エッグカウンター TG110PM ユーザーズマニュアル

TG110PM ユーザーズマニュアル
第
1
版
設置あるいはご使用になる前に、このマニュアルをお読みください。
お読みになった後は、いつでも使用できるように大切に保管してください。本マニュアルは、
エンドユーザー様のほか、販売会社様向けにもご利用いただけるように、詳しい内容となっ
ております。
取付け例
(ご注意)
本書に記載されている事項は、将来予告無しに変更することがあります。
大杉株式会社
滋賀県草津市笠山 1 丁目4-9
TEL:077-563-6060(代表)
FAX:077-565-3370
はじめに
TG110PM
TG110PM は、鶏卵カウンター専用に自社独自で開発した光電式センサーアレイと高性能マイコン
を搭載した先進の鶏卵計数カウンターです。
TG110PM の性能を100%引き出すには、本マニュアルに従い、正しく設置し、日常にメンテナンスを行うことが
不可欠です。どうか、このマニュアルをぜひお読みいただき、十分に本機の使用方法をご理解下さる様お願い申
し上げます。また、いつでもご利用いただけるよう、大切に保管しておいてください。
安全にご使用いただくために

記号の見方
本書では、次の記号を用いて重要な部分がひとめでわかるようにしています。必ずお読みください。
警告
ここに記載されている事項を遵守しない場合、身体に危害(感電、やけどなど)を被ることがあり
ます。
注意
ここに記載されている事項を遵守しない場合、製品の故障(あるいは誤動作)につながる恐れがあ
ります。

一般的な注意事項
・ 始業または操作時には、本機の機能および性能が正常に動作していることを確認してからご使用くだ
さい。
・ 当社製品が万一故障した場合、各種の損害を防止するための十分な安全対策を施してご使用くださ
い。
・ 使用に示された規格外の使用、または改造された製品については、機能及び性能の保証はできかねま
すのでご留意ください。
・ 当社製品を他の機器と組み合わせてご使用になる場合、使用条件、環境等などにより、機能及び性能が
満足できない場合がありますので、十分ご検討の上ご使用ください。
・ 人体の保護を目的とした使用はしないでください。
TG110PM の特長

TG110PM
簡単に設置
集卵用バーコンベアに設置して、本機の下を通過する鶏卵数をカウントします。コンベアからの高さ
を合わせて固定し配線すれば、設置完了です。

高精度
センサー部には、自社独自に開発した非接触式の光電センサーを採用しています。センサー間隔を従
来機の約半分(16mm間隔)にして、カウント精度を向上させています。

メンテナンスが簡単
TG110PM 本体は、片手で簡単に持ち上げられますので、センサーのお手入れも簡単です。
(写真は、TG510のものです)

最新RISC型マイコンを搭載
TG110PM 本体には、先進の8ビットRISC型マイコンを搭載。
センサーで読み取ったエッグデータを高速処理し、卵数データを確実に出力します。
システム構成

TG110PM
機器構成
TG110PMのカバーを外すと図-1のように、電子機器が並んでいます。
各機器の接続を簡単に書くと図-2のように接続されています。
CPUボード
センサーボード
I/O ポート
図-1
警告
基板部分には直接手を触れないでください。
感電の恐れがあります。
図-2
システム構成

TG110PM
各構成部品の説明
CPU ボード
・・・マイコンを搭載した基板です。
それぞれのセンサーの入力信号を取り込み、画像処理を施すことにより卵数を計算していま
す。画像といっても、テレビのような映像ではなく、一定時間ごとのセンサーのON/OFF状
態をマイコン内部でマッピングして、卵の形状を1個づつ認識できるように演算処理し、個数
を計算しています。
I/Oポート・・・本機と外部機器(たとえば、カウント表示器など)とのインターフェースです。
センサーボード
・・・本機のセンサー部は、赤色LEDを使った光電式センサーを採用しています。
赤外線では光源が目で見えないため、赤外線に近い可視光である赤色光源を使
用しています。
本機は、センサー1個づつをほぼ同じ検出距離になるように細かく調整してあ
ります。赤外線では、光源が見えないためにこの調整が困難なため、赤色光を使
用しているわけです。
注意
高精度を維持するため、このようにセンサーを微調整してあります。センサーアンプボード
の調整用ボリュームは絶対に回さないでください。
TG110PM 仕様
TG110PM
TG110PM の一般仕様および性能仕様について説明します。

一般仕様
・ 入力電源電圧
DC24V±10%(必ずスイッチング電源を使用してください。)
・ 消費電力
5W以下
・ 使用周囲温度
0~40℃(氷結しないこと)
・ 使用周囲湿度
40~85%RH(結露しないこと)
・ 保存周囲温度
-5~60℃(氷結しないこと)
・ 外装ケース
SPCC、ユニクロームメッキ仕上げ

性能仕様
・ 検出方式
反射式光電センサーによる、鶏卵画像検出
・ センサー光源
高輝度赤色LED
・ 取付コンベア有効幅
150mm以下
・ 適用コンベア速度
40~120mm/sec(コンベアは反転しないこと)
・ 適用鶏卵(白玉)
SS~LLサイズ相当の大きさ
・ 適用鶏卵(赤玉)
S~LLサイズ相当の大きさ(色により変化します)
・ 出力信号
ALL信号
・・・
カウンターを通過した総数
RUN信号
・・・
カウンターの正常動作を確認する信号
・ 入力信号
IRST入力
(ピーク波長:626nm)
・・・
カウンターをリセットする信号
【 アドバンス 】
※
出力は、オープンコレクタ出力です。(定格負荷、DC30V 10mA以下)
入力は、DC24Vコモンのシンク入力です。
不明な点は、弊社までお問い合わせください。
TG110PM 外観図
TG110PM
図―3
TG110PM の設置

TG110PM
設置の手順
下記の手順でTG110PM を正しく設置します。
スタート
1) 取付板間隔の調整
2) 設置高さの調整
3) コンベアへの固定
4) センサー位置と有効センサー幅の調整
5) 外部機器への接続
6) 計数の確認と微調整
エンド
TG110PM の設置
TG110PM
※本書の図は、TG510 のものを使用していますが、設置方法は同じです。
1)
取付板間隔の調整
図7のように、2枚のコンベア取付板の間隔を測定し、取付板を固定しているネジを緩めて取
付板の間隔をコンベアのフレ-ム幅に合わせます。
取付板
固定ネジ
図―7
図-8,9のように、取付板の固定ネジ(M5)を緩めて(外さないこと!!)、さらにスペーサも
緩めて取付板の間隔を合わせます。
レール
図-8
図―9
取付ネジ
スペーサ
スペーサは、レールに沿ってスライドしますので、容易に調整が行えます。
ガイド
図9-1
TG110PM
2)
ガイドを図 9-1のように取り付けます。
3)
設置高さの調整
(65→64mmに変更 05/09/06)
カウンターの設置高さは、図-10に示すように64mm が基準寸法となります。
カウンター底面
64~65
レンズ
卵
コンベアバー
図-10
図-11
高さ調整用治具
図-12
レンズに当らないように!
図-11の高さ調整治具をカウンター左右のはさんで、集卵コンベア上に乗せます。
治具は、高さ64mm ですので、この治具をはさんだ状態で、取付板をコンベアに固定すれ
ば、OKです。(高さ調整治具は付属しません。以下の寸法を参考に製作ください。)
TG110PM の設置
4)
TG110PM
コンベアへの固定
図-13のように、コンベアに取付板を固定します。
図-13
コンベアフレーム穴
M6~M8のメートルネジ、あるいはタッピンネジで固定
ヨシダエルシス殿製コンベアに取り付ける場合は、付属のM8ネジを使い、コンベアフレー
ムの穴に取り付けていただければ、結構です。
前項で、電源を投入すると、センサーの赤色LEDが点灯します。、卵が通過していないのにセン
サーが反応している、すなわち、コンベアフレームやガイドでセンサーが反応していないか確認
してください。
たとえ、現在反応していなくても将来的に反応する恐れがありますので、卵が流れるコンベアの
幅 (有効コンベア幅) より外側のセンサー線は、CPU ボード上で OFF して
ください。
このLEDが点灯した場合、センサーは物体を検出しています。TG110PM の下を卵が通過
していないのにこのLEDが点灯していると誤カウントします。
注意
有効コンベア幅より外側のセンサーが、反応していなくても、必ず、センサ
ーを OFF ください。
TG110PM
5)
外部機器への接続
図14 CPU ボード
上図の8極の端子台に0.3~0.5mm2のVCTFまたはMVVSで接続します。
接続端子は下図のように並んでいます。
警告
FG(GND)
DC電源のGND端子に必ず接続します。(必須)
DC0V
DC電源の0V(-V)端子に接続します。(必須)
DC+24V
DC電源の+24V(+V)端子に接続します。(必須)
IRST
リセット信号を入力します。(任意)
I/EX
入力予備端子(接続しないでください)
RUN
ONで正常動作(オープンコレクタ出力)
ALL
卵数カウント信号(パルス、オープンコレクタ出力
C/O
RUN、ALL信号のコモン
DC0VとDC24Vの逆接続は絶対にしないでください。
基板が焼損します。
TG110PM
MVVSの場合、シールドを使用します
表示器など
DC24V電源(5W以上)
TG110PM
GND
FG
+V
0V
-V
+24V
市販電子カウンタ(30Hz入力以上)
IRST
COUNT
I/EX
COM
RUN
※
※上記の太線は必ず接続してください。
入力仕様
ALL
無電圧入力の場合
C/O
1a
出力は、オープンコレクタ出力です。(定格負荷、DC30V 10mA以下)
入力は、DC24Vコモンのシンク入力です。
不明な点は、弊社までお問い合わせください。
・ カウント個数の出力は、パルス出力で、最大 5Hz(DUTY50%、パルス幅は 100mS)で
すので、高速カウンターなどを使う必要はありません。
・ ケーブルは、MVVSまたはVCTFを使用し、FG線は、スイッチング電源のアース端子に
必ず接続してください。
注意
FG線は、スイッチング電源のアース端子に必ず接続してください。
接続しないと、誤動作します。
・ IRST入力には、300mS以上のパルス信号を入力してください。なお、IRST信号を
入力した際にRUN信号をOFFします。RUN信号がOFFしている間は、カウンターの
赤色LEDは消灯しつづけます。
300msec
IRST H
L
200msec
RUN
H
L
LED
点灯
ON
OFF
リセット
リセット処理時間
200msec
TG110PM
6)
計数の確認と微調整
設置完了が、実際に 30~50個程度密集させた状態で卵をコンベア上に並べて計数の確認をして
下さい。以下の説明では、誤差が生じた場合の対応策を説明しています。
TG110PMの精度保証は、
さまざまな環境下での使用されるため致しておりませんが、実績で
は、99%程度の精度は出ると思います。新規取付時に精度が出ない場合は、設置高さかセンサー
位置と有効センサー幅の調整の不備のいずれかが原因です。
使用しないセンサー線は、次項を参考にセンサーをOFFしてください。
また、基準高さを64mmに設定していても、メーカーごとにコンベアの寸法が異なりますので、
設置高さが正しいとは限りません。
設置高さを調整するためのノウハウ
・ TG110PMのセンサーは、光電式で光源には赤色 LED を使用しています。一般に光電セ
ンサーは赤外光も含めて被検出体の色により感度が異なります。白色の被検出体の感度を1
00%とすると、茶色は TG110PMにおいては80%程度に低下します。(精度が80%
になるわけではありません。)
・ 設置高さが高すぎると、褐色の鶏卵が検出しなくなる傾向になります。
・ 設置高さが低すぎると、白色の感度が強すぎて卵の形状データとして正しく取込めず、誤カ
ウントする可能性があります(一般にカウント個数が少なくなります)。
・ 図-10 の基準の設置高さで設置したとしても必ず正しく計数するとは限りません。必ず、
実際の鶏卵で精度を確認し、微調整を行ってください。設置高さがコンベアに対して適切で
あれば、カウンタ精度は100±1%程度になるはずです。
・ 最も設置高さの微調整が要求されるのは、褐色と白色の鶏卵が混在する場合です。
・ 計数する鶏卵が褐色と白色が絶対に混在しない場合、褐色の場合は、標準の設置高さより 1
~2mm ほど低くし、白色の場合は、逆に2mm ほど高く設置すれば問題ありません。この
ことは、ピンク玉を混在しても、同様です。
・ 白色の卵において、計数が少なかった場合は、設置高さが低すぎるので、設置高さを1mm
あげます。通常白色の卵の場合、よっぽど設置高さが高すぎない限り計数が多くなることは
ありません。
・ 褐色の卵において、計数が多くなるか少ない場合、設置高さが高すぎるので、設置高さを1
mm 下げます。
ワッシャ
図-23
TG110PM
高さ調整は、図-23のように、取付のワッシャで行ってください。
低すぎた場合は、ワッシャ(M5)を追加してください。
注意
生み始めの卵、特に褐色のものは、計数できない場合があります。
7)
センサー有効幅の設定
センサーは全部で8個装備しています。センサーがカウントする幅からはみ出す場合は、はみ出したセ
ンサーの入力は、誤動作防止のため、必ず無効にする必要があります。
LED
上図は8点のセンサー入力状態がわかるLEDを示します。このLEDは有効・無効にかかわらずON/
OFFします。
ディップスイッチ
LED
たとえば、両端のセンサーを無効にしたい場合は、ディップスイッチの「1」と「8」をOFF(上図で下側)に
します。この場合、両側のセンサーがONしても上図LEDの両側「LED1」と「LED8」は点灯しません。
お手入れ(メンテナンス)【 重要事項 】
TG110PM
・ 本機は、光電式のセンサーを使用しています。光源を使用するセンサー類は一般的にほこりに弱い欠
点があります。取付位置は、通常鶏舎内で埃っぽい環境にあります。
・ 状況に応じて、期間を定め定期的にセンサーのレンズ部を乾いた柔らかい布、汚れのひどいときは水
を含ませ固く絞った布(場合によっては中性洗剤を含ませる)できれいに拭いてください。
【 アドバイス 】
レンズ部の全体がまんべんなく汚れていると、一般的にカウント個数は少なくなります。
・ カウンターに直接水等がかからないようにして下さい。故障の原因になります。
・ 清掃等で、水等が本機にビニールシート等でカバーしてください。また、電源を必ず切っておいてくだ
さい。
その他
TG110PM
【1】トラブルについて
1)
卵数カウントの精度が出ない。
・ 前々項の設置高さを調整するためのノウハウを参考に設置高さの調整を行ってください。
・ また、コンベアフレームにかかっているセンサーより外側のセンサー線を外しているか確認して
ください。
・ ケーブルの表示側のALL信号を接続する端子(+、-共)に緩みはありませんか。
・ センサーのレンズ部が汚れていませんか。
2)
赤色LEDが点灯しない。
・ 外部コネクタのケーブルのIRST+信号の線が、-信号と短絡していませんか。
・ DC電源が接続されていますか。
3)
コンベアが止まっているのに、卵数をカウントする。数が異常に多い。
・ カウンタのFG端子は、表示側のスイッチング電源のアース端子に接続されていますか。(改善さ
れない場合、他機器からのノイズの可能性があります)
・ ケーブルの表示側のALL信号を接続する端子(+、-共)に緩みはありませんか。
・ センサーのレンズ部が汚れていませんか。
※
その他、ご不明な点があれば、弊社開発部までお問い合わせください。
【2】保証について
・ 本機は、厳密な社内検査を経て出荷されておりますが、万一故障の節は、ご購入先あるいは弊社ま
でご連絡ください。
・ 納入後 1 年以内に製造上の原因に基づく故障が発生した場合は、無償で修理いたします。但し、取
扱の誤り、過失あるいは天災、火災などの不可抗力によって生じた故障については有償となりま
す。