明るい 5W の LED を 8 時間程度点灯することができるというのが自慢です。
低周波音や、風切り音がないのでわが家のような住宅地でも設置が可能です。今後は本格的な 15 〜 20kW
の風力発電ユニットの導入を考えています。
導入のデメリット
当初は売電も考えていましたがインバーターの認定がおりなかったことが残念です。
設備導入の重視ポイント
メンテナンスのことを考えるとやはり住居地域に販売・施工をまかせられる業者がいるというのがポイント
です。私の場合、札幌市内に小形風力発電システムの販売・施工代理店を見つけまして、本格的な導入の前に、
まずは試験的に垂直軸形(バーティカル式)を我が家に導入してみました。業者からも一般家庭向けという小
形風力発電設備に関する十分な説明があったので非常に満足していますね。
■設備導入によるコストの比較(導入歴によって年間または導入期間)
・導入前/電気で年間13,000kWhを使用していましたので、電気料金は約45万円ほどかかっていました。
・導入後(4ヶ月)/試験的な30W導入なので電気使用量は変わりません。※試験導入なのでCO2算出不明
- 35 -
導入事例 10(アンケート調査)
■小形風力発電(石狩地域)の導入事例②/導入歴 1 年
世帯消費電力量等
消費電力量(年間)
7,800kWh
世帯構成人数
3人
家族構成
夫婦 2 人、子ども 1 人(17 歳)
5kW
導入した小形風力発電発電設備の出力
導入目的
(自家消費、固定価格買取制度活用など、目的)
自家消費電力 + 売電を目的に導入
風力発電の売電価格が高いという点と、一般家庭用の
風力発電がある事をはじめて知ったので
導入のきっかけ
(導入のきっかけとなった出来事など)
□戸建て □集合
✓
居住形態
二酸化炭素排出削減効果について
4LDK
( )
よくわからない
(具体的な削減効果についての把握)
導入コスト
本体 350 万円 工事費 85 万円
維持コスト
メンテナンス 5 万円(年一回)
耐用年数
設備全体
20 年
付属品
バッテリー 5 ~ 7 年(ジェルバッテリー)
交換パーツ
特になし
回収見込みの状況(売電等対象設備、それ以外の設備)
自治体の補助金制度
(導入時に活用した補助金・活用制度の事前情報の有無)
導入によるメリット(導入前に想定していたメリット・
実際に得られたメリット・想定通りかどうか)
導入設備選定の背景
10 年
活用なし
思ったより発電できるのと「風車のある家」として見
た目に満足
業者が札幌で、担当者が信頼のおける感じだったから
(導入した設備の選定の決め手になった理由・背景)
担当業者選定の背景
(導入にあたって、業者選定の決め手になった理由・背景)
住宅用エコ設備導入にあたっての重視ポイント
インターネットで調べた
太陽光は屋根にのせるというデメリットがある
(検討~導入プロセスで重視したポイント、情報)
それほど普及していないので信頼できる業者を見つめ
ることが重要
導入検討者へのアドバイス
(これから導入する方へのポイント助言)
- 36 -
導入事例 11(聞き取り調査)
■地中熱ヒートポンプ(石狩地域)の導入事例①(札幌市 K さん)
○導入コスト/約190万円(補助金含まず)
○導入年月(歴)/2年
○耐用年数/地中熱ヒートポンプシステム機器15年
地中内ヒートポンプユニット半永久的
○導入機器/国内地中熱ヒートポンプGTS-H
6000(ポアホール:シングルUチュー
ブ50m×2本直列)
○補助金/掘削の一部を補助
○維持コスト/ゼロ
<世帯概要>
○家族構成・世帯構成人員/夫婦 2 人
○居住形態/戸建て 3LDK
○導入理由/子どもたちの独立を機に 2 年前に 5LDK の住宅を 3LDK に改築。オール電化で暖房給湯
など全てをカバー。さらに効率を求めて地中熱ヒートポンプを導入。
家庭の使用エネルギーの総量を確実に押さえることで、CO2 の削減ができ、地球環境に
も貢献できていると実感できている。
導入者の声
導入のメリット
3 人の子どもたちが独立し夫婦 2 人の暮らしに戻ったときにライフスタイルが大きく変わり、それを機に住
宅を改築、スケールダウンすると同時に、それまで灯油、ガスに依存していたエネルギーをオール電化に一本
化することにしました。地中熱ヒートポンプについては改築時ではなくその後に、補助金制度もあり更にラン
ニングエネルギーを押さえるために導入しました。
自宅の CO2 の排出量についてはわかりませんが、間違いなく言えることは我が家の電気料金は同条件の普
通の家庭と比較してほぼ半分程度に抑えていると思っています。
今は国内メーカーからもっと浅い掘削で高効率のヒートポンプが登場したようなのでこれから導入するお宅
はさらに条件が良くなりますね。
導入のデメリット
特にありません。
設備導入の重視ポイント
補助金で掘削費用の一部を補填できたことが大きなポイントとなっています。一般的に地中熱ヒートポンプ
で掘削する費用として 1m の掘削で 1.5~2 万円かかるといわれていますが、高額な掘削費用に補助金を一部
使えたというのはお財布に取って大歓迎でした。機器については 15 年のメーカー保証ですのでまったくかか
りません。地中にある地中熱ユニットは半永久的な耐久性ですのでランニングコストも不要です。
年間電気使用量
導入前電気使用量
導入後電気使用量
13,700kWh
10,540kWh
CO2削減量
2,142kg
- 37 -
導入事例 12(聞き取り調査)
■地中熱ヒートポンプ(石狩地域)の導入事例②(恵庭市 H さん)
○導入機器/国内地中熱ヒートポンプGTS-H
○導入年月(歴)/3ヶ月 ○耐用年数/地中熱ヒートポンプシステム機器15年
地中内ヒートポンプユニット半永久的
○導入コスト/約190万円(補助金含まず)
6000(ポアホール:シングルUチュー
ブ50m×2本直列)
○補助金/掘削の一部を補助
○維持コスト/ゼロ
○その他/太陽光発電
<世帯概要>
○家族構成・世帯構成人員/夫婦 2 人、19 歳長男、16 歳長女、12 歳次男
○居住形態/戸建て 5LDK ○導入理由/以前は年間の光熱費が電気、灯油、ガス合わせて 35 万円ほどかかっていました。 色々なものが値上がりしていく中でいかに費用的にもエネルギー的にも効率よくコスト
削減するかを考慮して新築条件として地中熱、プラスオール電化・太陽光発電を選択し
ました。
導入者の声
導入のメリット
地中熱ヒートポンプシステム導入では掘削費用が 1m あたり 1.5 〜 2 万円かかるといわれています。北海
道内各地で異なりますが札幌圏では約 100m ほど掘る必要がありますのでその費用は約 200 万円になります。
我が家では従来の半分の 50m の掘削で 8kW の暖房出力が得られるコロナのハイブリッド地中熱ヒートポ
ンプシステムを導入し、更に補助金を活用することで、この掘削費用などにあてることができました。そして
我が家では基本システムを地中熱ヒートポンプ、補助システムとして太陽光発電を併用したおかげで 8 ~ 10 月
の買電電気料金累計が 30,056 円に対し売電収入累計が 53,058 円と 23,002 円のプラスとなりました。
導入のデメリット
ありません
設備導入の重視ポイント
補助金があったから地中熱ヒートポンプを導入したわけではなく、新築で基本となる高気密高断熱住宅に加
えエネルギーの高効率を考えた末にシステム導入を決断しました。補助システムとして太陽光を選択したのは
ハウスメーカーのススメによるものです。二つのシステムが必要なのかと聞かれれば、間違いなく必要ですと、
3 ヶ月ですが実感を込めてそう断言します。
導入前のエネルギー
電気、灯油、ガス
年間費用
35万円
<太陽光発電システム分>
導入後電気料金
30,056円
売電収入(37円/kWh)
1,434kWh 53,058円
23,002円の収入
※導入後(8~10月の3ヶ月間)の資料
- 38 -
CO2削減量
286kg
導入事例 13(アンケート調査)
■地中熱ヒートポンプ(空知地域)③/導入歴 1 年
世帯消費電力量等
消費電力量(年間)
3,800kWh
世帯構成人数
4人
家族構成
夫婦 2 人、子ども 2 人(14 歳、7 歳)
導入目的
(自家消費、固定価格買取制度活用など、目的)
省エネと二酸化炭素排出の削減で環境保護のため
導入のきっかけ
冬期間の安全な歩行道路の確保のため
(導入のきっかけとなった出来事など)
□戸建て □集合
✓
居住形態
二酸化炭素排出削減効果について
従 来 の 電 熱 線 方 式・ 灯 油 ボ イ ラ ー 機 器 と の 比 較 で
CO2 を 35~71%削減
(具体的な削減効果についての把握)
導入コスト
300 万円
維持コスト
15,000 円/月
耐用年数
4LDK
( )
設備全体
ボイラー 10 年、その他 20 年
付属品
・・・
交換パーツ
不凍液 5 年
回収見込みの状況(売電等対象設備、それ以外の設備)
自治体の補助金制度
(導入時に活用した補助金・活用制度の事前情報の有無)
導入によるメリット(導入前に想定していたメリット・
実際に得られたメリット・想定通りかどうか)
導入設備選定の背景
20 年以上
活用
従来と比較して大幅に CO2 を削減できたこと
再生可能エネルギーの活用を考えて
(導入した設備の選定の決め手になった理由・背景)
担当業者選定の背景
(導入にあたって、業者選定の決め手になった理由・背景)
以前からつきあいのあった業者なので安心だった
できるだけ再生可能エネルギーを利用してランニング
コストを下げたかった
住宅用エコ設備導入にあたっての重視ポイント
(検討~導入プロセスで重視したポイント、情報)
導入検討者へのアドバイス
補助金を活用することで採算性が良くなります
(これから導入する方へのポイント助言)
- 39 -
導入事例 14(聞き取り調査)
■エコジョーズ(石狩地域)の導入事例①/導入歴 2 年
○導入年月(歴)/2年 ○耐用年数/15年
○導入コスト/約60万円(補助金含まず)
○導入機器/ノーリツ・GTH-C2448
AWPD-SFF-KO
○補助金/市の補助金
○維持コスト/月に15,000円(12ヶ月平均)
<世帯概要>
○家族構成・世帯構成人員/夫婦 2 人、4 歳長男、2 歳次男
○居住形態/戸建て 4LDK
○導入理由/これまでは灯油価格の高騰を心配していたため、灯油ボイラーはまだ2年目だったが早
めにエコジョーズに替えた方がお得になると思った。
導入者の声
導入のメリット
灯油の高騰。キャンペーンチラシ等の広告を見て。担当者の分かりやすい説明や光熱費シュミレーションを
作成して頂き燃料費を抑えることが出来ると考えた。2 年間の使用でゆ~ぬっく 24 ネオというガス料金を利
用し、15,000 円 / 月(12 ヶ月の平均)と、平均のランニングコスト比較では想像してた以上の節約が出来
ていると感じている。
導入のデメリット
特になし
設備導入の重視ポイント
我が家は子供が小さいため、毎日のお湯の使用も多いのでお湯も暖房もランニングコストが抑えられること
と、地球環境に優しい天然ガスを使用できる事をポイントとしていた。
■設備導入によるコストの比較(導入歴によって年間または導入期間)
・導入前/資料なし
・導入後/月額15,000円(平均)
- 40 -
導入事例 15(アンケート調査)
■エコジョーズ(空知地域)の導入事例②/導入歴 2 年
世帯消費電力量等
消費電力量(年間)
2,600kWh
世帯構成人数
4人
家族構成
夫婦 2 人、子ども 2 人(20 歳、17 歳)
導入目的
(自家消費、固定価格買取制度活用など、目的)
ランニングコストの低減をするため
導入のきっかけ
ボイラーが傷んできたので導入を考えた
(導入のきっかけとなった出来事など)
□戸建て □集合
✓
居住形態
二酸化炭素排出削減効果について
1,800kg /年間削減
(具体的な削減効果についての把握)
導入コスト
30 万円
維持コスト
12,000 円/月
耐用年数
4 LDK
( )
設備全体
12 年
付属品
12 年
交換パーツ
10 年
回収見込みの状況(売電等対象設備、それ以外の設備)
自治体の補助金制度
(導入時に活用した補助金・活用制度の事前情報の有無)
導入によるメリット(導入前に想定していたメリット・
実際に得られたメリット・想定通りかどうか)
導入設備選定の背景
6年
活用なし
燃料代の削減が図られた
灯油の度重なる値上げが要因
(導入した設備の選定の決め手になった理由・背景)
担当業者選定の背景
(導入にあたって、業者選定の決め手になった理由・背景)
住宅用エコ設備導入にあたっての重視ポイント
以前からおつきあいのある業者さんだったから
イニシャルコストとランニングコストのバランス
(検討~導入プロセスで重視したポイント、情報)
導入検討者へのアドバイス
機器の買い換えのタイミングなのであれば省エネ機器
への転換を考えるべきです
(これから導入する方へのポイント助言)
- 41 -
導入事例 16(聞き取り調査)
■エコフィール(石狩地域)の導入事例①
○導入年月(歴)/1年 ○導入機器/ノーリツ・QTQ-CG4703AWFF- ○耐用年数/エコフィール基本機器10年
RCBL
減圧弁など10年
○補助金/市の補助金
○導入コスト/約30万円
○維持コスト/月額6,000円(灯油料金の年額を月
平均にしたもの)
<世帯概要>
○家族構成・世帯構成人員/夫婦 2 人、20 歳長男、16 歳長女
○居住形態/戸建て 4LDK ○導入理由/使用していた壁掛け式の灯油給湯ボイラーが故障し修理しようとしたところ、修理部品の
供給が終わっているということで新しいボイラーを検討。エコフィールは、高いイメー ジがありましたが見積りを取ってみると意外に安かったのと、二世帯住宅の上階のためエ
コキュートやエコジョーズは機器の設置が無理ということでエコフィールに決めました。
導入者の声
導入のメリット
工事費を含めて約 30 万円というのは 10 年 20 年と使っていく上ではコストパフォーマンスが高かったで
すね。また、長女などは朝と晩にシャワーを使うものですからやはり給湯機器の効率については常々考えてい
ましたから、古いボイラーが壊れたのがちょうど良いきっかけとなりましたね。現在月平均で約 6,000 円の
灯油を消費していますが、4 人家族で年頃の子どもが二人いるという条件では感覚的にではありますが節約で
きていると感じます。また、エコフィールを導入したことで家族にも「省エネ」への意識が芽生えてきたこと
も良かったと感じています。
導入のデメリット
ありません。
設備導入の重視ポイント
費用的には 30 万円と手頃でしたが、 さらに札幌市の ECO プロジェクト資金補助 2 万円があることがポイ
ントでしたね。また、施工に関しては、たまたまおつきあいのある住宅関連の業者さんがいたので相談もでき
たのが良かったですね。わからないところはまず聞いてみる。これがこれから導入を考えている人にはお勧め
です。どんな小さなことでも聞くということが重要です。
■設備導入によるコストの比較(導入歴によって年間または導入期間)
・導入前/資料なし
・導入後/月額6,000円(平均)
- 42 -
導入事例 17(アンケート調査)
■エコフィール(石狩地域)の導入事例②/導入歴 1 年
世帯消費電力量等
消費電力量(年間)
2,600kWh
世帯構成人数
3人
家族構成
夫婦 2 人、子ども 1 人(14 歳)
導入目的
(自家消費、固定価格買取制度活用など、目的)
ランニングコストの低減。ここにつきます
導入のきっかけ
燃料販売店からのお勧めで導入を決定
(導入のきっかけとなった出来事など)
□戸建て □集合
✓
居住形態
二酸化炭素排出削減効果について
1,791kg /年間削減
(具体的な削減効果についての把握)
導入コスト
約 30 万円
維持コスト
約 1 万円/月
耐用年数
設備全体
10 年
付属品
・・・
交換パーツ
・・・
回収見込みの状況(売電等対象設備、それ以外の設備)
自治体の補助金制度
(導入時に活用した補助金・活用制度の事前情報の有無)
導入によるメリット(導入前に想定していたメリット・
実際に得られたメリット・想定通りかどうか)
導入設備選定の背景
4LDK
( )
7年
活用なし
特別わかりません
灯油単価の高騰
(導入した設備の選定の決め手になった理由・背景)
担当業者選定の背景
(導入にあたって、業者選定の決め手になった理由・背景)
住宅用エコ設備導入にあたっての重視ポイント
燃料販売店が詳しく提案してくれたから
何年で回収できるのかというのが最大のポイント
(検討~導入プロセスで重視したポイント、情報)
導入検討者へのアドバイス
燃料費だけのメリットではなく快適性も優れていまし
(これから導入する方へのポイント助言)
た
- 43 -
導入事例 18(聞き取り調査)
■エコキュート(石狩地域)の導入事例①/導入歴 1 年
○導入コスト/約30万円
○導入年月(歴)/1年 ○導入機器/ダイキン
○耐用年数/エコキュート基本機器10年
○補助金/活用なし
○維持コスト/月額14,000円(電気料金の年額を
月平均にしたもの)
<世帯概要>
○家族構成・世帯構成人員/夫婦 2 人、13 歳長女、10 歳次女
○居住形態/戸建て 4LDK ○導入理由/新築時にオール電化住宅を採用し、給湯をエコキュートとすることで、環境に優しく、 節約にもなる設備ということで導入しました。
導入者の声
導入のメリット
新築時に導入したので、同じ環境ではない以前との比較は難しいですが、夜間の安い電気を使用するので、
電気代の節約につながっていると思います。季節で変動はありますが、電気代のお得感は感じています。
子供がお風呂を良く使いますが、心配していた給湯切れも起きていませんし、夜、機械が動く音も気になっ
ていません。
導入のデメリット
まだ使用して 1 年位ですが、全く問題はありません。
設備導入の重視ポイント
新築時にオール電化を選択したことで、エコキュートの導入を決めましたが、新築する際の担当者さんが丁
寧に説明してくれたことで不安も無く導入する事ができました。
また、その説明の中で「エコキュートは電気を無駄なく使う」という話も省エネにつながると思い重視した
ポイントです。
■設備導入によるコストの比較(導入歴によって年間または導入期間)
・導入前/資料なし
・導入後/月額14,000円(平均)
- 44 -
導入事例 19(アンケート調査)
■エコキュート(石狩地域)の導入事例②/導入歴 1 年
世帯消費電力量等
消費電力量(年間)
1,600kWh
世帯構成人数
3人
家族構成
夫婦 2 人、子ども 1 人(26 歳)
460 リットル
導入した給湯設備の容量
導入目的
(自家消費、固定価格買取制度活用など、目的)
省エネすることで家計的にも、 将来的なランニングコ
ストにも役立つと考えて
導入のきっかけ
新築をきっかけに全てのエネルギーを見直しました
(導入のきっかけとなった出来事など)
□戸建て □集合
✓
居住形態
二酸化炭素排出削減効果について
把握なし
(具体的な削減効果についての把握)
導入コスト
30 万円
維持コスト
なし
耐用年数
4LDK
( )
設備全体
10 年
付属品
なし
交換パーツ
なし
回収見込みの状況(売電等対象設備、それ以外の設備)
自治体の補助金制度
(導入時に活用した補助金・活用制度の事前情報の有無)
導入によるメリット(導入前に想定していたメリット・
実際に得られたメリット・想定通りかどうか)
導入設備選定の背景
10 年
活用なし
導入によるメリットは確かに実感しています
省エネをコンセプトにした商品だったから
(導入した設備の選定の決め手になった理由・背景)
担当業者選定の背景
(導入にあたって、業者選定の決め手になった理由・背景)
知人でした
オール電化を決めていましたので、エコキュートを導
入しました
住宅用エコ設備導入にあたっての重視ポイント
(検討~導入プロセスで重視したポイント、情報)
導入検討者へのアドバイス
エコキュートは省エネになります
(これから導入する方へのポイント助言)
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導入事例 20(聞き取り調査)
■エネファームの導入事例①
○導入年月(歴)/3年 ○耐用年数/20年
○導入コスト/約240万円(補助金含まず)
○導入機器/パナソニック FC75AR13H
○補助金/活用
○維持コスト/当初はメンテナンスフリー
<世帯概要>
○家族構成・世帯構成人員/夫婦 2 人、未就学児童 1 人
○居住形態/戸建て 4LDK
○導入理由/学生時代から環境について学んでおり、自宅を建てる際には非常に環境負荷の低い燃料
電池を導入したいと考えていた。自家発電することで、電気代をできるだけ低く抑える
ためという目的もある。
導入のメリット
エネファームは電気代を低く抑える理想的なシステム。これは発電コストの安さ、契約アンペアを落とすこ
とができるので基本料金も下げられ、さらに購入量が抑えられるため購入電力の単価が安いというメリットが
ある。エネファームはお湯代がほぼかからないというシステムで、これは発電の際の副産物としてお湯をつくっ
ているからという機能が気に入っている。
このほかガス料金単価の低減。これはエネファームには家庭用の単価の中で最も安いものが適用され、暖房
にかかるガス代を節約できるというもので、この他エネルギーの効率的な利用が可能となることや、大型の機
器を室外に置くことができ、室内を広くとることができること、さらに環境への意識の向上も重要なメリット
と考える。
導入のデメリット
特になし。
設備導入の重視ポイント
新築時に設置したため、理論値での効果試算となるが、平成 25 年(2013 年)の実績としては年間で6万
円程度のメリットが発生しており、想定どおり。電気料金値上げにより、さらにメリットは増えており、年間
8 万円程度と想定している。コージェネ料金というお得なガス料金メニューが適用されている。
■設備導入によるコストの比較(導入歴によって年間または導入期間)
・導入前/資料なし
・導入後/平成25年(2013年)では約6万円。今後は年間8万円の節約があると想定している。
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導入事例 21(アンケート調査)
■エネファーム(石狩地域)の導入事例②/導入歴 1 年
世帯消費電力量等
消費電力量(年間)
2,600kWh
世帯構成人数
3人
家族構成
夫婦 2 人、子ども 1 人(0 歳)
導入目的
(自家消費、固定価格買取制度活用など、目的)
自家消費をするために
導入のきっかけ
ハウスメーカーの営業担当者から進められて検討し、
導入を決定
(導入のきっかけとなった出来事など)
□戸建て □集合
✓
居住形態
二酸化炭素排出削減効果について
4LDK
( )
1,800kg /年間削減
(具体的な削減効果についての把握)
導入コスト
200 万円(補助金を含む)
維持コスト
夏/ 5,000 円/月 冬 20,000 円/月(ガス料金)
耐用年数
設備全体
15 年
付属品
15 年
交換パーツ
特になし
回収見込みの状況(売電等対象設備、それ以外の設備)
自治体の補助金制度
(導入時に活用した補助金・活用制度の事前情報の有無)
導入によるメリット(導入前に想定していたメリット・
実際に得られたメリット・想定通りかどうか)
15 年
活用
発電する際に発生する熱で給湯できるため、 節電可能
と思ったが想定よりはメリットが少なかった
これから家族が増えることを予定して節電できると
思って導入
導入設備選定の背景
(導入した設備の選定の決め手になった理由・背景)
担当業者選定の背景
(導入にあたって、業者選定の決め手になった理由・背景)
住宅用エコ設備導入にあたっての重視ポイント
ハウスメーカーの営業担当者による説明
省エネ効果があると想定
(検討~導入プロセスで重視したポイント、情報)
導入検討者へのアドバイス
納得のできるシステムを導入することをおすすめしま
す
(これから導入する方へのポイント助言)
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導入事例 22(聞き取り調査)
■ペレットストーブ(石狩地域)の導入事例①/導入歴 1 年(札幌市 K さん)
○導入年月(歴)/1年
○耐用年数/基本機器15年
○導入コスト/約70万円
○補助金/活用なし
○維持コスト/13,000円
<世帯概要>
○家族構成・世帯構成人員/夫婦 2 人、20 歳長女、16 歳長男
○居住形態/戸建て 4LDK ○導入理由/子供も大きくなり、火のある生活がしたくなり導入しました。ペレットストーブのおしゃ
れな見た目をインテリアとしても活用できると思い導入しました
導入者の声
導入のメリット
リビングの真ん中に設置しましたが、本物の火のある生活で家族も集まるようになり、室温だけでなく、心
も温かくなりました。子供たちの友人も遊びに来るたびにかっこいいと褒めてくれる自慢のインテリアです。
また、環境にも優しいペレットストーブで我が家でもテレビなどで環境問題についての話が出るたびに家族
で話をしたり考えるようになり、家族の意識が変わったこともメリットです。
導入のデメリット
リビングの真ん中にあり、設備が大きく煙突もあるので使用しない夏場は少しだけ邪魔になってしまいます。
設備導入の重視ポイント
ペレットストーブを販売している方が知人におり、実際に見てから決めることができました。ペレットを燃
料にするという環境への貢献ももちろん重視しましたが、決め手はやっぱりペレットストーブの見た目のかっ
こよさです。新製品が出るたびに買い替えたくなる衝動にかられてしまいますが、満足できるものを購入した
ので良かったと思っています。
■設備導入によるコストの比較(導入歴によって年間または導入期間)
・導入前/資料なし
・導入後/月額13,000円(平均)
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導入事例 23(アンケート調査)
■ペレットストーブ(石狩地域)の導入事例②/導入歴 1 年
世帯消費電力量等
消費電力量(年間)
3,250kWh
世帯構成人数
4人
家族構成
夫婦 2 人、子ども 2 人(14 歳、11 歳)
導入目的
(自家消費、固定価格買取制度活用など、目的)
暖かなイメージの「火」を日常で見たかったのが理由
導入のきっかけ
知り合いがたまたま、ペレットストーブを販売してい
たので決めました
(導入のきっかけとなった出来事など)
□戸建て □集合
✓
居住形態
二酸化炭素排出削減効果について
1,272kg /年間削減
(具体的な削減効果についての把握)
導入コスト
65~70 万円
維持コスト
18,000 円/月
耐用年数
4LDK
( )
設備全体
10~15 年
付属品
10~15 年
交換パーツ
2~3 年
回収見込みの状況(売電等対象設備、それ以外の設備)
自治体の補助金制度
(導入時に活用した補助金・活用制度の事前情報の有無)
導入によるメリット(導入前に想定していたメリット・
実際に得られたメリット・想定通りかどうか)
導入設備選定の背景
特に把握していない
活用なし
実際に火が見られて暖かな気持ちになる
どうしてもストーブが欲しかったから
(導入した設備の選定の決め手になった理由・背景)
担当業者選定の背景
(導入にあたって、業者選定の決め手になった理由・背景)
信頼度が高かった
さまざまな業者がいる中で、 アフターフォローまで信
頼できる業者に依頼することが大切
住宅用エコ設備導入にあたっての重視ポイント
(検討~導入プロセスで重視したポイント、情報)
調理器具を含めて「火」を見る機会がないような気が
する。炎を見ることが少ない中、子どもたちや自分も
含めて火を使う生活をもう一度体験したかった
導入検討者へのアドバイス
(これから導入する方へのポイント助言)
- 49 -
※給湯・暖房設備の地域による差の分析
■気候をテーマとした地域性の分類
北海道は広い大地です。気象庁の資料で
は北海道の気候を地形や海流を念頭に置い
て 5 つに区分し、それぞれの特徴が次表の
とおり述べられています。
区分 1
区分 2
区分 3
区分 4
区分 5
〜太平洋側西部~
津軽海峡を抜ける津軽暖流の影響を受け、北海道の中でも温暖な地域
渡島半島の南部から胆振・日高地方
になっている。また、冬季の雪が少ないのも特色である。
〜日本海側~
日本海に面する檜山・後志・石狩・
留萌・宗谷地方の沿岸部
対馬暖流の影響を受けて比較的温暖である。冬季には風雪が強まるが、
〜オホーツク海側~
宗谷南部・紋別・網走・北見地方
〜太平洋側東部~
十勝から釧路・根室地方
〜内陸部~
山地に囲まれた地域
夏季は気温が高く、晴天が多くなる。
夏、冬とも乾燥した季節風が吹き込むため、一年を通じて晴天に恵ま
れやすく、降水量の少ない地域である。冬季に流氷が接岸して海面を
覆い隠すと、内陸部と同様の厳しい冷え込みが続く。
夏の湿った南東季節風が親潮によって冷やされ、海霧がしばしば発生する。
このため、霧の影響の及ばない内陸部を除き、夏は晴れ間が少なく、気温
も上がりにくい。冬季は雪が少なく、晴天の日が多いが、厳しい寒さが続く。
夏季の最高気温はしばしば 30℃を超え、一方、冬季の最低気温は
-20℃以下になるなど、日本でもっとも寒暖差の大きい地域となって
いる。
以上が気象庁による 5 つの区分ですが、北海道内でそれほど地域による給湯・暖房の差は見受
けられません。というのも、気温は個人の体感で変わりまた個人差で家の中の温度が温かい、寒
いが異なるからです。
■北海道内で明確なエネルギー消費に差はあるのか
エネルギー消費量で最も差があると言えるのは「戸建てとマンション」の差であり、また、戸
建てでも高気密の住宅と古い住宅ではエネルギー消費量が大きく変わります。
「道内民生部門のエネルギー消費実態等分析調査」
(北海道経済部(平成 23 年(2011 年)))では、
北海道のエネルギー消費原単位は戸建住宅と集合住宅全体で 88,100MJ(メガジュール)/ 世帯
という分析結果となっており、住宅形態別では戸建住宅が 95,100MJ/ 世帯に対し、集合住宅が
41,500MJ/ 世帯であり、エネルギー消費量では 2 倍以上の違いが明確になっています。北海道
内での灯油使用量は道南地域が最も少ない調査結果となっています。
- 50 -
住宅用エコ設備トラブル事例
・トラブル事例:契約トラブル例
………P52
・トラブル事例:小形風力発電
………P61
・トラブル事例:施工トラブル例
・トラブル事例:暖房・給湯
・住宅用エコ設備トラブル事例の特徴
・道民がトラブルに巻き込まれないために(一般向け)
………P58
………P61
………P63
………P65
・事業者がトラブルに巻き込まれないために(事業者向け)………P71
住宅用エコ設備 トラブル事例
Case-1
契約
■販売業者と契約後に連絡が取れなくなった
販売業者から電話があり、興味があったので訪問してもらい話を聞いた。初期の導入
費用を 10 年で回収できると説明され、信用して契約を結んだ。しかし、契約後に施工
工事のことで販売業者に電話しても連絡が取れなくなった。販売業者の対応に不信感を
抱き、高額契約は、複数の販売業者から見積りを取るべきだと思った。
[アドバイス]
販売業者に不信感を抱き契約を解除したい場合、クーリング・オフという手段があり
ます。クーリング・オフ書面を発送後、販売業者から「どうしてクーリング・オフする
のか」などと言われても、「連絡も取れないので不安だった」などと、はっきりと断り
ましょう。
Case-2
契約
■期日になっても工事が行われず、しかも費用の増額を求められた
訪問販売業者から「今ならモニター価格で安く設置できる」と契約を急がされた。エ
コ設備と併せてサンルームの増築工事も要望したところ、販売業者からは両方の代金を
信販会社でローンを組むように勧められた。ところが着工予定日を過ぎても工事が行わ
れず、ローンの支払いだけが開始。さらにその後、販売業者からサンルーム工事の手配
が出来ず、先にエコ設備工事をしたい、またサンルーム工事は、予定の金額では難しい
との書面が届いた。当初の契約と異なるので解約したい。
[アドバイス]
販売業者や信販会社に対して解約を申し出る場合、勧誘時の説明内容や、契約後に提
示された費用の増額について時系列で具体的な内容を書面にして、販売業者と信販会社
に送付し交渉するのがスムーズです。電話での打合せなどの内容は、日付入りでメモを
残しておくのがお勧めです。
Case-3
契約
■公共住宅なのに訪問販売業者から強引に設置を勧められた
訪問販売業者からエコ設備を導入しないかと電話があった。ここは公共住宅だと断っ
ても、自宅に行くと言われ、一方的に電話を切られた。強引に自宅に押しかけられても
困るので役場に相談したところ、販売業者が来ても公共住宅なのでエコ設備を設置でき
ないことを告げて断り、絶対家に入れないよう助言された。
[アドバイス]
こうした場合は絶対に家に入れずに、しっかりと断るようにしましょう。
- 52 -
住宅用エコ設備 トラブル事例
Case-4
契約
■娘が自分の夫に無断で高額なエコ設備の契約をしてしまった
私の娘が知人の紹介でエコ設備の説明会に行き、自分の夫に相談もせずに勝手にエコ
設備や浄水器の高額契約をしてしまった。販売業者から浄水器は、将来環境が放射能で
汚染されたときに必要になると勧められ、エコ設備との合計代金 80 万円のうち 50 万
円を振り込んだという。聞いたことのないメーカーなので大いに疑問がある。だまされ
ているのではないかと私や娘の夫が意見しても耳を貸さない。
[アドバイス]
まずは家庭内でじっくりと話し合いましょう。高額な設備の導入にあたってはひとり
で判断しないで契約の前に家族で十分に話し合いましょう。
Case-5
契約
■発電設備は、売電による収入があると説明されたが信頼できるのか
同居中の母が空地を持っていて、そのことを販売業者に伝えると空地に太陽光発電
設備を設置しないかと勧誘されたようだ。太陽光発電設備の設置費用として 1,500 万
円くらいかかるため、20 年ローンを組まなければならない。販売業者から「売電する
ことで毎年 60 万円はローンを支払っても利益として確実に手元に残る」と説明を受け
たらしい。販売業者からの見積りもきていないので、まだ契約書は交わしていないが、
1,500 万円という高額な話だけにとても心配だ。
[アドバイス]
発電量、売電価格、収入が得られる根拠などについて販売業者にしっかり説明を求め
ましょう。機器はメーカーによっても差があるので、複数社から見積りを取り、十分に
比較検討してから契約しましょう。また設備業界の協会などがありますので事前に相談
しましょう。
Case-6
契約
■クーリング・オフ期間が過ぎてしまったが解約できるのだろうか
訪問販売業者と外壁工事を契約後、販売業者に勧められ給湯器を契約し、さらに、発
電設備の設置を勧められ契約した。発電設備の設置には住宅の修理も必要と言われたが、
総額が高額となり支払いが困難と思われる。現時点でクーリング・オフ期間を過ぎてい
るが解決方法はあるのだろうか。
[アドバイス]
特定商取引法では訪問販売業者に様々な規制を設けており、クーリング・オフ期間を
過ぎても問題点があれば交渉が可能な場合があります。
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住宅用エコ設備 トラブル事例
Case-7
契約
■様々な設備を契約。後にもっと安くできることがわかり解約したい
販売業者から発電設備を設置しないかと勧誘の電話を受けた。販売業者が後日訪問し、
ローンを組んでも収支が月々 5,000 円プラスとなるシミュレーション表を見せてくれ
た。販売業者は新しい会社だったので潰れたらどうなるのかと聞いたところ「メーカー
とは 10 年契約」と安心さを強調した。その後発電機器導入のためには給湯機、調理器具、
屋根の塗装、葺き替えも必要ということで工事費用 500 万円を、15 年間 180 回払い
で契約した。
しかしその後、インターネットで調べると工事はもっと安くでき、売電もシミュレー
ションのようにならないことが分かった。夫と話し合いクーリング・オフすることに決
めたが、果たして適用になるのか。加えて契約の際、販売業者に渡した家の図面は返却
してもらえるだろうか。
[アドバイス]
このケースは、特定商取引法の訪問販売に該当し、クーリング・オフが適用となります。
販売業者と信販会社あてにクーリング・オフ通知を発信しましょう。販売業者あてには、
家の図面を返却する旨の記載も付け加えましょう。
Case-8
契約
■契約したのだが、契約内容に納得がいかず解約したい
ショッピングセンター内でエコ設備をテーマとしたイベントを開催しており、販売業
者に声をかけられ説明を聞いた。後日販売業者が来訪し説明を受け契約した。その後の
計画書で機器の設置位置に疑問を感じ、他の販売業者に確認すると、私が考えた設置位
置に取り付けが可能とのことであり、見積りも約半額だった。元の販売業者に不信感を
感じたので解約したい。契約時に工事完了確認書に署名捺印させられたが、まだ着工し
ていない。解約料を支払わずに解約できるだろうか。
[アドバイス]
こうした場合、契約の経緯と問題点を書面に記載して、販売業者と信販会社に送付し
て交渉する必要があります。時間が無い場合は、まず信販会社への連絡を優先させましょ
う。また、工事完了確認書などの書類は、完了確認前には決して捺印しないように注意
しましょう。
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住宅用エコ設備 トラブル事例
Case-9
契約
■白紙の委任状を渡してしまった。取り返せるか?
新聞の折込みチラシを見て販売業者に連絡した。売電も考慮し発電設備の導入を考え
たが、導入費用の総額が 300 万円で 10 年ほどのローンになると説明された。その導
入費用では収支的に厳しいと指摘すると 145 万円への値引きが提示されたので、そん
なに安くなるのならと契約の意向を固め販売業者に伝えると、白紙の委任状を含めた書
類に署名と実印を押すように指示され、6 枚を渡した。このやりとりの中で販売業者か
ら契約内容に関するメモ書き程度のものは渡されたが、まだ正式な書類は受け取ってい
ない。渡してしまった白紙の委任状が心配になったので返してもらいたい。
[アドバイス]
白紙の委任状などへの署名捺印は絶対しないよう注意しましょう。今回のケースでは、
責任者や本社に連絡して、渡してしまった白紙の委任状などの資料の返却を求めましょ
う。また、極端な値引きをする販売業者には気を付けましょう。
Case-10
契約
■契約は問題ないが契約書・保証書などの書類がもらえない
住んでいる地域を対象に発電設備のモニターを募集しているとの案内が届き興味が
あったので話を聞いた。パンフレットには、補助金の利用や売電収入により実質無料と
あった。導入に 20 年払いのローンを組むと分割支払手数料が 90 万円となり、高額と
なるため一括払いで契約をした。
各保証書や販売業者が倒産した場合の保険加入書類、電力会社との売買契約書などの
書類を請求しているが送ってくれない。補助金申請手続きの説明もなく、領収書は本社
に電話してようやく送られてきた状態。各種書類をもらうにはどうしたらいいか。
[アドバイス]
担当者の対応が悪い場合は、本社に電話して契約書などの関係書類を請求するほか、
文書でも通知、請求しましょう。また、補助金申請手続きに関しては、業者からの連絡
を待つだけでなく、発電設備の普及団体に連絡するなどして早急に確認しましょう。
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住宅用エコ設備 トラブル事例
Case-11
契約
■契約どおり着工されない場合、解約できるか
「住んでいる地域のモデル工事にしたい。設置工事費を安くするので発電設備を設置
しないか」と言われた。家業は酪農家で休耕農地の有効活用にと考え契約した。農地の
転用の手続きが必要であり、販売業者は農地を測量し、手続きをしたようだがその後な
んの説明もない。契約書どおりに着工されないため、不安になって調べてみると契約し
た販売業者の評判はあまりよくないようだ。このまま長期のローンを返済するのは不安
なので解約したいが、測量までさせておいて解約できるのだろうか。
[アドバイス]
契約書どおりに工事が進まない場合は、測量などが済んでいても債務不履行として解
約できる場合がありますので解約交渉しましょう。
Case-12
契約
■そんなうまい話はあるのか。契約するつもりはないが勧誘の電話が来た
販売業者から発電設備を設置しないかと電話があった。売電すれば初期の導入費用を
回収できると言われたが信用性はどうだろう。我が家は古く、発電設備を設置して建物
に影響がないか、立地場所の気候的に発電に向くのか、そもそも設置費用を売電で回収
できるといううまい話があるのか。
[アドバイス]
立地場所の気候条件によっては、売電で設置費用を全額回収することが難しいケース
もあります。事前に専門機関などのアドバイスを受けて十分に検討しましょう。また、
契約するつもりが無いのであれば、販売業者が訪問して来てもドアを開けずドアホンご
しにはっきりと断りましょう。
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住宅用エコ設備 トラブル事例
Case-13
契約
■契約した後に支払いが不安に
売電により初期の導入費用が回収できると販売業者に言われ発電設備を契約したが、
支払いが不安に。設備の導入費用は総額約 575 万円、25 年ローンで月々 31,874 円。1 ヵ
月の売電金額は約 3 万円なのでローンの支払いを賄えると説明された。その時、説明
に使ったシミュレーション書類は販売業者が持ち帰ってしまったが、本当にシミュレー
ションどおり行くのか不安に。高額な契約なので心配だ。
[アドバイス]
売電シミュレーションは機器設置状況や気象条件などに左右されるため、販売業者が
シミュレーションした内容で 25 年間安定して売電できるとは限りません。また、太陽
光発電モジュール(パネル)やパワーコンディショナーなど途中で交換費用などが必要
となる場合もあります。契約が不安であればクーリング・オフの手続きをしましょう。
売電や返済のシミュレーションについては、契約前にじっくりと検証しましょう。
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住宅用エコ設備 トラブル事例
Case-1
施工
■隣家への落雪はないと説明を受けたが落雪で迷惑をかけることに
なってしまった
太陽光発電システムについて、設置後の屋根からの落雪が心配だったが、販売業者か
ら落雪の心配は全く無いと説明を受けたので、信頼して導入を決め契約した。太陽光発
電システムを設置するまでは、落雪で隣家に迷惑をかけた事がなかったが、設置後、落
雪によって隣家の壁を傷つけてしまった。
販売業者へ連絡をしたが、来訪対応もしてくれなかったため、自ら他の業者を探し、
自費で落雪防止の塀を取り付けた。販売業者の説明不足により塀工事を余儀なくされた
のだから、既に取り付けた塀の工事費用を負担してもらいたい。
[アドバイス]
事前の説明とは異なり結果的に落雪したのであれば、販売業者による虚偽説明となる
可能性があります。来訪対応がなく、やむを得ず自費で取り付けた落雪防止の塀や追加
工事について、販売業者に費用負担や解決策について交渉しましょう。
不安に思うことは予め確認し、複数の販売業者や建築関係の専門機関に相談するなど、
万が一の場合も考え、十分納得した上で導入しましょう。
Case-2
施工
■販売業者のトラブルの対応は良いのだが今後が心配だ
3年前に太陽光発電システムの訪問販売業者から勧誘時に家の図面や、周りを全て見
てもらい、問題なく設置できると説明を受け契約した。
設置した年に隣家の敷地に落雪したので販売業者へ苦情を伝え、雪止め装置を設置し
てもらったが、今度は雪止め装置ごと落雪し、隣家の物置が壊れてしまった。
雪止め装置の留め具を増やし、再設置してもらい落雪は無くなったが、また落雪する
のでは、と心配になり相談をしたところ、一番下の段のパネルを外せば落雪の心配はな
くなると言われたが、パネルを外す費用やパネルの処分は有料となると言われ納得でき
ない。
[アドバイス]
販売業者が責任を認め既に落雪しない対処もしており、昨年は落雪しなかったため、
これ以上の対処を求めても応じない可能性があります。建築関係の専門機関などに屋根
や太陽光発電パネルの状況を確認してもらい、助言を受けて対応方法を検討しましょう。
また、契約時には、補修の範囲などについて予め明確にしておきましょう。
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住宅用エコ設備 トラブル事例
Case-3
施工
■築 20 年。パネルの重さに耐えられると説明を受けたがダメだった
太陽光発電システムの設置を考え、築 20 年の古い我が家でも600kgの重さがあ
る太陽光発電パネルの設置が問題ないか、販売業者に家の図面などを確認してもらい、
問題がないとの説明を受け契約した。
しかし、設置後、部屋の戸やクローゼットの戸が閉まらなくなった。販売業者からは、
急にゆがんだのであれば太陽光パネルの設置が原因の可能性もあるが、住宅そのものの
構造が悪くてゆがんだ可能性もあると説明された。
[アドバイス]
太陽光パネルの設置は設備自体の重さが大きく、設置後のトラブルになるケースもあ
ることから、建築指導センターや建築士事務所協会など建築関係の専門機関などへ相談
し、十分検討した後に契約することが必要です。
Case-4
施工
■太陽光発電パネルが原因で強風時に異音。
いろいろ相談したいが業者が倒産してしまった
太陽光発電システムの設置工事完了後から強風時に異音がしたり、屋根全体の揺れを
感じるようになったため、販売業者に何度か修理をしてもらって様子をみていた。その
後、再度強風で同様な状態になったので、販売業者に電話をかけたが電話が全く繋がら
ず、インターネットで調べたところその販売業者が倒産したことを知った。
発電システムには問題はないが、重い太陽光発電パネルが屋根の上にあるため心配で、
修理の必要性を知りたいがどうしたらよいか。
[アドバイス]
販売業者が倒産した場合、保険などを利用していなければ補償を求めることは困難で
あるため、自己負担で他社に修理を依頼しなければなりません。
こうした販売業者・太陽光電池メーカーなどの倒産時に対応する保険もあるので、 導
入前に補償内容など確認して加入について検討しましょう。
修理の必要性については建築指導センターや建築士事務所協会など建築関係の専門機
関に相談しましょう。
- 59 -
住宅用エコ設備 トラブル事例
Case-5
施工
■太陽光発電システムを設置後、無落雪屋根から雨漏りがするようになった
築 4 年の比較的新しい住宅の無落雪屋根に太陽光発電パネルを設置した。設置した年
の冬は大雪の後、屋根に積もった雪が融けたり、凍結を繰り返した影響で無落雪屋根に
設置されている水路が詰まり、水が溢れて天井裏から雨漏りがするようになった。
設置前には、こういったことはなく、設置業者や製造メーカー、住宅メーカーや板金
施工業者などと話し合い修理してもらえることとなったが、設置業者から「これ以降の
工事はしない、同意書にサインしなければ修繕はしない。」と言われている。また不具
合が生じたら困ると思っている。
[アドバイス]
建築指導センターや建築士事務所協会などの専門機関へ施工や雨漏りの状況について
相談し、一般的な補償条件や対応について相談しましょう。
契約時には、太陽光パネル設置後の雨漏りトラブル事例もあることから、これらの事
例を踏まえ、十分気を付けて販売業者や施工業者と事前に相談しましょう。
Case-6
施工
■屋根の上に設置はしたもののトラブル続きで今は屋根の上から取
り外している
太陽光発電システムの設置勧誘を受けた際、我が家は、特に積雪の多い地域であるため、
今まで以上に雪が積もらないかを確認したが、積雪状態は変わらないと説明を受け、信頼
して契約した。
設置後、以前より多くの雪が積もるようになり、屋根の雪下ろし頻度が増えてしまった。
また、家のきしみが発生するようになり、別の業者が外壁工事をした際、屋根に水溜りが
発見された。
太陽光発電システムの施工業者に屋根の修繕をしてもらったが、きしみや水溜りが出来
ることが心配で現在パネルは設置していない。また屋根に雪が降り積もると思われること
から、今後もパネルを載せる気はない。パネル代金を返して欲しい。
[アドバイス]
太陽光発電システムの導入は積雪による影響や設置物の重量を考え、建築指導セン
ターや建築士事務所協会などの専門機関に相談したり、複数の販売業者から説明を受け
るなど、十分な情報収集をし、納得した上で導入しましょう。
- 60 -
住宅用エコ設備 トラブル事例
小形風力発電
Case-1
■風力発電のブレードの影に対してクレームがきてしまった
自宅の敷地内に小形風力発電システムの設置を行った。一般家庭では珍しい風力発電
の導入後は発電能力も事前の説明どおりの発電量であり、また、心配していたブレード
の回転による低周波などの弊害もなく満足していた。
しかし、小形風力発電のブレードが回転する際に、隣家の窓へ入射する太陽光の妨げ
となり、日射がある時間は窓に影がちらつき煩わしいとのクレームが発生した。
[アドバイス]
小形風力発電の導入をする際には、発電量のシミュレーションや騒音の他、ブレードの
回転による影の影響も考え、設置の際は販売業者と設置位置などについても十分検討し契
約しましょう。
暖房・給湯
Case-1
■転居することになったら違約金を請求された
自宅に給湯設備の勧誘があり、給湯器設置の工事代を全て販売業者が負担すると説明
され設備を入れ替えた。工事費、人件費などの詳細内訳は分からないが、今まで毎月分
割で支払ってきていた。施工後 1 年経ったところで急に転勤が決まり、仕方なく自宅を
売る予定となった。販売業者に解約を申し入れたが、今解約すると違約金がかかると言
われ納得できない。
[アドバイス]
一部の給湯設備などの契約は、設備貸借契約になっている場合もあります。契約時に
給湯設備や燃料の契約書類の記載内容を十分確認しましょう。
一般的には、契約書面に解約の際に契約者と販売業者とでどのように費用の清算をす
るのかについて明確な記載がある場合は、その内容に従って解約処理することになりま
す。
契約の際は、しっかりと契約書類を確認し、不明な点は十分確認し納得した上で契約
しましょう。
暖房・給湯
Case-2
■我が家を含め3件限定の補助金という話を信用できるか
訪問販売業者から給湯器やコンロを、ヒートポンプ給湯器などにすれば、「給湯分の
費用を抑えることができる。」と説明された。販売業者が言うには、現在3件限定で補
助金が出るとの事だった。ヒートポンプ給湯器などの代金、工事費や補助金の内容を聞
いても具体的には答えてくれないが、信頼できる業者なのだろうか。
[アドバイス]
国や自治体の補助金制度については、3件限定で実施することは考えられず、販売業
者の説明に不備があります。契約する際には、詳細な説明を求めるとともに、複数の販
売業者から見積りを取るなど、十分情報収集をしてから契約しましょう。
- 61 -
住宅用エコ設備 トラブル事例
暖房・給湯
Case-3
■室外機の設置場所について業者が対応してくれない
訪問販売でヒートポンプ給湯システムの契約をした。施工業者の意見で、ヒートポン
プ給湯器の室外機を玄関の横に設置したのだが、室外機が思ったよりも大きく、また、
こんなに大きいと説明がなかったことから、邪魔なので家の裏に移設してほしいと伝え
た。販売業者は室外機を移設すると蛇口までの距離が長くなりお湯が冷める、また室外
機移設には新たに費用がかかると説明してきたがどうも納得できない。
[アドバイス]
契約をする際には、機器の大きさをしっかり確認し、設置後の状態を把握し納得して
から契約をしましょう。また、複数の販売業者の説明を受けたりし、設置場所について
もしっかり相談しましょう。
暖房・給湯
Case-4
■販売業者が補助金の案内をしてくれなかった
我が家で使用していた給湯設備が壊れたため、給湯設備を買い替えた。導入の際、販
売業者からは自治体の補助金制度の案内はなかった。その後、同じく給湯設備を導入し
た知人から自治体の補助金制度があることを聞かされた。
[アドバイス]
国や自治体によって実施状況は異なりますが、補助金制度を設定している場合もあり
ます。契約の際は、設備本体の性能説明はもちろんのこと、補助金制度の有無について
も確認する必要があります。給湯設備が壊れてしまい急な対応が必要になる場合でも
しっかりと情報収集をし、納得してから契約しましょう。
暖房・給湯
Case-5
■勝手にエコ給湯設備を設置された
我が家をリフォームした際に、家の中の給湯設備も一新したのだが、その際、施工業
者からは事前の説明もなくエコ給湯設備を設置してしまった。
熱源の指定はしたものの、通常の給湯設備とエコ給湯設備の価格や性能などの書類や
説明もなくそのまま設置されていた。
[アドバイス]
リフォームの際は様々な設備の入替が考えられるため一つ一つの確認がおろそかに
なってしまいがちですが、見積書や計画書などをしっかり確認し、どこにどのような設
備が導入されるのか把握し、給湯設備についても様々な選択肢の中から自分にあった判
断ができるようしっかりと情報収集しましょう。
- 62 -
住宅用エコ設備 トラブル事例の特徴
■太陽光発電のトラブル事例の特徴
太陽光発電ではトラブル事例を大きく 2 つに分類することができます。ひとつ目は「契約」に
関するものでふたつ目は「施工」に関するものです。
まず「契約」に関してですが、太陽光発電システムの本体費用、工事費用に加えてオール電化
などの工事を同時にするケースもあり、その費用は 500 万円ほどになる例もあるようです。トラ
ブル事例では訪問販売での契約トラブルが多く、この場合、訪問販売業者の一方的な話や見積り
を信用するのではなく「複数の業者から説明と見積り」をもらうことがトラブル回避に繋がります。
訪問販売業者を全て避けるべきというものではありませんが、導入する際には、なるべくなら地
元に古くからある業者や大手のホームセンターなどの話も聞いてみましょう。
また、訪問販売の場合、特定商取引法によって契約後 8 日間は無条件で契約を解除することが
できます(クーリング・オフ制度)。契約した後に返済に不安があったり、金額が高額すぎて心配
な場合はお住まいの地域の消費者協会や役所に相談しましょう。
次に「施工」に関してですが、太陽電池モジュール(パネル)など、屋根に約 200 〜 500kg
もの重量物を載せることになるので、住宅の強度によっては施工ができない場合があります。自
宅の設計図等を活用し、何キロまでの荷重なら耐えられるか施工業者や建築の専門家などに相談
しましょう。特に北海道の場合、無落雪の屋根は多くの場合、冬期間の積雪の重さを考慮した強
度設計になっていますが、プラス 200 〜 500kg が耐えられるかどうか検討が必要です。最悪の
場合は住宅が歪んだり、屋根から水がもったり、モルタルの壁面がひび割れたりしますので、 も
しもの際の保証についても販売業者と話し合っておくことが重要です。
補助金などの助成金制度を利用する場合は販売業者が申請をしてくれるのか、また、売電など
の申請を業者がしてくれるのかということも、申請の手続きは煩雑ですのでこの件も忘れずに確
認しておきましょう。
■その他
太陽光発電や風力発電の場合、発電シミュレーション(試算)を業者から提示されます。これは
分かりやすく言い換えると一体どれだけ発電するのか、余った分をどれくらい売電していくら金額
的にプラスになるのかということだったり、導入することで月額これくらい節約になりますよ、と
いう試算ですが、太陽光発電の場合、地域による日照時間等も影響しますし、積雪で発電時間が短
くなる場合もあります。また、その他のエコ設備も「使用状況」によって節約量は変わってきます。
自分の都合のいいように解釈せず、客観的な資料を基に複数の業者によるシミュレーション(試算)
結果で判断しましょう。
- 63 -
トラブルを防止するために
一般向け
トラブルを防止するために -1
道民がトラブルに巻き込まれないために
特別寄稿
NPO 住宅 110 番
理 事 長
三木 奎吾
(敬称略)
- 65 -
トラブルを防止するために -2
わたしども NPO 住宅 110 番の運営母体は
北海道の地元住宅雑誌「Replan 北海道」です。
取材活動を通じて住宅問題のありかやその解決の
北海道はとくに「高断熱・高気密」という住宅が進化している
道筋などを知り得る立場です。また最先端の建築
技術の状況などもお伝えできる立場であると認識
しています。北海道はとくに「高断熱・高気密」
という住宅技術がもっとも進化している地域で
す。住環境性能という意味では北海道民はたいへ
ん豊かな選択環境を得ているといえるでしょう。
そうした立場から、全国のみなさんの住まいに関
する悩みごとに対し、専門知見を有する建築技術
者の協力を得て、インターネット上で「相談対応」
を行っているのです。と期を同じくして進行して
いるのでわかりにくくなっていますが、今現在は
国際的な市況が緩んで、石油価格は大きく下がっ
てきています。そういうなかで、どのようなエネ
ルギー源が「より安価で有利」であるか、という
ようなことは見通しが利きにくくなっています。
- 66 -
トラブルを防止するために -3
今回、北海道環境局様から、「エコ設備機器」
についての啓蒙をテーマとする活動が提唱され、
わたしどもにもお声かけをいただいたわけです
が、最初に抱いた直感は、
“設備選択は「住宅性能」とのバランスが大事”
ということです。これはきわめて当たり前のこと
設備選択は「住宅性能」とのバランスが大事
のようでいて、案外、抜け落ちやすいポイントで
す。NPO 住宅 110 番にも住宅設備に関する相談
が寄せられますが、その中にはせっかくの設備を
住宅の断熱・気密性能が低いために生かしきれて
いないのでは?と思う案件もあります。住宅設備
はどんなに高耐久性を謳っているとしても、限界
があります。必ず修理や交換が必要であり、また
メンテナンスも欠かせないものだと思います。一
方の住宅の方は、はるかに耐用年数が長く、しっ
かり建てられた住宅では今日、百年スパンの耐久
性を有しているものも珍しくはありません。今現
在、北海道で建てられている最新の「北方型住宅」
では、適切に維持管理がされれば、このような長
寿命がふつうに実現できています。住宅にとっ
て何が一番大切か、価値判断がしっかりなされれ
ば、住宅設備についての判断もまた、きわめて合
理的な範疇に収まってくるでしょう。だからこそ、
住まい全体について適切なアドバイスができる優
れたビルダー選び、ユーザー側の判断力が大切に
なってくるのです。
- 67 -
トラブルを防止するために -4
東日本大震災以降、ご存知のようにエネルギー
危機が現実化してきています。一方で急激な円
安と期を同じくして進行しているのでわかりに
くくなっていますが、今現在は国際的な市況が
緩んで、石油価格は大きく下がってきています。
大震災でエネルギーに対する危機感が浮き彫りに
そういうなかで、どのようなエネルギー源が「よ
り安価で有利」であるか、というようなことは
見通しが利きにくくなっています。
また太陽光発電についても震災後の急激な導
入政策が、大きく修正局面に入ってきています。
太陽光発電を屋根に乗せる受益者にかかる費用
を、多くの非受益者が電気料金として協同負担
するというシステムは、ドイツでも急ブレーキ
がかかってきています。いまかの国々では「系
統に迷惑を掛けない」太陽光発電利用が求めら
れていると言われます。そのようなやむなき情
勢変化のなかで、判断の自己責任は重要性が高
まります。
- 68 -
トラブルを防止するために -5
どんな設備機器も、それが万能というものはな
いと思います。それぞれに取捨選択すべきメリッ
トとデメリットがあります。たとえば基本性能が
低い建物では、ヒートポンプ技術がもたらす「低
温水循環暖房」というような、心地よく質の高い
取捨選択するメリット・デメリットを見極める
暖房技術が生かせません。低断熱住宅では大量の
熱エネルギーが必須であり、こうした先進的暖房
方式は使えないのです。
結論として、居住環境全体として見たとき、基
本は高断熱高気密という住宅性能要件がなにより
も優先し、それとのバランスで設備機器は選択さ
れるべきだと思います。
- 69 -
トラブルを防止するために
事業者向け
トラブルを防止するために -1
事業者がトラブルに巻き込まれないために
特別寄稿
一般社団法人北海道エコエネルギー技術協会
専 務 理 事 佐山 廣和
(敬称略)
- 71 -
トラブルを防止するために -2
太陽光発電システムをはじめ、再生可能エネル
住宅用エコ設備導入にあたって、施工業者がトラブルに巻き込まれないために
ギーを導入検討する住宅や、推進する省庁や自治
体が多い昨今、推進事業としての活動や、開始し
ようとされている事業者様も多いかと存じます。
展開されて日の浅い「再生可能エネルギー機器」
ですので、販売や設置でのノウハウが足らずお客
様にご迷惑をお掛けしたり、お客様との意識の違
い等、ボタンの掛け違えになどによるトラブルが
発生しています。お客様の安心安全の為に、機器
メンテナンスを含めたサイクルでのお客様との関
係を続けて行くことが、再生可能エネルギー関連
事業の肝になると考えています。
トラブルになりやすいトリガーは「設置前」。特
に再生可能エネルギー機器はまだ一般的とは言え
ない機器ですので設置前に出来るだけトラブル要
因を潰しておくことが大切です。事業者様の設置
技術や施工後の修理対応等は素晴らしいモノだと
存じますので、今回は導入に関する事をご説明申
し上げようと思います。
- 72 -
トラブルを防止するために -3
お客先より導入検討のお話があった際には、住
宅の強度や築年数、配管関係などをしっかりプロ
の目でアドバイスして下さい。築年数が古く、板
金を一度も張替えた事が無い住宅に、太陽光発電
設備の設置を行うと、後に張替えが必要になった
お客様が住宅用エコ設備導入に興味をもったら
際、太陽光発電システムの取外しが必要になりま
すが、これを行うと太陽光発電システムのメー
カー保障が受けられなくなるというケース。
大型のエコキュートや燃料電池システム、ヒート
ポンプシステムを導入しようとすると、設置時に
床の強度が耐えきれず床が落ちる。等良くある
ケース。
対応する販売施工の事業者様の負担も相当な事
になります。事前にしっかりチェックを行って下
さい。 また事前にチェックする事により、新しいご商
売になるかもしれません。屋根の工事も一緒に行
う、耐震診断も行う、床の改修を行うなど、住宅
延命に必要な事ですから、感謝されるかもしれま
せん。
- 73 -
トラブルを防止するために -4
実際の見積り時に、再生可能エネルギー機器で
は、分かりやすく説明するため、発電量/ガスや
灯油の削減量等、収益やお得になる試算をご提示
し、ご納得頂いて導入というケースが一般的です、
これは必ず行って下さい。
住宅用エコ設備導入の見積り試算には注意
ただし、太陽光発電の場合は、取り付ける方位、
場所、設置角度によって実際の発電量は異なりま
す。
シミュレーション通りには上手く発電しないケー
スも実際ありますから、しっかり説明し、ご納得
して頂いた上でご契約を結んで下さい。
- 74 -
トラブルを防止するために -5
意外と忘れがちなのは、近隣への配慮。新しい機
器群の為、知られていない配慮があります。
太陽光発電の場合、北海道では「パネル設置に
よる滑雪」。パネル面は非常に滑りが良いので、
住宅用エコ設備導入における意外な落とし穴
雪が隣家に落ちてしまう事があります。また設置
の向きによっては「反射光」により、近隣から「ま
ぶしい」とクレームが付く事もあります。
風力の場合、発電時の風切り音(タイプにより
ます)、風力発電=低周波発生というイメージ先
行もあり、設置と同時に低周波被害を問われる
ケースもあります。
大型の再生可能エネルギー設備設置の場合、稼
動音や稼動に必要なエネルギー源のタンク/貯蔵
庫などの設置場所にも注意が必要です。
無論まだまだ、潜む問題はありますが、クレー
ムの元は一番最初から隠れているものです。
設置前に的確に問題点を掴み、ご説明申し上げる
事により円満な信頼関係が生まれます。
再生可能エネルギーシステムは、これからの時代
に必要な設備ですので、しっかりした技術の習得
ももちろんの事ですが、潜んでいるクレーム要因
を掴み、事業者様同士で問題共有をされながら展
開される事を期待しております。
- 75 -
トラブルを防止するために -6[資料編]
■参考資料/「導入する前に気をつけたいこと」
太陽光発電や小形風力発電など、設備を導入する前には、自分の考えを整理し、家族の意見も
認識するすることの他、次の表の各項目について注意する必要があります。
また、子どもたちが自立したあとの暮らしをどう考えるのかなど、 長期的なビジョンを持って
おくことが必要です。
確認項目
太陽光発電や小形風力発電などの設備を導入する場合は目的をはっきりさせる。
(自家消費や余剰電力の買取など)
導入するにあたって設備の価格、設置までの流れなど基本的なことは把握する。
導入する設備は様々なメーカーの情報を比較しどのメーカーが良いか調べる。
高額な設備を導入する場合、住宅の断熱性能を上げるためのリフォームをした方が省エネになることもあるため、専門家にアド
バイスをもらう。
毎月の電気代や光熱費をきちんと把握しておく。特に夏と冬での違いについても把握する。
国、北海道、市区町村の補助金制度の有無を調べ、金額や申請書類・手順についても把握する。
買取制度での現在の売電価格はいくらで何年の保証を得られるか確認する。
施工費用は準備できるかどうか。ローンを使う際は無理なく返済できるか確認する。
※補助金は申請の数カ月後に振込される場合が多いので注意する。
イニシャルコストと売電、自家消費の収支をシミュレーションするなどして把握する。
日照時間や風の強さ、気温や積雪など自宅の環境では設備の効率が確保できるかどうか確認する。
※太陽光発電設備の除雪が必要になる場合もあるので注意する。
自宅の屋根の形状(三角屋根・無落雪)や設置する方角や場所についての計画の把握する。
※冬季の落雪の影響も視野に入れる。
太陽光発電設備を屋根にのせる場合、屋根の強度は設置物の重さに耐えられるかどうか確認する。
設置する設備が近隣に迷惑をかけないか確認する。
(風力発電の影・室外機の騒音によるトラブルなど)
設備の導入後のメンテナンスはどのようにしたら良いか、長く使うために把握する。
最初に説明を受けた業者にすぐに決めず、設備の導入にあたって複数の業者から見積りを取ったり、説明を聞いて検討する。
- 76 -
トラブルを防止するために -7[資料編]
■参考資料/「導入にあたって販売業者を選ぶためのチェックシート」
皆さんがご自宅に太陽光発電や風力発電などを導入する際に最初にコンタクトを取らなければ
ならないのが販売業者です。極力トラブルを避けるためにチェックリストを参考にしてください。
会社名
提案された設備(メーカー、機種名、出力)
見積り価格
チェック項目
メーカーの施工資格(メーカーによる施工研修を修了した業者に対して発行されるIDなど)を持っているか。
自社で施工管理しているか(確認することを推奨します)。
施工実績はあるか(施工例を見せてもらえるか)。
見積りの費用は高すぎたり、極端に安すぎたりしないか。
モニターやキャンペーンなど話に不自然な点がないか。
太陽光パネルや風力発電を設置する自宅の屋根などの現地調査は丁寧に行ってくれたか。
※屋根の上へのせる設備の重さについての説明はあったか。
設置工法(屋根の強度など)についての説明はあったか。
見積書に各設備の単体の価格や工事代金の詳細など全ての費用の明細が書かれているか。
発電量などのシミュレーションは施工する自宅の環境や状態、パネルや風車の実発電量などを反映した詳細なも
のか。
複数の設備(同一メーカー内でも良い)から施工する自宅、屋根の環境に最適なものを提案してくれたか。
設備の保証期間、付属品、消耗品の保証期間、その耐用年数についての説明はあったか。
保証内容は本体自体や付属品によっても違うため無償及び有償の範囲の説明をしてくれたか。
施工中や施工後のシステムに関する保証はあるか、保険の説明はあったか。
定期点検の有無や頻度についての説明はあったか。
自治体などへの補助金の申請手続きの方法の説明はあったか、代行はしてもらえるか。
施工全般で疑問点が残らない様、丁寧に説明してくれたか。
- 77 -
チェック欄
売電や電気のはなし
・売電の単価は国の制度で全国統一
………P79
・電気料金のメニューを知る
………P83
・助成金制度
………P82
・政府が推進するゼロ・エネルギーハウス
・HEMS でかんたんに省エネをする
・住宅の断熱・気密化リフォーム
………P85
………P87
………P90
・メモページ
………P92
・トラブル相談先
………P97
・住宅用エコ設備協力先紹介
………P98
- 78 -
固定価格買取制度 -1
売電の単価は国の制度で全国統一
■自宅で電気を作り、使わない分を売って収入にするのが売電
太陽光発電で電気を作る家庭では、自宅で使用する以外の電力を「売電」という形で買い取っ
てもらうことができます。日中など発電している時間帯は自家消費を上回った電力を売電し、逆
に発電ができない日没後は自家消費のための電力を今度は地域の電力会社から「買電」という形
で購入することになります。年間を通じて「売電−買電」で売る方が多かった場合は使った以上
にお金が入ってくるわけですから「売電収入」となるわけです。
太陽光発電の導入事例では回収が紹介されています。仮に 100 万円のイニシャルコスト(導入
費用)をかけてシステムを導入した場合、10 年間で 100 万円の売電収入があった場合はイニシャ
ルコストを全て 10 年間で回収したことになります。
導入前は毎月
1 万円の電気代
→
導入後は毎月の電気代 1 万円を差し引いて
1 万円の売電収入がった場合
→
本来家計から出費していた買電分1万円
+売電による1万円で「計2万円」の利益
作った電気をいくらで売ることができるのか(いくらで地域の電力会社で買ってもらえるのか)
ということが道民の皆さんにとってはやはり気になりますね。
太陽光発電や小形風力発電など 100 万円以上の大きな金額がかかるイニシャルコストとランニ
ングコストを加味して導入資金計画を立てる上では「将来にわたって発電した電気をいくらで売
ることができるのか」を導入前にしっかり調べておく必要があります。
次ページでは国が定める売電の金額「固定価格買取制度」について説明します。
- 79 -
固定価格買取制度 -2
■固定価格買取制度の仕組み
国の定める「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」は再生可能エネルギーで発電された電
気を、その地域の電力会社が一定の価格で買い取ることを国が約束する制度です。
電力会社が買い取る費用は「電気の利用者全員」から賦課金という形で集め、今はまだコスト
の高い再生可能エネルギーの導入を支えているのです。売電金額は、買電金額より高く設定され
ています。この差額は、地域の電力会社を利用する道民の毎月の電気料金に賦課金という名目で
上乗せされているものです。
この制度により、高い発電設備の設置コストも回収の見通しが立ちやすくなり、より再生可能
エネルギーの導入の促進が期待されています。
■再生可能エネルギー賦課金について
皆さんのお宅に毎月、電力会社から送られてくる請求内訳の中に「再生可能エネルギー賦課金等」
と記載された項目がありますが、この金額が地域の皆さんで負担する再生可能エネルギー固定価
格買取制度に当てられます。
=
毎月の電力料金
+
電気料金
再生可能エネルギー賦課金等
そして「再エネ賦課金等」とは再生可能エネルギー賦課金にプラスされて「太陽光発電促進付加金」が含まれます。
=
再エネ賦課金等
再生可能エネルギー賦課金
+
太陽光発電促進付加金
再生可能エネルギー賦課金とは「自身が使用した電気量(kWh)」×0.75 円/ kWh となり、
太陽光発電促進付加金とは「自身が使用した電気量(kWh)」× 太陽光付加金単価(円/ kWh)となります。
※太陽光付加金単価〜円/ kWh
北海道
東北
東京
中部
北陸
関西
中国
四国
九州
沖縄
0.04
0.05
0.045
0.03
0.04
0.03
0.05
0.05
0.04
0.03
※詳細については経済産業省資源エネルギー庁ホームページ参照
太陽光 付加金
http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/surcharge.html
■対象となるエネルギーとは
「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」が適用になる再生可能エネルギーは「太陽光」
「風力」
「地熱」「水力」「バイオマス」の 5 つで、条件としては国が定める要件を満たした設備を設置した
ものであり、かつ新たに発電をはじめるというものが対象となります。
発電した電気については「全量」が買取対象となりますが、住宅の屋根や敷地内に設置する
「10kW 未満の太陽光」の場合は、自分で消費したあとの余剰分が買取対象となります。
- 80 -
固定価格買取制度 -3
■買取価格と調達期間
買取価格や調達期間は各電源ごとに事業が効率的に行われた場合、通常必要となるコストを基
礎に適正な利潤などを勘案して定められます。具体的には中立的な調達資金価格等算定委員会の
意見を尊重し、経済産業大臣が決定します。
電源
[平成 26 年(2014 年)度]
調達区分
太陽光
風 力
洋上風力
地 熱
水 力
既設誘水路
活用中小水力
電源
買取価格 1kWh あたり
10kW 以上
32 円(+ 税)
20 年
10kW 未満(余剰買取)
37 円
10 年
20kW 以上
22 円(+ 税)
20kW 未満
55 円(+ 税)
-
36 円(+ 税)
15,000kW 以上
26 円(+ 税)
15,000kW 未満
40 円(+ 税)
1,000kW 以上 30,000kW 未満
24 円(+ 税)
200kW 以上 1,000kW 未満
29 円(+ 税)
200kW 未満
34 円(+ 税)
1,000kW 以上 30,000kW 未満
14 円(+ 税)
200kW 以上 1,000kW 未満
21 円(+ 税)
200kW 未満
25 円(+ 税)
バイオマスの種類
バイオマス
調達期間
買取価格 1kWh あたり
20 年
15 年
20 年
調達期間
メタン発酵ガス(バイオマス由来)
下水汚泥・家畜糞尿・食品残さ由来のメタン
ガス
39円(+税)
間伐材等由来の木質バイオマス
間伐材、主伐材
32円(+税)
一般木質バイオマス・農作物残さ
製材端材、輸入材、パーム椰子殻、もみ殻、
稲わら
24円(+税)
建設資材廃棄物
建設資材廃棄物、その他木材
13円(+税)
一般廃棄物・その他のバイオマス
剪定枝、木くず、紙、食品残さ、廃食用油、
汚泥、家畜糞尿、黒液
17円(+税)
※詳細は経済産業省資源エネルギー庁ホームページを参照
固定価格買取制度
http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/
- 81 -
調達期間
20 年
助成金制度 -1
助成金制度
■助成金制度
再生可能エネルギーを導入するシステムとして太陽光、風力、地熱、水力、バイオマスがある
と本書ではご紹介しましたが、導入時のイニシャルコストとして必要な金額はエコジョーズ、エ
コフィールなどは約 20 万円から、太陽光発電や地中熱ヒートポンプなどは約 300 万円までとそ
のシステム機器によって大きく違います。(※ここで紹介した金額は、おおよその導入費用例です)
家庭で導入する設備をどれに選択するにしても大きな導入コストが必要です。
この再生可能エネルギー導入に対しては、国や道内の各自治体が導入促進を図るために補助金
などの助成制度を用意している場合があります。地方自治体の補助金は、条件や金額が各自治体
で異なります。補助金を活用するためには、まず各自治体などに「補助金申請」を行う必要があ
ります。各自治体では提出された書類を審査のうえ、予算の範囲内で交付します。
お住まいの自治体ごとに補助金の有無、申請回数、募集期間などが異なります。
詳しくは、北海道庁ホームページ「省エネルギー、新エネルギー関連助成制度一覧」
北海道 省エネ 助成制度
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/kke/sene/jhoseiseidoichiran.htm
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電気について -1
電気料金のメニューを知る
■電気のメニューにはどんな種類がある?
北海道の一般家庭は、北海道電力と電気需給契約をするということになりますが、一般的に知
られているのは「契約アンペア数」によって基本料金が異なるというものです。
従量電灯電気料金メニュー
仕様
対象施設
従量電灯 A
従量電灯 B
最大電流5アンペア以下で電灯
契約電流が10・15・20・30・
または小型機器を使用する場合
40・50・60A(アンペア)で
電灯、小型機器を使用する場合
アパートなどの集合住宅の共同灯など
一般家庭など
従量電灯 C
契約容量が6k VA 以上50k VA 未満
で電灯または小型機器を使用する場合
大型住宅、小売店、医院など
またその他のプランとして、時間帯別電灯(ドリーム8)、ピーク抑制型時間帯別電灯(ドリーム
8エコ)、3時間帯別電灯(eタイム3)など、時間帯により適用となる電力量料金単価の異な
るものや、雪が多い地域やご使用量の多いご家庭を対象とした融雪用電力A・B(ホットタイム
19・22)、雪が少ない地域やご使用量の少ないご家庭を対象とした融雪用電力C・D(ホット
タイム19エコ・22エコ)、さらに電気暖房機などを使用するご家庭を対象とした融雪用電力L
(ホットタイム22ロング)など多様です。
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電気について -2
■電気のメニューにはどんな種類がある?
前ページで紹介した北海道電力「従量電灯A・B・C」の料金表です。この表を見ると平成
27年4月からの料金単価が確認できます。
料金単価(税別)
種別・区分
単位
従量電灯
基本料金
最初の 9kWh まで
A
基本料金
上記超過 1kWh
基本料金
従量電灯
B
電力量料金
C
電力量料金
従量電灯
平成 27 年 4 月 1 日から
279 円 19 銭
23 円 54 銭
10A
1 契約
334 円 80 銭
15A
1 契約
502 円 20 銭
20A
1 契約
669 円 60 銭
30A
1 契約
1,004 円 40 銭
40A
1 契約
1,339 円 20 銭
50A
1 契約
1,674 円 00 銭
60A
1 契約
2,008 円 80 銭
最初の 120kWh まで
1kWh
23 円 54 銭
120kWh をこえ 280kWh まで
1kWh
29 円 72 銭
280kWh をこえる分
1kWh
33 円 37 銭
最低月額料金
1 契約
246 円 24 銭
基本料金
1kWh
334 円 80 銭
最初の 120kWh まで
1kWh
23 円 54 銭
120kWh をこえ 280kWh まで
1kWh
29 円 72 銭
280kWh をこえる分
1kWh
33 円 37 銭
■一般家庭のアンペアで基本料金が大きく変わる
ご家庭の状況に合わせた適正なアンペア数を算定するため、北海道電力のホームページ内にあ
る「アンペアチェック」で一度チェックしてみることをお勧めします。
LEDバックライトの液晶テレビや、冷蔵庫などの省エネ家電、LED照明の導入でご家庭の消
費電力が契約時と大きく変わっているかもしれません。まずはアンペアチェックをしてみましょう。
北電 アンペアチェック
http://www.hepco.co.jp/userate/comtract_change/ampere_check/start.html
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ゼロ・エネルギーハウスとは -1
政府が推進するゼロ・エネルギーハウス
■政府は平成32年(2020年)を目標にゼロ・エネルギーハウスを標準的な新築住宅に導入
平成 25 年(2013 年)6 月に閣議決定された「日本再興戦略」では、2 つ目の戦略の柱である
「クリーン・経済的なエネルギー需給の実現」の中で、「住宅・ビルの省エネ基準の段階的適合義
務化、既存住宅・ビルの省エネ改修の促進、トップランナー制度の適用拡充、ネット
(正味)
・ゼロ・
エネルギー化などを図る」と明文化されています。この戦略のうち「省エネ基準の義務化」の目
標として平成 32 年(2020 年)までに、ゼロ・エネルギーハウス (ZEH: ゼッチ)を標準的な新
築住宅として導入を促進する方針を発表しました。
ZEH とは、エネルギーを全く使わない住宅ということではなく、高断熱性能住宅、太陽光発電
などの省エネ設備機器とHEMS(87 ページで説明)などを組み合わせて住宅に導入することに
よって、暖房・冷房、給湯、照明、調理器具などの住宅設備に係わる年間のエネルギー消費量が
おおよそゼロとなる住宅のことをいいます。つまり、エネルギーを消費しないのではなく「太陽
光発電などの設備で作りだしたエネルギーで、全てのエネルギーを賄ってしまう住宅」というも
ので、総発電量より消費電力が少なく、売電できるということも目的とされます。
また、太陽光発電など再生可能エネルギー設備導入によるゼロ・エネルギー住宅が使うエネル
ギーは、CO2 の発生しない再生可能エネルギーで発電するため、電気事業者などから買電して生
活する通常の住宅より、CO2 排出量を下回ることができます。
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ゼロ・エネルギーハウスとは -2
■ゼロ・エネルギーハウスのイメージ
賢く使う
エネルギーを作る
(省エネ家電)
エネルギーを
(発電する)
コントロール
(HEMS)
高断熱住宅
(高効率)
貯める
(蓄電バッテリー)
省エネ
(節約・意識)
消費する
エネルギー
−
作った
エネルギー
≒
0
ゼロ
■スマートハウスとは
スマートハウスとは、1980 年代にアメリカで生まれた近未来型住宅のエネルギー概念で、住
宅内の家電や設備機器を総合的にコントロールするネットワークで結び、住宅内の電力やガスエ
ネルギーを最適制御し、生活者のライフスタイルやニーズに応じたサービスを構築するものです。
日本ではトロン電脳住宅と呼ばれるシステムが話題となった 1990 年代のホームオートメー
ションブーム、当時の松下電器産業が提唱した HII ハウスが話題となった情報家電ブームに続き、
2010 年代にはアメリカのスマートグリッドの取組をきっかけとした、地域全体や住宅内のエネ
ルギーを最適コントロールする住宅として再認知が進んできています。
商品的には HEMS (Home Energy Management System 〜 P87 参照 ) と呼ばれる各家庭
単位のエネルギー管理システムで太陽光発電や家電の使用、蓄電池、電気自動車など電気をエネ
ルギーとする機器を、スマートフォンやコンピュータ端末からコントロールできる住宅として国
内各メーカーが開発を進めています。
地球規模で環境問題を考える今、省エネを行動だけではなくシステムコントロールによって、
総合的にエネルギー消費を抑えるスマートハウスが注目されているのです。
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HEMS(ヘムス)とは -1
HEMS でかんたんに省エネをする
■ HEMS(ヘムス)ってなんだろう
最近耳にすることも多くなってきた HEMS(Home Energy Management System(ホーム
エネルギー マネジメント システム))とは、住宅用の「エネルギーを管理するためのシステム」
のことをいいます。
このシステムは、コントロールパネルなどによる電力使用量の可視化、節電(CO2 削減)のた
めの機器の使用状況コントロール、太陽光発電、風力発電、地中熱ヒートポンプなどの再生可能
エネルギーや、蓄電池、ガスや水道などのコントロールを行うもので、エネルギー管理システム
「EMS」を基本とするものです。
HEMS( ヘ ム ス )
EMS を元に住宅用の管理システム
BEMS( ベ ム ス )
商業ビル向けの管理システム
FEMS( フェムス)
工場向けの管理システム
CEMS( セ ム ス )
HEMS、BEMS、FEMS の三つを含んだ地域全体のコントロールシステム
HEMS でエネルギー管理するためには、様々な状態をモニタリングするセンサーが必要になり
ます。住宅内にある HEMS の管理対象すべての機器にモニターなどを配線をする事は現実的では
ないため、有線と無線との併用が必要です。現在センサーの情報を収集するための通信方式として、
無線 LAN などを使用してパソコンやスマートフォンなどで機器のコントロールや情報収集できる
方式が脚光を浴びています。無線化により有線などの費用が不要となり導入費用を安く抑えられ
るようになってきています。
- 87 -
HEMS(ヘムス)とは -2
■ HEMS の概念
基本は HAN(Home Area NetWork)と連動し住宅内のエネルギー管理をするためのシステ
ムであり、電力使用などを効率化することや使用量を見える化することなどで、節電や CO2 排出
削減に役立ちます。
つまり HEMS は省エネとエネルギー利用の快適性を実現するための最先端の省エネ技術です。
太陽光発電や燃料電池、 風力発電などで発電された電気をリチウムイオンバッテリーのような
蓄電池に蓄えて使用することを想定した場合、HEMS 導入により発電量と蓄電量、使用量をリア
ルタイムで把握でき、より効率的な運用ができます。
また、住宅内の家電製品がどの時間帯でどれくらい電気を消費しているか、リアルタイムで消
費する電力量を把握しコントロールすることによって、より細かな電力管理が可能になります。
他にも、電気自動車のバッテリーの残量の把握や充電のタイミングをコントロールしたり、家
庭用の電源として活用するなどというアイデアもあります。
現在、経済産業省では HEMS 導入促進のために助成金制度を設けるなどしています。
HEMS 機器は、家電の相互接続性を実現することで、混在する複数メーカーの家電製品でシス
テムを構成することが可能になり、より利便性が向上します。現在、国内では住宅内の家電製品
のコントロールの規格として、Echonet Lite 規格があります。
■家庭の家電製品をコントロールする HEMS(ヘムス)のアプリケーション例
・スマート電源タップ
電源コンセントごとの消費電力の監視と電源のオン・オフ制御
・スマートライティング
照明の消費電力の監視と電源のオン・オフ・調光制御
・太陽光発電
太陽光発電システムなどの発電量の監視と発電効率化の制御
・燃料電池
燃料電池システムなどの発電量の監視と発電効率化の制御
・スマート蓄電
家庭用蓄電池(分散蓄電)の蓄電量の監視と充放電の制御
・スマート家電
家電のリモートコントロールや稼働状態の監視
・EV 充電
電気自動車の充電制御と家庭用電源としての活用
・スマートメーター「B ルート」
電力使用量の監視
■太陽光発電設備設置の際の留意事項
太陽発電設備などの住宅用エコ設備を設置する際、電力小売り自由化の開始やスマートメーターの普及を見据え、
今後の HEMS の必要性を認識し、その導入ための機器などについて事前確認することが必要です。
太陽光発電設備において、HEMS を後日設置する場合、モニターや端末、回線の増設、配線のやり直しが必要と
なり、機器代や工事費などの追加費用が発生する場合がありますので、販売業者・施工業者などは、消費者に対す
る十分な説明が必要となります。
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HEMS(ヘムス)とは -3
■国内メーカーの HEMS 例
HEMS は家の中の電気エネルギーの消費を
■ HEMS 見える化モニター例
コントロールするシステムですが、そのコント
ロールパネルのデザインが国内メーカーのモニ
ターシステム例では「動物キャラクター」を採
用することなどで視覚的にも楽しい電気の見え
分岐回路瞬時値表示
1
2
3
る化など工夫がされています。
4
HEMS の見える化モニターの例として右の
図では、瞬間的に住居内の家電製品が電気をど
2015.3.10 /18:23
リビング・エアコン
300w
子ども部屋 A・エアコン
60w
エコキュート
900w
子ども部屋 B・エアコン
0w
キッチン・IH
1500w
リビング床暖房
500w
リビング照明・
100w
ロードヒーティング
1300w
寝室・エアコン
100w
↑戻る
メインメニューへ
れだけ使っているのかが場所や使用電力量な
どの項目でひと目でわかるほか、このモニタリング機能を使うことで、 外出先からスマートフォ
ンなどで機器を個別にオン/オフができたりします。
例えば、いないはずの子ども部屋のエアコンが消し忘れで動いていた場合、外出先からエアコ
ンの電源をオフにすることができるほか、自宅に帰る前にエアコンで暖房や、冷房をオンにした
りその他の家電をコントロールすることも簡単にできます。
また、見える化モニターではこの他の機能として動物キャラクターたちが「今月、今日、昨日」
といった電力使用データを元に設定した節電目標を達成したかどうかが、動物の動きでひと目でわ
かる工夫がされていたりし、子どもたちも見ることが楽しくなる演出がされているものもあります。
これによって子どもたちも節電に協力したり、省エネに対する興味がわいたりと「エコ育」の
効果もあり、家族全員が省エネに取り組むことが期待できます。この他にも太陽光発電システム
を導入した場合のシミュレーションも、モニターで確認が出来ます。発電量、使用電力量、蓄電
量がひと目でわかり、視覚的に今電気を買っているのか、 売っているのかがわかることで節電意
識や、発電の仕組みなども勉強できます。
■電力の小売り自由化
平成 28 年(2016 年)に予定されている電力の小売り自由化が実施されると、各家庭では、電力会社を選択す
ることができるようになります。電力会社によっては日中の電力使用ピーク時の電気代が高くなるなど時間帯別の
電気代メニューに対応し始める可能性があります。そうなると、安い時間帯に電気を使って、高い時に電気を節約
するという今よりも複雑な節電対策が必要になります。毎日時間ごとに、電気代の安い時間と高い時間を家族みん
なが理解し、手作業で節電するのは限界がありますし、毎日のことであれば節電することの負担が大きくなります。
HEMS があれば、電気代が最も安くなるように自動で制御してくれるようになり、さらに節電効果が高まることが
予想されます。
- 89 -
断熱リフォーム -1
住宅の断熱・気密化リフォーム
■エコ設備の導入のほか、 住宅そのもののリフォームでエコを考える
太陽光発電等の再生可能エネルギーや、効率よくエネルギーを使用するエコキュート・エコ
ジョーズ・エコフィールなど、住宅用エコ設備の導入によるエネルギー消費量の削減は、各家庭
でできるエコ・アクションと言えます。
各家庭でできるエネルギーの効率的な使用には、住宅用エコ設備導入の他にもう一つ「住宅」
そのものの断熱・気密化リフォームを行い、「熱を極力逃がさず、効率的に利用する」という方法
もあります。
例えば太陽光発電、地中熱ヒートポンプなど導入費用が 300 万円以上かかる場合は、住宅の断
熱性能を高めるというリフォームも選択肢として考えてみましょう。
断熱・気密化リフォームの目標水準は、次世代エネルギー基準と呼ばれる「少ない暖房エネルギー
で家中が暖かい住宅となる」という、住宅機能のレベルが望まれます。
そのため窓や玄関など住宅の開口部の高断熱化と、壁や天井、床等の断熱機能の強化に加えて、
高気密化のリフォームが必要となります。
住宅の断熱・気密化リフォームについてはリフォーム箇所が増えることで、費用も大きく違い
ますので、まずは現状の住宅の状態をしっかりと建築の専門家に見てもらい、窓だけ、壁だけと
いう各部分単位ではなく、住宅全体で連動性のあるリフォームをすることで費用対効果を高める
ことができます。
■道内の取組事例
道内では、道の「平成 26 年度環境・エネルギープロジェクト形成促進事業」として、株式会社土屋ホーム・北
海道ガス株式会社・株式会社土屋ホームトピアの 3 社で設立したコンソーシアムの「既存住宅のスマート化による
スマートシティ推進事業」で開発された全国でもまだ例のない(平成 27 年 3 月現在)、既存住宅のリフォームに
よるネットゼロエネルギー化を実現したリフォームモデル住宅が完成し、公開されています。
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断熱リフォーム -2
■断熱・気密化リフォーム施工例
窓の施工例
既存の窓の室内側にもう一枚の窓(うち窓)を新たに取り付けるか、室外側に新
たに取り付けるという施工になります。
この他、ガラスを単板のものから複層タイプの断熱性の高いものに替えることで
も対応できます。
壁の施工例
一般的には既存の外壁材や断熱材を一時撤去してから、防湿気密材(ポリエチレ
床の施工例
間仕切りの壁下部の通気止めの処置を実施した後に、床下からボード状の断熱材
ンシート)を新たに施工し、さらに高性能グラスウール断熱材を入れて壁耐力材を
貼って通気層を確保した後に新しい外壁材を施工します。
を気密に張り上げます。
基礎コンクリートの外側にもボード状の断熱材を貼り付け施工します。
天井の施工例
既存の天井断熱材が厚さ 100mm 程度施工されている場合は、まず外壁・間仕切
り壁上部の気流止め(ビニール製の袋に入ったグラスウール材などによって)を実
施し、既存の断熱材の上に新しく断熱材を追加補充し、天井の断熱性を強化します。
■断熱・気密化リフォーム施工予算例
札幌市内の築 17 年の木造 2 階建て[床面積 130㎡(40 坪 : 車庫を含む)]の施工例。
性能向上工事
外壁の取替
断熱・機密
リフォーム前
リフォーム後
窯業系サイディング
窯業系サイディング張り替え
断熱材 : グラスウール 16K 100mm
断熱材 : 高性能グラスウール 16K 100mm
防湿シート:ポリフィルム 0.05mm
防湿シート:ポリフィルム 0.2mm
付加断熱材:押し出し発泡板 25mm
付加断熱材:押し出し発泡板 25mm B Ⅲ
天井
吹込グラスウール 200mm
吹込グラスウール 300mm
床
グラスウール 16K 100mm
グラスウール 16K 250mm
窓
樹脂サッシ(ペアガラス)とアルミサッシの混合
玄関
高性能樹脂サッシ
(Low-E 複層ガラス、アルゴンガス入り)
アルミ製断熱玄関ドア
高断熱アルミ玄関ドア
■断熱・気密化リフォーム予算概算 405 万円(坪単価 10 万円)※外装取替工事費含む
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Memo
- 92 -
Memo
- 93 -
Memo
- 94 -
Memo
- 95 -
Memo
- 96 -
トラブル相談先
■相談窓口
●施工・構造などの技術的な相談
一般社団法人 北海道エコエネルギー技術協会 事務局011-788-3224
相談受付時間 平日 1 0:00~12:00、1 3:00~16:00
専用フォームからもご相談を受付ています。
http://ecoene.org
NPO住宅110番
専用フォームからご相談を受付ています。
http://npo.house110.com/
一般社団法人 北海道建築指導センター
○札幌 011-222-6070
相談受付時間 平日 9:30~12:00、13:00~16:00
(お盆休み、年末年始を除く)
○旭川 0166-22-8894
相談受付時間 平日10:00~12:00、13:00~16:00
(お盆休み、年末年始を除く)
●契約・解約などに関する相談
お住まいの市町村の消費生活相談窓口へ
北海道立消費生活センター ○050-7505-0999(相談専用電話)
相談受付時間 平日9:00~16:30
(土日祝、年末年始を除く)
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住宅用エコ設備協力先紹介
[アイウエオ順]
○株式会社イノアック住環境
○株式会社コロナ
○札幌日置株式会社
○有限会社三素
○株式会社札促社
○株式会社長府製作所
○NPO住宅110番
○石油連盟北海道石油システムセンター
○公益社団法人全国消費生活相談員協会
○株式会社ディンプレックスジャパン
○有限会社トミタ
○豊臣グループ 豊臣工業株式会社
○パナソニックリビング北海道・東北株式会社
○有限会社フジガス燃料
○北海道エコエネルギー技術協会
○北海道ガス株式会社
○一般社団法人北海道消費者協会
○有限会社ヤギアンドカンパニー
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北海道環境生活部環境局地球温暖化対策室
〒 060-8588 札幌市中央区北 3 条西 6 丁目 TEL:011-204-5189(ダイヤルイン)FAX:011-232-1301
URL http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/tot/index.htm
平成 27 年(2015 年)3 月発行