第34回ミニサロン Q&A 1. 天秤、秤量に関して <山口大学工学部技術部 藤井幸江氏> 使用天秤: ME5 メーカー: ザルトリウス 吸湿しやすい試料を扱う上での工夫やコツなどがあればご教示頂きたいです。 2. CHN分析に関して <島根大学総合理工学研究科 江川美千子氏> 使用装置: CHNコーダーMT-6 メーカー: ヤナコ 使用済みの各充填剤(酸化銅や還元銅,銀粒など)は,それぞれどのように処理されてますか。 (現在,装置の使用頻度がそれほど多くはないので,使用済み充填剤は貯留してますが,いつかは 処理しなくてはならないので,他大学や事業所ではどうされてるのかお聞きしたいです。) <名古屋大学 林育生氏> 使用装置:2400II 全自動元素分析装置(CHNS/O 分析) メーカー: PerkinElmer 現在、この装置で測定をする際、試料の秤量を2.000~2.400mgで行うようにしています。この量は適量 でしょうか。 また、試料の量が多いと何か不具合はあるのでしょうか。例えば金属を含む錯体ならば、最大量は 何㎎まで大丈夫でしょうか。 <静岡県立大学薬学部 佐藤綾子氏> 使用装置:CHNコーダーMT-5 メーカー: ヤナコ分析工業 ホウ素化合物の分析について 1. 国産器で950℃酸素15%の条件で合うかどうか、 2. ホウ素の含有量との関係で合う合わないがあるのかどうか 3. 酸化銅粉添加で解決できるか 合った化合物の構造など公開できるようでしたら教えてください。 また、海外機で標準仕様で問題にならないのかどなたか教えてください。 3.ハロゲン,イオウ分析に関して <株式会社クレハ環境 安島直美氏> 使用装置・メーカー :ヤナコSQ-10+HSU-35+東ソーC-2010 ヨウ素を含むハロゲン一斉分析時において、吸収液は「過酸化水素とヒドラジンの混合溶」を使用して おります。ヨウ素単独で分析経験のある方がいらっしゃいましたら、どのような組成をお使いなのでしょ うか。また最適条件や測定ノウハウをご存知の方がいらっしゃいましたらご教授お願いします。 <名古屋大学 林育生氏> 使用装置:2400II 全自動元素分析装置(CHNS/O 分析) メーカー: PerkinElmer CHNSモードで硫黄分析の際、Hのシグナルが尾を引いているような状態であるため、硫黄分析結果に 影響を与えていると考えられます。この影響をシグナル値で補正する際、ユーザ・マニュアルに記載さ れている以外での方法がありましたらお教えください。 4.その他の元素分析に関して <名古屋大学 林育生氏> 使用装置:2400II 全自動元素分析装置(CHNS/O 分析) メーカー: PerkinElmer 酸素分析を行う際に、化合物の組成によって、異なるKファクタ値を示してしまいます。これは、測定方 法か装置の構造的な問題でしょうか。ご経験がある方がいましたら、ご意見、アドバイスをお願いしま す。 5.トピックス(新しい試み、工夫により解決した事柄等)、分析する上で気づかれた事(新しい試みとま ではいかないまでも、ちょっとした事でうまくいった事や失敗談など) <株式会社クレハ環境 安島直美氏> ヨウ素分析における失敗談です。 数10%ヨウ素含有試料の燃焼分析時の失敗談です。燃焼ガスを一斉分析と同じ吸収液(過酸化水素 とヒドラジンの混合溶)で吸収、フラクションコレクターで採取し、希釈後にIC測定しています。吸収液放 置時間が数時間経過したときのヨウ素濃度が数割低減してしまいました。理由は過酸化水素による酸 化反応の進行(ヨウ素分子の生成)に伴うヨウ素イオン濃度の減少かと思います。 吸収後は素早くIC測定する、または吸収液組成を再考する必要性を痛感しました。 <名古屋大学 林育生氏> 金属錯体を測定する際に、測定結果と理論値が一致しやすい場合とひと工夫しないと一致しない場合 があると思うのですが、金属の種類は何か関係あるのでしょうか。 <株式会社カネカテクノリサーチ 木山梓氏> 燃焼管式前処理装置(AQF-2100H)を使用し前処理を行ってから、イオンクロマトグラフ(ICS-2000)で アニオンを定量しています。定量下限値を下げようと、通常より燃焼させるサンプル量を増やしたところ、 燃焼装置の石英管に綿菓子のような白いものが付着しており、大変驚きました。メーカーによると、ア ルカリ金属やアルカリ土類金属を多く含む試料を燃焼させると、石英管の一部が腐食しウロコ状になる とのことでした。使用して間もない石英管をダメにしてしまい、非常にショックを受けました。 6.話題提供(元素分析に関連した興味深い話、日常業務で遭遇したちょっと聞いてほしい話など) <静岡県立大学薬学部 佐藤綾子氏> 使用天秤:ウルトラミクロ天秤 SE2 メーカー:ザルトリウス ここ1-2年、天秤測定中に急に秤量値が不安定になり秤量できない現象がおこります。サンプルが不 安定ではなく環境の変化もないので地盤が動くのではと思うようになりました。ちなみにスマトラ沖の地 震の時はたまたま近くに準教の先生がおられて冗談に天秤がおかしいので遠くで地震かもしれないと 話しておりましたら本当でした。先の元素分析シンポジウムでザートリウスの方に話したところ同じ時間 に不調の問い合わせが来たことがあるとのことでした。安定状態でないと使用の天秤は質量の表示を しないので、サンプリングには問題ないと言えるのかどうか不安を覚えます。他所ではいかがでしょう か?測っているタイミングで起こるので、なかなかキャッチできないかと思いますが。 <株式会社カネカテクノリサーチ 木山梓氏> イオンクロマトなど、クロマトグラムの解析で検出されたピークのベースラインを引くときに、範囲をどこ からどこまでにしていいのか迷うことがあります。ピークがテーリングしている場合は特に悩みます。ピ ークの立ち上がりは分かりやすくても、終わりをどこまでにしていいものかと。同じ成分については、ス タートとエンドの時間を同じにして、ベースラインを引いています。解析する人によって、個人差が出る のではないかと思います。みなさんは、どのようにされているのでしょうか?初歩的な質問内容で申し 訳ありません。 7.こんな講演が聞きたい、こんな事をミニサロンでやってみたらどうか等、ご意見・ご要望をお書きくだ さい <静岡県立大学薬学部 佐藤綾子氏> 元素分析計はどのように利用されているのか、依頼する側(研究者)の話や合成化合物以外の物を分 析されている方のお話しを聞いてみたい。 <京都大学化学研究所元素分析室 平野敏子氏> 依頼試料を分析して「本当にこの結果で良いのだろうか」と不安になる、という経験はどの分析者にも あると思います。天びん、装置の維持管理に細心の注意をはらい、ファクターや標準試料の結果をよく 確認し、はかり取りや試料導入も気をつけて分析したはずだけれど、何だか良い結果が得られない時、 それが「依頼試料のせいだ」ときっぱり断言できる人はあまりいないのではないでしょうか。 もし、一つの試料について、複数の分析者でそれぞれ分析を実施し、結果を持ち寄って検討することが できたらどんなに心強いことでしょう。 依頼試料として提供される量が微量になっているため、このような確認作業は不可能かもしれません が、何か特徴のある試料について、複数の分析者で分析結果を確認しあい、分析方法や装置特性に ついて検討する機会を持つことができたら、自信を持って日常の分析業務を実施できると思います。 難しい事かもしれませんが、何か良いアイデアはないでしょうか。 8.開催場所、開催日時などのご希望や、ミニサロンの運営全般に関するご意見をお書きください なし
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